男女賃金格差、夫婦同姓の強制、堕胎罪。日本の異常なジェンダー不平等は、明治期につくられた差別と財界主導でつくられた差別が原因だった! 常に国民とともにある政党として、ジェンダー平等やLGBTQの権利を守るための政策を、歴史と世界に学んで提示。寄せられた質問への応答、党の自己改革についても綴った一冊。
韓国の民俗病「産後風(サヌプン)」をめぐる人びとの語りから、その病いが1980年以前、女性たちが置かれた劣等な地位、経済的貧困と過度な労動による心理的、肉体的苦痛という社会・文化的背景から構築され、いまなお〈風〉は、弱者として生きてきた韓国女性全体に「苦しみのイディオム」として共有され続けていることを、人類学的に論究する。
はじめにーー「声なき声」をすくい上げる
序 章 病いからみる社会
1. 民俗病の研究と歴史
2. 産後の病い
3. 本書の構成
第1章 韓国の医療環境と出産
1. 韓国の医療体系
2. 韓方医学の社会的位置づけ
3. 出産の慣習と文化ーー産室から病院の分娩室へ
4. 出産の医療化と背景
第2章 「産後風」という病い
1. 産後をめぐる観念
2. 産後風の歴史的由来と定義
3. 産後風の症状
4. 治療と健康管理行為
第3章 患う女性ーー病いの語りとジェンダー
1. 「女性のオーラル・ヒストリー」と「病いの語り」の間*
2. 産後風の語りにみられる韓国女性の生活
3. 「ないはずがない身体」の意味づけ
第4章 治療する側ーー韓方医学における疾病の社会的構築
1. 韓方医学における産後風の持続、変化、拡大
2. 韓方医による病理化
3. メディアによる知識の流通
第5章 ケアする人ーー産後調理院と産後調理士の登場と発達
1. ケアされなかったお母さんたち
2. 産後ヘルパーから健康管理士へ
3. 「産後調理院」のケアと儀礼の変容
4. 強化されていく産後ケア
終 章 消えゆく病名ーー「産後風」とはなにか
1. 文化的表象としての「苦しみのイディオム」
2. 産後風からみる女性の望み
3. 西洋医学のパラダイムにおける民俗的な病い
4. 産後風の治療に関わる課題
おわりに
初出一覧
参考文献
いつの時代にも等身大の女性たちがいた。歴史をジェンダー視点で見つめ直すことは、誰もが自分らしく生きることのできる社会をつくる手がかり、変革の視座となるはず。女性史を手軽に学べる最適のテキスト刊行!
【同志社大学教授 岡野八代氏 推薦! 】
歴史とわたしたちは繋がっている。歴史は細部に宿るともいわれますが、大きなジェンダー史の流れのなかで、女性たちの格闘と活躍を掴むことで歴史に生きるわたしを感じさせてくれる、そっと傍に置いておきたい良書。
はじめに
第1章 近代以前の女性 人類のあけぼのから幕末まで~人類社会のはじまりは 差別も戦争もない社会
階級社会の発生と戦争のはじまり
日本では 女性の地位の低下がゆるやかにすすむ
男女がともに労働する社会
共同体から「イエ」の成立へ 新たに刻まれたジェンダー
たくましく生きた中世の女性
自らの意志や感情をもち 自分の力で切り拓いた女性たち
村の自治に参加する女性
歴史の「表舞台」から消えていく女性
封建制と「女大学」
農村で 江戸の町で 働く女たち
買売春の発生
深まる幕藩体制の矛盾と あきらめない女たち
第2章 資本主義のはじまりと女性たち
いまの生きづらさの根っこは 明治時代につながっている
自由民権運動 はじめての参政権の願い
日本で最初のストライキ
過酷になる「嫁」の労働
越中の「女一揆」
資本主義の発展と 労働争議に立ち上がる女性たち
「婦人には特殊の要求がある」…女性の労働をめぐる模索
「婦選なくして普選なし」…婦人参政権もとめて
公娼制 その延長につくられた日本軍「慰安所」
インドネシアで「慰安婦」にされた少女たち
侵略戦争にからめとられていった女性たち
日本国憲法とベアテ・シロタ・ゴードン
第3章 市民革命と女性解放思想(フェミニズム)の萌芽
ラディカルに しなやかに 生きぬいた女性たち
フランス革命の限界をみぬいた「女権宣言」
与えられた役割ではなく 女性が自立して生きる道を
フェミニズム運動の狼煙あげた セネカフォールズ大会
女性の解放と労働者の解放をともにめざして
女性差別の起源を人類史の中でとらえる
「国際女性デー」を提唱 反戦の女性の国際連帯よびかける
第4章 女性差別撤廃条約への胎動
コロナ禍であぶりだされる ジェンダーの壁
ジェンダーギャップ120位の遅れた日本
NGO・市民社会の出番!
