画像の白黒の暗記ではなく,背景にあるメカニズムを説き起こすことで,なぜこのように見えるのかを解説した脳画像の見かたの入門書。疾患別の各論では症例ごとにCT,MRIの各種画像を並べて示し,モダリティや撮像法の違いによって,所見がどう異なって見えるのかを解説した。近年の国家試験出題傾向を踏まえ,脳卒中に加えて,頭部外傷,脳腫瘍,認知症,神経難病等の疾患を網羅。学生のみならず臨床に出てからも必携の1冊。
言語聴覚士学生のための教科書。初めて学ぶ学生および、近年の社会情勢、環境の変化に臨床STがついていくための知識を網羅する。STに必要な評価・訓練法はもちろん脳血管障害、進行性神経疾患、認知症、サルコペニアなど疾患の解説もくわしい。また脳性麻痺、口唇・口蓋裂など小児の摂食嚥下リハにも重きを置いたのが本書の特長である。STの専門性確立と多職種との協働のありかたを、各職種の第一線の執筆陣が解説する。
本書は、学習者が多義動詞「とる」を中心語とするコロケーションの習得過程において、どのような中間言語を形成しているか解明することを目的とした。研究に当たっては、学習者の中間言語を典型化、一般化、差異化の観点から複合的に捉えることを試みた。また、研究結果を日本語教育のコロケーション教材開発に活かすことを目指し、教材作成過程における留意点や練習問題の在り方等を提言した。
学問や言語治療の進歩および失語症を取り巻く変化と、言語治療の基本となる普遍的な理論・技術の解説を両立した教科書です。画像技術の進歩による言語の神経ネットワークや失語症の回復メカニズムの新しい知見、標準的治療として取り入れられるようになった認知神経心理学的アプローチ、活動や参加を支援する社会的アプローチなどを新たに盛り込みました。と同時に言語聴覚士をめざす学生を念頭に、基礎的知識・技術を理解したうえで、その実際的な臨床応用について学べる構成になっています。
1〜3章では失語症言語治療の基礎となる知識や臨床の基本概念を、4〜5章では失語症の症状と症候群を、6〜10章では評価診断から訓練・指導・支援までの臨床の展開方法について、理論的根拠を示し実践的に解説されています.さらに今版では学んだ知識と臨床の橋渡しとなる事例紹介、「言語聴覚士養成教育ガイドライン」を参考に「学修の到達目標」欄を設定しました。言語聴覚士をめざす学生はもちろん、臨床家の関心にも答える充実の改訂第3版です。
Brown Corpusの公開から半世紀、British National Corpus公開から四半世紀が経過し、コーパスは英語研究における不可欠な手段として定着した。コーパスの登場によって、「言えるか言えないか」という文法性の議論に加え、「実際にどの程度言うか」という典型性や標準性に基づく議論が可能になったと言える。本書は、文法研究・語法研究・教育研究という3つの分野に焦点を当てながら、これまでのコーパス研究の成果をまとめ、今後の研究の可能性を論じる。
本書は言語学の予備知識がない読者を対象に、語彙の仕組みとその解明の魅力について書いたものです。語彙(あるいは単語、ボキャブラリー)と聞いてまず思い浮かべるのは、辞書に載っているものでしょう。あるいは英語の学習の際、ひたすら暗記するもの、というイメージもあるかもしれません。これらはいずれもリストになっていて、1つ1つが孤立しています。また相互の関係も不明です。つまり不活性なのですが、本書の目的は、語彙は実は不活性ではない、ということをお話しすることです。
本書のタイトルの「じっとしていない」は、不活性ではない、ということを比喩的に表現したもので、2つの意味があります。1つは変幻自在ということです。語彙は変わり身が早く、変装したり、変身したり、合体したり、年をとって変化することもあります。この特徴を1、2章で見ます。「じっとしていない」のもう1つの意味は社交的ということです。語彙は1つの独立国家なのですが、隣国である音や文と積極的な外交を行う、社交的な存在です。これを3、4章で見ます。本書で扱う言語は主に日本語ですが、ところどころで英語の例も出します。そして最後の5章では、日本語と英語の語彙の規則を体系的に比較します。
