本書は、小学生から大学生、家を守る方から退職した方まで、言葉に興味がある方にもない方にも、言葉に関する面白い事実や不思議な性質をお伝えします。小学校の国語の教科書の不思議、紫式部の癖、日本語の助詞の不思議、そして、モンゴル語、ウルドゥ語、ベンガル語、アイルランド語、英語の癖など、気楽に楽しんでいただき、ご友人やご家族に、物知り顔で話していただければ、さいわいです。「ねえねえ、こんなの知ってる?」(漢字ルビあり)。
1章 日本語の「を」の話 デカルトにならって、すべてを疑ってみよう。
2章 文の種類の話 文の種類は、3つだけ。
3章 天智天皇の日本語の「を」とモンゴル語の「を」の話 日本語とモンゴル語は、親戚。
4章 日本語の「が」と「の」の話 「の」のサポーターは、名詞。
5章 九州の日本語の「が」と「の」の話 九州の「の」は、自由人。
6章 モンゴル語の「が」と「の」の話 モンゴルの「の」は、日本の「の」より、自由人。
7章 ウルドゥ語の「が」と「の」の話 パキスタンの「の」は、好き嫌いがある。
8章 ベンガル語の「が」と「の」の話 バングラデシュの「の」は、好き嫌いがない。
9章 韓国語の「が」と「の」の話 韓国の「の」は、行方不明。
10章 延辺語の「が」と「の」の話 韓国の親戚の「の」は、元気。
11章 中国語の「の」の話 中国の「の」は、人によって元気。
12章 古代中国語の「の」の話 中国語は、日本語の先輩。
13章 英語のSの話 「私とあなた」と「それ以外」。
14章 『源氏物語』の日本語の話 紫式部は、規則好き。
15章 語順の話:日本語と英語 日本語と英語は、アジの開きの関係。
16章 語順の話:アイルランド語 アイルランド語は、動詞が一番。
17章 語順の話:セラヤリーズ語 セラヤリーズ語も、動詞が一番。でも、癖がすごい。
18章 アイルランド語の「何」の話 アイルランド語は、こきざみに動く。
19章 セラヤリーズ語の「何」の話 セラヤリーズ語も、こきざみに動く。
20章 英語の「誰」の話 英語も、こきざみに動く。
21章 日本語の「は」の話 「は」は、環境に敏感な方。
22章 脳の中の話 脳は、いつも全力じゃない。
23章 人の移動と「の」主語 パキスタンで何が起きたの?
24章 言語学に触れると 教わっていないのに知っていることがある。
「記号論」というのは役に立つ流行り言葉だ。ちょっとした軽いパーティーに出たり、それらしい映画館のロビーをぶらぶらしたり、適当な新聞の日曜カラー版を読んだり、深夜のテレビでそこそこの芸術番組を見たりすればそれが分かる。
世界のことばって、全部互いに翻訳できるのかな? だったら、その背後に、何かしら仕組みがあるんじゃないのかな。ねえ、みんなで、考えてみない? きっとみんなのためになる。こんなことから、始まりました。『みんなの言語学入門』本書で日本語と英語の構造を理解すれば、未知の言語(韓国語、スウェーデン語、モンゴル語、フランス語、ビジ語、中国語)に出会っても、慌てず解析できます。言語学の「人生最初の一歩」の教科書に。
第1回 はじめに
文の種類・文の部品・動詞のおさらい
第2回 日本語と英語の類似点
アジの開きの関係です
第3回 日本語と英語の文の構造
日本語の単文1
第4回 日本語と英語の文の構造
日本語の単文 2
宿題1回目
第5回 日本語と英語の文の構造
英語の単文
宿題2回目
[コラム1] 形容詞の問題
第6回 日本語と英語の文の構造
英語の複雑文1
第7回 日本語と英語の文の構造
英語の複雑文2
第8回 日本語と英語の文の構造
英語の複雑文3
宿題3回目
第9回 日本語と英語の文の構造
日本語の複雑文1
第10回 日本語と英語の文の構造
日本語の複雑文2
宿題4回目
[コラム2] 進行形の問題
第11回 未知の言語への挑戦
韓国語とスウェーデン語
宿題5回目
第12回 未知の言語への挑戦
モンゴル語とフランス語
宿題6回目
第13回 未知の言語への挑戦
ビジ語と中国語
宿題7回目
第14回 おわりに
S/S'と規則の統合
第15回 付録
期末テストと課題
[コラム3] 時枝誠記とS
本書は、ジャッケンドフ(Ray Jackendoff)が書いた15冊の著書(共著を含む)に基づいて、人間の言語と心について、ジャッケンドフがどのように考えてきたかをまとめたものである。その中では、生産性/半生産性や心の理論などの問題を取り上げているが、その根底に流れる彼の思想に触れることは、この方面のことを勉強してみたいと考えている方にとって、重要な道しるべになるはずである。
序論 本書の構成と執筆について
第1章 Jackendoffの略歴と業績
第2章 生得性、機能主義、心的表示など
第3章 初期の研究
第4章 概念意味論と並列機構
第5章 指示と真理
第6章 生産性と半生産性
第7章 意識、社会認知、心の理論、行為の構造
第8章 読書案内:Jackendoffの著書
言語学の入門テキスト。日本語と英語の具体例・実験例を見ながら,言語学の基礎理論とことばを科学的に理解する方法を学ぶ。
【主な目次】
Part 1 イントロダクション
1. ことばを操るーー「気づいていない」のに「知っている」とは?
