喫茶は中国で始まった。茶葉(茶樹の葉)の飲料としての利用は、摘み採った茶葉をすぐに加熱し、発酵をおさえることによって可能となった。著者はこの重要な事実に注目しつつ、歴史家としての立場から文献史料の精査の上に立って、喫茶が中国の戦国時代〜漢代に始まり、以後唐代へかけて普及したことを明らかにする。
本書は、基本的な統計解析手法を解説しそれらがパソコンで利用できるように、BASICによるプログラムを掲載したものである。
スペイン南部アンダルシアの古都グラナダにそびえる“赤い城”-アルハンブラ。タイルや大理石が造るアラベスク模様と、鐘乳石飾りのドームが、ふんだんに水を湛える池や噴水を配した静謐なパティオの周囲に建ちならぶイスラム建築の精華だ。十五世紀末、イベリア半島におけるイスラム勢力最後の砦として歴史の興亡の舞台となったアルハンブラを、カメラとペンで抒情豊かに描いた傑作ノンフィクション。
日本人の道具観や暮らし方は、日本の風土が生み出したもの。私たちの生活文化とその心を見直し、現代にマッチした豊かな暮らしを創造する。
激動の幕末、新選組副長の土方歳三に惚れ、命を預けた江戸っ子盗っ人・忠助は風雲急を告げる京の街で新選組の密偵となって暗躍する。一方、江戸で評判の霞小僧ことお多加は恋しい男・長州藩の吉田稔麿を追って京に居た。復讐に燃えるお多加は新選組に追いつめられた桂小五郎をかくまう。池田屋騒動、蛤御門の変と騒乱続く幕末に熱き夢とロマンをかけ凄絶な闘いをした男達の魅力を余すことなく描いた娯楽長篇大作スタート!
いま「詩吟」は第三のブームを迎えています。高尚な趣味としてだけではなく、「若返り健康法」としても注目されだしました。シャンとした姿勢と腹式呼吸は、座禅にも通じる究極の健康法です。-朗々と吟じれば、気分は熱血の維新の志士。
皇統分裂と、機に乗じて介入を謀る鎌倉幕府。宮方に志を寄せる正成だったが、陰険な公卿社会を嫌って河内へ戻り、ひたすら兵力の備蓄に努めていた。やがて宿敵・当器一族を滅ぼし河内を収めた正成は、元弘元年、後醍醐帝笠置山に篭るの報に接するや直ちに本拠赤坂城に挙兵、笠置に向う鎌倉方数万の精鋭を迎え討った…。一代の英傑・正成の出自とその天才的な軍略家像を活写した傑作歴史長篇。
12世紀フランスの宮廷付礼拝堂司祭による中世の恋のハウツー。西欧文学における恋愛=姦通の認識と情熱の理解に必須の原資料。
現在音楽としてのジャズを解読する、レコード評やライナーノーツを完全理解。“通”の世界へひとっ飛びビギナーのための初のジャズ語事典。
著者・田中光顕は天保14年(1843)土佐に生まれ、倒幕運動に奔走した志士である。22歳で脱藩して長州の高杉晋作、伊藤俊輔らとともに京都・大坂を転々としたのち中岡慎太郎の陸援隊に入隊。王政復古に際しては、錦旗を奉じて高野山にたてこもる。幕末の動乱をつぶさに体験した著者が語り残した戊辰戦争前夜の風雲と、高杉・中岡・坂本龍馬・木戸孝允・大久保利通ら維新の群像。
まだ焼け跡の残る敗戦直後の東京の町の片すみで男は恋を知りそめたばかりの盲目の少女と出会い、抱いた少女の裸身の背後に、朽ち果てた無惨な女たちの尸(しかばね)の幻影を見る。恋の道ゆき、地獄廻りのものがたりに、人間の哀しさ、愛しさと残酷さを容赦ない筆致で剔出する『風流尸解記』。芸術選奨受賞。『蛾』『手』『心猿』『姫鬼』『獲麟』『樹懶』の六短篇を併せて優れた現代詩人金子光晴の遺した全小説7篇を集成。