序章:女性史研究の意義と課題 第1章:近世の農業労働における女性の位置と役割 第2章:農村女性労働の質的変化の諸相 第3章:農民生活史における女性 第4章:近世後期における女性の行動の「自由」と家事労働 第5章:「強婬」訴訟の歴史的位置 第6章:百姓一揆における女性参加の意義 終章:幕藩制下における女性の歴史的位置
女性史とは現在の男女不平等社会の歴史的成立過程や変容過程を解明し、男女平等へ向けての示唆を得ることであるという考えのもと、ジェンダー分析を積極的に取り入れた、平安時代の家や王権、性愛などに関する論考集。
世界中の、強くて、賢くて、勇気ある女の子たちへ。「女の子だから」という呪いの言葉を捨てて、もっと自由に生きよう!
文化、教育、労働、家族、セクシュアリティ、女性運動、ナショナリズム・男性性ー18世紀の啓蒙時代から現代まで、ドイツ近現代史を読み解き、ジェンダー史の可能性を示す。
補完的歴史から領域論、そしてジェンダー史へ。進化し続ける視座が、女たちの歴史を刻み直す。フェミニズム運動と連動し、発展してきたアメリカの女性=ジェンダー史。その最前線から、人種・民族・階級が重層的に交差する社会の歩みを描く。
異文化の出会いが「庭」を変える
庭園とは単なる景観ではなく、人と自然と文化を結びつける空間である。
二〇世紀のイングリッシュガーデンと日本庭園の歴史的な交錯に注目し、庭園における文化交流・再創造の過程を、女性庭師、女性地主、造園家、庭園著述家のライフヒストリーを通じて多面的に描写。特に庭園に関わる女性たちの実践と交流に焦点をあて、女性と家庭や社会との多様化・複雑化する関係の諸相がどのように表れるのか検討する。
序章 ライフヒストリー/ライフジオグラフィーの視点から庭園史をみる
第I部 二〇世紀初期英国における日本庭園の流行と女性
第1章 二〇世紀初期英国における日本庭園の流行と英国の女性地主の活躍
第2章 イングランドの女性地主エセル・ウェブによる日本庭園造園
第3章 スコットランドの女性地主エラ・クリスティーの日本旅行とコーデン城の日本庭園造園
第4章 英国人女性地主エラ・クリスティーの日本庭園造園を助けた日本人女性半田たき
第II部 英国における女子園芸学校の創立ー「ズボンなんかをはいた、いまどきの女庭師」
第5章 二〇世紀初期英国における女性庭師の誕生と活躍
第6章 日本人園芸家半田たきの学んだ女子園芸学校の同胞たちー女子園芸学校レイディ・ウォリック・カレッジ・スタッドリー校の教職員の視点
第III部 日本庭園との出会いを契機とした英国の庭園潮流と自然の再創造ーロックガーデンとワイルドガーデン
第7章 英国人植物学者レジナルド・ファラーの日本旅行とロックガーデンに魅せられた人生
第8章 ウィリアム・ロビンソンの創造する庭園のなかの野生と異文化ー『ワイルドガーデン』の思想と実践について
第IV部 英国人女性が描いたガーデンとジェンダーー公式戦争画家エブリン・ダンバーと庭園著述家マージェリー・フィッシュ
第9章 英国人女性画家エブリン・ダンバーの描いた戦時のガーデニングとジェンダーをめぐる文化地理学
第10章 庭園著述家マージェリー・フィッシュの語りからみるホームとジェンダーをめぐる文化地理学
終章 二〇世紀英国における「イングリッシュガーデン」の創造
あとがき
参考文献
索引
第1巻紹介文
この本は、伊田が行ったジェンダー論・ダイバーシティ論の講義録である。15回分の講義であるので全部で15冊となるもののうちの第1回の講義録である。
『主流秩序概念を使ったジェンダー論の実践ーーダイバーシティの理解と絡めて』と名付けたこの講義で語ったことの大枠を紹介するものである。
通常のジェンダー論の枠を超える挑戦的な試みである。学生の反応・レポート・感想・体験談も豊富に載せているので、この講義の意義・効果が分かってもらえるものと思う。
印刷本は内容修正加筆は難しいが、電子本の方は、順次加筆していく予定である。
目次
第1回講義「どんな講義をするかーー主流秩序概念の説明」
はじめにーーこの講義の“感じ”を示す雑談的な導入の話(および講義録の説明)
1-1 自己紹介とこの講義の全体像
