「国民の仏教」=「鎌倉新仏教」論の生成、西洋との遭遇、「国家神道体制」の成立、対外戦争の勃発、「良妻賢母」という規範の喧伝ーー。
国民国家形成のプロセスにおいて、仏教はいかに「国民国家の〈宗教〉」たろうとしたのか。また、そこにはいかなる葛藤があったのか。
主に浄土真宗(真宗大谷派)に関する諸問題を題材に、真宗者・真宗教団が打ち出した信仰(信心)の言説を分析し、国民国家と仏教の関係をいま改めて考察する。
【目次】
序 章
第一章 〈近代仏教〉再考ー日本近代仏教史研究と「鎌倉新仏教」論ー
第二章 甦る清沢満之
第三章 仏教者の自己認識と内地雑居論ー日本人論・日本文化論の視点を手がかりにー
補論1 仏教者と「報徳」-明治後期〜大正前期の仏教界の動向と関連してー
第四章 神道非宗教論をめぐってーせめぎあう神仏ー
第五章 真宗大谷派と戦中・戦後史
第六章 真宗大谷派における女性教化ー明治・大正・昭和・平成の教説をたどるー
第七章 国民「宗教」の創出ー暁烏敏の天皇「生仏」論をめぐってー
補論2 近代日本における自他認識ーアイデンティティと「信仰」-
第八章 日本主義的教養と一九三〇年代の仏教者ー暁烏敏と記紀神話の世界ー
終 章 日本近代仏教史研究の行方ー「精神主義」研究を手がかりにー
古代から、少子高齢化に直面する現代まで、男女の出会いと結婚、家と家族の営み、育児や老いの問題など、家族と結婚の日本史を一冊でわかりやすく解説する。さまざまな変化をたどってきた家族のあり方の歴史と現在。
近代になって女性の労働力はいかにして市場に投入されたのか。本書は電話交換が技術発展により、男性から女性の仕事へ変わっていく過程を日独比較から捉える。男と女の仕事の棲み分けを作り上げた社会の一側面を解き明かす。
凡 例
序 章 「男の仕事/女の仕事」の現在
1 グローバル化を支える人々
2 「電信・電話のジェンダー化」
3 「電信・電話のジェンダー化」の比較社会史
4 史資料の概要と特徴
5 本書の構成
第1部 「男の仕事/女の仕事」の誕生
第1章 逓信事業を支えた人々
1 黎明期の逓信事業
2 女性の採用をめぐる議論
第2章 技術革新のインパクト
1 電信・電話がジェンダー化する時
2 「性別職務分離」の展開
第2部 「男の仕事/女の仕事」の定着
第3章 社会集団の形成
1 浮上する職場の問題
2 活動内容の実際
補節 第一次世界大戦と職場のジェンダー秩序
第4章 身体をめぐるポリティクス
1 職場の性規範
2 女性職員たちの世界
第3部 職業病とジェンダー
第5章 近代ドイツの電話交換手と「年金神経症」
1 近代ドイツにおける「年金神経症」の誕生
2 「神経症」をめぐる攻防
3 労働衛生の光と影
第6章 近代日本の電信技手と「モールス文化」
1 近代日本における「モールス文化」
2 「モールス文化」の日常的実践
3 「モールス文化」の変容
終 章 技術とジェンダーーー歴史に学び、未来を拓く
1 近代日独における「電信・電話のジェンダー化」
2 「電信・電話のジェンダー化」のダイナミズム
3 近代日本の「電信・電話のジェンダー化」
4 技術の「正史」の彼方へ
参考文献一覧
あとがき
事項・地名索引
人名索引
日本の女たちが長く秘めてきた飢えや渇望を、『女坂』、「妖」など一連の、古典を媒介とするポリフォニックな小説群として浮上させ、戦後女性文学の金字塔を打ち立てた作家円地文子をジェンダーの視点から問い直す。
▼変わりゆく女性の生き方から、夫婦と親子の未来を読み解く
『結婚と家族に関する国際比較調査(JGGS)』の大規模パネルデータを基に、進学、就業から結婚、出産、育児、そして介護まで広範なライフステージに焦点を当て、日本社会の変容と少子化の深因を描き出す。
「フラジリティ(感性)」・「表象」・「言説」・「自然」
“個”が差異を超越できる“世界“を見据え、実在する人間社会のジェンダーや美学を繊維な表現で紡ぐ。
秦 辰也(近畿大学国際学部教授・シャンティ国際ボランティア会副会長)
第1部 フラジリティ(感性)と身体
第 1 章 フラジリティ(感性)の身体的次元
1 - フェミニズム認識論に向けて
2 - コンシャスネス・レイジング(CR)の流れ
3 - ウーマン・リブと身体への問い
4 - 自助と互助のあわい
5 - ヒューマニズムと実存
第 2 章 演劇セラピーとエンパワーメントータイー日移住女性たちの経験からー
は じ め に
1 - 日本へ働きにいかなければならなかった
2 - わたしたちは女性だから
3 - 自分たちの「ホーム(居場所)」
4 - 経験は詩になりうる
お わ り に -エンパワーメントの意味ー
第 3 章 フラジリティ(感性)の主体形成
1 - エンパワーメントに向けて
2 - 主体形成の被傷性
3 - ラディカル・デモクラシーの行方
4 - 経験のアポリア
