物性論のための多体の量子論、すなわち主としてグリーン関数を用いた場の量子論の凝縮系への応用を平易に解説した教科書。絶対零度の形式から有限温度の松原形式、非平衡を扱うKeldysh形式、超伝導を扱う南部ーGor’kov形式までの解説を含む。量子ポイントコンタクトやトンネル接合などの電子デバイス的な応用例を取り上げながら、場の理論の手法の多様な技法を新しい視点を加味しつつ要領よくまとめてある。
古代人の星の記録と未来予測から、最先端物理学、集団遺伝学まで。身のまわりのことを説明する数学や、物理学と数学との深いつながりなど、わかりやすい例をたくさんあげて、自然法則とは何かを考える。数学が自然科学、ひいては世界そのものを導いてきた道筋をたどる壮大な想像力の旅。
CO2削減のキーテクノロジーとして、潜熱蓄熱・化学蓄熱・潜熱輸送の理論、材料・技術開発、応用事例を解説した1冊!
全面改訂〔内容〕運動の法則と運動方程式/エネルギー保存則/運動量・角運動量保存則/弾性体と流体/波動/静電場/電流と磁場/気体分子の運動/熱力学/量子力学(シュレディンガー方程式・水素原子・多体問題)/原子核と放射性崩壊
1. 運動の法則と運動方程式
1.1 運動の表現
1.2 運動の法則
1.3 運動方程式を解く
2. エネルギー保存則
2.1 仕 事
2.2 運動エネルギー
2.3 位置エネルギーと保存カ
2.4 エネルギー保存則
2.5 散逸力とエネルギー保存則
2.6 エネルギーの種類とエネルギー保存則
3. 運動量保存則と角運動量保存則
3.1 運動量
3.2 運動量保存則
3.3 衝 突
3.4 角運動量
3.5 角運動量保存則
4. 弾性体と流体
4.1 弾性体
4.2 圧 力
4.3 アルキメデスの原理
4.4 流体の運動
4.5 粘性と運動物体が受ける抵抗
5. 波 動
5.1 波動の基本
5.2 音 波
5.3 光 波
6. 静電場
6.1 静電気
6.2 クーロンの法則
6.3 電 場
6.4 電 位
6.5 電場中の荷電粒子の運動
6.6 導 体
6.7 誘電体
7. 電流と磁場
7.1 電 流
7.2 電気抵抗
7.3 磁 場
7.4 電流による磁場
7.5 電流が磁場から受ける力
7.6 誘導起電カ
8. 気体分子の運動
8.1 気体分子の圧力
8.2 気体分子の速度分布
8.3 気体の輸送現象
9. 熱力学
9.1 熱力学第1法則
9.2 熱力学的関係式
9.3 熱力学第2法則
9.4 カルノーの原理
9.5 熱力学的関係式
10. 量子力学ーシュレディンガー方程式ー
10.1 黒体放射とプランクの放射公式
10.2 原子模型と量子条件
10.3 光の二重性
10.4 光電効果
10.5 コンプトン散乱
10.6 量子力学
10.7 無限に高いポテンシャル壁で束縛された粒子の運動
10.8 トンネル効果
10.9 一次元調和振動子
10.10 矩形の箱の中に完全に束縛された粒子の運動
11. 量子力学ー水素原子ー
11.1 量子力学における角運動量
11.2 水素原子
12. 量子力学ースピンー
12.1 ゼーマン効果
12.2 NMR
12.3 スピン
12.4 スピンと統計
13. 原子核と放射性崩壊
13.1 原子の構造
13.2 原子核の構造
13.3 放射性崩壊
14. 付録A
14.1 ベクトル
14.2 ベクトルの外積
14.3 外積の成分表示
14.4 ベクトル関数