日本の遅れはなぜ?1 家父長制にしがみつく人たち
日本の遅れはなぜ?2 女性差別を自ら作り利用してきた 財界と政府
第二次世界大戦後 国境を越えてつながった女性たち
「女性差別撤廃条約」の3つの意義
合言葉は「平等・開発・平和」
戦争とジェンダー
選択議定書 個人の通報と国連による調査
フェミニズム運動の中で 名前のついた新しい権利
ジェンダー格差で12年連続1位のアイスランド
世界に先駆けた 日本国憲法24条
働きつづけるために 仲間とともに おおらかに
おわりに わたしたちの国で
資料編
いまだに「普通ではない」という目を向けられがちな同性愛だが、実は、地球上の生物の間では、同性愛はまったく珍しくない。
実に1,500種を超える動物で、同性間の性行動が観察されているからだ。
しかし、なぜ、子どもを残さないはずの同性間性行動がこれほど盛んなのだろうか?
どうして、ヒトの社会では同性愛が抑圧されてきたのだろうか?
ジェンダーかセックスかという既存の枠組みを超え、性の多様性の本当の意味を明らかにする。
目次
はじめにーー「ジェンダー」を生物学に取り込む
Part1 同性愛でいっぱいの地球
自然界の同性愛者たち/鳥の同性カップルは子育てもする/揺らぐダーウィニズム?/同性間性行動と「性的指向」としての同性愛/ボノボはけっこうアマゾネス/イルカ─若衆宿と、義兄弟の契り/ゾウ─念者と若衆/一夫一妻の進化史/ペア・ボンドは雌雄の間で進化したのか/コウモリの豊かな性生活/稚児を持つテンジクネズミ/ローレンツのガンの同性カップル/繁殖に結びつかない性行動は珍しくない/シカと交尾するニホンザル/ほか
Part2 ヒトの同性愛を生物学から探る
「同性愛者」の誕生/生物やヒトの両性性を示す/性を決めるのは染色体か、ホルモンか/進化理論による宗教的自然観の破壊/ゴールトンと優生学/優生学の惨禍と没落/ゲイやトランスジェンダーになるのは親の育て方のせい?/生得的な方向付けの追及へ/利己的な遺伝子/ほか
Part3 生物学的説明の限界
同性愛の進化的な説明/遺伝子による行動の説明は難しい/ゲイ遺伝子を追え!/行動遺伝学いまむかし/ホルモンによる性の両義性説と行き詰まり/ジェンダー=社会的な性、という定義は妥当か?/雌雄二元論ではない生物学への試み/性的指向と性自認それぞれに対応する神経核/ほか
Part4 ジェンダーの生物学
一つの性に複数の性役割が存在する/一生の間で性役割が変わる/脊椎動物も性転換する/性役割の揺らぎ/性決定の方式も進化の途上/オスの精子で遺伝子組み換えをするサラマンダー/両性具有的なブチハイエナ/性の曖昧さと神聖さ/ほか
Part5 ヒューマン・ユニバーサルな同性愛
男女間の恋愛は、文化現象か生物学的な普遍性があるのか/異性愛の恋愛歌よりも古い、性別越境文化の遺物/男性同性愛が当たり前の古代ギリシアとローマ/キリスト教に攻撃されたキュベレー/キリスト教と同性愛の共存/同性愛の冬の時代/不寛容はイスラム社会への対抗?/日本の古層より/ほか
Part6 宗教戦争としてのホモフォビア・トランスフォビア
生物学的なベースは、セックスではなくジェンダー/性淘汰ではなく社会淘汰/なぜヒトの社会で同性愛が忌避されるようになったのか/ほか
Part7 多様性は繁栄への途
シリコン・ヴァレーは多様性でいっぱい?/日本の歴史的ギフテッド─三島由紀夫と南方熊楠/天才はいいことばかりじゃない/ほか
まとめーー「おわりに」にかえて
引用文献
SDGsでは性感染症予防やジェンダー平等が明記され、保護者の強力なニーズもあり、性教育に注目が集まっている。国際標準の性教育は学校が拠点となる。日本のボトルネックは何か、いかに打開し実践を切り拓くか、理論的に論じる。