第2部 フラジリティ(感性)と表象
第 4 章 別の身体になることーエヴァ・ヘッセの空間性と自己意識ー
は じ め に
1 - 人が見るフレームを覗く
2 - リアルを感じる
3 - 非物質性の空間
4 - 自己とイメージの物質性 -愚かさに宿る夢ー
お わ り に
第 5 章 フラジリティ(感性)の表象的次元
1 - 性的差異と普遍的なもの
2 - 感性の分有
3 - 翻訳可能性
4 - 詩学と悲劇的なもの
第3部 イメージと象徴
第 6 章 従軍慰安婦を表現する平和の少女像の象徴様式 -エルンスト・カッシーラーの神話的思考に照らし合わせてー
は じ め に
1 -『表現の不自由展・その後』をめぐる攻防
2 - モニカ・メイヤーのインスタレーションに通底するもの
3 -「従軍慰安婦」を象徴するということ
4 - 個人的な体験と視覚表現
5 -「慰安婦」をめぐる公的言説の環境
お わ り に
第 7 章 象徴様式の哲学
1 - 道徳的イメージをめぐって
2 - シンボルを操る動物
3 - 神話とフラジリティ(感性)
4 - 生と精神
第4部 「自然」とジェンダーの交錯
第 8 章 呼吸するコミュニティ・アートー植物的生物としての私たちー
は じ め に
1 - コミュニティセンターとしての会館
2 - 空間の広がり
3 - 社会とのつながり
お わ り に
第 9 章 ファブリック製品とジェンダーに配慮した生産ーフェアトレードの試みを通じてー
は じ め に
1 - フェアトレードと国際協力
2 - ソーシャル・ビジネス
3 - 布の象徴作用
4 - オルタナティブな構造のあり様
お わ り に
男女をめぐるさまざまな意識が変わりはじめた七〇年代。歌謡曲もまた日本の音楽史のなかで、劇的に変化した時期だった。時代の空気に敏感に反応する流行歌には、男女の姿が徹底的に描きだされている。理想の恋愛像や親子像、既成の「男らしさ、女らしさ」とそれに代わる新しい価値観…。歌謡曲という大衆芸術は、今日にいかなる遺産を残したのか。阿久悠、松本隆、阿木燿子らの詩、ピンク・レディー、桑田佳祐、太田裕美らの歌を丹念に読みとき、男女間の変遷を掘りおこしていく。文学や社会学の領域をも超え、七〇年代を俯瞰する文化論としても読むことができるダイナミックな試み。
『恐怖城(ホワイト・ゾンビ)』『私はゾンビと歩いた!』から、ジョージ・A・ロメロを経て『バイオハザード』『ワールド・ウォー・Z』まで、ヴードゥー呪術、噛みつき、ウィルス感染など、多様な原因で人間ならざるものへと変化し、およそ100年にもわたり増殖し続けるゾンビと作品の数々。恐怖の対象として類を見ないその存在に託されたものは何か。本書では、ゾンビの歴史を通覧し、おもに植民地主義、ジェンダー、ポストヒューマニズムの視点から重要作に映るものを仔細に分析する。アガンベンの生権力論を援用し、ゾンビに現代および近未来の人間像をみる力作。
「だが現在、または近い未来において、人間に「似ているにすぎないもの」として作り出されたゾンビの方に、人間が「似て」くるだろう。」(本書より)
◎目次
序章
第一章 『恐怖城(ホワイト・ゾンビ)』とゾンビの誕生
1 『ホワイト・ゾンビ』とアメリカ
2 「ゾンビ」発生前夜
3 ゾンビの分裂と人種表象
4 『ホワイト・ゾンビ』における目線の交差
第二章 『私はゾンビと歩いた!』と呪われた人形
1 ハリウッドをさまようヴードゥーの人形
2 分裂したヒロイン
3 重なり合うゾンビと人形
4 代理の身体
第三章 近代におけるゾンビーーグロテスクなものか「人に似たもの」か
1 隣のゾンビ
2 奴隷から隣人の表現へ
3 ロメロにおけるゾンビの多様性
4 『死霊のえじき』以降のゾンビたち
5 感染と発症の間ーー「モダン・ゾンビ」から「走るゾンビ」へ
第四章 ゾンビ映画におけるヒロインと女ゾンビ
1 ゾンビの性別
2 『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』におけるヒロイン
3 ゾンビ映画における女とロメロ作品における男
4 『28日後…』、『28週後…』における眼差しと感染
第五章 『ワールド・ウォー・Z』における新しいゾンビ
1 目潰しとポストヒューマンなゾンビ
2 『ワールド・ウォー・Z』における身体を持たないゾンビ
3 ポストヒューマニズム
4 「剝き出しの生」としてのゾンビ
5 生き延びる身体と免疫
終章
あとがき
参考文献
索引
総力戦は同時に女性の社会進出もおしひろげた。戦えない性である女性は、愛国心をどう示したのか。カーキ・フィーバー、社会進出の象徴でもある制服への熱狂。大戦は女性をどう変えたのか、戦いのなかの女性を描き出す。愛国熱と制服フィーバーの時代。
公的年金の成熟は、私的な家族内の世代関係をどう変えたのか?
