●本シリーズは、現代においてより多様化、複雑化していく「こころの問題」の解決にせまり、予防の実践と方法を紹介します。それを通して「心身の健康」を取り戻し保つことを目的としています。
●これまで問題とされ、今後もより深刻となっていくテーマを中心としつつ、できるうる限りふくらみをもたせ、多角的に巻立てを構成しました。
●各巻をテーマ別に構成。その分野における一線の研究者による責任編集です。
●具体的な理解を助けるため、症例の紹介、引用・参考文献などを充実させています。また、専門用語にはわかりやすいよう注記を付しています。
●医学、心理学、看護、保健、学校教育、福祉、企業などの専門家、関係者はもとより、学生や一般の社会人にいたるまでを読者対象としています。
思春期に発症しやすい病型・体質がある!
うつ病、アスペルガー症候群との違いは? 思春期特有の症状とは?
10歳過ぎから発症する統合失調症。正しい知識と治療法を徹底解説!
そのとき家族はどうしたらいい? 早期治療に役立つ完全ガイド!
ワイドで見やすいひと目でわかる
第1章 3つのケース。これは統合失調症?
第2章 思春期ならではの症状のあらわれ方
第3章 見分けがつきにくい病気や障害
第4章 薬物療法を中心に根気よく
第5章 家族、学校、医療が連携して本人を支える
■親なんて、いつも子どもにはかなわない
「友だちが持ってるからゲーム買って!」という思春期の息子。
面倒が増えるからと取り合わない母。どこの家でもくり広げられる親子のいさかい。
そんな繁延家で、長男が「ゲームの代わりにほしい」と言ったのは、なんとニワトリだった。
実現に向けて奔走する息子と、著者である母の葛藤。
親子が迎えた成長の季節に、ニワトリのいる新しい風景が加わったーー。
友だち関係にのめり込む思春期の子育てにこそ、親への「愛着」が重要であることをやさしく解説。溢れる情報に惑わされない「愛着」の原理を活かした子育てを提唱する。
第1章 思春期を知る
1 「思春期」ということば
2 思春期の意味
3 思春期の始まりと終わり
4 子育ての要としての思春期
第2章 思春期の親子関係
1 対人関係の構造変化
2 子どもと親の葛藤状態
3 思春期に何が変わるのか
第3章 子育ての条件としての愛着
1 子育ての前提条件
2 愛着の理論
3 愛着の本質
第4章 思春期の愛着の危機
1 思春期の愛着
2 子どもを蝕む「仲間指向性」
3 仲間指向性がもたらす災厄
第5章 子どもを手放すな
1 仲間指向性を後押しする現代社会
2 子どもに友だちは必要か
3 子どもを引き寄せる
第6章 愛着にもとづく子育て
1 愛着だけが子育ての「場」を作る
2 愛着を損なわないしつけ
3 親にしかできないこと
第7章 愛着の村を作ろう
1 一人では育てられない
2 大人の役割
3 愛着の村の構造
第8章 子育ては「技術」ではなく「関係」
1 「正しい子育て」のプレッシャー
2 子育ての「技術」への依存
3 子育ては「関係」
第9章 思春期のメンタルヘルス
1 メンタルヘルスの時代
2 思春期の病理化
3 本当のメンタルヘルス
4 メンタルヘルスも愛着次第
第10章 子育てのゴール
1 子育ての終わり
2 子育ての目標
親のちょっとした習慣で、子どもは自然と変わる!「やる気」や「自信」は簡単なことで引き出せる!!全国から指名が絶えない人気教育講演家であり教育アドバイザー20,000人の親や子どもを導いてきた元中学教師が贈る!
