Ronald W. Langackerが提唱する認知文法理論の文法観を「豊かな文法」と名づけ、その立場から英語の場所格交替を分析。関連する文法現象を含め多様な実例を観察し、英語話者による構文選択の実態に迫る。
■まえがきより
日本語の「ジョンが干し草をトラックに積んだ」に当たる内容を英語で表現する場合、以下のような2通りの言い方が可能である。
John loaded hay onto the truck.
John loaded the truck with hay.
どちらの表現でもloadという動詞が使われているが、一方ではhayが目的語になっているのに対して、もう一方ではthe truckが目的語になっている。このように動詞が2通りの構文に現れる現象は構文交替と呼ばれており、上記のような例は特に「場所格交替」として知られている。本書は英語の場所格交替を取り上げ、なぜこのように複数の構文が成立するのか、それらはどのように使い分けられているのかという問いを、認知言語学の観点から考察する。
(中略)
本書が扱う主な現象は英語の場所格交替であるが、場所格交替は英語のほかの文法現象とも関わり合っている。場所格交替と同じような発想に基づく現象を見出せることもあれば、場所格交替の構文が別の構文(受身文など)と組み合わさっていることもある。また、日本語との比較・対照をすることで見えてくる特徴もあるだろう。したがって、関連する文法現象を扱った文献も幅広く参照し、場所格交替の分析に生かすよう努めた。
言語には異なるモード(話しことば、書きことば)や変種(地域的、社会的)が存在する。本書は、統語分析の対象から外されることが多い標準から逸脱した変種であっても、信頼できるデータを十分に観察すれば、言語現象を適切に分析できることを解き明かす。多彩な実例から言語の本質に迫ろうとするアプローチは、記述文法のみならず、形式文法においても十二分に価値を持つ。丁寧な訳注とコラムも付いて、新たな文法研究に挑む醍醐味を実感できる一冊。原著:Jim Miller (著)A Critical Introduction to Syntax。
友だち同士の軽口とはなにが違うのか。あだ名はどういう時に問題になるのか。悪口を言うことはなぜ面白い感じがするのか。言葉の負の側面から、その本質を知る。
1 悪口はどうして悪いのか(人を傷つけるから悪いのか;悪意があるから悪いのか;人のランクを下げるから悪い ほか);2 どこからどこまでが悪口なのか(口が悪い;お互い様;あだ名と悪口ライセンス ほか);3 悪口はどうして面白いのか(笑いと悪口;悪口の脳研究;狩猟採集民の悪口 ほか)
認知言語学の最先端の論文を継続的に掲載するシリーズ第18巻。国内外の第一線の研究者の論文を掲載し、多岐にわたる認知言語学や関連する言語学の最新研究成果が交流する。
小松原哲太 人間を表す換喩にこもる負の評価ーレトリックからみたインポライトネス
澤田淳 ダイクシスからみた時空間メタファー
田丸歩実 メタファー標識は修辞性を弱めるのか?-metaphorical/ metaphoricallyを例に
對馬康博 創発的構文・橋渡し構文の発現の認知メカニズムとカテゴリーの構造化について
中村渉 古英語における限定詞のパラダイムー競合的動機づけに基づく分析
仲本康一郎 日本語の数量表現の概念分析ー生態学的基盤を求めて
西村綾夏・黒田一平 打ちことばの感情はいかに表現されるかー2ちゃんねる・LINE・X(Twitter)上の笑い表現を例に
長谷部陽一郎 談話の積層構造モデルー言語の線条性と概念構造の展開に関する試論
南佑亮 情報構造と事態把握ーthere存在文が示す2つの機能的側面をめぐる構文文法的試論
籾山泰斗 「AはBの代名詞」形式の分析ー「AはBの代表」形式と比較して
比較言語学の目的は、言語間の系統関係の確立にとどまらず、系統関係にある諸言語の祖語を再建し、各言語が祖語の状態から現在の状態に至るまでにどのように変化を遂げてきたのかを解明することにある。文献に記録のない言語史を、比較言語学の手法によってどのように再建するのか。日琉諸語の例に基づいて解説する画期的な書。
まえがき
第1章 言語史研究における比較方法の位置づけ
1.1 最も古い文献に在証されるものが言語的に古いとは限らない
1.2 諸方言を上代語の子孫と考えることの問題
1.2.1 古典作品の本文批判と原文復元を例に
1.2.2 言語の場合
1.2.3 言語変化に関する前提
1.3 日本語史を文献資料のみによって研究することの問題
1.4 文献以前の日本語の歴史を明らかにする
第2章 言語変化
2.1 言語は変化する
2.2 音の変化
2.2.1 音変化とは何か?