2. ことばを理論的に科学する -仮説を立てて検証するとは?-
3. 心と脳の働きを調べるー実験研究のための手法ー
Part 2 音の文法
4. 音の異同の認知 -音素・異音とその処理ー
5. 「語」の中の音 -日本語のアクセントと連濁ー
Part 3 語の文法
6. 同じ語の語形変化 -屈折と二重メカニズムー
7. 語から別の語を作る -派生語の構造と処理ー
8. 語の意味と構文 -語の意味分解ー
Part 4 文の文法
9. 文の階層構造と二階建ての文ー日本語の使役文を中心にー
10. 名詞句の移動 -受身文の構造と処理ー
11. 節境界を越えた関係ー疑問文の構造ー
Part 5 ことばの使用の文法
12. 話し手と聞き手の関係 -相手はどこにいる?相手はどう思っている?-
13. 常識的な知識と意味 -名詞の意味と世界知識ー
まとめに代えて
14. 手話から見る言語の普遍性と多様性ー聴覚を使う言語と視覚を使う言語ー
はじめに
1 社会言語学の領域
1 言語と社会
2 言語の変種
3 方言と標準語
4 言語接触の研究
5 談話分析・会話分析
6 言語の社会学
7 ことばの民族誌
2 2言語使用・多言語使用
1 微視的および巨視的社会言語学
2 2言語使用と不完全言語使用
3 ダイグロシア
4 コード切り替えとコード混合
5 2言語使用教育
6 エボニックス論争
3 地域方言
1 方言学の発達
2 言語地理学
3 フィールドワーク
4 等語線と波動説
5 言語地図の数例
4 社会方言
1 社会階級と言語
2 ニューヨーク市の階層化
3 世代によることばの違い
4 性別とことばの問題
5 民族グループによることばの違い
6 コックニー英語の特徴
7 アフリカ系米国人の英語の特徴
5 言語変異と言語変化
1 言語変異論と言語変化
2 実時間と見なし時間
3 顕在的および潜在的威信
4 身分と連帯意識
5 言語変異論の限界
6 言語使用域と文体
1 言語使用域(レジスター)
2 話題による偏りーー職業語
3 話者と聴者の役割関係
4 形式的文体とくだけた文体
5 話しことばと書きことば
7 ピジンとクレオール
1 ピジンの成り立ち
2 ピジン化の特徴
3 クレオールへの移行
4 国語となったトクピシン(Tok Pisin<Talk Pidgin)
5 脱クレオール化の特徴
8 世界各地の英語
1 3つの英語圏ーーカチリューの分類
2 母語話者英語の多様性1:英国
3 母語話者英語の多様性2:北米大陸とその他の地域
4 第2言語・公用語としての英語
5 外国語・共通語としての英語
6 World Englishesの研究
7 言語帝国主義
9 伝達能力と言語教育
1 言語能力と言語教育
2 伝達能力の諸相
3 言語教育の変遷1
4 言語教育の変遷2
5 伝達中心の学習法
6 概念・機能シラバス
10 言語習得と異文化接触
1 母語習得と第2言語習得
2 第2言語習得から見た異文化接触
3 異文化間の言語表現
4 バイリンガルの言語運用
5 脳科学から見たバイリンガルの言語運用
? 言語と文化
1 サピア=ウォーフの仮説
2 親族関係の名称
3 色彩用語
4 原型理論とは
5 婉曲語法と禁句
? 発話行為と丁寧さ
1 発話行為理論
2 協調の原理
3 面子(メンツ)
4 丁寧表現
5 呼称の種類
6 敬 語
103 言語政策と言語計画
1 言語政策
2 言語教育政策
3 言語計画
4 国語と公用語
5 標準語と言語の標準化
6 言語保持と言語取り換え
7 言語消滅と言語復活
104 非言語伝達
1 人のコミュニケーション
2 ジェスチャー
3 顔の表情
4 対人距離
5 手話(Sign Language)
さくいん
可能世界意味論の登場とクリプキの「新しい指示論」によって、言語哲学は70年代に根本的な変化を迎える。増補改訂版第3巻が登場!
