『自由の構造』で日本でも著名な著者は、本書で、自由、抑圧、人間の解放という政治学の基本問題を、新たな視点より分析する。まず自由主義の唱える「自由」が人間の基本的欲求の全領域と関連をもたず、合理的ヒューマニズムの優先順位に即する人間解放とは矛盾することを批判する。次に、現代の抑圧様式を、支配、強制的抑圧、疎外という三つの形態において検討し、それからの解放の戦略を展開する。行動論的アプローチと政治哲学の架橋を試みた鋭い問題提起の書である。
今月の21日、アンドーヴァを警戒されたしーポアロのもとに送られてきた挑戦状の予告どおり、殺人は起こった。煙草屋を営むアッシャーという、Aの頭文字の老婆が撲殺されたのだ。つづいて第2、第3の挑戦状が届き、ベクスヒルでBの頭文字の娘が、チャーストンでCの頭文字の初老の紳士が、殺された。しかも、現場には必ずABC鉄道案内が残されていた。アルファベット順に殺人を繰り返す犯人の意図は何か?また、鉄道案内の意味するものは?ポアロは懸命に、犯人の心の輪郭をつかもうとするが…ミステリの女王全盛期の代表作。
つぎつぎおこる恐ろしい事件、君には、この謎がとけるか?!
「ミステリーの女王」珠玉の作品6編を収録。世界を舞台に活躍するポアロミステリー・ファン待望の大全集!
幸福な少女時代、最初の結婚、謎に包まれた失踪事件など、波瀾に満ちた前半生を、数々の未公開資料を駆使して描き出す、初の本格的クリスティー伝!
エルキュール・ポアロのように頭脳明晰で、ミス・マープルのように奥ゆかしく、トミーとタペンスのようにユーモア感覚にあふれ、ハーリ・クィンのようにミステリアスな作家、アガサ・クリスティー。その人となりはどのような環境のもとでつちかわれたのか。また、全世界で愛読され続けているその作品は、どのような契機から生まれ、どんな過程を経て成立したのか。クリスティー自身は語ることのなかった創作の秘密をさぐるとともに、謎に包まれたその生涯を興味深く再現するクリスティー伝記の決定版。