2.2.2 条件変化と無条件変化
2.2.3 音声変化と音韻変化
2.2.4 音変化の類型
2.2.5 音韻変化
2.2.6 連鎖推移
2.3 語彙の変化
2.3.1 派生と複合
2.3.2 借用:漢語・外来語
2.4 類推・再分析
2.5 統語変化
2.6 意味変化
第3章 比較方法
3.1 比較言語学とは
3.1.1 比較言語学の目的
3.1.2 祖語の再建は虚構ではなく仮説
3.1.3 記録のない時代の言語を再建する
3.2 系統関係の確立
3.2.1 言語間の歴史的なつながり:系統関係と借用関係
3.2.2 音対応
3.2.3 音変化の規則性
3.3 日琉語族と他の諸言語との系統関係
第4章 内的再建
4.1 異形態の交替
4.2 内的再建の適用例
4.2.1 連濁とハ行子音
4.2.2 音便と清濁
4.2.3 露出形と被覆形
4.3 内的再建の限界
4.3.1 過度の一般化
4.3.2 内的再建と「発達史」観
4.4 内的再建と比較方法
第5章 系統樹の推定
5.1 類型分類と系統分類
5.2 派生形質の共有に基づく系統分類
5.3 距離行列法による「系統分類」
5.4 琉球諸語の系統分類
5.5 系統関係に由来する形質を見つけるには
5.6 借 用
5.7 並行変化
5.8 改新と保持の区別
5.9 系統樹モデルの限界
第6章 祖語の再建
6.1 音対応から再建される祖形と音変化
6.2 琉球祖語*e,*oの再建
6.3 日琉祖語*uiと*əiの再建
6.4 日琉祖語*eと*oの再建
第7章 方言学的なアプローチと文献資料を用いた日本語史研究
7.1 方言学・言語地理学における言語史の再建
7.1.1 方言区画論:共時的分類として
7.1.2 方言周圏論と言語地理学
7.1.3 逆周圏論と並行変化の問題
7.1.4 言語地理学と比較言語学の関係
7.2 文献資料を用いた日本語史の研究
7.2.1 文字から音声・音韻を推定する方法
7.2.2 写本・校定・原文
7.2.3 古語辞典における在証形と推定形
7.2.4 影印の問題
参考文献
あとがき
索 引
本書は、1995年に出版した『語形成と音韻構造』(くろしお出版)の続編として、語形成と音韻構造の関係(音韻構造の変化、音韻制約、統語制約、意味制約)をめぐる過去30余年間の筆者の研究を、国内外における研究の動向を踏まえてまとめたものである。
●まえがきより
この30年間で世界の音韻研究が大きく変わる中で、日本語の研究においても、形態論・語形成と音韻構造に関わる研究が着実に進展してきている。以前からこの分野の研究は複合語の分析を中心に展開されてきたが、音韻現象の普遍性や記述の一般性が求められる中、東京方言の連濁や複合語アクセントに関する理論的研究が進展すると同時に(本書第2章、第3章)、東京方言に偏っていた分析から諸方言の分析へと研究対象が広がってきた。また、連濁や複合語アクセントなどの複合語の音韻分析に加え、アルファベット頭文字語(第4章)や短縮語(第5章、第6章)、混成語(第6章)、逆さ言葉(第7章)といった語形成過程の研究が進み、そこに現れる音韻構造の変化や音韻制約が明らかにされている。本書はこの分野における近年の筆者の研究をまとめたものである。
音韻理論との関係では、最適性理論が唱える普遍的制約という視点から、複合語アクセント(第2章)やアルファベット頭文字語のアクセント(第4章)について新しい分析を提示する。また韻律形態論との関連では、日本語にも韻律的鋳型に基づく語形成過程が複数存在することを第6章および第7章で示し、また、複合語形成をはじめとする数多くの語形成過程に無標のアクセント構造が出現することを複数の章(第2章、第6章、第7章)で指摘する。
認知言語学の最先端の論文を継続的に掲載するシリーズ第17巻。国内外の第一線の研究者の論文を掲載し、多岐にわたる認知言語学や関連する言語学の最新研究成果が交流する。