50年代末の可能世界意味論の登場によって様相論理の評価は一変し、70年のクリプキ「名指しと必然性」によって可能世界の概念は哲学全般に大きな影響をもたらした。クワインの様相論理批判の行方と、指示の理論と可能世界意味論との関係というふたつの謎を軸に、言語哲学の展開を論じる。大河入門書の増補改訂版、待望の第III巻。
増補改訂版へのまえがき
第一版へのまえがき
第二部 可能世界意味論と様相の形而上学
第4章 様相の論理学
4・1 創始者による無視ーーフレーゲとラッセル
4・2 意味論以前の様相論理
4・3 カルナップと様相論理の意味論
4・4 クワインの様相論理批判
第5章 可能世界意味論
5・1 基本的発想
5・2 様相命題論理のモデル論ーー到達可能性
5・3 様相量化論理のモデル論ーー個体と世界
第6章 可能世界意味論の応用と哲学的基礎
6・1 自然言語の意味論
6・2 哲学的概念分析への応用
6・3 可能世界とは何か
6・4 貫世界同一性
第7章 直接指示の理論
7・1 固有名と記述ーー「標準理論」
7・2 「標準理論」への批判
7・3 新たな標準理論に向かって
終 章 必然性とア・プリオリ性
可能世界意味論とは結局何だったのか
ア・ポステリオリな必然性
ア・プリオリな偶然性
浅い必然性と深い必然性
第二部への文献案内
補 註
後記 二〇二四年
1 パラコンと可能世界
2 規格化と意味論的分析
3 存在論とイデオロギー
4 ホモフォニックな意味論とヘテロフォニックな意味論
5 意味論における複数的語法と様相的語法
6 様相虚構主義
索 引
コーパス言語学(corpuslinguistics)は、英語においては1990年代以降、日本語においては2000年代以降、それぞれ急速な進展を見せ、現在、言語や言語教育に関わる幅広い研究分野に大きな影響を及ぼしている。本書は、英語コーパスと日本語コーパスの両者に目配りしつつ、初学者を対象に、コーパス構築の理念やコーパスを生かした言語研究の方法論について平易に解き明かすことを目指す。
現代言語学は、主に、自然言語の変化しにくい静的な側面をもとに、言語知識の中身の解明を目指している。しかし、言語には、変化を受けやすい動的な側面もあり、それを知ることではじめて見えてくる言語の本質もある。本巻は、認知言語学・生成文法統語論・日本語学の観点から、文法化・語彙化・構文化という言語変化の一般的な特徴が、それぞれ、どのように説明できるかについて、英語と日本語の豊富な実例をもとに解説する。
「言語的多様性の尊重」という理念は、今日、国際世論として定着しつつある。その議論や具体的な法制化が多方面にわたって展開される過程を、「話者の権利」と「言語の文化遺産化」という二つの潮流を座標軸として捉えることで、国内外の多様な「言語マイノリティ」、そして「マイノリティ化された言語」の現在を俯瞰する。
■巻頭コラム
「選挙とことば、選挙のことば」吉田真悟
■特集:言語マイノリティ:人権の拡張か、文化遺産の保護か
[序論]「言語マイノリティ:人権の拡張か、文化遺産の保護か」佐野直子
[講演録]「日本のマイノリティ言語としての琉球諸語」石原昌英
[講演録]「先住民族アイヌの言語復興」北原モコットゥナシ(=シは小文字)
「オクシタン語と「オクシタンらしさ」の存在感ーーそれは都市的な現象か」ジャン=フランソワ・クロー 訳:佐野直子
[講演聴講報告]「フランセスク・シャビエー・ビラ氏講演「「鶏口でもなく、牛後でもなく」--持続性モデルを探し求める中規模言語としてのカタルーニャ語」塚原信行
「バスク語を知っていることと使うことーー人権としての言語権擁護と継承財産としての言語」萩尾生
[研究ノート]「消滅の危機言語からの言語復興・継承活動ーー中米グアテマラのシンカの人々の場合」敦賀公子
[研究ノート]「言語権論から見た「マイノリティ化された言語の保存」問題」杉本篤史
「言語としての手話、言語的マイノリティとしてのろう者ーー二者択一から一挙両全へ」森壮也
[研究ノート]「メディアにおける手話翻訳の担い手としての「ろう通訳者」」高嶋由布子
「言語マイノリティの生徒に対する教育のあり方の新たな可能性ーー人権教育を基礎とした公立S高校の多文化教育を例にして」王一瓊・榎井縁
[研究ノート]「他郷にて唄い継ぐ朝鮮民謡ーー在日コリアン歌手によるエンテクスト化過程のディスコース分析」猿橋順子
[特集あとがき]「「人権」か「文化遺産」か、という問いを越えてーーフランコプロヴァンス語の視点から」佐野彩
■書評
村田和代(著)『優しいコミュニケーションーー「思いやり」の言語学』 評者:庵功雄
Colin H. WILLIAMS, Language Policy and the New Speaker Challenge: Hiding in Plain Sight 評者:半嶺まどか
■連載報告 多言語社会ニッポン
アイヌ語 :「アイヌ語復興における言語学者の役割」エリーア・ダル・コルソ
琉球弧の言語:「うちなーぐちとぅ ちゃーまじゅんーーとぅじみぬ 標準語励行〔うちなーぐちと共にーー最後の標準語励行〕」 城間勝(まぁ〜ちゃん) 聞き取り:半嶺まどか
移民の言語:「日本における多言語話者スリランカ人の言語使用状況」西島サジー
手話 :「私の人生を変えた「ろう文化宣言」」前川和美
■近刊短評
認知言語学とマンガ学。一見、関連性がないように見えるが、実はどちらも「視点」がキーワードとなっている。認知言語学では主観的な視点と客観的な視点が主に議論されるが、マンガにはさらに多様な「視点」が存在する。本書ではマンガ学の視点概念を用いて、日本語のルビと英語の自由間接話法を中心に分析し、言語研究全般に援用できるよう新たな視点理論の提案を試みる。
はじめに
第1章 言語学とマンガ学の接点を求めて
本書の目的
第2章 認知言語学は視点をどう取り扱ってきたか
2.1 「言語学」とは?
