南北朝の六十年間に作成・発給された関東とその周辺十四か国の史料を全体的に収録。第一巻には、元弘三年(一三三三)十二月より暦応元・延元三年(一三三八)に至る文書九一七通を収めた。文書名には、原則として、正文・案文・写などの別を示し、記録や編纂書物から採録したものは写とした。
本書は、南北朝遺文ー関東編ー第二巻として暦応二・延元四年(一三三九)より康永三・興国五年(一三四四)に至る六一四通の文書を収めた。
南北朝遺文関東編の三冊目にあたる本巻には、貞和元年(南朝興国六年、一三四五)から文和元年(南朝正平七年、一三五二)まで、八年間の史料を収めた。
古い新派の芸の型を打破すべく演技を工夫する緑郎は、大頭目伊井蓉峰の死を乗り越え、新派のさらなる隆盛を目指す。旧派との合同演劇への参加、築地座への演技指導をするなど、旧来のイメージを超えた活動や日常を克明に記す。
緑郎は「新派更新会」の会長に就任し名実共に第一人者となる。井上正夫の脱退騒ぎや、水谷八重子との確執も深まるが、谷崎作「春琴抄」を演出するなど新派の躍進を牽引する。田中絹代、山田五十鈴、エノケン、ロッパ、エンタツなど昭和を彩る人物が登場し始める。
昭和11年2月、満員が続く歌舞伎座興行中に二・二六事件が勃発。休演を余儀なくされるが、新派は盛況を続け、翌12年2月に、新派創立50周年の記念興行を行う。その後、戦意高揚を目的とした演目をかけたり、南京陥落に際して舞台上で万歳を三唱するなど、戦時色が深まっていく。