新芽を広げ、花を咲かせ、実をつける。植物の季節的な現象(フェノロジー現象)は魅力的であるが、日常生活における風景としか捉えられないことが多い。 しかしながら、その現象は、じつに豊かで複雑で、面白さにあふれている。
本書は、そんな植物のフェノロジー(特に、開花フェノロジー)に着目した初めての和書である。植物生態学・分類学の専門家で、国立科学博物館の現役キュレーターである著者が、写真や図を豊富に用いて、過去の研究、野外調査や仕事の様子を紹介しながら、前提知識なしでも理解できるよう易しく解説する。
本書は、「卒論提出3か月前テーマ変更事件」が発生したところから始まる。読者に語りかけながら話は進んでいき、随所に散りばめられたこのようなエピソードから、著者の人柄が伝わってくるような構成となっている。
フェノロジーは近年、地球温暖化との関連からも、国際的に注目されているトピックである。フェノロジーに興味のある方はもちろん、植物学全般に興味をもつ方にも広く薦められる書籍である。
1 植物のフェノロジー
1.1 私とフェノロジー研究の出会い
1.2 フェノロジーとは
1.3 植物の様々なフェノロジー
2 いつ花を咲かせるのか?
2.1 植物が作る四季?
2.2 花の季節
2.3 フェノロジーの段階
2.4 樹木と草で違う?
2.5 「定量的に比較する」とは
3 植物の種多様性を知る
3.1 東南アジア研究のきっかけ
3.2 ベルトトランセクト法
3.3 熱帯植物調査の壁
3.4 分類学との出会い
3.5 未記載種か否か
3.6 調査地への恩返し
4 ところかわれば花かわる
4.1 未知のフェノロジー記述に挑む
4.2 ベトナムの熱帯山地林のフェノロジー
4.3 種間で同調する?
4.4 フェノロジーの緯度勾配
5 過去をさかのぼる
5.1 暖冬だと早く咲く?
5.2 ハーバリウムとは
5.3 標本の保管
5.4 標本の存在意義
5.5 標本の整理
6 伝え広めるために
6.1 研究者のアウトリーチ活動
6.2 オンラインでの発信
6.3 子どもに伝える
6.4 伝える発信
6.5 広める発信
7 研究者って何者?
7.1 なぜ研究するのか
7.2 研究者をめざしたいあなたへ
7.3 研究者の資質
7.4 博物館学芸員と研究
引用文献
あとがき
植物フェノロジーの研究と博物館キュレーターへの招待(コーディネーター 巌佐 庸)
索引
東洋思想、薬膳、マクロビオティックなどをベースとした国内最大級のオーガニックwebメディア「IN YOU」編集部が、オーガニックなライフスタイルの提案と、自分自身の日々の行動を変えるためのヒントをお伝えします。
オーガニックな生活を既に実践している人だけでなく、オーガニックに興味はあるが、具体的に何から始めたらよいのかわからなかった人に向けて、「オーガニックとは何か」「オーガニックが必要な理由はどこにあるのか」「何を買ってどんなふうに活用すればいいのか」など、ごく身近な視点からお伝えします。
また、春夏秋冬における食養術の基本や、旬の食材や季節ごとのIN YOUで話題になったレシピを紹介し、毎日の「暮らしの実用書」として使える内容になっています。
くるっとまるめてリースを作ろう! アジサイなどフレッシュな花々からひと味違うクリスマスアレンジまで人気フラワースタイリストが伝授。インテリアにも取り入れて!
明治以降、日本の俳句は翻訳と紹介の時代を経た後にドイツ語圏の一般の人々に知られるようになる。本書は、ドイツにおける俳句受容の歴史から文化的背景を解説すると同時に、古典から現代までの日独両言語による俳句の具体例と「季節の詩」の紹介を加えた「ドイツ俳句歳時記」といえる一冊。
はじめに(Vorwort)
序論(Einführung)--ドイツの俳句事情(日・独)
第1章 ドイツ俳句概観
異文化間の総合ーードイツにおける日本の俳句
aus der Vorlesung von Professor Dr. Dietrich Krusche. 1984.
第2章 ドイツ語俳句・小史
Eine kleine Geschichte des deutschsprachigen Haiku.
コラム1 バート・ホンブルクの月ーー日独俳句大会に参加して
第3章 ドイツ歳時記の試みーードイツ語俳句を手がかりとして
Ein Versuch zum Deutschen Jahreszeitenlexikon‒Anhand des deutschsprachigen Haiku-
第4章 現代ドイツ語俳句選集ーー独日。100の作品。
100 deutschsprachige Haiku von heute, deutsch und japanisch.