うつ状態、摂食障害、発達障害 ……。心の悩みを抱えた思春期の子どもたちを病院に連れて行けば、すぐに病名が付き、薬も処方されます。けれど、どんな病名が付いたとしても、子どもの本当の悩みと向き合わずに問題が解決することはありません。思春期の子どもの心の悩みの背景には親子関係や両親の夫婦間関係の問題が隠れていることも多いのです。子どもが再び前向きに生きるために、親が家庭の中でできることがあるのです。
「女だけど、恋したのは女の先生」
「ゲイであることを友だちにかくしている」
「自分の身体と割り当てられた性別に、違和感がある」など……。
LGBTQ+当事者の、セクシュアリティ(性のあり方)に
なやんだ体験談を、6編の小説に。
かんたんな用語集やコラムも収録。
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第2話 「同性を好きになったコースケ」 より
ゲイだってことは、クラスメイトたちにはかくしていた。
僕はいいけど、友だちに迷惑をかけたくない。
だから、だまっている。
ほんとうの自分を、ひた隠しにして。
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子供たちは、12歳頃になると思春期に入り自我が芽生えます。そして「自分とは何か?」という問いへの、答え探しの旅が始まります。子供たちは旅の道中で出会う人を通して学び、徐々に自我を確立させていきます。この道中で、どんな人に会うか?それによってその後の人生の行き先が決まります。子供たちにとって、先生の存在は重要です。先生は子供たちの鏡なのです。だからといって、完璧な先生になる必要はありません。不完全であるひとりの人間が、果敢に挑戦する姿を見せることが思春期の子供たちを勇気づけます。1万人を超える子供と関わったメンタルコーチが教える、メソッド&実例。
女性に特有な心身にまつわる疾患を主とし、予防医学の観点から取り扱うことを目的とする「女性医学」。「更年期医療編」に続く本書では、思春期・性成熟期女性における心身のヘルスケアに焦点をあて、月経関連疾患や性感染症、性同一性障害など様々なテーマについてその最新の考え方や実践法をまとめている。これから女性医学を学ぼうとする人にとどまらず、女性医学を専門としない医師、看護師、栄養士、薬剤師などにも役立つ一冊。
思春期の子どもの最大のテーマは「自立」。
それが、彼らが学校や家庭で直面しているあらゆる問題対策のカギでしょう。
「いじめ」や不登校、中学受験や進路進学、親子関係、スマホ等々の問題です。
しかし、「自立」とは、何がどうなれば「自立」なのか、
また、思春期の子どもを前に、周りの私たち大人は何ができるのでしょうか。
親として、思春期の子育てに戸惑った経験と、
国語塾の講師として、中学生たちの本音や現実に向き合ってきた経験をもとに、
その答えを探ってきた記録です。
子どもたちが行き詰まるとき、
それは子どもだけではなく、私たち大人の「自立」が問われているのではないでしょうか。
第一章 転機
子どもたちの思春期/50歳での転機/「社会人・大学生クラス」(中井ゼミ)での自立のやり直し/「中学生クラス」と、「家庭・子育て・自立」 学習会/問題に向き合う生き方
第二章 作文を読み合って話し合う授業
率直に突っ込み合う/問題を抱える中学生たち/精一杯の作文にどう応えるか
第三章 小冊子「君たちが抱える問題の本質と、その対策」
小冊子 「君たちが抱える問題の本質と、その対策」
教材 「部活、サークル、クラスの行事などの問題」
第四章 中学生たちが抱える問題 学校編
「いじめ」たことを書いた作文/他人を傷つけるからよくないこと?/「自分が傷つくのも嫌」/思春期に対立は必然/「傷つけてはいけない」という行き止まり/相手への疑問や批判は直接本人に言う/最終目標は自立 ほか
第五章 中学生たちが抱える問題 家庭編
教育虐待/中学受験って何だったのか/「空白」を埋めるスマホ/学びたいテーマを持つという自立/「母が絶対権力」/兄弟や親の問題/子どもの権利の代行という親の役割/親子それぞれの自立/子育て後の第二の人生
第六章 経済成長と「家父長制」の次へー親の、その親からの自立ー
父との関係の節目/親子関係の意味
受験を控え塾に通う思春期娘と母は、仲良く話していたと思ったら次の瞬間突然バトル勃発がごく日常。文筆家・料理家の著者が、親子のリアルな日常と想いを「塾前ごはん/塾前じゃないごはん」のレシピとともに綴る。
《コンテンツの紹介》
【春】出会いとか、憂いとか、制服とか
・はじめに
・思春期JC娘と母の小舟、荒波を行く!
