序章:女性史研究の意義と課題 第1章:近世の農業労働における女性の位置と役割 第2章:農村女性労働の質的変化の諸相 第3章:農民生活史における女性 第4章:近世後期における女性の行動の「自由」と家事労働 第5章:「強婬」訴訟の歴史的位置 第6章:百姓一揆における女性参加の意義 終章:幕藩制下における女性の歴史的位置
女性史とは現在の男女不平等社会の歴史的成立過程や変容過程を解明し、男女平等へ向けての示唆を得ることであるという考えのもと、ジェンダー分析を積極的に取り入れた、平安時代の家や王権、性愛などに関する論考集。
世界中の、強くて、賢くて、勇気ある女の子たちへ。「女の子だから」という呪いの言葉を捨てて、もっと自由に生きよう!
文化、教育、労働、家族、セクシュアリティ、女性運動、ナショナリズム・男性性ー18世紀の啓蒙時代から現代まで、ドイツ近現代史を読み解き、ジェンダー史の可能性を示す。
補完的歴史から領域論、そしてジェンダー史へ。進化し続ける視座が、女たちの歴史を刻み直す。フェミニズム運動と連動し、発展してきたアメリカの女性=ジェンダー史。その最前線から、人種・民族・階級が重層的に交差する社会の歩みを描く。
まえがき(伊藤たかね)
第1章 ジェンダーの基本概念と日本における男女共同参画社会の課題(小川真理子:東京大学多様性包摂共創センター特任准教授)
第2章 国際比較でみた日本のジェンダー(本田由紀:教育学研究科教授)
第3章 労働市場のジェンダーギャップ(谷口智穂:経済学研究科特任研究員、山口慎太郎:経済学研究科教授)
第4章 ジェンダーと言語(伊藤たかね:多様性包摂共創センター特任教授・副学長)
第5章 学校教育におけるジェンダー(浅井幸子:教育学研究科教授、日比健人:教育学部附属中等教育学校教諭)
第6章 宗教とジェンダー(藤原聖子:人文社会系研究科教授)
第7章 ジェンダーからみた不妊(小西祥子:医学系研究科准教授)
第8章 スポーツとジェンダー(能瀬さやか:国立スポーツ科学センタースポーツ医学・研究部契約研究員・医師)
第9章 誰もが暮らしやすい社会をつくるにはーーLGBTQ+に関する取り組みやムーブメントから学ぶ(松中 権:認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ代表・プライドハウス東京代表・公益社団法人Marriage For All Japan 理事)
第10章 科学史とジェンダー(隠岐さやか:教育学研究科教授)
第11章 ポピュラーカルチャーを通じてジェンダー観を変えられるか(板津木綿子:情報学環教授)
第12章 なぜ東大は男だらけなのか(矢口祐人:総合文化研究科教授・副学長)
第13章 ケアするのは誰か?--再生産費用の分配問題をめぐって(上野千鶴子:認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク理事長・東京大学名誉教授)
あとがきーー未来のジェンダー平等社会をつくっていくみなさんへ(林 香里)
本書は中央大学社会科学研究所の研究チーム「ジェンダーと政治、歴史、思想の交差点」の活動成果である。ジェンダー構造は何故に、変容しながらも維持されるのか。そして、格差解消の為に必要なものは何か。共通する問いはここにある。そして、分析の対象期はフランス革命期から現代に及び、地域も欧米各国、日本、フィリピンなど広範囲に達する。執筆者10名が個々の視点に立ち、縦横にジェンダー構造との関わりから分析・考察を試みる。各論考より導き出された結論の交差する先に、最終結論が展望できよう。
第1章 ヴァンデの反乱と女性の集団行動 -ルソー的視座からジャコバン独裁期におけるヴァンデの集団行動を捉え直すー
第2章 秘密法廷の小説とフランス革命 -ベネディクテ・ナウベルト『ウナのヘルマン』(1788)の1790年代における評判とその背景ー
第3章 南進する男女の「大東亜共栄圏」建設 -拓士のフィリピン経験と南進女性ー
