村内先生は、中学の非常勤講師。国語の先生なのに、言葉がつっかえてうまく話せない。でも先生には、授業よりももっと、大事な仕事があるんだ。いじめの加害者になってしまった生徒、父親の自殺に苦しむ生徒、気持ちを伝えられずに抱え込む生徒、家庭を知らずに育った生徒ー後悔、責任、そして希望。ひとりぼっちの心にそっと寄り添い、本当にたいせつなことは何かを教えてくれる物語。
名作の“急所”はラストにあり。「へそをなでています」「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。難有い難有い。」-意外と知らない唐突、納得、爆笑!?な終わりの一文。『西遊記』『吾輩は猫である』から『ライ麦畑でつかまえて』まで、世界の名著一三七冊をうしろから味わう型破りなブックガイド。
鳥類は見る者を喜ばせてくれる。鳥類はどこにいても私たちを楽しませてくれる。さらに、鳥を注意深く観察していると、私たち自身や世の中のことが見えてくる。
ずっといっしょにいたいよね。うちの子の気持ちがもっとわかる、もっと仲よし!インコの気持ちがわかる本。ほっこり4コママンガつき!
空前の災厄続きに、人心が絶望に打ちひしがれた暗黒の江戸天明期、大空を飛ぶことに己のすべてを賭けた男がいた。その“鳥人”幸吉の生きざまに人々は奮い立ち、腐りきった公儀の悪政に敢然と立ち向かったー。ただ自らを貫くために空を飛び、飛ぶために生きた稀代の天才の一生を、綿密な考証をもとに鮮烈に描いた、これまた稀代の歴史巨編である。数多くの新聞・雑誌で紹介され、最大級の評価と賛辞を集めた傑作中の傑作の文庫化。
「あいつのことはーかならずぜったい“失望”させてやるんだ!」新しいカタログについていた試供品「心を食べる鳥」を見て、なにやら悪だくみをしている様子ののぞめ。人間にもどれる可能性を前に、のぞめとニエノが選んだ答えとはー?「取り消せるこづかい帳」「不老不死3点セット」「よくばりプレゼント・ボックス」「生まれ変わりタマゴ」「毒消しマスク」のカタログ掲載商品に加え、のぞめの「スペシャル・アイテム」も収録!小学中級から。
都内に佇む茶室、妖〓(き)庵。美貌の主・洗足伊織はヒトとは僅かに違うDNAを持つ妖人であり、ある特別な能力を持っている。一方、警視庁妖人対策本部(Y対)の刑事・脇坂は、不可思議な事件を耳にした。聞き慣れない妖人属性を自称するふたりの女性が、同日、同じマンションで自殺を図ったというのだ。その裏に潜んでいたのは、母と娘の複雑な愛情と憎しみであり…。本当に怖いのは、人か、妖か。人気作第4弾、文庫書き下ろし。
フィールドでの鳥類観察のため南極から熱帯雨林へと旅する著者が、ペンギン、アホウドリ、純白のフクロウなど、鳥の不思議な生活と能力についての研究成果を、自らの観察を交えて描く。北米を代表するバードウォッチャーによる、鳥への愛にあふれた鳥類研究の一冊。
青い鳥が聖地クレストンへと誘います。青空と大地と山々、しずかな湖。大自然と向き合う心のやすらぎを描いた葉祥明の絵本。
吸血鬼のオズくんがおみやげにくれた青い鳥を、チィちゃんが逃がしてしまう。幸せの象徴である小鳥をつかまえるため、ひびきたち“福の神探偵団”が再始動!同じころ学校では大きなケンカが起こってギスギスとした空気に。町にサトリさんというアヤカシが来たことが、関係ありそうで…?サトリさんは人の心の中がわかるらしいけれど、“心”ってどうなっているのだろう?小学中級から。
2022年までに日本政府が投じたコロナ対策予算は、およそ104兆円。東日本大震災の復興予算が約32兆円だったことを考えれば「異次元」ともいえる規模だ。もちろん、適切な使い方によって救われた国民は多かったはずで、潤沢な予算は大いに役に立っただろう。しかし、社会も政治も混乱した状況で組まれた予算は精査されたものだったのか?血税を食い物にした人間はいなかったのか?「コロナと金」の不可解な実態に迫るー。
たとえば某日。ねじまわしに導かれ、太ったひとばかりが住む村に行く。某夜、上野の立ち飲み屋台で国民的作曲家のよた話をきく。またある日、謎の珍味“こぎゅんぱ”に随喜し、獰猛な巨大モミジをみんなで狩りに行くーいしいしんじが聴き取った、ちょっと奇妙な世界の消息をお届けします。生きていることの不思議さと不気味さ、そして愛しさがくるくるときらめく、万華鏡のようなショート・ストーリー集。
カラスは記憶し、会話し、思考する!?ウィンドサーフィンをしたり、道具を使ったり、驚くべき知能の高さを見せるカラスの脳、言語、心理、習性を、PETスキャンなどの最新の科学研究で読み解く!
郊外の書店で働く「僕」といっしょに住む静雄、そして佐知子の悲しい痛みにみちた夏の終わり…世界に押しつぶされないために真摯に生きる若者たちを描く青春小説の名作。読者の支持によって復活した作家・佐藤泰志の本格的な文壇デビュー作であり、芥川賞の候補となった初期の代表作。珠玉の名品「草の響き」併録。
生まれたその日に片腕を失った我王。その我王に片腕を切られた茜丸。15年後、仏師として血のにじむ修行を積んだ2人に宿命の対決の時が来た。都の帝から東大寺の鬼瓦の競作を命ぜられたのだ。愛を渇望し、自らに打ち克とうとする仏師の極限の苦悶を描く。宇宙規模の輪廻の中、個々の命の小ささと、それでもなお生きることの意味を問う。創作の背景が分かる充実の解題収録の新装版。