女子校に進んだわたし。男子の目を気にしなくていい女子校ライフって最高! でも、共学に進んだ大好きな幼なじみには恋人ができたらしい。やっぱり女子校なんて最悪!?(『女子校か共学か、それが問題だ!』小林深雪)
変わり者のわたしは、友達のミッコが好き。ミッコがくれるチョコは夢のように甘いから、いつだってわたしは泣きたくなる。だけどミッコには彼氏もいて、わたしにも事情があって──。(『チョコレートの香りがするね』にかいどう青)
お父さんは悪い人じゃない。でも、一緒にお風呂に入りたがったり、スカートをめくろうとしたり、ちょっと疲れる。そんなある日、クラスメイトのみやびが父親によって暴力を振るわれていることを知ってしまう。私のお父さんなんて、全然マシ?(『チキンとプラム』長谷川まりる)
千歳とつきあっている真結は、「そろそろ隠すのをやめない?」と提案をされ、動揺する。レズビアンだとカミングアウトすることへの不安と、千歳に嫌われてしまうかもしれないという不安。セクシャルマイノリティについての本には、無理にカミングアウトすることないって書いてあったけど……。(『いわないふたり』如月かずさ)
「ピュア」で「コドモっぽい」僕は、みんなのエロ話に付いていけない。急にみんながオトナになってしまったみたいだ。廊下でティッシュだと思ってナプキンを拾ったときも、大騒ぎになった。どうやったらオトナになれるんだろう?(『羽つきスキップ』水野瑠見)
クールな安珠に、どこか憧れる栞。しかし安珠には手のかかるいとこ、咲留がいた。少しずつ二人の事情を知っていくなか、ふと安珠がこぼす。「役に立たないから、期待されないから、廃墟が好き」だと。(『いつかアニワの灯台に』菅野雪虫)
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心と身体を取り巻くあれこれ。「今」を生きる児童文学作家がジェンダーと中学生をテーマに物語をつづります。
六人の児童文学作家のほか、イラストと漫画は『少年ノート』『ヒラエスは旅路の果て』の鎌谷悠希が担当。漫画「Peony」では、ジェンダーがまとう「香り」をみずみずしく表現。
ここでしか読めない、珠玉のアンソロジーです。
小論文受験の圧倒的ロングセラーが一新! AIなどの最新トピックも満載。
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[本書の特長]
すべての受験生に、いま必要な頻出テーマが面白いほどわかる!
■わかりやすい解説と豊富な意見例で、小論文に自信がつく!
■一目でわかる要点ページで、すばやく出題傾向をチェック!
■ミニ用語事典として使える「関連キーワード集」ページつき。
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■プロローグ:小論文の書き方
■テーマ1:グローバル化
■テーマ2:少子高齢化・人口減少
■テーマ3:環境・科学技術
■テーマ4:人権
■テーマ5:教育
■テーマ6:女性・ジェンダー
■テーマ7:ボランティア・福祉
■テーマ8:大学・学問
■テーマ9:現代における他者とのつながり
■テーマ10:現代の医療
■テーマ11:食
戦争、災害、夢、ジェンダーなど「トラウマ」をめぐる今日的なテーマについて、精神分析に軸足をおく臨床家の粋を尽くした一冊。
序 文……藤山直樹
第一部 精神分析とトラウマ
第一章 フロイトの外傷概念の展開とその今日的意義に向けて……岡田暁宜
第二章 フェレンツィとトラウマ……細澤 仁
第三章 トラウマとビオンーー非表象領域の探究……松木邦裕
第四章 ウィニコットと外傷……関真粧美
第二部 人間存在とトラウマ
第五章 「私」たちのトラウマと罪悪感についてーー「母殺し」から「巻き込まれ型原光景」へ……北山 修・荻本 快
第六章 夢見ることができない、についてーートラウマをめぐる夢の試論……筒井亮太
第七章 戦争とトラウマ……上田勝久
第八章 芸術とトラウマーー三島由紀夫と虐待後遺症……祖父江典人
第九章 災害とトラウマ……浜内彩乃
第一〇章 ジェンダー論から見たトラウマーーヒステリー、ホモソーシャル、女性のエクリチュール……日野 映
無国境、無国籍的な田村俊子の思想遍歴をたどる。
なぜ晩年の俊子は、中国の女性問題に尽力することになったか?