14.5 スカラー場とベクトル場
15. 練習問題略解
16. 索 引
古典物理学の全分野を網羅。表層的な内容に特化した書籍が多い中、古典物理学における各法則の論理性を重視し解説。古典物理学の本質を学びたい学生に向けた入門書。
第0章 数学的基礎知識
0.1 量と数の関係
0.2 数の種類
0.3 ベクトル解析
第1章 1質点の力学
1.1 運動の記述
1.2 運動の基本法則
1.3 運動方程式
1.4 質点の運動の例
1.5 補遺・平面極座標における楕円の式
第2章 エネルギーと運動量
2.1 仕事と仕事率
2.2 エネルギー
2.3 束縛力
2.4 束縛力のする仕事とエネルギー保存則
2.5 運動量
2.6 角運動量
第3章 質点系および剛体の力学
3.1 2質点系の運動
3.2 n質点系
3.3 剛体の運動
3.4 剛体の回転運動
3.5 剛体の運動の例
第4章 運動座標系
4.1 並進運動座標系
4.2 慣性系
4.3 回転運動座標系
4.4 自転する地球に固定した座標系
第5章 熱力学
5.1 熱力学的系
5.2 温度と熱
5.3 気体の法則
5.4 熱力学の第1法則
5.5 熱機関
5.6 熱力学の第2法則
5.7 自由エネルギーと熱力学的関係式
第6章 弾性体の力学
6.1 固体の変形
6.2 固体変形の数学的記述
6.3 たわみとねじれ
6.4 補遺・応用テンソルとひずみテンソル
第7章 流体力学
7.1 静止流体の力学
7.2 運動する流体の力学
第8章 振動と波動
8.1 振動
8.2 波動
8.3 波の性質1-反射,屈折,回折
8.4 波の性質2-干渉
第9章 電磁気学
9.1 静電場
9.2 静磁場
9.3 時間変化する電磁場
9.4 交流回路
9.5 Maxwell方程式
9.6 現象論的法則,関係式
9.7 電磁波
9.8 電磁場のエネルギーと電磁波
9.9 補遺・ベクトル解析における定理,公式の証明
第10章 光学
10.1 電磁波の分類
10.2 幾何光学と波動光学
10.3 Fermatの原理と光の法則
10.4 光学機器による反射,屈折
10.5 光の分散とスペクトル
10.6 光の干渉
10.7 光の回折
10.8 偏光
第11章 特殊相対性理論
11.1 Michelson-Moleyの実験
11.2 Lorentz変換
11.3 Lorentz変換から導出される性質
11.4 速度の変換
11.5 Minkowski時空
11.6 固有時
11.7 相対論的力学
11.8 相対論的電磁気学
付録A 単位系と次元
付録B 物理定数表と物理年表(近代まで)
付録C 数学備忘録
索 引
拡散や塑性変形のような現象を理解し、それを意図的に制御するためには、「結晶欠陥」の性質に関する基礎的な知識が不可欠である。また、 結晶欠陥には、物質を問わずそのベースになる「物理」に共通したものが極めて多く、しかも物質による物性の違いは同じ結晶欠陥の物理的な性質が「量的に違う」ことによって生ずることも多い。
本著は、“結晶欠陥の物理”を、特定の物質に限らずになるべく広い視野から眺め、物質科学を学ぶ学生や物質の研究に携わる研究者に役立つことを願って解説したものである。
1.結晶欠陥の種類
2.点欠陥の形成エネルギーと熱平衡濃度
3.点欠陥の移動と拡散現象
4.点欠陥の物性
5.転位と塑性
6.面欠陥と物性
公表試験問題を分析。出るトコだけを徹底的に学習!これ1冊で合格一直線!