はじめにーー性教育のさわやかな風を吹かそう
第1部 包括的性教育とは何か
第1章 性教育の新しい時代を拓く国際的スタンダード
--『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』初版から改訂版へ
【補足資料1】アメリカ性情報・性教育協議会(SIECUS)の「包括的性教育ガイドライン」(第3版、2004年)
第2章 性教育におけるテーマ主義と課題主義
--テーマ主義を悪用された都議会での性教育バッシング質問にも触れて
第3章 “青少年の性”はどう捉えられてきたか
--戦後日本の性教育政策と国際的スタンダード
第2部 包括的性教育をすすめる
第4章 乳幼児期から包括的性教育をすすめる
--人生のはじめだからこそ偏見のない性の学びを
【補足資料2】乳幼児の性教育で「からだ学習」をすすめる10のポイント
第5章 学校教育の現場で包括的性教育をすすめる
--学習指導要領の問題点と国際的スタンダードへの展望
第6章 包括的性教育の立場で「性教育の手引」を発展させる
--東京都教育委員会「手引」の問題点の解明と性教育実践の展望
第7章 性教育をすすめるとき、すすむとき、そして立ち止まるとき
--ゆたかで多様な実践の可能性
おわりにーーいまこそ性教育政策の転換のとき
ジェンダーの複雑さに向き合うために
これからの時代の「当たり前」を身につけるための
新しいガイドブック!
この本に出逢えて良かった。
いつかもし、私が子どもを授かれたら、
一緒に読んでみたいと思います。
──西原さつき(俳優/ドラマ『女子的生活』出演・演技指導/映画『ミッドナイトスワン』脚本監修)
私たちは多様な人々とさまざまな知見を共有し、ともに生きる時代に立っています。
しかし実際は人種や性別などに基づく差別や偏見は無くなっておらず、いたる所で日常に悪影響をもたらしています。
本当のところ、私たちはそうした「自分とは違う」人たちのことを、そして自分自身のことをどこまで知っているのでしょうか。
本書ではクィア作家でアーティスト、そしてノンバイナリー(性別二元論に収まらないジェンダー)を自認する著者が、歴史、科学、社会学的な事象を通じつつ、実体験を交えながらジェンダーにかかわる様々なトピックについて丁寧に解説していきます。
ジェンダーをめぐる基本用語集とその解説、歴史的な出来事や事件、世界に大きな影響をもたらした人々の逸話、人間以外の動物における「性」のはなし、さらには著者自身による乳房切除手術の経験談まで。毎日のように変化を続けるジェンダーと世界との関係を学ぶために、本書は多くの方にとって最良の入り口となるはずです。
近年話題のSDGs(持続可能な開発目標)では、ジェンダー平等の実現や、人や国の不平等をなくすことが国際目標として定められています。本書にはそれを最良のかたちで実現するために、これからの時代を生きる私たちがぜったいに知っておかなければならない知識が詰まっています。
他者について学び、自分がどう生きたいかを考えるための一歩を、本書をきっかけに踏み出していただければ幸いです。
◎主な項目
ジェンダーにまつわる用語・入門編/ジェンダー・アイデンティティ/ジェンダー・ディスフォリア(性別違和)/ジェンダー・エクスプレッション(ジェンダー表現)/ジェンダーアイデンティティ、セクシュアリティ、性的指向の違い/アセクシュアリティ/動物たちの同性愛行動/身体的な性/ジェンダーの解剖学/インターセックス/ナメクジの性/べからず・べし/LGBTQ+って実際どういう意味?/ジェンダーロール(性役割)/インターセクショナリティ/同化教育制度/第3のジェンダーと第4のジェンダー/シェイクスピア/コウイカ/脳みその重さにまつわる神話/STEM(science, technology, engineering, and math /科学、技術、工学、数学)の女性たち/1800年代の服装/ルイ14世とハイヒール/男の子は男の子ーーいかに有害な男らしさが男性…
