なぜ大阪弁・関西弁的な表現をつい使ってしまうのか?
その問いの先に、私たちのコミュニケーションを背後で支えている感覚が見えてくる。
ことばと文化をめぐる知的冒険!
多彩なオノマトペ、アクセントの音楽性、ステレオタイプの成立と変容ーー。
日本語学の泰斗にして役割語研究の第一人者が、文楽、落語、小説、漫才、インタビュー、マンガ、アニメ、ドラマ等の幅広い資料を参照しながら、ことばと文化をめぐる謎に正面から挑む。
一度キチンと知っておきたかった
「大阪ことば」のあれやこれや。
目からウロコとはこのこと!
ほんまにほんまに。
ーー万城目学(小説家、大阪府出身)
「大阪弁(そして広く関西弁)は、いろいろと謎の多い言語です。そもそも大阪弁と関西弁はどういう関係にあるのか。大阪弁はいつ頃、どういうふうに成立したのか。また、「京橋はええとこだっせ」「あほちゃいまんねん」といった"コテコテ大阪弁"を使う人は今日でもいるのか。そして最大の謎は、明治時代の標準語成立以後、各地の方言が急速に弱体化していく中で、大阪弁・関西弁が未だに強い存在感を保ち続けているどころか、日本全国の日本語話者に影響を与え続けている点です。本書は、これらの謎に精一杯取り組んで、解き明かすことを目標としています。」(「はじめに」より)
多様な都市国家の思惑が交差する海峡地域。その盟主、一ノ谷には「高い塔の魔法使い」と呼ばれる老人タイキがいた。歳のころ六、七である孫娘マツリカは、早くに両親をなくし祖父のもとに身を寄せている。
ある日、タイキを中心に密談が開かれた。海を隔てた潜在的敵国・ニザマとの海戦に備えてのものだった。一方、マツリカは好物の海老饅頭の味が落ちたことを疑問に思い、その理由を解き明かそうとする。
国家の大計と幼女の我が儘が並行し、交錯していく……。
「動詞」で心と体を動かし自分を変えよう!
私たちの日常の動きを表す、歩く、笑う、触れるなどの「動詞」。それはその人の個性までも表現する。意識して新しい「動詞」を身に付ければ新しい自分に変身できる。その方法を例を引きながら説く。
『言語の本質』『学力喪失』『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』の今井むつみ氏の、
慶應大学SFC最終講義!
「人は、わかっていても間違え、偏った視野をもち、誤解するもの。
だからこそ、どう学び、人とつきあい、社会を生き抜いていくかを考えることが大事。
そのために、認知科学からの知恵とエールをみなさんに贈ります。」
認知心理学のものの見方・考え方が、
複雑で、正解のない世界と対峙し、判断していくための手がかりとなる。
世界的な認知科学者が28年かけてつくりあげた決定版!
開講 AI時代を幸せに生きるには
そもそも私たちは、「客観的」に世界を見ることができるのか?
「記憶」はあまりにも脆弱(ぜいじゃく)
人は基本的に「論理的な思考」が苦手である
「確率」よりも「感情」で考えてミスをする
「思考バイアスに流されている状態」は、思考しているとはいえない
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スキーマがあって初めて、高度な思考が成り立つ
情報処理能力や記憶の制約が生み出した人間独自の思考スタイルとは?
アブダクションによって人は、知識を拡張し、因果関係を解明し、新たな知識を創造している
一般人と一流の違いは、アブダクションの精度にある
AIは記号接地しない=新しい知識・生きた知識を生み出さない
A I が生み出すのは、「一般人の平均値」。唯一無二のパフォーマンスを生み出せるのは、人間である「あなた」
「得手(えて)に帆(ほ)を揚(あ)げる」という生き方
私たちの身の周りのあらゆることを研究対象として扱う民俗学。でも、そもそも民俗学ってどんな学問?民俗学の視点で物事を眺めると、どんなことが見えてくるのか?ありそうでなかった、あたらしい民俗学入門。
街の小さな古本屋「十月堂」にて。ある日店主は、初めて店を訪れた客にこう問われた。
「読まなきゃ死ねないってぐらい、面白い本を教えて下さい」
”オススメの本”--それは、すべての本好きが対峙する永遠の未解決問題!
十月堂のチョイス、そしてお客さんの真意とは?
古本屋「十月堂」を舞台に、さまざまな愛書家たちの人生の機微を描く短編連作シリーズ。
第1巻が発売するやいなや話題を席捲した作品が、待望の第2巻発売です。
世界から一つずつ文字が消えていく。文字が消えれば、言葉が消える。
言葉で表現できないものは、この世から消える。
ーーいったいどれだけのものを消滅から守れるだろう。
ある日突然、物語の主人公として虚構の世界を生きることになった小説家・佐治勝夫。
現実と虚構が徐々に溶け合っていく中で、佐治はなにを思うのか?
\原作約50万部/
\TikTokをはじめ、数々のSNSで話題/
1995年の刊行以来、たびたび話題となる筒井康隆の実験的名著が、まさかのコミカライズ!