日本から北米へ、そして最終的に中国にわたった田村俊子の作品とその思想を、時系列に沿って分析し、そのなかに見えた田村俊子の「ジェンダー」「人種」「階級」言説の形成の軌跡を解明する。
俊子が取り組んだ〈ジェンダー〉問題は、当時、女性たちの社会進出とどのような関係にあったのか。作家・田村俊子は、なぜ日本を離れ、カナダのバンクーバーに赴いたのか。そして、一八年間の北米滞在を終え、日本に帰国した俊子は、なぜ、また日本を離れて中国に発ったのか。俊子は、海外でどのように活動し、どのような成果を達成したのであろうか。
第1部「ドメスティック・イデオロギーへの挑戦ー田村俊子にみるジェンダー諸問題」、第2部「カナダのバンクーバーにおける思想的変遷ー日系社会を描く作品群をめぐって」、第3部「インターナショナル・フェミニストの連携ー上海時代の佐藤(田村)俊子と中国女性問題」と、全体を3部に分け追求していく。
【田村俊子は、日本から北米、そして中国へと移動し、それぞれの土地にさまざまな足跡を残した。このような俊子の半生を一言でいうなら、「コスモポリタン」田村(佐藤)俊子となろう。彼女はいかなる道程を辿って、ここに至ったのであろうか。】……「序章」より
18世紀の植民地の暗く苛烈な文化交流史において、著者はオウコチョウのようなつつましい植物に焦点を当てる。現地の人びとから植物の知識を熱心に吸収したヨーロッパ人は、奴隷の女たちが主人を欺くために使っていた中絶薬についての知識を、あえて無視した。ヨーロッパはまさに重商主義のもと、人口増加を奨励している時代だった。植物探査のはらむ深刻なモラル問題に光を当てる。アメリカ歴史学会大西洋世界史賞、フランス植民地歴史学会Heggoy賞、アメリカ医学誌協会薬学史Ester賞ー受賞。
新聞、雑誌、教科書など様々なメディアを通して広く読まれてきた島崎藤村。〈私的領域〉をモチーフとしながらも、ただの自伝や告白としてではなく、文学として昇華させることが目論まれたテクストは、社会の制度や通念に揺さぶりをかける、鋭い批評性を持っていた。
メディア・他者・ジェンダーをキーワードに、実生活と芸術、個人と社会、規範と逸脱が交錯する藤村文学を読み直し、そのダイナミズムを提示する。
序 章 島崎藤村のテクストを〈今〉にひらく
第一部 メディアのなかのテクスト
第一章 新聞小説と挿絵─名取春仙の『春』
第二章 『文章世界』のメディオロジー─『桜の実の熟する時』の読まれ方
第三章 教育実践としての『藤村読本』─「世界」と「郷土」の狭間
第四章 教科書の中の島崎藤村─仮定された「内面」への回路
第二部 テクストのなかの他者
第五章 翻訳の政治学─ルーマニア語版『破戒』/「Legǎmîntul cǎlcat」の位相
第六章 青年と〈狂気〉─『春』における〈引用〉の力学
第七章 上書き可能な〈自己〉と〈他者〉─「懺悔」と手紙の『新生』
第三部 ジェンダーを撹乱するテクスト
第八章 〈他人〉の戦争─『新生』とジェンダー規範
第九章 女の心身─「ある女の生涯」における老いと病
第一〇章 〈父性〉と〈家族〉のあり様─「嵐」の射程
あとがき
大好評『腐女子の心理学』の続編。前著より大規模な調査をもとに「腐女子」と呼ばれる女性たちの恋愛・結婚観を読み解き、ジェンダー意識とフェミニズムの分析に踏み込む。
まえがき
目次
第1章 オタクと腐女子の定義
研究1-1「『二次創作に興味を持つ』=『二次創作好き』と呼べるか」
研究1-2「『二次創作に興味を持つオタク女子』は『腐女子』を意味するか」
第2章 腐女子とオタクのジェンダー・ステレオタイプ
研究2「腐女子とオタクのジェンダー・ステレオタイプ」
第3章 腐女子とオタクの恋愛と結婚に関するジェンダー意識の比較