序文 メレディス・タルサン
まえがき
パート1:まずはここから
パート2:さらに深掘り
パート3:わたしの話
あとがき:学びは決して終わらない
参考資料
索引
謝辞
著者について
大衆の価値観が激動した1970年代。誰もが歌えた「あの曲」が描く「女」と「男」の世界の揺らぎーー衝撃の名著、待望の文庫化! 解説 斎藤美奈子激動の1970年代、男らしさ・女らしさの在り方は大きく変わり始めていた。阿久悠、山本リンダ、ピンク・レディー、西城秀樹、松本隆、太田裕美、桑田佳祐……メディアの発信力が加速度的に巨大化するなか、老若男女が自然と口ずさむことのできた歌謡曲の数々。その時代の「思想」というべき楽曲たちが日本社会に映したものとは? 衝撃の音楽&ジェンダー論。解説 斎藤美奈子
〈ジャーナリスト、研究者、エッセイストらが、今のネット空間を徹底解説〉
炎上しない、人を傷つけない、無意識に差別しないため、どんな点に気をつければいいのか、SNSユーザーの基礎知識が満載!
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生活になくてはならないスマホだけど、SNSではいつも誰かがケンカしているし、何か言ったら絡まれたりする。
「エコーチェンバー」「フィルターバブル」「アテンション・エコノミー」……。
ネット空間にはもともと人を孤立化させ、分断してしまう仕組みが組み込まれている。
──だけど私たちがスマホを手にして日は浅い。デジタルな時代は始まったばかりだ。
■小島慶子……私たちはデジタル原始人──序論にかえて
■浜田敬子……眞子さまはなぜここまでバッシングされたのか」
■李美淑………炎上する「萌えキャラ」/「美少女キャラ」を考える
■田中東子……なぜSNSでは冷静に対話できないのか
■治部れんげ・山本恵子・白河桃子……なぜジェンダーでは間違いが起きやすいのか
■林香里………スマホ時代の公共の危機──ジェンダーの視点から考える
■〈特別対談〉君塚直隆×小島慶子……イギリス王室と皇室は何が違うのか?
■〈特別対談〉山口真一×小島慶子……ネット世論は世論ではない
■〈コラム〉石川あさみ……子ども向けアニメーションとジェンダー表現
■浜田敬子……あとがき
「私は憤慨しとるんですよ」
ジェンダー平等後進国といわれる日本で、100年前から女性の地位向上を訴えていた人がいた。
戦前は男性にしかなかった「女性の参政権」を求め、戦後は無所属の参議院議員として人びとに慕われた。
国際社会の外圧を使い、データを揃え、仲間を募り、社会に波を作る──市川房枝の方法論はいまも褪せない。
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戦前は平塚らいてうと組んで、女性の参政権を獲得する運動をはじめ、戦後は、参議院員として、女性差別撤廃条約批准を推進させ、男女雇用機会均等法の成立を後押しした。
戦前の米国行き、ILO(国際労働機関)事務所勤務、独立して婦選活動、終戦後の公職追放、60歳で参議院初当選、87歳で全国区トップ当選──。
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いまよりさらに男尊女卑、性別役割分業意識が強い時代にあって、どのように社会を動かそうとしたのか?