第5章 オーストリア俳句への道
Der Weg des österreichischen Haiku
コラム2 葉道・リヒター、写真展
第6章 ドイツ連歌とカール・ハインツ・クルツ
Das deutsche Renga und Carl Heinz Kurz
第7章 独訳された現代日本の俳句
Gegenwärtige japanische Haiku, ins Deutsch übersetzt.
コラム3 (書評)渡辺勝『比較俳句論ーー日本とドイツ』
第8章 四季の詩〈独・日〉45の詩
45 Vier-Jahreszeiten-Gedichte, deutsch und japanisch.
季語・季節の詞・索引 Liste der Jahreszeitenwörter
西欧における俳句関連略年表(ドイツ語圏を中心に) Zeittafel über das Haiku in den deutschsprachigen Ländern
参考文献一覧 Literatur-Verzeichnis
おわりに Nachwort
[商品について]
ーその日、その時でなければ得ることのできない、かけがえのない日々-
大学紛争に社会が揺れるなか、父が提示した条件をクリアして晴れて熊本大学に進学した「私」は、入学初日に大学紛争の洗礼を受けながらも憧れの大学生活を開始する。剛毅朴訥になりたいと寮歌同好会に入ったものの一度の集まりもないまま自然消滅し、下宿の新入り歓迎コンパで先輩との酒飲み勝負に負けて夢にも思わなかった硬式庭球部に入部する羽目に。しかしそれは、良き仲間に恵まれて過ごす青春の日々の始まりだったーー。
世間の動向や変化に微妙に揺さぶられ、ときに回り道をしながらも前へ進もうとした地方の青年の「春まだ青き季節」を書き綴った自伝的青春記、上巻。
[目次]
(一)生命の調べ颯爽と生きとし生けるものは皆 若き力に燃ゆる哉
一、カツ丼に初恋
二、進学を許してもらえなかったころ
三、熊本大学に決めた理由
四、数学不安
五、熊本へ出陣する
六、サクラは咲いたか
七、憧れのバンカラ生活へ
八、下宿を決める
(二)感激深き若き日の誇りを永遠に忘れじな
一、熊本大学の学生になる
二、剛毅朴訥な人間になりたい
三、酒神に導かれテニス部へ
四、インチキ勝負露見する
五、春歌の洗礼を受ける
六、級友再会
七、機動隊学内に入る
八、壮絶なる新人歓迎コンパ
九、これが急性アルコール中毒か
(三)遠きふるさと懐かしみ青き哀傷を恋ふるとき
一、部屋を替わる
二、九州インカレ
三、フランシーヌの場合は
四、部誌「Ace」の編集員となる
五、寅さんに会いに行こう
六、大地と湧水と月世界
七、講義は始まったけれど
八、ホームシックになる
(四)あえかに若き美酒にわななき踊る魂の鳥
一、二度目の春のころ
二、若き哲学徒の悩み
三、家庭教師となる
四、仏法僧の夏
五、ダンプの助手になる
六、麻雀と失恋の季節
七、迷想の小径
八、急変した岩尾前キャプテン
九、ビートルズ&ダンパでサヨウナラ
十、伝統の初戦敗退芸術鑑賞
[出版社からのコメント]
「青春」とはいつまでをいうのかは人によって異なりますが、みずみずしい感性で悩み迷いながら前に進む日々は、「青春」を感じることができる時間といって良いかもしれません。本書の中にある青春の時間からはずいぶんと時が経ちましたが、現代では味わうことのできない濃密な日々を、あるいは懐かしく、あるいは新鮮な気持ちで楽しんでいただければ嬉しく思います。
[著者プロフィール]
松尾政信(まつお・まさのぶ)1950年 佐賀県武雄市若木町生まれ
1969年 武雄高校卒業
1973年 熊本大学法文学部哲学科卒業
1977年 コピーライターとして(株)西広入社 長崎支社配属
1992年 本社へ転勤 クリエイティブディレクター クリエイティブ局次長 営業局長 取締役総務局長を経て
2009年 同社代表取締役社長就任
2010年 九州広告業協会会長就任
2013年 (株)西広社長退任
2014年 佐賀テレビグループ(株)STSエンタープライズ代表取締役社長就任
2020年 (株)エンターアイ(旧STSエンタープライズ)社長退任
現在 同社取締役相談役