第4章 日本における女子大学の発展可能性への期待 -アメリカの取り組みと成瀬仁蔵の思想から女子大学のリベラルなコア・バリューを考えるー
第5章 戦後中央大学の女子学生 -その学びと課外活動とー
第6章 女性蔑視の構造 -フェミニズム理論,ジェンダーの検証ー
第7章 アイスランドにおける女性ストライキの形成要因
第8章 自律と言論 -個人主義的自律から関係的自律へー
第9章 「子どもを持つ権利」はあるか -生殖のリベラリズム批判ー
第10章 フランスにおける人口妊娠中絶をめぐる動向
「どうする、日本のジェンダー平等戦略」と題した女性人権機構からの発信第1弾。第一部「女性を罰する社会?少子化は当然の帰結」。第二部は、今日の世界的災禍を克服する国際的な枠組みについて語る。名もなき人々の小さな一歩が、歴史に大きな一歩を踏み出す。オンラインシンポ2023の記録。
二〇世紀初頭、アヴァンギャルド運動は先鋭的に「新しい人間」像を求める一方、ジェンダーに関しては未だ保守的なイメージを払拭できずにいた。男性芸術家が中心を占めていた運動に、女性たちは自らの体験を語るための言葉を求めながら、あるいは演芸や舞踊、手芸、服飾デザインなど周辺化されたジャンルから飛び込んでいく。体験された女性性の視点から新たな芸術家像を形成する女性たちと、自らの男性性の捉え直しを迫られた男性たち。九つの論考から、ジェンダーイメージがせめぎあうアヴァンギャルド運動を見つめ直す。
異文化の出会いが「庭」を変える
庭園とは単なる景観ではなく、人と自然と文化を結びつける空間である。
二〇世紀のイングリッシュガーデンと日本庭園の歴史的な交錯に注目し、庭園における文化交流・再創造の過程を、女性庭師、女性地主、造園家、庭園著述家のライフヒストリーを通じて多面的に描写。特に庭園に関わる女性たちの実践と交流に焦点をあて、女性と家庭や社会との多様化・複雑化する関係の諸相がどのように表れるのか検討する。
序章 ライフヒストリー/ライフジオグラフィーの視点から庭園史をみる
第I部 二〇世紀初期英国における日本庭園の流行と女性
第1章 二〇世紀初期英国における日本庭園の流行と英国の女性地主の活躍
第2章 イングランドの女性地主エセル・ウェブによる日本庭園造園
第3章 スコットランドの女性地主エラ・クリスティーの日本旅行とコーデン城の日本庭園造園
第4章 英国人女性地主エラ・クリスティーの日本庭園造園を助けた日本人女性半田たき
第II部 英国における女子園芸学校の創立ー「ズボンなんかをはいた、いまどきの女庭師」
第5章 二〇世紀初期英国における女性庭師の誕生と活躍
第6章 日本人園芸家半田たきの学んだ女子園芸学校の同胞たちー女子園芸学校レイディ・ウォリック・カレッジ・スタッドリー校の教職員の視点
第III部 日本庭園との出会いを契機とした英国の庭園潮流と自然の再創造ーロックガーデンとワイルドガーデン
第7章 英国人植物学者レジナルド・ファラーの日本旅行とロックガーデンに魅せられた人生
第8章 ウィリアム・ロビンソンの創造する庭園のなかの野生と異文化ー『ワイルドガーデン』の思想と実践について
第IV部 英国人女性が描いたガーデンとジェンダーー公式戦争画家エブリン・ダンバーと庭園著述家マージェリー・フィッシュ
第9章 英国人女性画家エブリン・ダンバーの描いた戦時のガーデニングとジェンダーをめぐる文化地理学
第10章 庭園著述家マージェリー・フィッシュの語りからみるホームとジェンダーをめぐる文化地理学
終章 二〇世紀英国における「イングリッシュガーデン」の創造
あとがき
参考文献
索引
小論文受験の圧倒的ロングセラーが一新! AIなどの最新トピックも満載。
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[本書の特長]
すべての受験生に、いま必要な頻出テーマが面白いほどわかる!
■わかりやすい解説と豊富な意見例で、小論文に自信がつく!
■一目でわかる要点ページで、すばやく出題傾向をチェック!