そして今、彼女の願った男女平等は、本当に達成されているのか……。
〈働く女性のトップランナーとして、市川房枝87年の生涯をたどる〉
■はじめに
序章…………国際連合と日本女性をつなぐ
第1章………「農家の娘」が一四歳で米国留学を目指す
第2章………平塚らいてうと女性の参政権をめざす協会設立
第3章………アメリカへ渡る
第4章………ILO職員として女性の労働現場を歩く
第5章………戦前の「婦選」活動
第6章………戦争を生きぬく
第7章………公職追放と参政権獲得と
第8章………無所属の参議院議員として
第9章………「政治と金」に抗して
第10章………市川房枝のジェンダー政策
終章…………ジェンダー平等に向けての「長い列」
■おわりに
人間と動物を対立させる価値観を退け、ポストヒューマンやクィアの思想を取り込んで、動物表象に潜むジェンダー力学を浮き彫りにする。動物や人間、精霊やウイルスをめぐる物語に分け入り、マルチスピーシーズとジェンダーの視野で作品の可能性を浮上させる。
多様性と寛容を備えた社会をきずくために、「戦後」社会の影から目を反らさず、自らの記憶をたどりながら、そこに内包されていたジェンダーに由来する歪や抑圧、暴力に検証の目を向けていく〈自分史〉。
まえがき
序章 Boy Broken
第1章 学校と少年
1節 教室の光景
(1)あの場所 ─ 地域の絵
(2)あの教師 ─ 戦前教育の遺産
(3)あの空間 ─ 教師の集団管理
[1]学級 [2]給食
2節 国家の力 ─ 学習指導要領
3節 覇権的少年性 ─ 学級委員・健康優良児
第2章 スポーツと少年
1節 男の証 ─ 野球
2節 スポーツとジェンダー
(1)体育とジェンダー ─ 男子のハードル
(2)部活動とジェンダー ─ モテる・モテないの岐路
第3章 ブラウン管と少年
1節 通り過ぎた少年雑誌
2節 テレビの中の“ともだち”
3節 テレビが映したセクシュアリティ
(1)幸福の未来図
(2)性の超越
第4章 世相と少年
1節 杉並西田町の影 ─ 朝鮮部落と屑屋長屋
2節 犯罪の影 ─ 連続通り魔事件
3節 高度経済成長の影 ─ テラスハウス阿佐ヶ谷住宅のパパとママ
4節 家族像の影 ─ かぎっ子に投影されたジェンダー規範
5節 父と母の影 ─ エロスと暴力
終章 あの少年を追って
1節 ジェンダー・トラブル ─ 自己否定の果てに
2節 壊された少年 ─ 後遺症を背負って
3節 残された時間 ─ 多様性と寛容を備えた社会に向けて
おわりに 願いをこめて
あとがき
解説 「壊された少年」のジェンダー史 加藤千香子
緊急出版!笙野頼子最新作!
「平等」「差別禁止」を謳うLGBT法に忍び込んだ毒、その危険すぎる一語、
ジェンダーアイデンティティーとは? 今から一体何が始まるのか?
「体の性に合わせて区分する方がベターかな」とSNSで発信した女優が謝罪を余儀なくされ、渋谷区に新設されたトイレでは女子トイレがなくなり、区議がツイートした写真が2800万回以上表示されるなど、ネットを中心に大きな議論となっている。
本書はTERF(ターフ、本書で詳細に解説)とレッテルを貼られた笙野頼子によるLGBT法案の何が問題なのか、「性自認」とは何か、法案を推進する者の正体と理由、同様の法律を導入した各国の状況とその後の変化を伝える、報道、解説、提言の書である。
前文 LGBT理解増進法に隠された秘密、毒饅頭、その危険性とは?
1 ジェンダー? それは新世紀に突然変異して謎人権と化したウィルスである
2 てことで? これ、昔は誰も知らないフェミニズムヲタク用語でした
3 ジェンダー=「自己表明性別=言うだけ口だけ性別」と訳して新訳に出来る?
4 殴れば勝てる相手でも殴らず対等に話し合おう、肉体格差の是正も男女平等です
5 インチキポストモダンのクイアフェミニストで、世界的なジェンダー学権威のジュディス・バトラーが言い出しっぺなんですね
6 あほもかしこも反ジェンダーになあれ、女に生まれた、汝自身を知れ!
7 GENDER MEANS SEX, AND INCLUDES A PERSON’S GENDER IDENTITY AND GENDER EXPRESSION(翻訳? 不可能です笑)
8 トランス女性は女性ではなく男なんです
9 まあそういうわけで罪深いジェンダーウィルスですよ?
10 ほらこれが先述の「極右のでっち上げ」です二〇二一年夏、……
11 子供の性別を「自分で」決めさせた、タビストックジェンダークリニックの悲劇
12「トランス差別をやめる」と他の人権は? LGBT法案とは名ばかりジェンダー独裁
13 千載一遇で政権交代が出来たはずなのに、なぜか今ジェンダー平等でコケる百年政党
14 ターフとは? TRANS-EXCLUSIONARY RADICAL FEMINIST
15 趣味と実益を兼ねた富豪達のゲーム、ジェンダーイデオロギー
16 で、LGBTとLGBTQはどう違うのかね? そもそもQって何?
