本書は、演劇・音楽・舞踊を介してワークショップを実施されている3名の鼎談をまとめ、また普段の活動を紹介したものである。
言語の科学は今まさに飛躍的に進歩しようとしている。かつて、化学物質の多様性は頭を悩ます問題であったが、化学者は、元素の周期表によって、多様性のなかに秩序と予測可能性を見出すことができるようになった。それとおなじように、新しい言語理論は、言語の多様性がすべての少数のパラメータで説明できることを示してくれる。パラメータを使えば、地球上に出現可能なすべての言語をつくるレシピが書けるはずだ。
井上民二はボルネオの熱帯雨林に大がかりな林冠研究システムをたちあげ、陸上の最後の秘境“地上40mの林冠”に暮らす多様な生物の相利共生関係の解明に、若手研究者とともに挑んでいた。しかし1997年9月6日、研究フィールドへむかう小型飛行機の墜落事故のため急逝。享年49歳。日本を代表する独創的生態学者の夢と情熱の軌跡をたどる。
灼熱のサバンナで暮らすアフリカゾウ。彼らの耳はなぜあのように巨大なのか?どうしてニワトリの脚は赤いのか?ヘビのような形をした哺乳類がいない理由は?なぜ酷暑の砂漠でラクダは分厚い毛皮をまとっているのか?恐竜=温血動物説は立証できるか?気が遠くなるほどの時間をかけて進化がつくりだした生物の世界は、途方もない多様性と驚きに満たされている。果たしてそれらを一貫して説明できる原理はあるのか?あるとすればそれはどのようなものなのか?著者レイヴァーズは、数々の化石証拠や奇妙な現生動物たちに材を取り、彼らの形状や大きさ、その暮らしぶりにまつわる謎に迫ってゆく。この探究において中心的役割を果たすのが、生命活動に不可欠なエネルギー生成と熱処理を担う「代謝エンジン」の原理だ。一見したところ複雑きわまりない生物や進化のありようも、「代謝エンジン」の観点から眺めれば、驚くほど明瞭なかたちをとることになるのだ-古生物学、進化生物学、生態学をはじめとして、関連する諸分野を意欲的に横断。多数のイラストを交えた実例と、わかりやすくも高度な議論で巧みに織り上げた、斬新かつ面白く読める最良の入門書。
約50年前、世界で初めて著者が水産生物の集団遺伝の研究を始めたとき、国内でその真の価値に気づいていた人は皆無に等しかった。しかし現在、増養殖、管理漁業という面からも欠くことのできない実際的な学問として重要な位置を占めている。国際的に高い評価を得た研究の奇跡と今後の課題を詳述する。
いま世界を衝撃がめぐった。グーグルが1500万冊の書籍をデジタル化するというのだ。強力な検索エンジンによって、われわれの言語や文化が一元化されるのではないか。こうした情報の一極支配に警鐘を鳴らし、その問題を浮き彫りにしながら、文化の多様性を守るための独自の戦略を提唱する問題の書。
本書は、異なる者どうしがキリストにおいて一致する感動的なプロセスを、教会員たちへの丁寧な取材に基づいてドキュメンタリー風に記した作品である。今後、日本の教会の課題を考える上でも不可欠の資料となるだろう。巻末の資料も貴重。
組織の隠れたメカニズムを3つの視点で解明する。リーダー必読の書。ゲーム理論の先駆者・アクセルロッドによる初の組織論。
インドを理解することは、至難といわれている。宗教、言語、種族をはじめ、類をみない多様性のなかで、国家として統一を保ちつづける。滞印一八年の外交官が、40年にわたる交流研鑽をもとに、八億人を超えるインドの全体像を簡潔に描く。
見た目はかなり違っても、パンとクラッカーのレシピの違いは大さじ一杯のイーストだけ。似たところなど何ひとつなさそうな言語どうしも、実はレシピがほんの一カ所違うだけかもしれない。言語学は、日本語や英語、アメリカ先住民の言語など、あらゆる言語の多様性の本質に迫りつつある。多様性と普遍性の矛盾を解くカギはパラメータだ。