電子物性の基本事項を簡潔にまとめた“好評のテキスト”。初版の特色はそのまま生かし、初学者向けにレイアウトを一新。2色刷りで学習ポイントをより分かりやすく、章末問題の解答を詳細にし、初学者の独習にも配慮。
本書は、物理全体を体系的に理解しようとすることがねらいである。まず、多くの物理現象や法則を整理し、物理学全体での位置づけを明確に示していく。そのうえで、伝達機構、熱ー機械結合系、熱ー電気結合系、磁気系の相反性、逆相反と時間反転をキーワードに、身近な物理現象を取り上げながら、物理学の本質を描き出していく。自由な発想から物理を考えるための指針となるものである。
デンマークの環境知性が贈る、社会と未来を大きく変える「未来書」。
自分自身の暮らしを見つめ直し、価値観を問い直す
本書は20年前にデンマークで出版された。当時のデンマークは、1960年代からの高成長ののちに二度にわたる石油危機でエネルギー政策の変更を余儀なくされていた。経済成長を維持するために原子力を大量に導入しようとする政府と、それに反対し自然エネルギーを求める市民運動が対立していたところに、本書は「もう十分ではないか」という第三の選択肢を提起してベストセラーとなった。当時のデンマークに今日の日本は二重写しとなる。経済成長のために、政府は返すあてもない借金で無駄な公共事業を拡大し、「空から金をばらまいて」まで消費を促すべきだと唱える経済学者もいる。そうした経済成長社会が必ず行き詰まることを本書は教えている。持続可能な社会に向けて、私たちが自分自身の暮らしを見つめ直し、価値観を問い直し、同時に社会に働きかけて行くことによって、一人一人の力で社会と未来を大きく変えることができると著者は指摘する。本書は中高生から大人まで学べる類書なき入門書である。
坂本龍一氏(音楽家)推薦文
すばらしい本だ。これが20年前のデンマークで書かれたということがまったく気にならないどころか、現在の日本や世界の様々な国で、まさにこれから必要とされる本であることはまちがいない。世界は無限の経済成長ではなく、足ることを知り、生産と消費を抑え、持続できる世界を選択する以外に生き残ることができないのは明らかだ。最後に添えられているイラストがとてもユーモラスで、秀逸だ。(全文より一部抜粋)
震災を契機にエネルギー問題が再燃され,熱・エネルギーに関する工学はこれから活用が期待される。本書は,熱エネルギーの特性・法則,有効利用の考え方,機器,利用技術,エネルギーの流れを,環境も含めてシステムとしてとらえ,解説した。旧版を全面的に改訂。
1 熱エネルギーシステム序論
2 燃料と燃焼のシステム
3 熱エネルギーのミクロシステム
4 熱エネルギーのマクロシステム
5 熱エネルギーの有効利用
6 混合気体と蒸気のシステム
7 熱エネルギー変換システム
8 熱エネルギーシステムの新展開
本書は、医学・薬学・看護学・臨床検査学・理学療法学・医療工学など、医療に関連する学部学生が物理学を学ぶための教科書である。
物理学は他の自然科学の基礎となる学問であり、人体の仕組みは様々な物理法則を組み合わせて構築されている。筋肉や関節の力学的特性、心臓から送り出される血液の流体力学的性質、細胞膜を通してやりとりされる物質やエネルギーの間に成り立つ関係式、神経回路の電気的な性質など、人体の中でも様々なことが物理法則に従っている。また、超音波、X線やMRIといった現代のテクノロジーを使った医療機器の原理を理解するためにも物理学を学ぶ必要がある。本書は、将来医療に携わる学生が医療との関連性を意識しながら、物理学をわかりやすく学べる構成になっている。
本書では、医学・医療に関わりの深い7分野として、力学、流体力学、熱力学、電磁気学、波動、放射線、およびMRIに焦点を当てている。高度な数学はできるだけ用いることなく、物理の本質をわかりやすく説明した。必要最低限の数学は丁寧に説明し、正確に記述するよう努めた。重要な知識や概念には、具体的な例題を設け、読者が自ら理解を確認できるように解答も付けた。本書を通じて、読者が人体や医療に関連する実例から物理学の基礎を学び、様々な物理現象に対する理解を深め、将来の研究や医療活動に活かしてくれることを期待する。
出版社に書き替えられた原稿、異常な語数削減…辞書制作者の証言を手がかりに、国語辞書の中に眠る驚くべき事実を明らかにする問題作。辞書をめぐる常識がくつがえる一冊。
主要目次:
【上巻】
基本事項
第1部 熱力学
1、気体の性質
2、第一法則
3、第二法則と第三法則
4、純物質の物理的な変態
5、単純な混合物
6、化学平衡
第2部 構造
7、量子論への導入
8、運動の量子論
9、原子の構造とスペクトル
10、分子構造
11、分子の対称
【下巻】
12、回転スペクトルと振動スペクトル
13、電子遷移
14、磁気共鳴
15、統計熱力学
16、分子間相互作用
17、高分子と自己集積体
18、固体
第3部 変化
19、分子の運動
20、化学反応速度論
21、化学反応動力学
22、固体表面における諸過程