・量子情報に興味のある初学者が基本の考え方を一から学ぶことができ,かつ,研究へと繋げられるレベルにまで理解を深められる
・学部程度の量子力学から始めて知識を整理し,「量子系の操作」という量子情報科学の基本的な考え方を身に付け,量子通信の理論を学んだうえで,量子情報と理論物理の学際的な研究テーマに取り組む
【主な目次】
第I部 量子論の復習
1. 数学的記法
ヒルベルト空間とDirac記法,テンソル積/有界演算子/Pauli演算子とClifford演算子/行列値関数/極分解と特異値分解
2. 量子論の一般的な枠組み
量子論の五公理/混合状態/時間発展/一般化量子測定
第II部 量子情報の基礎
3. 量子情報科学の基礎
量子状態/時間発展/量子回路
4. 量子状態や量子チャンネルの尺度
様々な尺度/クローン可能・不可能定理/量子状態識別/距離と識別可能性
5. ノイズレスな量子通信の基礎プロトコル
通信プロトコル/通信リソースの組み合わせ/完全な特徴付け
6. エントロピー
古典系/量子系/Rényiエントロピー/平滑化Rényiエントロピー
7. エントロピーの応用
アクセス可能な情報量とHolevoの定理/エントロピー不確定性関係/量子状態識別/エンタングルメント・エントロピー
第III部 ノイズレスな量子情報理論
8. 情報源と情報源の圧縮
典型系列と典型部分空間/古典情報源/量子情報源
9. LOCCによる量子状態操作
純粋状態のLOCC変換/エンタングルメント蒸留と希釈
第IV部 ノイジーな量子情報理論
10. 量子系におけるノイズ推定
定量的指標/乱択ベンチマーキング
11. 量子誤り訂正の基礎
基礎理論/スタビライザー符号とスタビライザー形式
12. ノイジーな量子通信理論1
量子通信容量定理/デカップリング・アプローチ/性能評価
13. ノイジーな量子通信理論2
漸近極限とsuperactivation/達成可能な量子通信レート/複雑性と復号方法
14. ノイジーな量子通信路の様々な通信容量
古典通信容量/共有エンタングルメント
第V部 量子情報と物理
15. Haarランダムと孤立量子系での熱平衡化現象
ミクロカノニカルアンサンブル/カノニカル典型性/相対的な熱平衡化現象/量子誤り訂正
16. Hayden-Preskillプロトコル
デカップリング・アプローチ/ハミルトニアン時間発展/ランダム符号化と符号衝突/Petz写像/Yoshida-Kitaevの復号
17. Haarランダム・ユニタリとユニタリ・デザイン
モーメント演算子とフレーム・ポテンシャル/Haar測度/ユニタリt-デザインと状態t-デザイン/量子回路を用いた近似的な生成方法
付録
文献
索引
有機系材料のメカニズムからモジュール開発までの作製プロセス、材料探索には欠かせない材料特性評価、ヘルスケア・住環境などワイヤレスセンサーネットワークへの応用展開までを網羅した1冊。
現在も上昇を続けている世界の屋根、ヒマラヤ山脈の誕生と成長のプロセスとメカニズムの謎は、どこまで解明されたのだろうか? 大陸衝突型造山帯ヒマラヤの最新の地球科学的研究の成果を、現地調査1000日を超えるヒマラヤ研究の第一人者が紹介する。
はじめに
1章 ヒマラヤ山脈の地形と地質の概観
2章 大陸衝突とその証拠
3章 レッサーヒマラヤに記録された19-16億年前の地球史
4章 レッサーヒマラヤに残る超大陸パンゲアの痕跡とテチス海の消滅
5章 沈み込み、変成したインド亜大陸とその再溶融
6章 ヒマラヤの誕生ーー1500万年前の変成帯の地表露出
7章 テチス海に5億年にわたって堆積した1万メートルの地層
8章 北方にすべり落ち、横臥褶曲したテチス堆積物
9章 レッサーヒマラヤに押し被さった巨大な変成岩ナップ
10章 変成岩ナップの運動史を探る
11章 変成岩ナップ、レッサーヒマラヤ、高ヒマラヤの熱履歴を探る
12章 前縁盆地と深海扇状地の堆積物からヒマラヤの謎を解く
13章 前縁山地マハバーラトの上昇
14章 現在の地殻変動ーー地震・活断層・温泉