研究3-1「腐女子とオタクの結婚に関するジェンダー意識」
研究3-2「腐女子とオタクの異性不安の検討」
研究3-3「腐女子とオタクの恋愛に対する接近ー回避傾向の検討」
第4章 腐女子とオタクの恋愛・結婚意識
研究4-1「腐女子とオタクの恋愛と結婚の条件」
研究4-2「腐女子とオタクの恋愛と結婚のタイプ」
研究4-3「恋愛対象の理想的イメージとファン対象の理想的イメージの比較」
第5章 腐女子とオタク女子の女子力
研究5「女子力を比較する」
第6章 腐女子とオタク女子の恋愛物語の好み
研究6-1「純愛物語志向性の検討」
研究6-2「猟奇愛物語志向性の検討」
研究6-3「少女マンガと少年マンガ」
第7章 腐女子とオタクの愛を巡る規範意識
研究7「愛を巡る価値観や規範意識」
第8章 腐女子とオタクの愛に関する自己表象
研究8-1「愛に関する表象と否定的自己評価」
研究8-2「腐女子とオタクの大学生活満足度」
第9章 腐女子とオタクの恋愛強迫観念
研究9-1「恋愛強迫観念の比較」
研究9-2「恋愛強迫観念を規定する要因」
第10章 総合考察
第1節 人を動かす力
第2節 オタクの適応方略
第3節 人間は理解し合えるという幻想
第4節 ダイバーシティ・ゲーム
Intermission
エッセーと科学論文
現象を体感的に理解すること、本を読んで理解すること
Meaning of the mean--平均値の意味
腐女子研究における腐女子性
フェミニズムをだしに腐女子を語ること、腐女子をだしにフェミニズムを語ること
大数の法則
差があることを示すこと/差があるように見せかけること
「おっさん」は加害者か? 被害者か?
「アガペ」は性差別なのか?
谷崎潤一郎をはじめ、口述筆記を行った作家は実は多い。だが、ディスアビリティやケアが絡み合う空間で、筆記者、特に女性の役割は不可視化されてきた。大江健三郎、多和田葉子、桐野夏生らの作品をも取り上げ、書くことの代行に伴う葛藤とジェンダー・ポリティクスを鋭く分析した力作。
19世紀中頃に浙江省で生まれ、「京劇に次ぐ第二の劇種」と称されるようになった「越劇(えつげき)」。
なぜ女性が男性役を演じる女性演劇が生まれたのか。そこでは何がテーマとされたのか。女優たちは男性俳優から何を学び、学ぶことをやめたのか。また、観客たちは何を求めたのか。
浙江省男性農民の田舎芝居にはじまる「男たちの越劇」は、彼らに指導された「少女の越劇」時代を経て1940年代の上海で「姉妹の越劇」として女性の芝居へと変容を遂げる。
中華人民共和国成立後は、中国共産党の指導により政治的な作品を生み、文化大革命という政治的混乱に翻弄される「父の越劇」時代を迎える。80年代には故郷浙江省で女性の理想を詩的に描く「母の越劇」が誕生し、21世紀に入ると女性の多様な生き方を描く「女たちの越劇」へと変容する。
越劇の形成・展開に重要な役割を果たしてきた環境や人々をジェンダーの視点から考察し、時代や社会のニーズに応じてスタイルを変え続ける越劇の姿を、一人の女性の成長史として読み直すユニークかつ意欲的な試み。
<b>女性たちがグローバルな搾取と向き合うために</b>
性産業、食品加工工業、軍事基地、観光産業、家事労働、外交の場までーーーー世界の不平等が凝縮された場所から、国境を越えて女性が連帯し、平等で平和な社会を実現するには。
背景の異なる様々な女性の声に耳をすませた鮮やかな政治学的分析。
グローバルな資本主義市場、パワーゲームが支配する国際情勢の中で、女性は自らを取り戻すためにどうあるべきか。ナショナリズムの陰で女性たちは家父長制にとりこまれることなくどう戦略をたてるべきか? 消費者である富裕層の女性と生産者である貧困層の女性はどう連帯できるのか? 私たちは何に気づくべきだろうか?