井上拓也 生態学的意味論の構築/高橋英光 英語の行為指示文と談話構造/椹木幹人・上原聡 日本語時空間メタファーの包括的研究/松浦光 事象構造メタファーにおける「流れ」と評価性/小松原哲太 比喩の構文としての直喩/田中悠介 事態把握の選好性に対する理論的および認知科学的検討/木原恵美子 英語学習者による会話へのグッドイナフ・アプローチ/小林隆 I don’t knowの意味の広がりを認知文法でとらえる/伊藤薫・土屋智行 make NP構文における冠詞の選好と形容詞を含む構文の融合が与える影響/安原和也 ことば遊び現象とプロファイリング/金杉高雄 理論言語学史
生態学的意味論の構築
ー理論的前提と記述的応用ー
……井上拓也
英語の行為指示文と談話構造
ー行為指示文同士の共起をめぐってー
……高橋英光
日本語時空間メタファーの包括的研究
ー認知意味論の観点からー
……椹木幹人・上原聡
事象構造メタファーにおける「流れ」と評価性
ー社会的活動の概念化を中心にー
……松浦光
比喩の構文としての直喩
ー英語における同等性と類似性の文法ー
……小松原哲太
事態把握の選好性に対する理論的および認知科学的検討
……田中悠介
英語学習者による会話へのグッドイナフ・アプローチ
……木原恵美子
I donʼt know の意味の広がりを認知文法でとらえる
ー認知語用論的アプローチー
……小林隆
make NP 構文における冠詞の選好と形容詞を含む構文の融合が
与える影響
……伊藤薫・土屋智行
プロファイリングのことば遊び現象
……安原和也
理論言語学史
ー変形文法から生成意味論そして認知言語学へー
……金杉高雄
?日中対照言語学研究の最先端の論文集
日中対照言語研究の第一線で活躍する大学院担当教授・博士などが執筆する豪華版。文字・語彙・文法・語用・言語行動・コミュニケーション・日本語と中国語教育、認知言語学、コーパス言語学など、様々なジャンルの斬新な説を展開し、日本語と中国語の特徴について解き明かす。
「関係」をキーワードに、その最たるものとも言える「親族名称」とその呼称としての用法を日中対照の視点から分析していく。言語形式としての親族名称の枠組みの記述と、言語使用としての呼びかけの呼称の使い方の考察を行う。話者との関係性の有無を指標として導入することにより、日中母語話者の呼称の使い方の根本的な相違を明らかにした。著者の長年の研究に新たな知見が加わった、日中の親族名称に関する初の研究書である。
ことばがわかれば世界がかわる。言語の面白さを知りたい人へ。世界の言語の魅力に触れるビジュアルブック。
最近注目の日本語教師。一口に日本語教師といっても、教える対象は、技能実習生、外国人留学生、日本の文化が大好きな外国人、ビジネスマンなど様々です。そんな彼らに日本語を教えるためには、日本語の知識はもちろん必要なのですが、もう少しだけ幅広い知識が必要になります。本書は、言語学について、日本語教師が持っておくべき基礎的な知識を確認するワークブックです。講義の確認用としてご使用ください。
本書はシステミック機能言語学(SFL)から英語における節の機能的統語分析に迫る。言語の複合的機能の原理に基づきながら、著者が提唱するカーディフ・グラマーを初学者に向けて丁寧に説きおこす点において本書は優れた入門書である。同時に、シドニー・グラマーと呼ばれるハリデー文法を批判的に考察し、2つのグラマーを比較しながら本書の副題にあるSFGの拡充と簡素化の本義を詳細に論じている点において専門書でもある。
第1章 本書の読者、来歴と使い方
第2章 言語モデル全般における統語論の位置づけ
第3章 過程構成と叙法の統語論 -単一節の分析
第4章 確かな分析スキルの構築 -十分な実用性を備えたガイドラインに向けてー
第5章 最小統語理論 -あくまでも簡潔にー
第6章 中核動詞beingの特殊な用法とそれに関連する概念
第7章 少憩 -これまでのまとめとシステミック機能文法の全体像ー
第8章 助動詞の3タイプ、「主題」および「新出性」の各1タイプ
第9章 肯否極性、「対比の新出性」、および予備的ガイドライン(改良叙法テストを含む)