2.2 謎を解くための仮定(1)-生成文法理論ー
2.3 謎を解くための仮定(2)-認知言語学ー
2.4.1 一般認知能力の「語の意味」への反映
2.4.1.1 必要十分条件からプロトタイプへ
2.4.1.2 図と地
2.4.2 一般認知能力の「文法」への反映
2.4.3 認知言語学における「視点」「視線」
2.4.3.1 「視線」から「主体化」へ
2.4.3.2 主体化
2.4.3.3 言語化する際の「視点」
第3章 マンガ学における視点論
3.1 マンガ学とは
3.2 マンガ表現論
3.3 竹内オサムの視点論ー同一化技法ー
3.4 泉信行の視点論
3.4.1 泉(2008a)の視点論
3.4.2 誰でもない者の視点
3.4.3 誰かの視点
3.4.4 誰でも視点
第4章 マンガ学の視点論と言語学の視点論の融合
4.1 野村(2016)の意義
4.2 新たな視点理論の構築へ向けて
第5章 ルビと視点 マンガやライトノベルに見られる拡張的ルビ
5.0 ルビ以前ー様々な見解の併記ー
5.1 先行研究
5.2 「視点」から見たルビの分類
5.3 引用文献
5.4 データの分類・分析
5.4.1 主観的把握の表現に客観的把握のルビ
5.4.2 客観的把握の表現に主観的把握のルビ
5.4.3 複数の視座が関わる事例
5.4.4 連動型
5.5 拡張的ルビの効果
5.6 黒田(2016)、朽方(2017)
5.7 ルビと話法
第6章 話法と視点
6.1 序
6.2 英語の話法
6.3 先行研究
6.3.1 Brinton(1980)
6.3.2 O’Neill(1994)
6.3.3 自由間接話法の分析に向けて
6.4 自由間接話法と共同注意
6.4.1 自由間接話法の「キュー」
6.4.2 これまでの引用例
6.4.3 知覚表現
6.4.4 行為表現
6.4.5 判断表現
6.4.6 表現される順序と認知プロセス
6.4.7 例外的(?)事例
6.4.8 自由間接話法と同一化技法
6.4.9 エコー発話
6.4.10 第6章前半のまとめ
6.5 日本語の自由間接話法
6.6 自由間接話法の視点
6.6.1 話法の視点
6.6.2 英語の自由間接話法と身体離脱ショット
6.6.3 日本語の自由間接話法の視点
6.6.4 自由間接話法とは
6.7 最近の研究
6.8 自由間接話法と拡張的ルビ
6.9 まとめ
終章 今後の視点論の展望
参考文献
謝辞
索引
音声はどうして言語としてとらえられるのか
図や音声データ・動画を多用し、音声言語処理の仕組みをわかりやすく解説。4部構成。まず物理学・生理学・心理物理学の切り口から音声言語の仕組みについて説明する。次に「人間はどのようにして音声を聞き分けるのか」という問いに音声の科学的研究を通して答える。さらに応用として、音声合成と音声認識の仕組みを解説する。最後に今後の展望として、言語を獲得する人工知能の可能性について考察する。掲載図版約160点、音声データ約160個、動画19本収録。コラムとして、「ハートのこもった音を創る」「音が無いのに聞こえる」など、音声言語にまつわる興味深い話題を25編収録。言語聴覚士のための教科書または副読本としても使用できる。
[音声ダウンロード・動画YouTube]
<目次>
I 音の物理学
1章 静けさの音と音の大きさ 〜音が無いとシーンと聞こえるのか〜