15章 ヒマラヤ山脈形成のメカニズムを探る
おわりに
本書では、熱力学的平衡状態に対するシミュレーション法であるモンテカルロ法について述べている。
IT・マルチメディア関連の企業を経営する著者が語るデジタル社会をより活性化させるアナログ的思考論。
大学および高専の工学系の学生を主対象に,伝熱現象の本質を理解するための基礎事項を簡潔に解説したテキスト。例題・演習問題を豊富に掲載。
1章 伝熱基礎
2章 熱伝導
3章 強制対流I
4章 強制対流II
5章 自然対流
6章 伝熱の数値解析法
7章 沸騰伝熱
8章 凝縮伝熱
9章 放射伝熱
10章 熱交換器
木質バイオマスの熱利用を進めるために、実務経験が豊富な執筆陣が書き下ろした我が国初の総合的な手引書です。脱炭素社会の実現に必要な知見やノウハウをすべて収録しました!
現在では,広範な分野で応用されている統計力学の全般について具体的に解説した好考書です。本書は『共立全書11.統計力学』(B6判)として1952年に初版を発行し,1971年には改訂を経まして,半世紀にわたって多数の読者にご愛読いただいてまいりました。この度,読者からの要望を受けまして,より読み易いA5判に拡大して単行本として改装し,『新装版 統計力学』として発行するものです。
第1章 統計力学のはじめに
1.1 巨視的世界と微視的世界
1.2 統計力学の課題
1.3 分子の熱運動
1.4 気体の分子運動
第2章 統計力学の基本的な考え方
2.1 一つのたとえ話
2.2 所有の分配
2.3 振動子の集まりについて
2.4 振動子系の統計的取り扱い(その1)ならびに統計力学の基本仮定について
2.5 振動子系の統計的取り扱い(その2)ならびにカノニカル分布について
2.6 定常振動について
2.7 理想気体(その1)
2.8 理想気体(その2)
2.9 カノニカル分布の特徴
2.10 熱的つりあいの統計力学的意味
第3章 統計力学の基本的な応用例
3.1 熱放射
3.2 固体の比熱
3.3 フェルミーディラック、およびボーズーアインシュタインの統計
3.4 フェルミーディラックの統計
3.5 ボーズーアインシュタインの統計
3.6 ボルツマン統計
第4章 平衡条件と巨視的状態量
4.1 孤立系および結合系
4.2 孤立系のエントロピー
4.3 結合系のエントロピー
4.4 カノニカル分布の一般的な導入
4.5 温 度
4.6 圧 力
4.7 外部変数への応答
4.8 化学ポテンシャル
4.9 大きなカノニカル分布(T-μ分布)
第5章 熱力学の基本法則
5.1 熱力学第一法則
5.2 熱力学第二法則
5.3 熱力学関数と分配関数
5.4 化学平衡
5.5 熱力学第三法則 - ネルンストープランクの定理
第6章 統計力学の応用
A.古典的近似
6.1 古典統計力学的近似
6.2 古典的近似におけるカノニカル分布
6.3 エネルギー等分配の法則
6.4 外力の場にある理想気体
6.5 双極性気体
6.6 混合気体
6.7 不完全気体の古典的近似
B.F.D.および B.E.の統計
6.8 T-μ分布によるF.D.および B.E.の統計の取り扱い
6.9 縮退したフェルミ気体の取り扱い
C.化学反応の平衡
6.10 気体反応
6.11 蒸気圧
6.12 金属からの電子の蒸発
6.13 半導体内の電子
D.格子の統計力学
6.14 理想的な混合結晶
6.15 理想的でない混合結晶
6.16 合金の秩序無秩序
6.17 強磁性体のイジング模型
付録
A. 縮退したフェルミ粒子系に関する積分公式
B. ボーズーアインシュタイン凝縮
「熱敏灸」は棒灸によって生じる“ひびき”を利用した新しい治療法。世界的に注目を集める「熱敏灸」解説書の日本語版。34の疾病別に熱敏灸の好発部位、および熱敏灸によって生じる“ひびき”を図示。理論は極力省略し、中医学的にみた治療効果を図に付記。
(初版1990年11月30日)初めて冷凍と空調を学ぶ大学・高専の学生を対象に,例題も取り入れて,冷凍工学・空調工学の基本知識から丁寧に解説したテキストである.