著書 『川へ〜過ぎし日の水辺の情景と魚たち〜』(2014年)
『川古庄屋日記・諸控帳を読む』(2017年)
『川古庄屋日記・諸控帳を読む改訂増補版「樹齢百三十年若木の根底」』(2019年)
編集・解説 『写真や資料でたどる若木の歴史「明治・大正・昭和のふるさと」』(2019年)
フランスの国民的作家マルセル・パニョルの自伝小説の名作。
旬をたっぷり、大人可愛いをたっぷり。いつものおうちごはんに季節のテーブルコーディネートをプラス。大切な人と楽しい食卓を。
茶事は趣向が第一。四季の自然の中で、あわれの心をもって一期一会の茶の湯を介したもてなし十八のかたちをご紹介します。十一月の炉開き、十二月の夜咄、一月の賀の祝いなどを、写真を交えて解説。
兵庫県加古川市を中心に姫路、明石や瀬戸内と北に広がる豊かな地域。当地の四季の海景や田園地帯の情景を主題にし最後までぶれないよう構図をきめる。目前の一瞬の光景を現場写生で描き取った臨場感溢れる作品95点。
油物、濃い味、ジャンク・・・。そんなイメージがある「おつまみ」ですが、野菜が主役、そして和食がベースならこんなにヘルシーに。「物足りない?」なんて心配無用、“酒呑み”料理家・小平泰子さんの腕とセンスが光ります。塩・油・糖質を控えられるアイデアも満載で、「おつまみ×お酒」の罪悪感まで軽やかにオフ! 食材の組み合わせやシンプルさに目から鱗、ほっぺは落ちる「野菜のおつまみ」230品を、季節感たっぷりに紹介します。
はじめに
本書のルール
だしについて
食材と調味料のこと
器の楽しみ
[春]
アスパラガス/いちご/クレソン/菜の花/豆(絹さや、そら豆、うすいえんどう)/せり/山菜(ふきのとう、ふき、うど、うるい)/新じゃがいも/たけのこ/キャベツ/新玉ねぎ/エシャレット/オレンジ/レタス/パクチー/トマト
[夏]
メロン/ラディッシュ/らっきょう/ダークチェリー/きゅうり/青じそ/新しょうが/谷中しょうが/みょうが/とうもろこし/ピーマン/パプリカ/セロリ/ズッキーニ/ししとう/ゴーヤ/すいか/桃/いちじく/梅干し/紫玉ねぎ/なす
[秋]
梨/きのこ(まいたけ、マッシュルーム、しいたけ、えのきだけ)/落花生/かぼちゃ/栗/さつまいも/にんじん/大豆/柿/じゃがいも/かぶ/菊いも/ごぼう/アボカド/カリフラワー
[冬]
みかん/くわい/ゆり根/里いも/蓮根/ほうれん草/白菜/ねぎ/大根/水菜/菊菜/長いも・山いも/ゆず/きんかん
column 酒飲み春秋
四季のちりめんじゃこ/自在な、お浸し/私の晩酌日記/冷蔵庫スッキリ大作戦/忘れてならぬしめもの
内申点が私の生活を壊していった
高校受験直前。
少しでもいい成績、少しでもいい内申点が欲しい…と、クラスは全員がライバルだ。
そんな中、亜月はあるテストでカンニングをしてしまう…。
カンニングをしたことが友だちにばれるが、「黙っててあげる」と言われる。
だがその代わりに提案されたことは…?
ハードな受験生活、親からのプレッシャー、友だちとのライバル関係。
日々心安まることのない生活を送る中で生まれる、いじめ。
ネットや新聞で話題沸騰の「いじめ」シリーズ。ノベルス第7弾です。
この本は、折り紙などの工作でよく使う技から、布や毛糸を使った手芸の技まで、いろいろな作り方がのっています。紙やモール、フェルトなどのみぢかな素材で、季節に合わせた手作りにチャレンジしてみてね。ミシンなしで、かわいいものがいっぱい作れるよ!
芝居でいい筈なのに。
想いよ、現れないで。
京都の路地の奥。
古びた町家の店で。
「嘘」の名を借りて、その男に近づく。
この手で、殺すために。
文庫書下ろしミステリー
大丈夫、絵里ちゃん、仇は必ず取るから。
私刑を誓い、その男に近づく大学生の紗夜。
京都をめぐる季節の流れのなかで、やがて
彼女の胸の底から、何かが噴き上がり、こぼれ落ちていく。
笑わなくては。懐に入り込まなければ。
大学生の紗夜は、京都の三十三間堂に程近い路地奥の店『中国茶 龍王』に嘘の名を借りて通う。
同じ日に生まれ、同じ日に死んだ母達を持ち、姉妹同然に育った絵里ちゃんを、あの男が奪った。
だから、紗夜は復讐を遂げるのだ。
芳しい香り漂う新感覚ミステリー。
〈文庫書下ろし〉