本書は、近代物理学の発展に即して因果律や決定論の意味を分析し、量子力学の統計的法則性に哲学的基礎づけを与えたものである。
ハイゼンベルクは、原子内の電子の運動や軌道といった直接には観測にかからないものを放棄し、原子から放出される光の振動数や強さなど物理的に観測できるものによって理論を構成すべきであると提唱した。この要請の重要性に着目したボルンは、それが数学的には行列論によって理論展開できることに気づき、ボルンーハイゼンベルクーヨルダンによって「行列力学」が定式化された(1925年)。
ボルンはまた、シュレーディンガーの波動関数は粒子の実体そのものを記述したものではなく、その存在確率を示すものと解釈すべきことを提案した(1926年)。これが「波動力学の確率解釈」といわれるもので、以後の量子力学の発展に大きな役割を果すことになる。こうして、観測の理論は原理的な意味をもって物理学に登場し、古典的な粒子像から新しい量子力学的描像への一大変革がなしとげられたのである。
本書は、まず古典力学において確立された「原因」と「偶然」の概念を検討し、これらの概念を基礎にその後の物理学の展開を跡づける。そして、統計的・確率的性格をもつ量子力学が物理学の基礎理論としての資格をもつか否かを問い、確率論的な理論構成は因果律や決定論と矛盾するものではなく、むしろ巨視的現象をも包括する普遍法則となりうることが提示される。
著者は自ら量子力学の建設に貢献をなしたほか(1954年ノーベル物理学賞受賞)、幾多の俊才を育てたことでも知られる。
冊子 : A4判・112頁 / DVD : 1枚
著者らが開発した建物の熱負荷計算プログラムLESCOMと標準気象データを収録した『標準気象データと熱負荷プログラム LESCOM』(2005年)の最新版。
本書の特徴
・熱負荷基準標準気象データは、熱負荷計算プログラムLESCOMを用いることにより、煩雑なデータインプットにわずらわされることなく熱負荷計算ができ、日本全国における熱負荷シュミレーションが可能。
・昼光照度基準標準気象データは、東京における年間を通した30分間隔の昼光シュミレーションが可能。
・マニュアルには、データや各シュミレーションの詳細な説明をまとめてあります。
利用者からの要望にできる限りこたえた改良点
・負荷計算間隔が従来の1時間間隔から1分感覚になり、きめ細かな空調時間、内部発熱設定ができるようになりました。また、自動ブラインド、潜熱蓄熱材等、多数の非定常アルゴリズムが追加されました。
・気象データは、最近の年間気象データ(2010〜2016)を追加し、直近の計算を可能にしました。日本全国では約1500地点・年になり、東京は過去50年以上がLESCOM-mintにより計算できるようになりました。
DVDに入っているデータ
・標準年気象データ・・・最新の2005年代標準年気象データ(東京、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡、那覇など) / 東京標準年 60年代、70年代、80年代、90年代、2000年代 / 各地点標準年 90年代、旭川標準年、稚内標準年、那覇標準年等 全国66地点
・各年気象データ・・・東京各年 東京1960〜2016年 / 各地点各年 旭川1991年〜、稚内1991年〜、那覇1991年〜 全国66地点
・新規作成・・・2010〜2016年気象データ 全国観測所のうち日射量が継続的に観測されている地点を選定。選定地区は主要都市7地点、地方59地点を選定。これら66地点の1時間間隔の気温、風向、風速、雲量、露点温度、全天日射量より作成。
・熱負荷プログラムLESCOM
PCの環境・・・OS : ウィンドウズ7以降、CPU : COREi3以上で、COREi7を推奨、メモリ : 4GB以上で、8GBを推奨、利用可能要領 : ハードディスク300MB必要
本書は空気調和ならびに空気清浄について,環境・設備・汚染対策の基礎やシミュレーション解析など多面的に解説した,学部から大学院向け入門書.図表を多く配置するなど分かりやすい好個の教科・参考書.2色刷.
