郊外の書店で働く「僕」といっしょに住む静雄、そして佐知子の悲しい痛みにみちた夏の終わり…世界に押しつぶされないために真摯に生きる若者たちを描く青春小説の名作。読者の支持によって復活した作家・佐藤泰志の本格的な文壇デビュー作であり、芥川賞の候補となった初期の代表作。珠玉の名品「草の響き」併録。
生まれたその日に片腕を失った我王。その我王に片腕を切られた茜丸。15年後、仏師として血のにじむ修行を積んだ2人に宿命の対決の時が来た。都の帝から東大寺の鬼瓦の競作を命ぜられたのだ。愛を渇望し、自らに打ち克とうとする仏師の極限の苦悶を描く。宇宙規模の輪廻の中、個々の命の小ささと、それでもなお生きることの意味を問う。創作の背景が分かる充実の解題収録の新装版。
平安時代末期。木こりの弁太は恋人のおぶうを平家の侍に連れ去られてしまう。おぶうは平清盛に仕えるようになり、弁太は源義経の家来になる。病に苦しむ清盛は、一族の繁栄を維持するために、永遠の命が手に入るという火の鳥を手に入れようとしていた。一方の義経は天下を狙っていた。源氏と平氏の戦いを縦糸に数奇な運命に巻き込まれた恋人たちの命運は…。源平の争乱を背景に恋人たちの運命の転変を描くシリーズ屈指の大長編!
ハチクイはなにをたべるのかな?ハチドリはどうやってはなのみつをすうの?フラミンゴはかれいなダンサーみたい!コウテイペンギンはおよぎがとくいなの?フクロウはよるおきているの?5つのしゅるいのとりをとびだすしかけでみてみよう!
呪われた神ラモールの復活を目前に控えアクバルの地に緊張が走る。魔術女王ラマはいにしえの神々の魔術書をひもとき、再びラモールを封引する魔法を発見した。しかし、封印の魔法には長い時間が必要である。残された時間は少ない。マラは愛娘ペリースに、かつて恋人であった老雄ブラゴンと連れ立って、時間を止めることができるという時の鳥を探すよう命じる。かくして時の鳥を求める大冒険の旅が始まる。
漱石は英国留学途中に寄港した上海・香港、後年の満韓旅行で中国に何を見たのか?
紀行詩の試みから、天使をめぐる連作詩、野球詩、冷蔵庫にささげるレクイエム、不思議な画家の物語詩、はたまた詩人に贈る頌歌まで。融通無碍な発想とユーモアで、現代詩を冒険する。渾身の18篇。
日本文化のルーツは雲南ではない。弥生時代の遺跡から大量に出土する木製の鳥。その謎を追ううちに、稲作文化が日本にもたらしたものが、見えてくる。30年にわたる東アジア民俗の旅の集大成。
ふくろうおやこはきのえだにとまってすやすや、おやすみちゅう。そこへ、こうもりおやこがやってきました。えだのうえとえだのしたーなかよくおやすみ…できるかな。
鳥の習性や行動の不思議を通じて、野鳥の見つけかたと観察のしかたを紹介。読み進むにつれて、身近な鳥の種類を覚えて、見つけるコツが身につく。鳥にまつわるエピソードや野外で役立つ知識を紹介。日常で出会う可能性が高い鳥を紹介。野外で活用しやすいように、各鳥の識別ポイントや雌雄、若い個体、飛翔の様子、生息環境などの写真を豊富に掲載。
西暦3404年。地球は瀕死の状態で、人々は巨大なコンピュータに管理された地下都市でかろうじて生き延びていた。人間に姿を変えた無定型生物・ムーピーのタマミとともに地下都市を逃げ出した山野辺マサトは、荒野で行き倒れ、世捨て人の猿田博士に救われる。その頃、地下都市ではコンピュータの暴走から核戦争が起きる。人類滅亡から新人類誕生までを描く壮大な物語。
ウマの行動と資質を解き明かす名著!5500万年をかけて進化してきた種であるウマの生物学的特徴・行動・多様性を、あますところなく探究した1冊。ウマは、6000年前に初めて家畜化されたときから現在にいたるまで、わたしたち人間にとって欠かせない重要な存在だった。300におよぶ豊富な図版、画像や図表、美しい写真とともに、理解しやすく、興味深い内容を、明快で読みやすい文章で描く決定版!
平清盛が死ぬと京の都は戦乱に巻き込まれ、乱世が始まった。成長して義経となった牛若は、平家のライバル・源氏の大将として活躍。弁太は、いくさのために人の命を虫けら同然に扱う義経に反発する。そして、壇ノ浦の決戦のさなかに、ようやく愛するおぶうとの再会を果たすのだが…。華麗なる一大歴史絵巻、ここに完結!カラーページの美しさも必見!