1-1-1 自己紹介とこの講義の導入の話
1-1-2 全15回の講義の目次
1-2 主流秩概念序概念を使ってジェンダーを考える
1-2-1 この講義全体のスタンスと目的
1-2-2 主流秩序とは何か:基本
1-2-3 主流秩序の理解を深めていく
1-3 第1回講義の課題と学生の感想例
参考資料
この講義を終わっての最終感想」から
主流秩序理解の補助のためにーー過去の拙著の一部紹介
第1回講義録・あとがき
全15回の講義の索引
この本は、伊田が行ったジェンダー論・ダイバーシティ論の講義録である。 15回分の講義であるので全部で15冊となるもののうちの第2回の講義録である。
『主流秩序概念を使ったジェンダー論の実践ーーダイバーシティの理解と絡めて』と名付けたこの講義で語ったことの大枠を紹介するものである。
第2回講義の内容
性(ジェンダー)とダイバーシティについての入門論ーージェンダーとは? 男女二分法の問題、性の多様性、LGBTQ(性的マイノリティ)、ジェンダー秩序、ダイバーシティ、多数派と少数派、ジェンダー平等へのバッシング
以上について、独自の視点も入れてジェンダーとダイバーシティについての基本を展開する。
第2巻・目次
2-1 主流秩序関係補足
2-2 ジェンダー/ジェンダー秩序とは何かーー性(ジェンダー)についての基本理解
2-2-1 性(ジェンダー)とは?
2-2-2 性の多様なあり方を認識するための様々な概念
2-3 ジェンダー秩序の観点からの多数派と少数派とダイバーシティの理解
2-3-1 ダイバーシティの理解を深める
2-3-2 大坂なおみ選手のBLM主張行為に対する理解
2-4 ジェンダー(秩序)に対する無理解やバッシング関係の情報
2-4-1 右派の政治思想とジェンダー平等・LGBTQの権利との対立
2-4-2 杉田水脈議員の問題
2-4-3 自民党と統一教会問題とジェンダー問題
2-5 様々な資料から見る、ジェンダー秩序、主流秩序の状況ーーとくに同性婚問題
2-6 第2回の課題と学生の感想例
この本は、伊田が行ったジェンダー論・ダイバーシティ論の講義録である。15回分の講義であるので全部で15冊となるもののうちの第3回の講義録(下巻)である。
なお、長くなったので第3回講義録は、紙媒体の場合(ペーパーバック、POD)、上巻と下巻の2回に分けて発行する。
第3回講義「ジェンダー秩序の理解を深めるーーーー「美の秩序」と「ジェンダーをめぐる諸論点の検討」を中心に」(下巻)
目次
3-3-1 弱者男性論からの「反フェミ」の誤りーー「弱者男性論」や「インセ
ル」問題を考える
3-3-2 弱者による「権利の乱用」問題ーーポリコレやキャンセルカルチャー
の問題も含めて
3-3-3 「女性の安全」の名を利用したトランスジェンダー排除言説状況の
問題
3-3-4 女性運動・フェミニズム攻撃、アファーマティブアクション攻撃、困
難女性支援法攻撃の問題(コラボ問題含む)
3-3-5 異論による対立・分断か、寛容性を持った統一戦線形成か
3-4 様々な資料から見る、ジェンダー、主流秩序の状況
3-5 第3回の課題と学生の応答例
参考資料
この本は、伊田が行ったジェンダー論・ダイバーシティ論の講義録である。15回分の講義であるので全部で15冊となるもののうちの第4回の講義録(上巻)である。
『主流秩序概念を使ったジェンダー論の実践ーーダイバーシティの理解と絡めて』と名付けたこの講義で語ったことと配付レジメの大枠を紹介するものである。
なお、長くなったので第4回講義録は、紙媒体の場合(ペーパーバック、POD)、上巻と下巻の2冊に分けて発行する。
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この回は、ここまで提起してきた主流秩序という概念がどういう実践的な効果をもたらすのかが分かってくる回になるような講義である。つまり第1回講義で主流秩序という社会や自分の見方の「メガネ」を提供し、第2回、第3回講義で主流秩序とつなげてのジェンダー(秩序)についての基本とダイバーシティ、マジョリティ/マイノリティ、交差性などの理解を深めて、最近の対立を解きほぐすための視点を提供してきた。その上で、今回は主流秩序の視点が生き方における3つ【4つ】の道を考えさせるものであること、主流秩序論の目指すものが何なのか、主流秩序からの離脱とは何か、などを学ぶ。