【解説:飯間浩明(国語辞典編纂者)】
宗教学の祖マックス・ミュラーは、人類の始原を明かすため、古代インド神話とギリシア神話の比較研究を始めた。神と自然現象は同一だったとし、近親相姦のような忌まわしい記述は、自然を古代言語で表現した名残だとした。こうした学説は、合理的思考を求めた19世紀の英国で歓迎される。そして、神話は「古代世界の宗教」と位置づけられ、後の宗教学へと繋がっていった。学問の曙光となった重要論文に、訳注・解説を付す。
『比較宗教学の誕生』(国書刊行会)収載の「比較神話学」の文庫化。
普遍史の一部としての神話学
人類の始原状態
神話制作時代
ギリシア神話が与える嫌悪感
神話制作時代の歴史的特徴
アーリア文明の歴史
抽象名詞
抽象動詞
後の神話的語法
複数名称と同義名称
『ヴェーダ』の神話的言語
セレネとエンデュミオン
神話の原要素
エオスとティトノス
ケパロスとプロクリス
ヘラクレスの死
ダフネとアポロン
大自然の啓示
ウルヴァシーとプルーラヴァス
大自然の悲劇
古代神話の歴史への当てはめ
神話の詩文
カーリダーサの戯曲 『ウルヴァシー』
オルペウスとエウリュディケ
愛の曙
エロスの語源
童子神エロス
古代の訛言としての神話
原註
「比較神話学」解題(山田仁史)
解説 (松村一男)
フィールドで出会った「ダメ」にまつわる事象を、主として文化人類学的な視座から分析した珠玉の事例集。キーワードリストも充実し、反転学習にも最適。
(執筆者)
吉野晃・岩野邦康・田所聖志・稲澤努・小林宏至・中村知子・二文字屋脩・八田靖史・福士由紀・中野麻衣子・下地理則・片岡樹・李華・橋本栄莉・杉田研人・駒木敦子・馬場雄司
インドで誕生した仏教は、いかにして世界に広まったか。その鍵は、ユダヤ教やキリスト教、イスラム教など他の一神教とは異なり、仏教は現地の言語に翻訳されることを積極的に認めたことにある。本書の著者、ジャン・ノエル・ロベール氏によれば、仏教が中国に伝播するのは、同じインド・ヨーロッパ語族のユーラシア西部に伝わるよりもずっと困難だったはずだという。
チベット、モンゴルから中国、朝鮮、さらに日本へ、また、東南アジアやヨーロッパでは全く別の姿を見せながらも「仏教」としてひとつのまとまりを見せる「世界宗教」の変遷と広がりを、フランス屈指の東洋学者が平易に解説する。
なお著者は、日本語、中国語はもちろん、チベット語、サンスクリット語、ラテン語、ギリシャ語など多くの言語に通じ、日本仏教の研究などにより、2021年、第3回日本研究国際賞を受賞している。
チベット文献学の第一人者で、著者と旧知の今枝由郎氏が翻訳し、充実した訳注と解説を付した。巻末には関連年表、索引も完備。著者による「日本語版のための序文」も掲載。
原著=Petite histoire du bouddhisme: Religion, cultures et identites,.Edition J’AI LU, Paris, 2008
序 言 ジャン・ボべロ
日本語版のための序文
はじめに
第一章 諸宗教の中での仏教
第二章 ブッダ 〈仏─第一の宝〉
第三章 ダルマ 〈法─第二の宝〉
第四章 サンガ 〈僧─第三の宝〉
第五章 三つの叢書 〈三蔵〉
第六章 大乗と真言乗
第七章 中央アジアと中国への伝播
第八章 チベットからモンゴルへの伝播
第九章 東南アジアへの伝播、そしてインドへの回帰
第十章 朝鮮から日本への伝播
第十一章 仏教と言語
第十二章 仏教の欧米への伝播
第十三章 仏教研究批判
注
仏教の歴史 略年表
主要参考文献
訳者解説
索引
主人公裕は、膨大な古文書のデータの中から上州に伝わる子間引きの風習や毛利神社や琴平神社の社名に注目し、資料と格闘する。裕がそこまでするには理由があった。父が決して語らなかった母親の系譜に関する手がかりを見つけるためでもあったのだ。大した成果が得られぬまま、やがて夏も終わりに近づくころ、巣守郷を独自調査していた少年・淳が警察に補導されてしまう。郷に監禁された少女を救おうとする淳と、裕の母親の出自を探す道が交差する時ーー。宮部みゆき、東雅夫、東えりか、杉江松絶賛の、前代未聞の伝奇ホラーミステリーにして青春ラブストーリー! 感動のラストまで目が離せない、超弩級エンターテインメント。
目 次(下巻)
第十二章 古文書
第十三章 翻刻
第十四章 市子
第十五章 まほり
第十六章 盂蘭盆
第十七章 奪掠
第十せ章 形見
解 説 杉 江 松 恋
「ことば」は自然科学のように常に理路整然と説明できるとは限りません。それは「ひと」が関わっているからです。〈話す主体〉である「ひと」が推論し意味を探り、そこにある「心の語り」、つまり心の働きを投影するのがモダリティです。本書は、日英語のモダリティを通して、言語の背後にある認知的スタンスの普遍性と相対性の陰影に切り込んでいきます。この「新モダリティ論」を是非ご堪能ください。
本書は、『現語学1』が対象とした歴史・比較言語学、一般言語学を除く共時言語学を扱い、とくに言語をそれ以外の文化要素と結びつけて解明しようとする、開放系の言語学の展開を概観している。第1部の文献解題では各分野の要(かなめ)をなす49書を批判的に解説する。第2部の文献目録は約1900点の文献目録からなり、主なものには簡潔な解説を付け、また、巻末の雑誌文献類の書誌にはURLも付してあるのでより詳しい情報を望むものには便利である。