第10章 過程構成の統語論 -主語および補語としての参与役割ー
第11章 叙法の統語論
第12章 状況要素と付加詞の統語論
第13章 過程構成の統語論 -さらなる5つの概念ー
第14章 新しい3つの要素 -不定詞、助動詞拡張部、呼称ー
第15章 節分析のための全ガイドライン
第16章 最後の分析課題
第17章 単一節を超えて -新しい2つの様相ー
本書は、小学生から大学生、家を守る方から退職した方まで、言葉に興味がある方にもない方にも、言葉に関する面白い事実や不思議な性質をお伝えします。小学校の国語の教科書の不思議、紫式部の癖、日本語の助詞の不思議、そして、モンゴル語、ウルドゥ語、ベンガル語、アイルランド語、英語の癖など、気楽に楽しんでいただき、ご友人やご家族に、物知り顔で話していただければ、さいわいです。「ねえねえ、こんなの知ってる?」(漢字ルビあり)。
1章 日本語の「を」の話 デカルトにならって、すべてを疑ってみよう。
2章 文の種類の話 文の種類は、3つだけ。
3章 天智天皇の日本語の「を」とモンゴル語の「を」の話 日本語とモンゴル語は、親戚。
4章 日本語の「が」と「の」の話 「の」のサポーターは、名詞。
5章 九州の日本語の「が」と「の」の話 九州の「の」は、自由人。
6章 モンゴル語の「が」と「の」の話 モンゴルの「の」は、日本の「の」より、自由人。
7章 ウルドゥ語の「が」と「の」の話 パキスタンの「の」は、好き嫌いがある。
8章 ベンガル語の「が」と「の」の話 バングラデシュの「の」は、好き嫌いがない。
9章 韓国語の「が」と「の」の話 韓国の「の」は、行方不明。
10章 延辺語の「が」と「の」の話 韓国の親戚の「の」は、元気。
11章 中国語の「の」の話 中国の「の」は、人によって元気。
12章 古代中国語の「の」の話 中国語は、日本語の先輩。
13章 英語のSの話 「私とあなた」と「それ以外」。
14章 『源氏物語』の日本語の話 紫式部は、規則好き。
15章 語順の話:日本語と英語 日本語と英語は、アジの開きの関係。
16章 語順の話:アイルランド語 アイルランド語は、動詞が一番。
17章 語順の話:セラヤリーズ語 セラヤリーズ語も、動詞が一番。でも、癖がすごい。
18章 アイルランド語の「何」の話 アイルランド語は、こきざみに動く。
19章 セラヤリーズ語の「何」の話 セラヤリーズ語も、こきざみに動く。
20章 英語の「誰」の話 英語も、こきざみに動く。
21章 日本語の「は」の話 「は」は、環境に敏感な方。
22章 脳の中の話 脳は、いつも全力じゃない。
23章 人の移動と「の」主語 パキスタンで何が起きたの?
24章 言語学に触れると 教わっていないのに知っていることがある。
日本語ラップをこよなく愛する言語学者が、韻に込められた「ことば遊び」を分析する言語学エッセイ。Mummy-D、晋平太、TKda黒ぶちへのインタビューも収載。
本文より:
学生時代の私は、ただ日本語ラップが好きだった。好きなラップを聴いているうちに、いつしか自分で韻の仕組みを分析するようになっていった。その頃は、何か見返りを求めていたわけではなく、ただただ好奇心に導かれて研究していた。しかし、そんな研究は少しずつ有名になっていき、いつの間にか自らの分析をプロのラッパーたちに披露する機会にも恵まれ、メディアに出演する機会も多く頂くようになった。
近年では、日本語ラップを大学教育に取り入れる意義を強く感じるようになり、数多くのラッパーを授業にお招きして、様々なことを言語学者としてーーそして大学に身を置く教育者としてーー考え続けている。日本語ラップから我々が学べることは、多岐にわたる。日本語の構造を見つめ直すこともできれば、アメリカの社会状況を理解することもできる。さらに、コロナ禍のようなストレスが溜まる状況で前向きになれる力ももらえる。本書では、これらの「ラップを学問する効用」について具体的に伝えていきたいと思う。
ーー第1章「日本語ラップと言語学者」より
第1部 日本語ラップと言語学者
第1章 言語学って何ですか?