【目次】
1編 冷凍
冷凍理論の基礎
伝熱
冷凍および冷凍システム
冷凍の進歩と応用
2編 空調工学
空気調和理論の基礎
空気調和の方式とその展望
木質バイオマスの熱利用を進めるために、実務経験が豊富な執筆陣が書き下ろした我が国初の総合的な手引書です。脱炭素社会の実現に必要な知見やノウハウをすべて収録しました!
教室で黒板を前に語りかけるような解説で、“丁寧でわかりやすい”と定評のある松下貢先生による「物理学講義シリーズ」。その姉妹書となる本書では、「力学」「電磁気学」「熱力学」に共通する道具としての数学を一冊にまとめ、豊富な問題と共に、直観的な理解を目指して懇切丁寧に解説した。取り上げた題材には、通常の「物理数学」の書籍では省かれることの多い「微分」と「積分」、「行列と行列式」も含めた。
すべての道具には使用する対象と使用目的があるように、道具としての数学にも使用の動機がある。本書を読めば、大学の理工系学部に入ってすぐに学ぶ「物理学」がスムーズに理解できるであろう。
【担当編集者より】
「力学」で微分方程式が解けず、 勉強に力が入らない。
「電磁気学」でベクトル解析がわからず、ショックだ。
「熱力学」で偏微分に悩み、熱が出た。
……
そんな悩める貴方の、頼もしい味方になってくれる一冊です。
1.微 分
1.1 1変数関数の微分
1.2 テイラー展開
1.3 指数関数とその微分
1.4 対数関数とその微分
1.5 複素数とオイラーの公式
1.6 まとめとポイントチェック
2.積 分
2.1 面積と積分
2.2 微分と積分の関係
2.3 定積分と不定積分
2.4 初等関数の不定積分
2.5 置換積分
2.6 部分積分
2.7 多重積分
2.8 まとめとポイントチェック
3.微分方程式
3.1 微分方程式の階数
3.2 1階微分方程式
3.3 2階微分方程式
3.4 まとめとポイントチェック
4.関数の微小変化と偏微分
4.1 多変数関数の微小変化と偏微分
4.2 偏微分の応用(1) -力と位置エネルギーー
4.3 偏微分の応用(2) -ヤコビ行列式とその性質ー
4.4 まとめとポイントチェック
5.ベクトルとその性質
5.1 ベクトルとは何か
5.2 ベクトルの内積(スカラー積)
5.3 特別なベクトル
5.4 ベクトルの外積(ベクトル積)
5.5 ベクトルの3重積
5.6 まとめとポイントチェック
6.スカラー場とベクトル場
6.1 ベクトルの微分
6.2 ベクトル場とスカラー場
6.3 スカラー場の勾配
6.4 ベクトル場の発散
6.5 ベクトル場の回転
6.6 まとめとポイントチェック
7.ベクトル場の積分定理
7.1 ベクトル場の線積分と面積分
7.2 積分定理(1) -勾配の場の線積分ー
7.3 積分定理(2) -ガウスの定理ー
7.4 積分定理(3) -ストークスの定理ー
7.5 まとめとポイントチェック
8.行列と行列式
8.1 行列
8.2 行列の演算
8.3 いろいろな行列
8.4 行列式
8.5 行列式の性質
8.6 逆行列
8.7 連立1次方程式
8.8 行列の固有値と固有ベクトル
8.9 まとめとポイントチェック
あとがき
問題解答
索引