2章 音を構成する部品 〜音色は物理的には何なのか〜
3章 スペクトル、そして美しい音とは
II 音声科学
4章 音声生成の仕組み 〜気管と食道がつながっている!?おかげで〜
5章 脳が音色を感じる仕組み
6章 音の心理物理
7章 言語音声の合成による分析 〜なぜハートは愛/ai/なのか〜
III 音声工学
8章 AIがしゃべる人工音声 〜琉球語もしゃべる〜
9章 音声自動認識 〜自分で進化していく機械〜
IV 言語の獲得・学習
10章 言語の獲得 〜ヒトとサルの違い〜
11章 言語獲得のモデル 〜聞き話す赤ん坊コンピュータ〜
I 音の物理学
1章 静けさの音と音の大きさ 〜音が無いとシーンと聞こえるのか〜
2章 音を構成する部品 〜音色は物理的には何なのか〜
3章 スペクトル、そして美しい音とは
II 音声科学
4章 音声生成の仕組み 〜気管と食道がつながっている!?おかげで〜
5章 脳が音色を感じる仕組み
6章 音の心理物理
7章 言語音声の合成による分析 〜なぜハートは愛/ai/なのか〜
III 音声工学
8章 AIがしゃべる人工音声 〜琉球語もしゃべる〜
9章 音声自動認識 〜自分で進化していく機械〜
IV 言語の獲得・学習
10章 言語の獲得 〜ヒトとサルの違い〜
11章 言語獲得のモデル 〜聞き話す赤ん坊コンピュータ〜
ことばを記号でなく文化としてとらえ、その意味のありようを解明する
私たちは毎日、膨大な量のことばと記号、そしてそれらが表す意味に囲まれて暮らしている。本書は、現代言語学の中心分野である「意味論」の立場から日常生活における言語体験を分析し、ことばの意味が固定したものではなく、時代や文化、状況の違いによって様々に変転することを明らかにする。さらに文化や思考様式と、言語の意味構造がどのように連関しているのかを、豊富な事例を挙げながら解説する。意味論の新しい世界を切り開いて長く読まれた記念碑的著作を復刊する。復刊に際して「改版あとがき」を付加。著者の学問的履歴・原著執筆の背景事情・刊行後の言語学の歩みがわかります。
序章 二つの挿話
「青木屋」と「ブルー・ツリー」/「借リル」と「貸ス」
第一章 言葉ともの
言葉の意味と指されるもの/「婉曲」な言葉使い/「皮肉」な言葉使い/戯語
第二章 意味の類似性
意味の類似性と指示物の同一性/同義語/反意語/包摂語と被包摂語/意味の因数分解/語結合/意味の重複と矛盾
第三章 意味の曖昧さ
不確かさ/意味の曖昧さ(1) 同音性/意味の曖昧さ(2) 多義性/同音性と多義性/文のレベルでの多義性/意味とコンテクスト
第四章 言葉の意味する部分と意味しない部分
意味を担う最小の単位/語の恣意性/擬声語・擬態語/語の有契性/有契性の喪失/有契性の獲得ーー民間語源
第五章 意味の変化
語の意味の変化/意味変化のメカニズム/語義の類似性に基づく場合/語義の近接性に基づく場合/語形の類似性に基づく場合/語形の近接性に基づく場合/意味の一般化と特殊化/意味の向上と堕落/言語の習得の過程における意味変化/語の廃用化
第六章 文法と意味
品詞と意味/主語、目的語と意味/〈動作主〉、〈被動者〉など/〈主題〉と〈叙述〉/〈既知〉と〈新出〉
第七章 センスとナンセンス
意味をなす表現となさない表現/語法上での基準と「ずれ」/コンテクストの役割/「詩的」であるということ
