大好評の“圓菊GINZA LIVE”の初CD化作。早くから得意としてきた「唐茄子屋政談」は、吉原通いから始まる爆笑落語仕立てで、後半のさり気なく“情”や“人生の機微”を盛り込んでゆく人情噺。有名な「饅頭こわい」は、江戸っ子の意地を若々しく熱演。
1913年に発表した処女歌集『桐の花』で、短歌に象徴詩の手法を取り入れた作風が注目され、のちに創作童謡、詩歌を勢力的に発表していた北原白秋の詩歌を、黛まどかが朗読した作品集。心に響く美しい日本語をテーマにした“日本の詩歌”シリーズの1枚。
古典落語の演目を、落語史に名を残す名人の話芸で聴く本格シリーズ。84年に他界した三遊亭円遊は粋な落語家の代表。正妻と妾の間で翻弄される旦那。そこに権助が絡んできたら!?
明るさ、華やかさを持った芸は、良き時代の寄席の味を伝えてくれた。「味噌蔵」での酒盛りの場面、「野ざらし」の向島大騒ぎのオンマツなど、この人の軽妙洒脱な語り口は、さすが江戸っ子しかも元幇間。こういうタイプの落語家はもう出てこないんだろうな。
京都と大阪を往復する“三十石船”を舞台にせっかちな江戸っ子と京都気風のギャップを楽しく聞かせる。得意の義太夫を唄いたっぷりとした道中物に。『佐々木政談』の頓智問答は、ナンセンスなギャグを恐い顔で話す円生の高座を思い出させる。
明るい色気の藝風は、江戸の面影を残した古き良き東京の最後の噺家と言える。洒落・粋の感覚は絶品で、一時期、幇間を経験したところから培われたものだろう。今回は幇間ものは収録されていないが、軽妙な語り口の爆笑ものでこの人の味を堪能できる。