化学平衡論基礎編では化学ポテンシャル、相平衡など、応用編では多成分の相平衡、生体系における相平衡などを解説。反応速度論基礎編では反応速度式と反応次数など、応用編では生体系における反応速度論、高速反応測定法などを解説。
1.化学平衡論:基礎編
1.1 序論
1.1.1 国際単位系(SI)
1.1.2 状態変数
1.1.3 微分に関する重要な公式
1.2 化学熱力学の法則と自由エネルギー
1.2.1 熱力学第一法則
1.2.2 熱力学第二法則
1.2.3 エンタルピーと熱容量
1.2.4 自由エネルギーの定義
1.2.5 マクスウェルの関係式
1.2.6 自由エネルギーの性質
1.2.7 ギブスエネルギーの圧力依存性
1.2.8 ギブスエネルギーの温度依存性
1.3 化学ポテンシャルと圧平衡定数
1.3.1 化学ポテンシャルの定義
1.3.2 化学ポテンシャルの性質
1.3.3 混合に伴うギブスエネルギーの変化
1.3.4 質量作用の法則と圧平衡定数
1.3.5 ルシャトリエの法則
1.4 相平衡と状態図
1.4.1 純物質の化学ポテンシャルと相転移
1.4.2 純物質の状態図
1.4.3 クラウジウス・クラペイロンの式
1.4.4 ギブスの相律
1.4.5 理想溶液
1.4.6 2成分系の気/液平衡
1.5 希薄溶液の性質
1.5.1 ヘンリーの法則
1.5.2 蒸気圧降下
1.5.3 沸点上昇
1.5.4 凝固点降下
1.5.5 浸透圧
演習問題
2.化学平衡論:応用編
2.1 多成分系の相平衡
2.2 生体系における相平衡─Hbの多段平衡論を中心に─
2.2.1 ヒルの解析
2.2.2 アデアの解析
2.2.3 モノー・ワイマン・シャンジューの解析
2.2.4 解析例のまとめ
2.3 生体系の多段平衡のpH依存性─Hbのボーア効果─
2.4 熱力学パラメータと化学反応の進む向きの一例
演習問題
3.化学反応速度論:基礎編
3.1 反応速度とは
3.1.1 ショ糖の加水分解反応
3.1.2 反応速度の定義
3.2 反応速度式と反応次数
3.2.1 反応速度式の概念と定義
3.2.2 反応次数
3.2.3 反応速度と反応機構
3.2.4 反応速度定数とその単位
3.3 種々の次数の化学反応の反応速度
3.3.1 n次反応
3.3.2 一次反応
3.3.3 半減期
3.3.4 二次反応
3.4 いろいろな反応
3.4.1 可逆反応
3.4.2 逐次反応
3.4.3 定常状態近似とその適用
3.4.4 酵素反応
3.4.5 反応速度の圧力依存性
3.5 反応速度の温度依存性
3.5.1 衝突理論
3.5.2 遷移状態理論
演習問題
4.化学反応速度論:応用編
4.1 反応機構の応用
4.1.1 次数別の分類
4.1.2 化学方程式別の分類
4.2 生体系における化学反応速度論─MbおよびHbを中心に─
4.2.1 二次反応
4.2.2 二次平衡反応
4.2.3 平衡交換反応
4.3 酵素反応速度論
4.3.1 酵素反応の反応式(ミカエリス・メンテンの式)に基づく反応
4.3.2 阻害剤の影響:拮抗型阻害,非拮抗型阻害および不拮抗型阻害
4.3.3 酵素活性へのpH,温度などの影響
4.4 高速反応測定法
演習問題
引用・参考文献
演習問題解答例
索引