もう少し具体的には、主流秩序のプラスとマイナス、連立方程式、カツアゲ場面で何ができるか、主流秩序への3つ【4つ】のスタンス、間接介入 、「3つの道」の視点で考えるべき多様な現実、 いざというときに動けるようになるにはどうしたらいいか、非暴力主義、 様々なケースを通じて主流秩序の状況やそれと対抗する営み、政治やメディアにおける主流秩序の状況、魅力的なフェミ、などについて学んでいく。
また学生の様々な体験談や4つの道についての考察例も紹介し、この学びの意味や効果を理解していく。
第4回講義 主流秩序への3つ【4つ】のスタンス(上巻)
目次
4-1 ここまでの話を振り返る
4-2 主流秩序のプラス面とマイナス面および主流秩序論の目指すもの
4-3 主流秩序からの離脱を考える:「3つの道(スタンス)」の提起
4-4 「3つの道」の視点で考えるべき多様な現実
4-4-1 主流秩序への3つのスタンスにかかわる考察
4-4-2 学生が考えた多様な「主流秩序への抵抗」例
4-4-3 様々な題材を「主流秩序への3つのスタンス」の視点で考える
4-5 非暴力主義について学ぶーー暴力的な主流秩序への対抗の一つ
(4-6 以降は下巻)
参考資料
長期にわたるライフヒストリーインタビューによる調査から、求職者支援訓練が女性受講者のその後の仕事、生活や意識にどのような変化をもたらしたのかを明らかにする。求職者支援訓練を社会とつながる場として捉え、訓練を通じて獲得される「力」の獲得過程を分析。本制度の成果と今後の政策改善のあり方を考察する。
序 章 女性たちのエンパワーメント
◆第1部 日本の労働市場と女性の能力形成
第1章 就労支援とジェンダー
第2章 エンパワーメント概念の整理
◆第2部 求職者支援制度の創設と概要
第3章 公共職業訓練と求職者支援訓練
第4章 職業訓練科目の考察
◆第3部 女性たちのライフヒストリー
第5章 学卒から訓練受講前まで
第6章 訓練後から約10年間のキャリアの変遷
終 章 職業訓練が拓く女性のエンパワーメント
参考文献
初出論文一覧
資 料
資料1 求職者支援訓練 医療・介護事務科 訓練日程
資料2 求職者支援訓練後に想定される職業職種分野一覧
あとがき
索引
第5回講義で学ぶ内容は、アドラー心理学とアリストテレスの倫理学とフランクルの考えを使って、主流秩序・ジェンダー秩序、それにとらわれない道のことを深く学ぶことである。
目的論、優越コンプレックス、劣等コンプレックス、課題の分離、承認欲求からの離脱(エンパワメント、レジリエンス)、ギブ&ギブなどの理解、人生の目的に関するフランクルの答え、「態度価値」等を通じて、主流秩序からの離脱のヒント(真のジェンダー平等、多様性)を学ぶ。
世間の変なもの(=主流秩序)に惑わされない、振り回されない力をつけるための一つである。
例年、アドラー心理学を学ぶと面白いというひとが多いが、アドラー心理学と主流秩序の関係をとらえて総合的に理解するのは難しいのだなと感じている。 というのも、主流秩序というような捉え方がまだ身についていなくて、アドラーとのつながりまで理解するのがむつかしいからだが、それでは、アドラーの言うこと自体を適切に理解できないのではないかと思う。アドラーというとアドラーだけを学ぶというのでは全く不十分だと思う。ちゃんと講義を聞いて、今までの話とつなげて理解してほしい。
アリストテレスの議論についても、フランクルについても、本講義では、主流秩序論とつなげて理解することを目指す。すると生き方論として、なかなか参考になることを言っていると理解できる。善く生きるとか、幸福とは何かとか、良い人生とは何かとか、観想的生活とか中庸とか、人生は砂時計とか、人間は2種類しかないとかなどを考える。
また参考映像なども見て学び、劣等コンプレックスだけでなく、自分や周りの人の「優越コンプレックス」「承認欲求ゆえの言動」を見つけて、それが主流秩序への囚われの一側面だと理解してほしい。そうした優越感からくる行動や承認欲求行動が主流秩序を強化・再生産するという可能性が高くなることなども理解してほしい。