【主要目次】空気環境の基礎/温熱環境の基礎/空気調和設備(1)-熱負荷・湿り空気線図・設備能力算定/空気調和設備(2)-空気調和システム・熱源システム/空気調和設備(3)-配管・ダクト/空気調和とエネルギー/空気清浄と空気汚染/微生物汚染対策と建築設備/空気汚染物質の制御/エアフィルタ類/クリーンルーム概論/屋内気流の数値シミュレーション/建築設備の信頼性・保全性解析
空気環境の基礎/温熱環境の基礎/空気調和設備(1)-熱負荷・湿り空気線図・設備能力算定/空気調和設備(2)-空気調和システム・熱源システム/空気調和設備(3)-配管・ダクト/空気調和とエネルギー/空気清浄と空気汚染/微生物汚染対策と建築設備/空気汚染物質の制御/エアフィルタ類/クリーンルーム概論/屋内気流の数値シミュレーション/建築設備の信頼性・保全性解析
本書の内容はふつう高校で扱う以上のこともかなり含んでいるが、その実質は全体としても高校生が十分わかる程度のものである。しかし読者層として特に高校生だけを期待するわけではなく、筋道立った文学作品を読める程度の能力さえあれば、中学生程度でも読んで判るような所はたくさんある。
分子シミュレーション法の二大柱の1つで,分子の運動方程式に従って追跡する決定論的な分子動力学法を詳述。〔内容〕MD法の概要/統計熱力学の基礎/MD法/シミュレーション技法/MD法の適用例/高度なMD法/重要数式/プログラム集
1. 分子動力学シミュレーションの概要
2. 統計熱力学の基礎
2.1 統計集団
2.2 温度と圧力
2.3 輸送係数
3. 分子動力学法
3.1 各統計集団に対する分子動力学
3.2 分子動力学アルゴリズム
3.3 各分子動力学アルゴリズムの安定性と精度的な特徴
4. シミュレーション技法
4.1 粒子の初期配置と初期速度
4.2 平衡化の作業
4.3 境界条件
4.4 計算時間の短縮化技法
4.5 鏡面反射と拡散反射
4.6 誤差評価
5. 分子動力学法の適用例
5.1 液体衝撃波
5.2 剛体球分子の円柱まわりの流れ
5.3 レナード・ジョーンズ分子の円柱まわりの流れ
6. 高度な分子動力学法
6.1 非球形分子の分子動力学
6.2 非平衡分子動力学法による輸送係数の評価
7. 付 録
7.1 マクスウェル分布
7.2 差分公式
7.3 輸送係数の表式の導出
7.4 乱数
7.5 基本的なFORTRANの計算プログラム集
8. 索 引
本書は、植物細胞の生長を物理的に理解するという生化学の研究手法とは視点の異なった立場から解説した書である。生長に関係する浸透圧や細胞壁の力学的性質、水の流れなどを理解するために、熱力学や粘弾性モデル、流体などの物理学の基礎を理解することが必要となり、これらの解説のために、あえて数式を避けることなく、かつ式の変形の過程を飛ばさずに丁寧な説明がなされている。
本書は、境界値問題の理論の基礎的な部分を、2階線型微分方程式にスポットライトを当てながら紹介したもので、4つの章から成っている。
絵本作家をしながらCADオペレーターの仕事もこなす澄川創哉は、従兄で工学部研究員の根津貴成と同居している。根津は勝手気ままな振る舞いで同居の初日に創哉を抱き、以来ずるずると9年間、身体だけの関係が続いていた。根津に恋心を抱く創哉はこの不毛な関係を断ち切ろうと家を出る決心をするが、それを知った根津に強引に引き留められ…?
古典物理から量子物理まで、歴史と身近な事例で面白いほどよくわかる! 難解な科学の理論を、数式を使わずに縦書きの平易な文章でやさしく解説し、ビジネスにも役立つと文系読者にも大人気。シリーズ累計33万部突破の矢沢サイエンスオフィス「図解」シリーズ最新刊!
核融合エネルギーの実用化に欠かせない、境界領域プラズマ物性ならびにプラズマー表面相互作用の体系化。
本書は顕微鏡により組織観察を行うに当たって、最も確かな組織を見出すための検鏡試料の作製、すなわち磨きとエッチングの手法を中心に解説したものである。
言葉の意味、本質がわかれば、もっと楽しくなる!
「公式はもちろん用語1つとってみても、何を言っているのか意味不明!」と、物理にマイナスイメージを持っている人も多いと思いますが、難しい公式を使って問題を解くことは出来なくても、まずは言葉の意味を知ることで、物理の面白さに気づくかもしれません。
宇宙物理学は、これまで知られている物理学では説明できない未解決問題が多数あることも魅力の1つ。本書では、基礎から最新の話題まで35のフレーズをもとに会話で楽しく宇宙物理学を学べます。
物質を細かく分解していくと、原子、原子核、核子(陽子と中性子)と階層を進み、核子はさらにクォークとグルーオンと呼ばれる素粒子に分解できる。宇宙初期や中性子星中心部などの超高温・高密度の世界ではクォークとグルーオンを基本自由度とした物質が実現し、そこでは真空の相転移である「カイラル対称性の自発的破れ」の回復や「カラー超伝導」と呼ばれる物質状態の実現などの多様な物性現象が発現すると考えられている。
本書は、このような「素粒子の世界の相転移現象」に対する研究の基礎と新たな進展に関する最新の数値シミュレーションの結果や有効模型による解析を使った概説である。有効模型の解析に使われたPythonによる計算コードも公開しているので、数値計算の入門書としても活用できるであろう。
本書の特徴としてその他に以下の事項を上げることができる。
(1) 意欲的な大学学部学生や修士課程の学生諸君を想定し、前提知識を極力廃して本書だけで学習事項が完結する構成になっている。公開されたPythonの計算コードを使い、更に理解を深めることもできる。
(2) ノーベル賞の対象となった南部陽一郎博士の研究の思想に従い、超伝導のBCS理論を基礎としてカイラル対称性の自発的破れとそれに伴う励起モード(南部ーゴールドストーンボソンとしてのπ中間子を含む)の理論が学べる構成となっている。
(3) 和書では初めてとなるカラー超伝導の解説が与えられている。またそこでは、その通常相での前駆現象にも焦点が当てられ、クォーク物質中の対場のゆらぎが引き起こす「擬ギャップ現象」や「伝導率の異常増大」およびその有限エネルギー版としての「電子対生成」の異常増大の可能性が議論されている。
(4) 高温・高密度のクォーク物質を網羅的に探索する高エネルギー重イオン衝突実験の現状と将来計画も紹介されている。