・卒業式、思春期の始まり、そしてスマホどうするよ問題
・新学期の始まりと、制服とかジャージとか前髪とか
・おだやかに会話したくて、とりあえずサンドバッグになってみた
・大好きだけどときに厄介、されどいとしいあいつのこと
《レシピ》
・エメラルド焼きそば
・玉ねぎのホットサンド
・ほたるいかと菜の花のパスタ
・クリスピーチーズそら豆
・アスパラと豚肉の炊き込みご飯
【夏】けんかの夏、夏期講習の夏
・気がつけば、塩対応です子どもらは。親子旅は、行けるうちにね
・産んでも仕事は続けられるのだろうか、問題
・「好き嫌い克服させなきゃ教」の信者だった
・夏休み、ランチ問題どうするよ。3食作って仕事捗らず
《レシピ》
・カリカリ納豆素麺炒め
・ピーマンサルサのポークソテー
・カリカリにんにくとオイルサーディンのトマトパスタ
・トマトポークご飯
・まるごとピーマンのピリピリマリネ
【秋】ときには、立ち止まって考える
・思いやれる人、という付箋を拾った
・両思いじゃない、一方的な〈壁ドン〉は性暴力、という話
・老化と地味に戦っていたら、体が少しずつ変わってきた話
・出張の間のごはんをどうするか、それが問題だ
《レシピ》
・れんこんのスパイシーご飯
・ありものナポリタン
・かりほく里いものり塩味
・たたき長いもと刻みハムのふんわりグラタン
・まいたけとエリンギのグリル
【冬】鍋とか、家族とか、受験とか、卒業とか
・気をつけろ、寄せ鍋とカオス鍋は紙一重
・家族間〈ジェネギャ〉について考える
・けんかしないで正月を過ごしたい。切実だけどささやかな願い
・塾前じゃないごはん、ラストナイト
・大人だって、戸惑いと反省の日々なのだ。-おわりにかえて
《レシピ》
・納豆みそキムチ鍋
・とろみ鍋
・飾りじゃないのよレモン鍋
・白菜春雨帆立ての辛子高菜煮込み
・ねぎとハムのグラタン
・白菜グリルと帆立てのクリーム煮
【コラム】
・塾前&塾前じゃないごはんを支えてくれるスタメンたち
・JC 娘のキッチン成長期
・料理しない日の主力メンバーたち
心理カウンセラーの著者による
【小説+心理学講座+解決ワーク=カウンセリング小説】という、新ジャンルの登場!
本書は、物語を読むことで問題解決の糸口が見えてくる「カウンセリング小説」です。主人公たちの成長物語を読むうちに、読者自身が抱える悩みや現状へのモヤモヤ感、将来への漠然とした不安が、すっきりと晴れていきます。
■あらすじ■
大雨の夜、アラサー独身女子3人が、不思議な雑貨店「ミラクル」に集まった。のぞみは、近くの中学校で働く教師。日々の癒しは、アイドルKくんを熱心に応援すること。めぐみは、小さな広告代理店の営業職。親友との「お泊り女子会」が週末の楽しみだったが…。みのりは、公益団体で働く事務職員。時間とお金のほぼすべてを趣味に注ぐアニメオタク。それぞれに充実した生活を送っているが、どこか悩みを抱えているようにも見える。
そんな3人を迎えた店主ミラクルは、じつは心理カウンセラーとしての顔ももち、彼女らの悩みの正体を“大人の思春期”ならではの憂うつ感かも? と指摘した。3人は不思議そうに顔を見合わせる。外の大雨は、やむ気配がない。雨宿りのつもりで店に入った3人だったが、朝までお茶会でもしていかない? というミラクルの提案に、目を輝かせた。
“大人の思春期”をめぐる真夜中のお茶会。暖かい店内でハーブティーを飲みながらみんなで対話するうちに、3人の女性たちは、胸の奥の本音に気づいていくーー。「新しい自分」へと生まれ変わりたいすべての女性におくる、心の成熟の物語。
プロローグ──ある雨の夜、小さな雑貨店で
1章 満たされているはずなのに、どこかむなしい…“大人の思春期”
2章 次のステージへ進んでいくとき、“大人のタイムカプセル”がひらく
3章 「自分の居場所」を整えていくと“アイデンティティ”が見つかる
4章 大人になるには欠かせない…“親密モラトリアム”からの脱出
5章 未熟なタネを育てて、パートナーと“親密”な関係を築く
6章 大人になるための基礎を築く“巣立ち”のテーマ
7章 “無意識からのメッセージ”を聞いて“なりたい自分”をつかむ
エピローグ──それぞれの心が成熟に向かうとき
主に小児糖尿病診療を専門としない実地医家を対象に,小児・思春期における1型糖尿病診療のノウハウを平易にまとめた,日本糖尿病学会・日本小児内分泌学会による書籍.両学会編著による『小児・思春期糖尿病コンセンサス・ガイドライン』の内容をもとに,要点を簡潔な箇条書きとしており,実臨床においてすぐに活用できる.