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第5回講義 アドラー心理学とアリストテレス倫理学とフランクルーー競争、劣等感からどう離脱するか、どう善く生きるか、人生の生き方の大原則
目次
5-1 ここまでの講義を受けて深めるーーフロムの現代人把握
5-2 アドラー心理学から学ぶ主流秩序
5-3 フランクルから「人生の生き方の大原則」を学ぶーー主流秩序に対してどういうスタンス
をとるかから生まれる価値:「態度価値」
5-4 アリストテレスの倫理学を参考に、「主流秩序と生き方」を考える
5-5 「いざというときに動く」という問題
5-6 様々な資料から主流秩序を考える
5-6-1 アドラー心理学がらみの問題と主流秩序
5-6-2 オリンピック問題・万博問題と主流秩序
5-6-3 「主流秩序と多様性と生き方」を考える様々な事例
5-6-4 中居氏性加害疑惑を端緒とした諸問題についての主流秩序論的検討
5-7 第5回講義の課題と学生の応答例
参考資料
今回の第7回の講義は、主流秩序的なものから離れて生きる人々や思想的営みから「脱主流秩序のヒント」を学ぶものである(第8回、9回でもこのテーマあり)。
具体的には、様々な映像からいろいろ学んだり、キム・スヒョンの著作や「群衆心理」を学ぶ、ネルケ,茨木のり子、村上春樹さん、高木顕明、竹中彰元の生き方を学ぶ、などがある。またダイエット・モデル問題(「美の革命」)、LGBTQ、承認欲求問題など絡めて様々な素材から、生きづらさを主流秩序とつなげて考えて行く。そのほとんどがジェンダー秩序も絡まっているので、ジェンダー論でもあることは再度確認しておきたい。
現代において人権論を学ぶ上で、群衆化の問題を避けることはできず、それはトランプ支持者的状況による「人権自体への攻撃」として世界でいま猛威を振るっている。したがって、トランプ大統領がらみの世界政治における「分断、極右化、人権(DEI)攻撃」の情報にも力を入れている。
本書は印刷用に上下に分割したうちの、第7回講義録の上巻である。
【目次】
第7回講義 群衆心理と脱主流秩序
上巻目次
7-1 今までの学びの振り返りーー「キム・スヒョン」のまとめかたを中心に
7-2 群衆心理と主流秩序ーー「トランプ支持者的意識」の検討含めて
7-2-1 「群衆」の検討ーール・ボンとオルテガ、ゲッペルス
7-2-2 「民主主義」と「選挙」の検討
7-2-3 「トランプ支持者的状況」の検討
7-2-3-1 トランプ支持者的状況
7-2-3-2 トランプ支持者的状況から我々が得るべき教訓
7-2-3-3 共和党大会にみられるトランプ支持者的状況の実態
7-2-3-4 世界に広がる大衆を偽情報で操る政治ーー情報空間とアテンション・エコノミー
7-2-3-5 民主党大会にみられる「トランプ支持者的状況」の逆の意識
7-2-3-6 群衆化する人々の心理
7-2-3-7 表層的なメディアの報道と「対話の試み」
7-2-3-8 大統領選で考えるべきこと
7-2-3-9 トランプによる暗黒時代の開始
7-2-3-10 特にジェンダー(DEI)に関する非科学的バックラッシュについて
7-2-3-11 トランプ時代についての考え方の整理
7-2-4 石丸人気・参政党人気と群衆化
7-2-4-1 石丸現象
7-2-4-2 参政党現象
7-2-5 「群衆にならないためのリベラル・アイロニー」--ローティをてがかりに
7-2-6 ハイデガーの「世人」と「決意性」
7-2-7 群衆になっていいのかーーまとめ
7-3以降は下巻
今回は、私のジェンダー論の大事な視点の一つ、シングル単位の理解を、社会民主主義の社会、北欧社会の実態と結び付けて理解する。また、北欧社会と対照的に、日本社会がどうなっているのか、家族単位での新自由主義的なシステムのまま、赤字国債でごまかす政治(経済運営)をしてきたという厳しい現実、不都合な真実(実態)に目を向けたい。日本社会をジェンダー平等、ダイバーシティ社会にするためには、この根本問題に蓋をしないで直視した上で、解決策を考えていかねばならないと提起する。これは病気があるときにはちゃんと検査をして診断し病名を確定し、治療するしかないという話である。