第八章 言語と文化・思考
文化的な関心の反映としての意味構造/思考様式を規定するものとしての意味構造/行き過ぎた議論の危険性/語から語法・文法へ
改版あとがき
狂言やキリシタン資料から近代日本文学までを分析し、日本語の時間表現の発展の頂点として現代標準語を位置づける。過去や完了の助動詞の交代や減少を、古代語の単純化とは捉えず、発話時を介さない直接的な相対時制の普遍化と、時制関係の近代的一般化として捉える。原著は1971年にモスクワで刊行。日本の近代語の成立を起点から終点まで綿密に論じた重要な研究成果であるにもかかわらずこれまで顧みられてこなかった。本邦初の翻訳。
原著者:Н.A.Сыромятниковスィロミャートニコフ(1911-1984)原著:Система времен в новояпонском языке
認知言語学の最先端の論文を継続的に掲載するシリーズ第18巻。国内外の第一線の研究者の論文を掲載し、多岐にわたる認知言語学や関連する言語学の最新研究成果が交流する。
小松原哲太 人間を表す換喩にこもる負の評価ーレトリックからみたインポライトネス
澤田淳 ダイクシスからみた時空間メタファー
田丸歩実 メタファー標識は修辞性を弱めるのか?-metaphorical/ metaphoricallyを例に
對馬康博 創発的構文・橋渡し構文の発現の認知メカニズムとカテゴリーの構造化について
中村渉 古英語における限定詞のパラダイムー競合的動機づけに基づく分析
仲本康一郎 日本語の数量表現の概念分析ー生態学的基盤を求めて
西村綾夏・黒田一平 打ちことばの感情はいかに表現されるかー2ちゃんねる・LINE・X(Twitter)上の笑い表現を例に
長谷部陽一郎 談話の積層構造モデルー言語の線条性と概念構造の展開に関する試論
南佑亮 情報構造と事態把握ーthere存在文が示す2つの機能的側面をめぐる構文文法的試論
籾山泰斗 「AはBの代名詞」形式の分析ー「AはBの代表」形式と比較して
日本語ラップをこよなく愛する言語学者が、韻に込められた「ことば遊び」を分析する言語学エッセイ。Mummy-D、晋平太、TKda黒ぶちへのインタビューも収載。
本文より:
学生時代の私は、ただ日本語ラップが好きだった。好きなラップを聴いているうちに、いつしか自分で韻の仕組みを分析するようになっていった。その頃は、何か見返りを求めていたわけではなく、ただただ好奇心に導かれて研究していた。しかし、そんな研究は少しずつ有名になっていき、いつの間にか自らの分析をプロのラッパーたちに披露する機会にも恵まれ、メディアに出演する機会も多く頂くようになった。
近年では、日本語ラップを大学教育に取り入れる意義を強く感じるようになり、数多くのラッパーを授業にお招きして、様々なことを言語学者としてーーそして大学に身を置く教育者としてーー考え続けている。日本語ラップから我々が学べることは、多岐にわたる。日本語の構造を見つめ直すこともできれば、アメリカの社会状況を理解することもできる。さらに、コロナ禍のようなストレスが溜まる状況で前向きになれる力ももらえる。本書では、これらの「ラップを学問する効用」について具体的に伝えていきたいと思う。
ーー第1章「日本語ラップと言語学者」より
第1部 日本語ラップと言語学者
第1章 言語学って何ですか?