フェミニズムの分析フレームから好奇心と関心をもって世の中を眺める方法を示しつつ女性たちの置かれている状況を鋭く暴く。
非正規雇用の拡大とジェンダー格差の中で、若者のキャリア形成はどのような困難に直面してきたか。学校か仕事か、勤続か転職か、親同居か自立か、結婚するかしないか。就職超氷河期を経て若者たちが成人期に移行する道筋は複雑化している。東京、ソウル、ミラノ、トロントで同一調査を実施してデータを比較検証し、4ヵ国の若者支援政策の現状と課題に迫る、かつてない国際比較研究の全容。
太平洋戦争敗戦時には280万人の日本人がいた中国東北部の「満州」。その満州での移民体験と敗戦時の引揚げ体験を描いた文学を〈「満州」植民地文学〉と捉え、ジェンダーと他者の視点を軸に解明する。「満州」に生まれ育った著者がそれを基点とし、〈植民地文学〉の代表的な作家と作品を研究する。
序章
第一部 「満州国」という時代ー移民文学
第一章 打木村治『光をつくる人々』論
第二章 打木村治「満州」開拓文学における女性についての考察
第二部 「満州国」時代とその崩壊へー牛島春子文学
第三章 牛島春子の「満州国」時代
第四章 牛島春子と「満州国」
第五章 牛島春子の引揚げ作品におけるジェンダーの再編成
第三部 「満州国」の崩壊
第六章 藤原てい『流れる星は生きている』における朝鮮人像
第七章 藤原てい『流れる星は生きている』論
第八章 藤原てい『赤い丘 赤い河ー十字架を背負って』論
第九章 榛葉英治『赤い雪』論
市民のための本格的主権論。「市民」とは?「主権」とは?民主主義実現への切なる願いをこめて徹底分析。
アラブ革命が発するメッセージはアラブ世界にとどまらず、世界中の若者の心をとらえ、アメリカ、ヨーロッパでも新しいタイプの抗議行動を引き起こすというグローバルな波及効果を生んでいる。アラブ発21世紀型革命の世界への伝播が始まったのかもしれない。本書は、アラブ革命の背景を、歴史・政治・経済・社会・文化/宗教的、かつジェンダー的視点から総合的に把握する試みの一つである。
著者のこれまでの「ジェンダー」「権力」「民衆」を視点とした魯迅の分析・考察をまとめる。これまでに発表された魯迅作品の日本語訳ではほとんど留意されていなかったが、魯迅は「狂人日記」のなかで「子供」に関する言葉を使い分けており(男女、幼長の別)、それらが示す魯迅の真意を考察する第1章、「鋳剣」の中から「母・魯瑞」「旧妻・朱安」「新妻許広平」との新たな関係への魯迅の決意を読み取る第3章、「革命家」ではない自身と革命の関わり方についての魯迅の考えを詳説する第4章、そこから魯迅の思想を現在の「マルチチュード」概念につなげる終章などに著者の独自性を見いだせる。補論1は、魯迅の祖父周福清の事績をまとめた旧稿の増訂版となっており、現在も参考価値が高い。
じゃじゃ馬・娼婦・魔女・天使など、女たちのレッテルを解読することで、女と男、そして家族に潜む権力関係に迫る。
「保健の先生」はくるしい。それはなぜ?性暴力にあった生徒の問題に向き合わざるをえなくなった著者が、養護教諭の「無力さ」の由来を徹底的に探究した果てに、たどりついた答えとは。次世代にむけたあり方の再定義へといたる希望の書。