西山國雄
まえがき
1章 語彙の小さな変化:屈折
1 はじめに
2 活用形と語根
3 否定形と丁寧形の母音の有無
4 基本形と仮定形の子音の有無
5 現代語と古語
2章 派生、複合、意味変化
1 はじめに
2 語彙の変身:派生
3 語彙の合体:複合
4 語彙の加齢:意味変化
3章 語彙と音の交流
1 はじめに
2 2拍の法則
3 アクセント
4 連濁
5 過去形
4章 語彙と文の交流
1 はじめに
2 自動詞と他動詞の交替
3 使役
4 複合動詞
5章 日本語と他言語(英語)の比較
1 はじめに
2 括弧不一致
3 ずうずうしい隣人とつつましい隣人
4 動詞由来複合語
5 こそあど言葉
引用文献、参照した文献、おすすめの文献
JACETが、1962年の創立以来行ってきた応用言語学研究の理論と実践を形として残すためにスタートしたのが本JACET応用言語学研究シリーズである。創刊号の本書は、授業学をテーマに開催された「英語教育セミナー」(2016〜2018年度)を総括した内容(基礎編、理論編、応用編、資料編)の4部で構成され、授業学の第一線で活躍する研究者達による珠玉の1冊である。
執筆者:ジュディス・ハンクス(訳:加藤由崇)、柳瀬陽介、吉田達弘、竹内理、淺川和也、岡田伸夫、村上裕美、佐藤雄大、馬場千秋
はしがき
言語教育における実践者研究の再考
ジュディス・ハンクス(加藤由崇訳)
【講演1】 言語教育における研究と指導・学習の統合
1 研究とは何か
2 実践者研究とは何か、なぜ必要なのか
3 実践者研究を阻む要因
4 事例研究(Hanks, 2015a, 2015b, 2017a, 2017b)
5 研究と教育の統合
6 結論
【講演2】 実践を探究する共同探究者としての学習者と教師
1 誰が「実践者」なのか
2 共同探究者としての学習者と教師ー探究的実践の例
3 実践者研究の共有(Hanks, 2018)
3.1 ブログ記事
3.2 動画投稿(Vlogs やYouTube)
3.3 漫画
3.4 Special Interest Group(SIG)の活動
4 実践者研究の原則
5 結論
当事者の現実を反映する研究のために 複合性・複数性・意味・権力拡充
柳瀬陽介
1 英語教育学と応用言語学のこれまで
1.1 日本の英語教育学ー比較実験からメタ分析まで
1.2 英語圏の応用言語学ーポスト・メソッドから探究的実践(EP)まで
2 当事者の現実を反映していない人工空間
2.1 「1 つの要因が実践の成否を決定する」
2.2 「人工空間は平均人を基準に設計するべきである」
2.3 「1 つの指標で実践の成否を測定できる」
2.4 「実践者は科学者の指示に従うべきである」
3 複合性・複数性・意味・権力拡充からの授業研究
「二人称的アプローチ」による英語授業研究の試み
吉田達弘
1 はじめに
2 授業研究とは何か
3 リフレクションとは何か
4 レディによる「二人称的アプローチ」
5 「二人称的アプローチ」によるリフレクション
6 社会文化理論に基づく第2 言語教師教育研究
7 「二人称的アプローチ」に基づくリフレクションの実際
7.1 研究への参加者と実践の文脈
7.2 実践の方法
7.3 授業およびリフレクションの記録方法
7.4 分析
8 まとめ
何に着目すれば良いのだろうか 英語授業改善の具体的な視点を探る
竹内 理
1 はじめに
1.1 底流にある考え
1.2 主体的・対話的で深い学び
1.3 英語教育はどう変わっていくのか
1.4 問題意識ーどこを切り口に英語授業を変えていくのか
2 調査のあらまし
2.1 これまでの研究でわかること
2.2 この調査の目的
2.3 この調査の参加者
2.4 データ収集・分析の方法
3 結果と解釈
3.1 結果の要約
3.2 結果の解釈
4 まとめ
明日の授業に向けてのシンポジウム
明日の授業にむけてー今、私たち英語教師にできること
授業学研究会合同シンポジウム
これ からの授業学研究
ー大学英語教員に伝えるべきこと・学生に授業を通して伝えるべきこと
資料
あとがき
執筆者紹介