第2章 朝礼:先生の長い思い出ばなし
第3章 エピソード0:言語学者、日本語ラップの韻を分析する('06)
第2部 言語学的ラップの世界
第4章 講義1:レジェンドラッパーたちを大学の授業に招く
コラム:晋平太先生に教わる自己紹介ラップ!
第5章 講義2:ヒップホップの誕生とその歴史
第6章 講義3:制約は創造の母である
第7章 講義4:日本語ラップは言語芸術である
コラム:あるラッパーとの思い出
第3部 日本語ラップの現在地(インタビュー聞き手:川原繁人・しあ)
第8章 TKda黒ぶち「ネガティブこそ武器になるラップの世界」
第9章 晋平太「子どもからお年寄りまで、誰もが楽しめる日本語ラップ」
第10章 Mummy-D「歴史を紐解いて考えるMummy-Dが見てきた日本語ラップの本質」
アウトロ(おわりに)
本書は、日本のある大学の、学生と教員の会話。二人は、言語学の授業で出会った。二人の会話のさわりだけ。
(順)日本語と朝鮮・韓国語って、まだ、その帰属がわかってないそうですね。
(牧)え、そうなの?
その起源を追い求め、二人は旅に出る。グレート・ジャーニー。本書の鍵。狛犬、DNA、三重構造仮説。トルコ語、ビジ語、タミル語、シンハラ語に出会う。ワトソンとクリック、ドーキンズ、ジョーンズ卿、チョムスキーにも。
1章 はじめに
問題の起源
2章 百済と日本
はにわ
3章 狛犬
シルクロード
4章 アイルランドと日本
信仰
5章 DNA
「ニッポンジン」の過去と今
[コラム1]ワトソンとクリック
6章 グレート・ジャーニー
アフリカ
7章 語彙
タミル語・韓国語・モンゴル語
8章 係り結び
古語・シンハラ語・タミル語
[コラム2]ドーキンズ
9章 対格性
モンゴル語・トルコ語・カザフ語
10章 能格性
ウルドゥ語・チベット語・ビジ語
11章 話題助詞
韓国語・延辺語・モンゴル語・ウイグル語・チベット語・ビジ語
12章 属格主語
モンゴル語・トルコ語・カザフ語・ウルドゥ語・ベンガル語・ビジ語・延辺語
[コラム3]ジョーンズ卿
13章 連体形
モンゴル語・トルコ語・カザフ語・ウルドゥ語・ベンガル語・シンハラ語・タミル語・ビジ語・韓国語・延 辺語
14章 活用
古語・日本語・韓国語・モンゴル語・ベンガル語・トルコ語
15章 直接疑問文
日本語・モンゴル語・韓国語・シンハラ語・古語 vs.トルコ語・中国語・ビジ語・タミル語
16章 間接疑問文
日本語・韓国語・シンハラ語・古語 vs.モンゴル語・トルコ語・中国語・ビジ語
[コラム4]チョムスキー
17章 敬語
古語・日本語・韓国語・チベット語・モンゴル語・トルコ語
18章 主語格助詞
古語・日本語・韓国語
19章 状態述語
日本語・韓国語
20章 おわりに
DNA地図と言語地図
[コラム5]Why Japanese People?