【内容目次】
1 定義と分類
2 診断基準
3 病因と病態
4 疫学
5 コントロール目標
6 治療のプランニング
7 インスリン療法(持続皮下インスリン注入療法(CSII),SAPを含む)
8 血糖自己測定(SMBG)と連続皮下グルコース濃度測定(CGM)
9 食事療法(カーボカウントを含む)
10 糖尿病ケトアシドーシスとその治療
11 低血糖とその治療
12 シックデイ・外科手術への対応
A シックデイ
B 手術時
13 保育施設・幼稚園,学校生活での指導
14 心理指導
15 災害時の対策
16 糖尿病キャンプ
17 就職,結婚への対応
A 就職
B 結婚,妊娠,出産
18 小児医療から成人医療へ
文献
索引
現代の思春期を生きる少年少女たちのこころの声を引き出す,まんが,アニメ,SNS,ラノベ,アイドルなどのサブカルチャー。子どもたちとの心理カウンセリングを重ねる中,話題に出てくる「サブカル」とその背景から,見えてきたいまどきの子どもたちの真の姿を思春期臨床の第一人者が読み解く一冊。『フツーの子の思春期』『思春期をめぐる冒険ー心理療法と村上春樹の世界』のベストセラー心理学者の10年ぶりの新作です。
第1章 魔法少女の破壊力─誰かの幸せを祈ったはずなのに、誰かを呪わずにいられない─
第2章 残酷だけど、泣ける─ひぐらしのなく頃に─
第3章 十歳前後の草食・肉食期?─『けいおん!』のキャラと関係性─
第4章 思春期の恋バナ
第5章 恋バナ・BL・関係性─フツーの子の腐女子化とその変容─
第6章 子どものこころに寄り添う
第7章 心を閉ざしている良い子
第8章 鏡の中の思春期 その一─『ハウルの動く城』の美と醜─
第9章 鏡の中の思春期 その二
第10章 協調と競合のアイドル─嵐は思春期を変えうるか?─
第11章 推しメンができるという社会性の獲得─AKB48の枠組と臨床的効果─
第12章 女子から見た「暴力」の魅力─不良系男子と優等生系女子─
第13章 時間に追われる子どもたち─クロノスとカイロス─
第14章 人間関係の失敗に敏感すぎる子どもたち
第15章 壇蜜とマツコ・デラックス─彼女たちの共通項─
第16章 季節はずれの思春期─ミタさん的家族の成長─
第17章 今、ここに生きる「私」はどこまでも拡散していく─SNS時代の青春─
第18章 「秘密」と「うそ」の裏側にあるもの
第19章 異界とムスビ」─新海誠『君の名は。』にはまる─
第20章 異性装のイメージ喚起力─欅坂のてちとマツコ・デラックス─
第21章 心のつらさはどのようにしてやわらぐのか
第22章 人格の着ぐるみ─ゆるくないキャラで学校を生きる─
第23章 マスクをすれば自分の部屋にいるような─『輪るピングドラム』の生存戦略─
第24章 思春期と喪失─『海のトリトン』から考える─
共感と信頼関係で乗り切る!
あなたを守ってくれる読むお守り!