だが日本の政治家・リーダーたち・メディアの現実は、いまこの社会を持続可能でまともなものにしていくための政治的対抗軸(大事な骨太の対抗ビジョン)を示すことができず、「103万円の壁」という無税範囲を広げる方向に変えようとするなど、間違った方向で争うポピュリズム政治になってしまっている。群衆化した人々もそれに煽られて「財務省解体」など間違った要求をしている。重要な「どうすれば根本的な解決に至れるのか」という視点、「社会民主主義と結びついたなシングル単位の観点」が欠如しているのである。
なお、私は「こうしたら今からでも日本の諸問題は解決する」という現実的な案はないと思っている。その事実認識をもたずに、ポピュリズム政治を行い、さらに問題を先送りにしつつ状況をさらに悪化させている状況だと認識せざるを得ない。そういう話をこの回ではしている。
本書は、第6回講義録の下巻で、6-5以降を収録している。
「参考資料」の一部は上巻に掲載している。
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第6回講義 主流秩序からの離脱の展望としての個人単位型の社会民主主義社会ーー北欧と日本の対比
(下巻)
目次
6-5 様々な資料から見る、ジェンダー、主流秩序の状況
6-5-1 日本人中心主義と入管法
6-5-2 その他、主流秩序にかかわる諸問題ーー共同体主義とシングル単位論の関係を
中心に
6-6 第6回の課題と学生の感想例
参考資料
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【この回の内容】
今回の第7回の講義は、主流秩序的なものから離れて生きる人々や思想的営みから「脱主流秩序のヒント」を学ぶものである(第8回、9回でもこのテーマあり)。
具体的には、様々な映像からいろいろ学んだり、キム・スヒョンの著作や「群衆心理」を学ぶ、ネルケ,茨木のり子、村上春樹さん、高木顕明、竹中彰元の生き方を学ぶ、などがある。またダイエット・モデル問題(「美の革命」)、LGBTQ、承認欲求問題など絡めて様々な素材から、生きづらさを主流秩序とつなげて考えて行く。そのほとんどがジェンダー秩序も絡まっているので、ジェンダー論でもあることは再度確認しておきたい。
現代において人権論を学ぶ上で、群衆化の問題を避けることはできず、それはトランプ支持者的状況ニヨル「人権自体への攻撃」として世界でいま猛威を振るっている。したがって、トランプ大統領がらみの世界政治における「分断、極右化、人権(DEI)攻撃」の情報にも力を入れている。
本書は、第7回講義録の下巻である。
【目次】
第7回講義 群衆心理と脱主流秩序
下巻目次
7-3 禅僧ネルケ、高木顕明・竹中彰元の生き方と「承認欲求」「自己肯定感」問題
7-3-1 禅僧ネルケさん「ゲームの人生からの離脱」
7-3-2 「仏教の教え」と高木顕明・竹中彰元
7-3-3 自己肯定感と承認欲求
7-4 外見主義(ルッキズム)と「美の革命」
7-5 茨木のり子・村上春樹から学ぶ
7-6 すばらしい作品から学ぶーー「早春スケッチブック」「マイ・ディア・ミスター 私のおじ
さん」など
7-6-1 「早春スケッチブック」
7-6-2「マイ・ディア・ミスター 私のおじさん」
7-6-3 その他、素晴らしい作品から学ぶこと
7-6-4 おすすめの映画の紹介など
7-7 その他、様々な資料から 主流秩序について学ぶーーーこの講義でここまで学んできた
ことを振り返りながら
7-8 第7回の課題と学生の回答例
参考資料
【この回の内容】
今回の第8回講義も、引き続き、脱・主流秩序の方途を考える材料を提供していく回です。
北欧諸国の例や学問的知見から、ジェンダー平等・ダイバーシティの具体像を知り、自分の生き方や日本の現状も考えます。具体的には、主流秩序論との関係で、スローの視点、アニマルライツ、自己肯定感、結婚、保育、学問の役割、“推し活”、ヘイトスピーチ等の検討を行います。ブルデユーやフーコーをはじめとして様々な学問的概念も参考にして主流秩序論を深く理解していきます。朝鮮人虐殺問題や朝鮮学校差別、「奇妙な果実」等を通じて日本のヘイト問題も深めます。
