日本史学に関連する文献解題辞典。古文書・古記録および典籍などの文献史料、金石文あるいは古代刀剣銘などの考古学的遺物、墨書銘・絵画資料などの美術的史料のほか新聞・雑誌について約4700項目を収載。かな見出しの五十音順で配列。各項目には文献の解説とその参考文献、執筆者を掲載。巻末に頭字索引、典籍索引、人名索引、事項索引を付す。
中国地方など11ヵ国に君臨したとも言われる戦国大名尼子氏。戦国動乱の中に滅亡したため実態は不明であった。残された史料を丹念に収集し、初めてその実像を描き出す。戦国期守護論や大名領国制論にも一石を投ずる。
歌舞伎は日本特有の芸能か、その源にあるものははたして何か、中国の民間芸能と共通する精神性や構造を解き明かし、日本的展開をとげた歌舞伎を問う。芸能はもとより、櫓・舞台・花道、役柄・隈取までを俎上にのせる。
海獣葡萄鏡は、西方の葡萄唐草文に、「海獣」と呼ばれる動物が躍動する図像の鏡である。西から東へと、動物・鳥を含めた葡萄唐草文の分析を行ない、葡萄栽培、ワイン醸造、結実する楽園に至る図像のルーツを探る。
古代から現代にわたる日本社会で、人びとはどのようなアイデンティティを形成してきたのか。また、社会の中心と周縁との間に存在する複雑な力関係とそれを媒介する存在とはいかなるものか。日仏両国の研究者たちが五年にわたって行なってきた学際的共同研究の成果をここに公刊する。ヨーロッパとの豊かな対話を切り開いた、新しい比較日本研究。
公爵家の血を引く若き天才浮世絵師・千秋遠文。その版元にして、情人でもある雨宮紫朗は、遠文に対してある疑いを抱いていた。遠文が無意識のうちに描いた絵が、いま巷を騒がせている華族連続殺人事件を予告するものとなったからだ。はたして遠文に事件とどんな関わりがあるのだろうか?そんな時、遠文のもとに藤堂男爵家の令嬢・香耶子をモデルに絵を描いてほしいとの依頼が舞い込み…。
“未開から文明へ”と日本の歴史が大きく転換したヤマト王権時代、どのような変化が起こったのか。東アジアの歴史と連動するそのダイナミックな転換の過程を記紀神話の分析を通して論証。新たな古代史像を提示する。
“海の玄関口”伊豆と東海道の難所、箱根。黒潮と東海道、二つの道に育まれた独自の個性を探る。
伝説のAVクィーン小林ひとみ自選。生つばセックス画像・お宝コレクション。
6〜7世紀の飛鳥では、王位継承をめぐる争いが絶え間なく続いた。王統の原理や王権のあり方を追求し、山背大兄王一族の滅亡事件蘇我蝦夷・入鹿父子が討たれた乙巳の変、壬申の乱など、政権抗争の真相に鋭く迫る。
弥生人は、中国を盟主とする漢字文化圏に、はじめて参入した国際人だった。彼らは列島内外と交流しながら、新たな知識を獲得し生活や文化を一新した。その活力の源泉は何か。弥生人の衣食住など日常生活を通して描く。
室町期、京の将軍と鎌倉の公方の対立は、時代を貫く流れといえる。室町幕府は、なぜ反発を繰り返す鎌倉公方を代々任じ続けたのか。南北朝内乱の中で、義満でさえ滅ぼし得なかった鎌倉府権力が確立に至る過程を解明する。
村や町で生活する名もなき庶民は、いかにして兵士となっていくのか。規律と健康の強制、昇進を求めての競争。その果てに、ある者は無事除隊して故郷に迎えられ、ある者は戦場の露と消えて国家によって慰霊されていく。若者が軍隊生活によって、その身体に刻印していったものとは何なのか。兵士たちのライフサイクルから、国民軍の幻想性を描き出す。
紀元前3世紀、中国最初の全国統一を成し遂げた秦の始皇帝。司馬遷の『史記』や新発見の出土資料、現地調査を駆使し、伝説の真偽に迫る。万里の長城を築き、今も兵馬俑に守られ眠る、謎に包まれた実像とその時代を描く。
「関東は戎夷なり」といわれた東国へ、果敢に身を投じた上流貴族北畠親房。彼は東国に何をもたらしたか。結城・宇都宮など有力豪族の動向や、鎌倉府などの成立過程を辿り、親房と東国武士にとっての南北朝動乱を探る。
明治末期、新聞社のイベントとして登場した日本初の海外観光旅行は、欧米に追いつき帝国へとのし上がる物語の一環だった。「見る」「見られる」という観光のまなざしに秘められた、近代日本の自意識を浮彫りにする。
東京は江戸が単に変化したのではない。遷都でなく京都と並立する奠都として位置付けられた明治維新期から、関東大震災・戦時体制をへて現代まで、東京の諸問題への人々や行政の対応と激動の歩みを描く“東京”入門。