中東の政治経済は、砂漠とオアシスの風土によって育まれ、西欧に近接する地政学上の位置によって影響を受けた。本書は、中東近現代史のダイナミズムを、オアシス農村の場から描いたものである。
激動する経済社会のもとで重要性がますます高くなってきたコミュニティ・ビジネスの現状と問題点そして将来展望を考察し、その分析を通じて21世紀の新しい日本の経済社会システムのありようを考える3年計画の共同研究の成果報告。
童話集の編者として知られるグリム兄弟は、法学者だった。ドイツ・ロマン派の影響のもと、兄ヤーコプ・グリムは、“法”のことばと“詩”のことばを、ゲルマンの“歴史”によって統合する。グリム兄弟を中心に、ヴィーコ、ヘルダー、ヘーゲル、サヴィニー、ミシュレ、ガンス、ハイネを配置した、壮大な思想史の企て。
「戦死後」という新たな観点から「戦後」を問い直す。沖縄の戦跡という場で、人びとの日々の営みの中で、戦死者はどのように弔われ、記憶され、語られてきたのか?膨大な文献資料と緻密なフィールドワークから、戦死者にとって空白の「戦死後」の64年を読み解く。
〈ひとは、両端の燃える蝋燭の如くであれ!〉まさに自らの言葉そのままに生き抜いた、今世紀の比類なき女性革命家のすべてを描く、最も声価の高い評伝の決定版。
近代における「芸術」は、宗教や政治からいったん分離され、感性的な刺激の彼方にある「美」それ自体を追求する、自律的な領域として形成されてきた。しかし、その一方で、合理化された社会の中でアトム化されている人びとの感性を共同体的に統合する、「共通感覚」を再活性化しようとするロマン主義的な願望も、「芸術」に憑依し続けた。人間の知覚能力を増幅させるニュー・メディアが「芸術」に取り入れられ、相乗効果を及ぼし合うようになった二〇世紀後半以降、「共通感覚」への新たな期待が高まり、他領域との境界線が流動化しつつある。変容しつつある「芸術」の社会的機能について、現代思想の成果を踏まえて、多角的に考察する。
温泉権は成定法をみないため学説・調査・判例によらなければならない。これらを克服して川島武宜温泉権を発展させた。温泉関係者・法律家・実務家必携の書。
国内島嶼のなかでもとくにコミュニティ機能の卓越した沖縄島嶼を具体事例とし、架橋化という主要振興事業のケースに焦点を当てながら、この島嶼社会衰退の要因について解明を試みる。