本書は、思春期という特殊な時期について、また思春期に見られる個々の病理について、最新研究や報告を踏まえて、現在どのような視点から考えられ、どのような治療的アプローチがなされるようになったかを16人の経験豊かな臨床家が論じたものである。まず、従来から思春期臨床の中心テーマでありつづける境界性パーソナリティ障害・摂食障害をはじめ、わが国の思春期に特徴的な不登校・ひきこもり、そして社会不安障害(social anxiety disorder:SAD)の視点から捉え直されつつある対人恐怖症などの現在的な問題を取り上げる。つづいて、近年注目を集めている思春期のうつ病、発達障害、身体醜形恐怖、解離性障害などの新たな問題に触れ、最終部ではますます深刻化する自傷、自殺、性的非行など、行動化の問題にも考察を加えた。それらの疾患に対する、認知行動療法、心理教育などの近年登場した新たな治療的アプローチを、豊富な臨床例を通して解説している。
「心の銃」を操るパラベラムの戦闘集団、それが城戸高校映画部の真の姿だ。一兎はそこに自分の居場所を見つけつつあった。ある早朝、部室に下着姿の少女が倒れていて、発見者の一兎は慌てふためく。目覚めた少女は、完全に記憶を失っていた!部員達はDVDにかじりつく電波な少女に呆れるが、精神弾で傷ついている様子から尾褄は保護することを即断。直後、映画部は謎の戦闘集団“灰色領域”に強襲され、新たな闘いが始まる!学園異能アクション第2弾。
「つまらない部活です」ひねくれた紹介文を見て、佐々木一兎は映画部に興味を持った。家の事情で二カ月遅れの高校生活を始めた一兎は、期待と不安を抱いて部室を訪れる。そこにいたのは、オモチャの拳銃を持って踊る長谷川志甫と、傍若無人な工藤尾褄。一兎を「君にはすることがない」と追い返すのだった。失意の一兎は帰り道、志甫と共に何者かから巨大な武器で襲われる。彼女を助けたい一心の一兎は“ある能力(パラベラム)”に目覚めて!?サイコアクション登場。
小学校高学年から高等学校までの思春期は、定型発達の青少年でも、心身の発達による変化とともに、様々な悩みが伴う起伏の多い時期ですが、高機能自閉症やアスペルガー症候群の子どもたちにとっては、ハンディをかかえながらより一層の困難が伴う数年となります。本書では、その時期の子どもたちが多くの時を過ごす中学校や高等学校での様々な支援について、豊富な経験と実績のある著者が紹介していきます。これらは今後、親御さんはもとより、日本の教育現場のあり方や親御さんとの連携に、多くの具体的な情報やヒントを提供することでしょう。
喜びを持って生きる人。社会の力となっていける人。自分らしく生き生きと世界に関わっていく人。ここ京田辺シュタイナー学校では、子どもがこのように育っていくことを願い、親と教師が学校を作り、子どもたちと向き合っています。各学年のカリキュラムや授業の様子、子どもの発達、成長、学びを紹介します。急がない。競わない。安心して学べる。子どもの成長に合わせて学ぶ、親と教師の新しい学校づくり。
初心者の誰もがおちいる難問に的確に答える。『ここで困った!』『ここで迷った!』『こんなとき、どう考えたらいいのだろう?』という普遍性のありそうなポイントを満載。
思春期を生きるあなたたちの性と自立についてのガイドブック。若い人たちのこれからの幸せな人生を願って、ふだんなかなか率直に語られにくい「性」の事実について、性行為の考え方やあり方について述べている。
本書は思春期の暴力に関する対応と援助の要諦を説いた実践的な臨床書である。暴力を振るう若者を理解するためのキーワードとして、「臆病な自尊心」「尊大な羞恥心」の二つをあげ、臨床家としての視点から、今子どもたちの心に何が起きているのか、どうすれば立ち直らせることができるかを、事例に沿って詳述した。子どもの暴力のみを取り上げることで親の暴力を見逃す危険性を指摘し、暴力を生む条件としての虐待、PTSD、憑依・多重人格、また治療困難な来談しないケース、重症例のための入院治療の実際までも紹介している。
昭和初期・東京-。不器っちょで筋骨薄弱、おっちょこちょいで鼻っ柱の強い江戸っ子らくだ君が、超ハイカラな中学校に入学した。個性的なクラスメートや先生に囲まれて、ケンカに恋愛、受験、性への目覚めなどを面白おかしく経験していくらくだ君。…だがやがて日本は果てしなき戦争の時代へと突入して-。昭和56年に出版された『学徒兵らくだ君』で人気を博した“江戸っ子らくだ君”が、ふたたび平成の世に帰ってきた。
妄想癖の強かった少年時代に読んだ「サイボーグ009」。性に目覚める頃、強い印象を受けた「サスケ」の中の入浴シーン。「フーテン」に憧れた高校時代。漫研で活躍し、恋とジャズ修業に励む、大学生に影響を与えた真崎守、宮谷一彦、川本コオ、エモリ・I、佐々木マキ、山上たつひこ…恥多き青春の思い出を語りつつ、戦後マンガの歴史を新たな角度から描く。
新しい生命が誕生する瞬間は、何ものにも代えがたい。幸せな妊娠・出産・育児をしてほしい。生命の輝き、産婦人科医が「十代の性」の現実をえがく。
思春期は子どもから大人に向かう不安定な年頃。この時期、生じやすいこころの揺れや病い-不登校、拒食、非行、対人恐怖、うつ、精神分裂病、いじめ等々。その原因や背景はなにか。家族や学校、今日の風潮についてはどこに問題があるのか。親や教師、医師の対応の原則とはなにか。子どもとの適切な距離を保てない親や大人になれない若ものの急増、個別生徒に目の届かない学校の問題を含め、思春期精神医療の第一人者が、30年にわたる臨床体験から、広い視野と深い洞察をもって考える。
本書は雑誌『こころの科学』32号(1990年7月)から46号(92年11月)の間に、12回にわたって連載された「中学生はいまー養護現場と臨床心理の対話」を再構成したもの。ここにいう養護現場とは、端的には学校の保健室のことであり、その養護教諭の先生方との対話から生まれ出たもの。