公的年金と公的介護の制度的発達における時間・充実度のギャップは、
家族内のジェンダー関係にどんな影響をもたらしたのか?
1980年代以降の日本社会における、世代関係の再構築&ジェンダー関係の強化のはざまにただよう
「生涯ケアラー」としての女性たち。
真にオルタナティブな社会のあり方とは?
第1章 なぜ介護を専門家に頼るのか
1 介護における世代関係の再構築
2 女性は「利己的」か?
3 「介護問題は女性問題」の社会的構築
4 「介護を専門家に頼る」はオルタナティブな社会のあり方を示しているのか?
第2章 ケア、世代関係、公共/家内領域、自立/依存をどうとらえるか
1 ケアと介護
2 高齢者と成人子の世代関係
3 公共領域と家内領域
4 自立と依存
第3章 介護する意識とされる意識
1 女性は「家族を介護する」ことを避けているのか?
2 データ
3 介護する立場/される立場/「一般論」としての介護意識
4 「家族に介護される」ことを避けようとする女性
第4章 女性とケア・アイデンティティ
1 なぜ女性は「利他的」選好をするのか?
2 データ
3 「性による役割振り分け」と「愛によるケア役割」の2つの次元
4 「生涯ケアラー」としてのアイデンティティ
第5章 生涯家計支持者と生涯ケアラーの誕生
1 なぜ嫁をあてにできなくなったのか
2 日本における高齢者の扶養・介護に関する制度
3 データ
4 扶養と介護についての意識の変化
5 「生涯家計支持者」と「生涯ケアラー」の誕生
第6章 社会階層と介護意識ー「女性中流階級のための福祉国家」
1 「介護を専門家に頼る」と考える人はどの社会階層に多いのか?
2 データ
3 専門家の介護に積極的な女性中流階層と消極的な男性中流階層
4 「女性中流階級のための福祉国家」
第7章 公共領域/家内領域の再構築とその中断
1 老後の世代関係について人々はどう考えているか?
2 データ
3 生涯ケアラー・生涯家計支持者・公的支援忌避者・看取りあう夫婦
4 「専門家に介護を頼る」は支配的社会認識を支える意識
第8章 「ケアしあう人々」という社会
1 生涯家計支持者と生涯ケアラーの誕生
2 支配的社会認識を支える生涯ケアラー
3 生涯家計支持者と生涯ケアラーのゆくえ
4 「ケアしあう人々」という社会
5 今後の課題
フェミニズム、クィア理論、批判的人種理論ーー〈社会正義〉の御旗の下、急激な変異と暴走が続くポストモダニズム。「第二のソーカル事件」でその杜撰な実態を暴き、全米に論争を巻き起こした著者コンビが、現代社会を破壊し続ける〈理論〉の正体を解明する!
本書では日本の今の現状を「企業中心・ライフスタイル管理型家父長制」と定義するところから、この90年代末を生きる日本社会の女性の現実をとらえ、日本のフェミニズムが主婦フェミニズムといわれてきたその限界を超える女性学の方向を考える。
元始、女性は太陽であったのか。人類の歴史を書き変える性考古学の快著ついに登場!日本はもちろん世界の考古・古代史家が置き去りにしてきたジェンダーの視点から新しい先史・古代史像を構築しようとする画期的な試み!考古・歴史ファン、女性読者、必読。
本書は、1970年代以降のマレーシアの経済発展における労働力構造の変化を分析の対象とし、いくつかのケース・スタディをもって、マレーシアの労働市場のセグメンテーション(分断)の構造を示したものである。