17 さて海外は少し夜が明けてきました、と言ってるうちに日本に第二波来襲
障害とジェンダーの視点を結び付けた障害者ジェンダー統計は、障害者の実態をより正確に把握し、障害者の生活を変えることができるものとして国際的に重要性が指摘されている。障害者ジェンダー統計の先進国における研究動向と日本の現状を把握のうえ、障害の医学モデルから社会モデルへの転換に際し、障害者ジェンダー統計における新しい統計データの分析の方向性を示す。
なぜ少女たちはピアノを習うのか
日本に西洋音楽がもたらされ普及していくなかで、ほかの楽器に比べて一般の家庭に積極的に受け入れられていったピアノ。その習い手は、多くの場合には妻、そして娘であった。なぜほかの楽器ではなく、ピアノなのか。なぜその習い手は女性なのか。ピアノが普及していく黎明期の日本社会を丹念に追い、その背景に迫る渾身の書。
ボーヴォワールが『第二の性』で新しい概念の登場を予感させて以降、20世紀の哲学はジェンダー論の展開・受容に大きく舵を切った。だがなお、私たちの認識にはジェンダーをめぐる不正義があり、学問にも性差別が残っている。こうした問題は思想・実践の力によって少しずつ解決されてはいるものの、20世紀には表在していなかったLGBTQという観点によって、よりいっそう複雑化している。性の多様性に対して哲学は何を言えるのか。これは21世紀の重要な問いのひとつである。
第1章 ジェンダーが問い直す哲学ーー「尊重しあう愛」 は可能か【小手川正二郎】
1 哲学とジェンダー
2 身 体
3 愛
第2章 ジェンダーをめぐる認識的不正義ーーマスメディアの企業風土と組織の証言的不正義【佐藤邦政】
1 個人が犯す証言的不正義
2 組織が犯す証言的不正義
3 マスメディア企業における偏ったジェンダー組織風土
4 マスメディア企業の組織的無知による証言的不正義
5 おわりにーー偏ったジェンダー報道に対するマスメディア企業の責任と是正に向けて
第3章 性差をめぐる科学研究の落とし穴ーー統計学をいかに使いこなすか【高松里江】
1 能力に性差はあるか? 算数・数学のテストを例に
2 統計学と心理学
3 心理学における再現性課題
4 平均値に対する誤った理解
5 性差の根拠とされるもの
6 おわりにーー性差研究で注意すべきこと
第4章 LGBTQの人々が「自分らしく生きる」ということーー性のポリティクスから多様性の哲学へ【稲垣惠一】
1 不可視化された差別と生きづらさ
2 差別を助長しかねない?--LGBT法
3 内なる差別意識をどう考えるか?
4 政治問題とされた観念
5 LGBTQの人々の多様なかかわり
6 近代的主体の形成とその裏側
7 性のポリティクスの限界
8 性の多様性の実践
9 おわりにーーパートナーは喪失した私を取り戻してくれるのか?
