300人の証言で綴る、日本初のゲイ・ドキュメント。
テーマ別に40項目、300本の映画について解説した待望のガイドブック。
性も「十人十色」。性同一性障害と同性愛の人びとが協同してつくった初めての本。
子どもん頃。
うちには母の友人達がしょっちゅう遊びに来とったけど、わたしはたぶん、この人に一番なついていた。
うちに遊びに来る、母と母の彼女の友人達には、女の人が好きな女の人も、男の人が好きな男の人も、男の人が好きな女の人も、どっちのことも好きな人も、どちらでもない恋人がおる人もおったけど。
多聞(たもん)みたいな人はーー。
いつだって一人で、口を開けば多聞にしか見えない友達のことばかり。
妖精、妖怪、ぼうちに魔女。
人間よりも、幽霊やおばけが好きな人。
こんな妙な大人は多聞だけ。
多聞、あのおかしな人だけだった。
★
他の人には見えない、人ならざるものとの会話を愉しむ、妙な大人、“多聞”。
レズビアンの母達と暮らし、誰を愛しても祝福される環境で、誰のことも恋愛として愛することができないと悩む、“内日(うつい)さん”。
そして、内日さんの呼びかけに応え出現したものの、自分の名前を忘れてしまった不思議な仔、“多聞の友達”。
クィアな家庭で育ったアロマンティックの子の、繊細な揺らぎ。
自分のことを、あなたのことを、わかっても、わからなくても、ここにいるという事実を語り合うことがきっとできる、ひと夏の不思議な、大阪の物語。
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話題のシスター・バイオレンスアクション『ババヤガの夜』の著者が放つ傑作小説集。
父親が死んだという連絡がある。母親は三十年以上前に父と離婚してから、まったく没交渉だった人間だ。葬式を準備する私と母の顔には、「めんどうくさい」という字がくっきり刻まれている(「かたす・ほかす・ふてる」)。
誰にも同情されず、注目もされず、生きる営みを淡々鬱々と続ける人々の心を照らすものとは? 孤独な現代人の心を揺さぶる「ダイバーシティ」ファミリー小説五編。
こんな風に書かれる主人公たちが心底羨ましい。理屈じゃなくて、肌触りが好き。独り占めしたいから読まないでください!
ー尾崎世界観(ミュージシャン・作家)
全編、順番を付けられないくらい好きです。そして、どのお話にでてくる人も好きです。
共に生きられなくても、あなたを生かしてくれるひとはいるのだよ、と王谷さんが語りかけてくれるようでした。
ー町田そのこ(作家)
これはあなたの話であり、わたしの話であり、あなたのすぐ隣で生きているひとの話だ。
ー永井玲衣 (哲学者・作家)
つながりは言葉のまえに、そこにあって、じぶんの家族も、本当は名付けられないなにかだ。
本書は家族という最小の社会につけられた、無数の傷を愛そうとするこころみである。
ー海猫沢めろん(作家)
この小説たちは、まさに現代の「人間喜劇」(19世紀の文豪バルザックの小説群)だ!-(担当編集)
第75回野間文芸賞受賞作
「いつか冷めない恋をしてみたいと思う?」
学生劇団で男とも女とも恋を重ねたヒカリ。
六人の男女が彼女が残したものを語る。
『ヒカリ文集』の中核となるヒカリという女性も〈心を使わない人〉である。
無類に優しく人を傷つけることを小心なまでに恐れていて人の役に立ちたいと願っているのに、男性とも女性とも恋愛が長続きせず次々とつき合う相手を替える。(略)
ヒカリという女性が伝統的な〈宿命の女〉像を少しでも塗り替えることができていれば幸いである。
ーー松浦理英子(「群像」2022年3月号より)
無類に優しく、好意以上のものを語る笑顔で人に依存を惹き起こす。
小心なまでに人を傷つけるのを恐れ、身についた習慣のように人を喜ばせ力づける。
それなのに、親密な関係を結んでは自分から壊す。
学生劇団で男とも女とも恋を重ねたヒカリとは何者だったのか。
第75回野間文芸賞受賞の著者の新たな代表作。
美しい線で描き、切ない心情を綴り、絶大な支持を集める魚喃キリコの過去作品9冊の限定新装版と、本人による作品解説集が連続集中発売!
ファン待望の13年ぶりの復刻&新刊となる。
「魚喃キリコ 作品解説集」では、過去に単行本化された作品について、魚喃キリコ自らが物語の伏線や当時の心情を交えて解説。
休筆期間について初めて語るインタビューも掲載。
漫画家・高野文子、作家・藤沢周との過去対談も抜粋掲載。
魚喃キリコ作品年表
「water.」作品解説
「blue」作品解説
「痛々しいラヴ」作品解説
「ハルチン」「ハルチン2」作品解説
「南瓜とマヨネーズ」作品解説
「短編集」作品解説
「strawberry shortcakes.」作品解説
「キャンディーの色は赤。」作品解説
高野文子×魚喃キリコ 対談
藤沢周×魚喃キリコ 対談
ーー名前を忘れてしまった多聞(たもん)の友達。
話し相手になってと頼んできたのに、
わたしにばかり質問してくるきみにーー…
ずっと会いたかったような……
こんな気持ちになるのは、なんでなんやろう。
★
他の人には見えない、人ならざるものとの会話を楽しむ、妙な大人、“多聞”。
そして、二人の女と暮らしている子、“内日(うつい)さん”と、自分の名前を忘れてしまった不思議な仔、“多聞の友達”。
女性同士の恋愛を友情と呼ばれ、なかったことにされてきた親達と、本当のことをまだ話せないでいる、わたし達。
時代を超え、国境を越え、どこかにいて、どこかにいた、三人だったり四人だったり、恋人だったり家族だったりする、さまざまなセクシュアル・マイノリティの親子達。
人と人が、普通で、時には最悪で、でもハッピーで、退屈でありきたりな毎日の話を、誰にどんなふうに話せばいいのかわからないと思っていた話を、語り合う。
恋愛をする人も、しない人も、わからない人も、決めてしまいたくはない人も、ただ覚えていてほしい、忘れないでほしい、ひと夏の大阪の物語。
●コミックビーム 公式X(Twitter)
@COMIC_BEAM
特集:クィア・女性・コミュニティ
「わたしたち」の場づくり、コミュニティ、言葉をアーカイブする。
ウーマンリブから生まれたレズビアン・コミュニティ、伝説のレズビアン&バイセクシュアル雑誌、そして、Xジェンダーの語りや、様々なセクシュアルマイノリティの集まれる場所……フェミマガジン13号目は、「LGBTQ」から消されてしまいがちな女性やノンバイナリー/Xジェンダーの人々による、場所づくりや運動を記録する特集号。多数のインタビュー、寄稿、読者投稿「自分の存在を消されたと感じたことはありますか?」など。
累計12万部突破!
「もう……」
「……止められないよ」
早乙女志乃と白雪恋は恋人同士。
ふたりで回る文化祭に、カラオケデートと、勉強会。そして、「あれ」の後にもずっとイチャイチャ……。
何処にいたって、何をしてたって、見つめ合い、唇を重ねれば、そこは天国!
また、『志乃と恋』のノベライズ刊行記念として、『志乃と恋 Future』(著:日日綴郎)の番外編SS+小説コラボ漫画掲載!
フルカラーイラスト35P超&描きおろし漫画100P超収録!
続々重版出来の大人気ガールズラブコミックス!
セクシュアリティはすべての人の中にある。ただ、それと本当に向き合える人は少ない。ノンフィクション作家が瑞々しい感性で描くもうひとつの幸せのかたち。