第2章 朝礼:先生の長い思い出ばなし
第3章 エピソード0:言語学者、日本語ラップの韻を分析する('06)
第2部 言語学的ラップの世界
第4章 講義1:レジェンドラッパーたちを大学の授業に招く
コラム:晋平太先生に教わる自己紹介ラップ!
第5章 講義2:ヒップホップの誕生とその歴史
第6章 講義3:制約は創造の母である
第7章 講義4:日本語ラップは言語芸術である
コラム:あるラッパーとの思い出
第3部 日本語ラップの現在地(インタビュー聞き手:川原繁人・しあ)
第8章 TKda黒ぶち「ネガティブこそ武器になるラップの世界」
第9章 晋平太「子どもからお年寄りまで、誰もが楽しめる日本語ラップ」
第10章 Mummy-D「歴史を紐解いて考えるMummy-Dが見てきた日本語ラップの本質」
アウトロ(おわりに)
「他の多くの家庭と同じく、我が家の平日はやることに追われるうちに過ぎていきます。もちろん、週末も。物事に優先順位をつけたり、振り返ったりする時間はありません。そして、はたと気づいたのです。夫婦や親子で会話する時間もほとんどない、ということに……。」〈Introductionより〉
子育てをするには、あまりにも時間が足りない。子どもにしっかり向き合いたくても、仕事や家事に追われ、十分な時間が取れない。そんな悩みを抱えていませんか。
誰もが直面する現代の育児事情に対し、自身も2児の母親であるハーバード大学教育学博士が、最先端の教育学、心理学、言語学の知見を動員して、解決策を導き出したのがこの本です。
キーポイントは、日々の生活における「会話」にあります。何気ない毎日の会話を、ほんの少しの心がけで「リッチ・トーク(豊かな会話)」にするだけで、子どもの「学習意欲」「共感力」「自己肯定感」「創造性」「個性」が育まれ、親子の絆が深められます。
それには、子どもを塾や習い事に通わせる必要も、忙しい仕事の合間をぬって無理に時間を作りだす必要もありません。1日5分でも10分でも「リッチトーク」をすることができれば、子育ては十分!
1)「膨らませる(Expand)」⇒2)「探る(Explore)」⇒3)「評価する(Evaluate)」という3つのステップで、子どもとの日々の会話を「リッチトーク」にしていきます。
著者はハーバード大学教育大学院で教鞭を執り、ボストン小児病院で臨床研究をする言語学者。豊富な事例と具体的なメソッドで、「親子の会話」の極意を伝えます。
それは、シュトラーレンの「翻訳者の家」
「あなたがどの国から来ても、どんな言語の翻訳者でも、ここはあなたを受け入れます。じっくりと翻訳に専念していってください。」
ドイツの果ての町で、翻訳者のためのユニークな場所と出会った著者による、トランスレーター・イン・レジデンスのすすめ。
現代の言語哲学を理解する上で必要となる古典的理論の知識を、要所を捉えて評価し意義づける不朽の名著。増補改訂版の第?巻が登場!
ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』からクワインまで、論理実証主義の主要テーゼのひとつであった規約主義の成立と解体のドラマを追い、20世紀哲学の総決算を目指す。本文はほぼ初版そのままとし註にて文献を多数アップデートするほか、1989年の初版以降現在までの研究の進展を踏まえた書き下ろしの論考を新たに収録する。
増補改訂版へのまえがき
第一版へのまえがき
序 章 必然性小史ーーアリストテレスからフレーゲまで
アリストテレスーー本質と形而上学的必然性
認識論的転回ーー必然性から確実性へ
カントとミル
フレーゲーープラトニストとしての
第一部 分析的真理と言語的必然性
第1章 論理実証主義の言語哲学
1・1 運動としての論理実証主義
1・2 ウィトゲンシュタインと論理実証主義
1・3 意味と検証
第2章 規約による真理
2・1 必然性の源泉としての規約
2・2 数学的真理は規約によって真であるか
2・3 論理的真理は規約によって真であるか
第3章 分析性の退位ーー「経験主義のふたつのドグマ」
3・1 「意味の物化」と同義性
3・2 分析性と同義性
3・3 還元主義とア・プリオリ
3・4 維持しえない二元論:言語的要因と事実的要因
3・5 全体論的言語観
第一部への文献案内
補 註
後記 二〇二三年
1 論理実証主義の再評価
2 論理実証主義と経験主義
3 分析性、必然性、ア・プリオリ性
4 分析哲学と自然主義
索 引