「来年度、高学年の担任になってしまった!どうしよう…」
初めて高学年の担任をする先生や、担任経験はあるけど高学年は初めての先生、あるいは育休明けに高学年の担任になった先生は、戸惑うのではないでしょうか。
「高学年の学級担任は大変」な理由は、大きく3つあると考えられます。
・身体面の変化に悩む子が多い
・心の面の変化も大きい
・それらに対応する指導力が求められる
本書は、過去に学級崩壊を経験した著者が、その経験と反省から改善策を探り、失敗しないように体系化したものです。高学年に不安をもつ先生に寄り添いながら、1年間の指導のポイントや、やってはいけないこと、やっておくと良いことなどを丁寧に紹介します。
体の成長を見守り、揺れ動く心を受け止め、「大変な中にいる子どもたちを支える」という高学年の担任は大きなやりがいがあります。笑顔で卒業式を迎えるための力になる1冊です。
■担当者コメント
「高学年の担任になりませんように…」と祈っていたら配属されてしまった!という先生へ。
この本はそんな先生のための”お守り”です。4月の学級開きの前にパラパラ見ておくと、1年間の見通しがもて、どの時期にどのような手立てをすればよいのか、行事でトラブルになる前にどんな話をしておけばよいのかなどがわかります。お守りとして手元に置いておくと、心強い味方になるはずです。
(本書「推薦の言葉」抜粋)
混迷する日本の子どもの臨床現場に,待望の書が邦訳されました。原著は米国のM. E. ブラウシュタインとK. M. キニバーグ共著の「実践子どもと思春期のトラウマ治療 Treating Traumatic Stress in Children and Adolescence」です。著者らは,親の薬物やアルコール依存,精神疾患,虐待やDV,殺傷事件や暴力沙汰,家庭崩壊,貧困や難民などの想像を絶する問題に取り組むなか,子どもの周りのコミュニティーの力に早くから気づいていました。また,早期のトラウマケアのため,子どもと養育者にトラウマ反応をよく説明し,主体的に克服する力を促す,トラウマ・インフォームド・ケアのリーダーです。
訳者は,長年東京都児童相談センターで虐待の臨床に取り組んできた伊東ゆたか先生とその仲間です。伊東先生らは,米国で著者の指導を受け,レジリエンスを育てるアタッチメントattachment(A),調整regulation(R),能力competency(C)つまりARC の枠組みを日本に広めるために,渾身の熱意で本書の翻訳に取り組まれました。このARC の枠組みは,多様な場で実践できる有効な方法であることが学問的に実証されています。
安全安心の土台としての愛着,現実に適応するための感情調整,ストレスに耐えて生き抜く能力の3軸を基本とするARCは,人が生きぬく普遍的なサバイバルの原理として,脳科学的にも検証されたものです。
今,日本全国には,虐待,DV,いじめにあう子や,被災,家庭崩壊,貧困を体験する子どもが増えています。発達期に耐えがたいストレスを受けると,やがてトラウマ反応が生じます。恐怖の記憶がわきあがるため,じっとできず,集団に溶け込めず,ささいなことで癇癪や暴力や引きこもりがおきます。誰よりもその子自身が一番苦しみ,生きていること自体が辛くなります。子どもと家族,身近な幼稚園,保育園や学校の先生に,トラウマ反応について理解してもらうことで,子どもを取り巻く関係性は改善します。
子どもの複雑性トラウマに適切に取り組む専門家は,日本はむろん世界にもそう多くはいません。親(養育者)子を尊重し,その主体性を育み,地域集団の人的資源を掘り起こし,一歩ずつ着実にできるところから手をつけていくほかありません。悪循環が生じる前に少しでも穏やかな関係性が生まれることが大切です。
本書が全国の児童相談所や養護施設や里親の方々に日常的に読みこなしていただけることを願います。それだけではなく,家庭,保育園,幼稚園,子ども家庭支援センター,学校や地域の医療機関で,広く読まれることを願います。トラウマ反応への理解が増し,トラウマを抱えて生きる子どもへの思いやりが社会に広がることにより,深刻なトラウマ反応が予防され,すでにトラウマで苦しむ子どもと養育者の心にも暖かい光が灯されていくことを希望します。
渡辺 久子
世界乳幼児精神保健学会理事
未定