責任編者解題
引用・参照文献
責任編者・執筆者紹介
索 引
【物語の概要】
離婚したお父さんに連れてきてもらった、回らないお寿司やさん。小林伝は、そこで女性の寿司職人・春原さんに出会います。しかし伝は、クラスメイト・海江田美緒が将来寿司職人になりたいといったとたん、「それ、無理じゃね?」と夢をすぐさま否定されたときに、勇気を出して声をあげることができませんでした。そこで春原さんのお店・寿司春へ、海江田さんもいっしょに、つれていってもらうことにしたのです……。
【シリーズ「おはなしSDGs」の特色】
・各児童文学賞受賞作家やベストセラー作家など、現代を代表する一流童話作家の書き下ろし作品です。「物語の楽しさ」を第一に書かれた作品は、どの一冊をとっても、すぐれた児童小説として楽しむことができます。
・実力のあるイラストレーターによる挿絵が多数掲載され、確実に物語を読み通す手助けとなります。
・各巻とも、SDGsが掲げる17のゴールのうちの一つがテーマとなっており、いま世界が協力してその目標に向かわなくてはならない理由が自然と理解できるストーリーが展開されます。
・本文中に、物語とリンクさせるかたちで、関連する図表、グラフ、年表などが入ります。さらに、各巻の巻末で、テーマとしたSDGsのゴールについてくわしく解説しますので、テーマ学習の教材としても使用できます。
・SDGs全体について解説する「総論編」も刊行します。さまざまなゴールをテーマにした物語と、「総論編」を併読することで、SDGsについての理解がさらに深まるように設計されています。
・A5判、80ページ(一部カラー)。朝読書にもぴったりのボリュームです。
【シリーズ「おはなしSDGs」のラインナップ】
未来からの伝言 SDGsガイドブック(那須田淳)/貧困をなくそう(安田夏菜)/ジェンダー平等を実現しよう(戸森しるこ)/安全な水とトイレを世界中に(石崎洋司)/エネルギーをみんなにそしてクリーンに(森川成美)/つくる責任つかう責任(小林深雪)/気候変動に具体的な対策を(楠木誠一郎)/海の豊かさを守ろう(佐藤まどか)/陸の豊かさも守ろう(吉野万理子)/平和と公正をすべての人に(小手鞠るい)
貞淑という悪徳、“不真面目な”ヒロインたち、
不条理にキラキラのポストモダン、
結婚というタフなビジネス……
「男らしさ」「女らしさ」の檻を解き放て!
注目の批評家が贈る〈新しい視界がひらける〉本
・ジュリエットがロミオにスピード婚を迫った訳とは?
・フェミニズムと優生思想が接近した危うい過去に学ぶ
・パク・チャヌク映画『お嬢さん』の一発逆転!〈翻案の効用〉とは
・『マッドマックス』の主人公がもつケアの力と癒やし
・「マンスプレイニング」という言葉はなぜ激烈な反応を引き起こすのか……etc.
閉塞する現代社会を解きほぐす、鮮烈な最新批評集!
保育士養成課程の「子ども家庭支援論」の教科書。子どもと家族に対する,日本国憲法と福祉教育的権利保障,家族の多様性、ジェンダーの3つの視点を柱として,具体的,実践的内容を盛り込み記述。
同性婚の「現在地」、そして「その先」を展望する
いまだ法律で認められていない同性婚。そもそもなぜ日本では「異性婚」しかできないのか? 憲法・民法・国際人権法の視点から「法の論理」を、そして独・仏・台湾事情から同性婚法整備の過程とその後の経過を学び、日本における婚姻の自由と平等を考える。
執筆者
辻村みよ子(東北大学名誉教授)
三成美保(追手門学院大学法学部教授・奈良女子大学名誉教授)
田代亜紀(専修大学法科大学院教授)
西山千絵(琉球大学大学院法務研究科准教授)
中川重徳(弁護士)
二宮周平(立命館大学名誉教授)
谷口洋幸(青山学院大学法学部教授)
齊藤笑美子(GELEPOCフランス支部長)
渡邉泰彦(京都産業大学法学部教授)
福永玄弥(東京大学教養学部准教授)
糠塚康江(東北大学名誉教授)
はしがき(辻村みよ子)
企画趣旨ーー二一世紀の人権保障としての婚姻の自由・平等(三成美保)
第1部 日本における婚姻の自由・平等
婚姻の自由・平等をめぐる憲法論ーー同性婚について(田代亜紀)
〈コメント〉同性カップルの婚姻の憲法的基礎づけに向けて(西山千絵)
核⼼部にさしかかる「結婚の⾃由をすべての⼈に」訴訟(中川重徳)
実務上の課題と具体的な提案:二宮周平
第2部 婚姻の自由・平等の法理ーー国際比較から
国際人権法と婚姻の自由・平等ーー性別制限の撤廃は国際人権法上の義務か(谷口洋幸)
フランス同性婚の10年と見えてきた課題(齊藤笑美子)
ドイツでの同性婚まで二五年? 一六年? 四日?(渡邉泰彦)
「ジェンダー平等」と性的マイノリティの権利ーー台湾における婚姻平等を中心的事例として(福永玄弥)
おわりにーー同性婚のこれから(三成美保)
あとがき(糠塚康江)
読書案内・関連サイト紹介