自然に関する近代的諸概念の配置図を現代にふさわしい形に改変していく作業が急務とされている。“自然概念”は人間存在の根底に係りながら歴史的に変遷を遂げてきたが、新しい創造の手がかりとはどのようにして可能か。本書は自然を存在の根源的位相として把え直してゆこうとするメルロ・ポンティ他二論文を収め、創造的自然-生きた歴史的生命の論理と新しい存在論を構築する価値ある示唆に満ちている。
本書は、バーク政治思想の形成過程をでき得る限り原資料に即して考察したものである。対象としたのは、政界登場以前の初期バークである。
スモール・イズ・ビューティフルの思想はどのように創造されたのか?実娘が綴る「物質至上主義と科学技術の巨大信仰を痛撃する父の精神の遍歴と赤裸々な人物像」の初めての伝記。
生態系破壊と公害から核に至るまで、〈殺し〉の秩序が世界を破壊する。西欧工業文明の崩壊の危機の前に、人類は〈活人〉、つまり新しい生の想像力を要請されている。
八郎潟干拓地入植20年。米の増産を目ざした大潟村は、減反・コメの自由化政策と闘う新たな日本農業の縮図と化した。当事者が語る現場からの批判と証言。
本書で使われている英語は、日常生活の中でよく使われている“ビビッド”なものばかりです。感情を込めて、それぞれのフレーズを口に出して読んでみましょう。むずかしい語句や構文を使わなくても、短いフレーズで微妙な表現もしっかりカバーできる英語の本。
東西文化交流史の第一人者が語る、“茶”にまつわる興味深いエピソード、考察の数々。東洋の茶が、西洋の生活習慣を変えた。
維新体制下、社会運動は厳しく制限されたが、60年代末の世界的なウーマン・リブ運動や韓国経済の発展、矛盾の深化等に伴い、70年代は新しい担い手たちによる女性運動の昂揚をみた。民主化と南北朝鮮の統一を歴史的視野におき、運動の実態と方向性を展望する。
知る喜び、語る娯しみ。祖先の心が脈打つ“言葉の履歴書”。
明治に生まれ大正期で成人し、昭和初年から農業生産に従事した人たち自身の口述で綴る農村史。
中世ヨーロッパを遍歴し、近代民衆文学を生み出した吟遊詩人たち。現代ヨーロッパでは消え去ったその伝統が、今なお息づくブラジル。小冊子リテラトゥーラ・デ・コルデルを通してブラジル民衆文化の深層にせまる。
本書は家内労働の法律問題を取り上げ、それに対する社会政策的国民経済学者および社会改良活動家の取り組みを検討することによって、ドイツ第二帝制期の社会改良主義の思想とその実践活動の特色を明らかにする。