■ミニ用語事典として使える「関連キーワード集」ページつき。
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■プロローグ:小論文の書き方
■テーマ1:グローバル化
■テーマ2:少子高齢化・人口減少
■テーマ3:環境・科学技術
■テーマ4:人権
■テーマ5:教育
■テーマ6:女性・ジェンダー
■テーマ7:ボランティア・福祉
■テーマ8:大学・学問
■テーマ9:現代における他者とのつながり
■テーマ10:現代の医療
■テーマ11:食
「プリキュアより仮面ライダーのほうが強い」と息子に言われたら、どうすればいい?--前著『これからの男の子たちへ』が大反響だった弁護士の太田啓子さんと、「男性学」研究の第一人者・田中俊之さんが語り合う“令和版・ジェンダーレスな男子の子育て論”。雑誌『STORY』のWEB連載を再構成し、かつ書籍化にあたり、灘中高等学校の名物教師や、YouTubeの性教育コンテンツが話題のバービーさんなど、4名のキーパーソンを取材。
大学生・藤ヶ谷銀の秘密の趣味は女装だったが、レイプされそうになったところを同じ大学に通う仲町朝に助けられる。
朝の指令でダンスサークルに入部することになるが、朝が女性ダンス部員とキスをしているところを目撃してしまい!?
「性」の狭間で揺れ動く禁断の青春群像劇!
戦争、災害、夢、ジェンダーなど「トラウマ」をめぐる今日的なテーマについて、精神分析に軸足をおく臨床家の粋を尽くした一冊。
序 文……藤山直樹
第一部 精神分析とトラウマ
第一章 フロイトの外傷概念の展開とその今日的意義に向けて……岡田暁宜
第二章 フェレンツィとトラウマ……細澤 仁
第三章 トラウマとビオンーー非表象領域の探究……松木邦裕
第四章 ウィニコットと外傷……関真粧美
第二部 人間存在とトラウマ
第五章 「私」たちのトラウマと罪悪感についてーー「母殺し」から「巻き込まれ型原光景」へ……北山 修・荻本 快
第六章 夢見ることができない、についてーートラウマをめぐる夢の試論……筒井亮太
第七章 戦争とトラウマ……上田勝久
第八章 芸術とトラウマーー三島由紀夫と虐待後遺症……祖父江典人
第九章 災害とトラウマ……浜内彩乃
第一〇章 ジェンダー論から見たトラウマーーヒステリー、ホモソーシャル、女性のエクリチュール……日野 映
無国境、無国籍的な田村俊子の思想遍歴をたどる。
なぜ晩年の俊子は、中国の女性問題に尽力することになったか?
日本から北米へ、そして最終的に中国にわたった田村俊子の作品とその思想を、時系列に沿って分析し、そのなかに見えた田村俊子の「ジェンダー」「人種」「階級」言説の形成の軌跡を解明する。
俊子が取り組んだ〈ジェンダー〉問題は、当時、女性たちの社会進出とどのような関係にあったのか。作家・田村俊子は、なぜ日本を離れ、カナダのバンクーバーに赴いたのか。そして、一八年間の北米滞在を終え、日本に帰国した俊子は、なぜ、また日本を離れて中国に発ったのか。俊子は、海外でどのように活動し、どのような成果を達成したのであろうか。
第1部「ドメスティック・イデオロギーへの挑戦ー田村俊子にみるジェンダー諸問題」、第2部「カナダのバンクーバーにおける思想的変遷ー日系社会を描く作品群をめぐって」、第3部「インターナショナル・フェミニストの連携ー上海時代の佐藤(田村)俊子と中国女性問題」と、全体を3部に分け追求していく。
【田村俊子は、日本から北米、そして中国へと移動し、それぞれの土地にさまざまな足跡を残した。このような俊子の半生を一言でいうなら、「コスモポリタン」田村(佐藤)俊子となろう。彼女はいかなる道程を辿って、ここに至ったのであろうか。】……「序章」より
18世紀の植民地の暗く苛烈な文化交流史において、著者はオウコチョウのようなつつましい植物に焦点を当てる。現地の人びとから植物の知識を熱心に吸収したヨーロッパ人は、奴隷の女たちが主人を欺くために使っていた中絶薬についての知識を、あえて無視した。ヨーロッパはまさに重商主義のもと、人口増加を奨励している時代だった。植物探査のはらむ深刻なモラル問題に光を当てる。アメリカ歴史学会大西洋世界史賞、フランス植民地歴史学会Heggoy賞、アメリカ医学誌協会薬学史Ester賞ー受賞。