本書は印刷書籍用に上下に分割したうちの、第8回講義録の下巻である。
第8回講義 北欧諸国の例や学問的知見から、ジェンダー平等・ダイバーシティの具体像を知り、日本との対比や自分の生き方を考える
【下巻】
目次
8-7 様々な事例から主流秩序を学ぶ
8-7-1 主流秩序論は禁欲主義ではない
8-7-2 主流秩序と「美の秩序」
8-7-3 へイトスピーチ関連と主流秩序
8-7-3-1 日本の外国人差別・ヘイトスピーチ関係
8-7-3-2 「奇妙な果実」--米国の黒人差別との闘いの歴史
8-7-4 主流秩序を考えるその他の話題
8-8 第8回の課題・と学生さんの記述例
参考資料
環境問題関係 215
スロー、非所有の生き方 ムヒカ大統領の生き方 225
「SDGs、多様性、寛容」というなら 「ヴィーガン」「アニマルライツ」問題にも理解を示していこう 基本的理解の紹介 240
参考資料 歴史の事実を見ないヘイト傾向ある日本社会 258
第9回講義は、講義前半(1〜9回)のまとめの回です。ガタロさん、坂本さん、豊島ミホさんの生き方、「これは水です」スピーチ、など、主流秩序的なものから離れて生きる人々から「脱・主流秩序」のヒントを学びます。また、メディアのゆがみやその中で抗う人の存在を諸事例から学びます。主権者教育の在り方も主流秩序との関係で考えます。
更に今回力を入れているのは、社会の実態を知って、だまされない個人になるために、「主流秩序・ジェンダー秩序を見抜く目」を持つ学びをします。一例としては、メディア(SNS,生成AIなどによる偽情報)のゆがみを見抜く学びや戦争に動員するプロパガンダ・愛国主義・自衛権正当化論等に騙されない力を身に着けることなどです。それは集団(主流秩序という既存の強者)に自分を溶け込ませずに、個人として思考する自立人間になることでもあり、第7回の『群衆』にならない学びの続き、第5回のアドラーの「嫌われる勇気」を持つ人間の学びの続き、この講座の中心課題である“非暴力主義”の学びの展開でもあります。特に現在大問題となっているロシアのウクライナ侵略、イスラエルのパレスチナ虐殺的行為についてどう考えるべきかを提起します。
なお、講義録が長くなったので、2冊(9-前半、9-後半)に分けて電子書籍発行する。印刷本は「9-前半の上巻/下巻」「9-後半の上巻/下巻」の4冊に分けて発行する。
本書はその第1分冊(9-前半の上巻)である。
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第9回講義 ガタロさんの生き方から学ぶーー主流秩序から自由になるという希望 (講義前半まとめ)--上巻
目次
9-1 第1回〜第9回講義までの全体振りかえり
9-1-1 これまで学んできたこと及び「オメラスから歩み去る人」
9-1-2 いじめられた豊島ミホのリベンジの方法ーー主流秩序との闘いの一例
9-2 メディア問題中心に様々な事例・情報から主流秩序を考える
9-2-1 ジャニーズ問題と主流秩序
9-2-2 「真実の報道」からかけ離れたメディア
9-2-3 メディアと自律性と大衆操作ーー『華氏451度』と「Dappi」事件から学ぶもの
9-2-4 主流秩序に抵抗するメディア
9-3 ガタロさん、坂本さんなどから学ぶ・・主流秩序を気にしない生き方のイメージ
9-4 デイビット・ウォレス『これは水です』がいわんとすること
9-5 主権者教育と主流秩序(戦い方を学ぶことの重要性)
9-6 煽動される群衆にならないためにーー戦争と非暴力主義、戦争へのプロパガンダ
9-6-1 戦争への基本姿勢
9-6-2 平和憲法と戦争ーー戦争の実態
9-6-3 プロパガンダへの注意ーー愛国心とナショナリズム
9-6-3-1国民国家とプロパガンダと愛国心とナショナリズム
9-6-3-2 認識の歪み、選択的共感、二重基準、軍事費と軍備、徴兵制
***
以下は、「9-前半ー下巻」等に所収