本書は、1970年代以降のマレーシアの経済発展における労働力構造の変化を分析の対象とし、いくつかのケース・スタディをもって、マレーシアの労働市場のセグメンテーション(分断)の構造を示したものである。
女性学を学ぶ人々、教える人々のための実践的なハンドブック。キーワード解説、女性学関連年表、婦人会館・女性センターリスト、事項索引付き。
本書は、第2次世界大戦後50年余を経過した現時点で、女性研究者をとりまく環境に関して、ライフコース分析を加味して分析・評価しようという意図をもつ。さらに学問研究活動そのものと女性研究者の環境との関連性を重視しつつ、女性のみならず男女を対象にした調査結果を分析し、特に日本の学問全般におけるジェンダー要因の考察を試みるものである。さらに、セクシュアル・ハラスメント、非常勤講師問題にも注目した点が、従来の女性研究を対象とする研究と異なる特色であるといえよう。
近代初期英国の演劇と社会におけるジェンダー構築と主体形成の揺らぎを、当時の医学書、パンフレット、法廷記録、肖像画などの資料も駆使して、性のパフォーマンスの視点から縦横に論じた前衛的研究。
この国で第三世界の女性であるということ。フィリピン女性=セックス産業というイメージはどうして作られるのか。彼女たちの話す日本語はなぜ汚いといわれるのか。子供たちはなぜ母親の話す日本語を恥じるのか。在日フィリピン人女性と在日朝鮮人女性がディアスポラの視点から、言語、権力、差別、マイノリティ、ジェンダーを語り、多民族国家・日本の現実を描き出す。
女と男、女と女、男と男、そして子どもと親の幸せの関係とは。ジェンダーへの気づきと新しい価値観のひろがりをめざして。
家庭内では出産・育児を引きうけ、また劣等であるがゆえ社会から遠ざけられ、さらに、男をたぶらかす悪者とされてきた、物言わぬ「女」たち。彼女らがどのようにとらえられ、表象されてきたか-その波瀾万丈な変遷を丹念にたどる新しい美術史。
ハガードや『ジキル博士』からワイルド、『闇の奥』へ、ジェンダー論を中心軸にして世紀末文化の諸相をみごとに分析。性の新たな可能性を見据えた最新の成果。
Religion and Customs (宗教と民俗)
平安時代の女性と出家(京楽真帆子)/中世の尼と尼寺(細川涼一)/「家」の成立と中世神話(脇田晴子)/新宗教の女性教祖(H.ハーディカ)/巫女とカミ(川村邦光)/現代女性の宗教意識(中村恭子)
The Body and Sexuality (身体と性愛)
男装と女装(武田佐知子)/芸者考(曽根ひろみ)/近世末の間引(落合恵美子)/近代の公娼(藤目ゆき)/売買春(森栗茂一)/性の跳梁(成田龍一)/女性の更年期(M.ロック)
社会的・文化的に性差が創られる過程を検証。歴史学・文学以外に宗教学・社会学・社会人類学・民俗学・言語学・医学・法学など多岐にわたる分野において、日本人と外国人学者の学際的研究の成果を世に問う。
邦題:「ジェンダーの日本史」
"The Self and Expression (主体と表現)
『蜻蛉日記』(C.ラフィン)/とはずがたり(阿部泰郎)/中世女性と文学(田中貴子)/女房詞(寿岳章子)/情と感傷(酒井直樹)/近代エリート女性(ひろたまさき)/物語の女(平田由美)/両性の相克(黒沢亜里子)
Work and Life (仕事と生活)
平安時代の女房(吉川真司)/女房と妻の役割(田端泰子)/海女の鑿(A.ブッシイ)/『女學雑誌』(岩堀容子)/炭坑における仕事と生活(岩屋さおり)/母性ー自然と文化(T.スギヤマ)/男の家,女の家(西川祐子)/女性労働(Y.カワシマ)/労働の概念(上野千鶴子)"
「女」が書くとは。『青鞜』に集まった女性たちはそれぞれ異なった立場と書き手としての欲望をもっていた。『青鞜』の文化的配置と不定形性・逸脱性・不整合性を孕んだ複雑な性格を考察し近代における「文学」とジェンダーとの関係を考える。
本書では、夫婦別姓・DV・離婚の三大問題について語り、現実と法のはざまでゆれる家族・家庭のなかでの女性のあり方を問う。
みんなで考えよう、男らしさって何?女らしさって何?今後の社会に望まれる男と女のあり方とは。自分らしく、満たされた生き方を獲得するのに必要なこととは。多様化の一途をたどる時代を共に生きていくために、男女両性の関係と役割とを見つめ直す。
19世紀後半、英国で大流行した〈新しい女〉をヒロインにした小説に光を当て、モダニズム、ポストモダン小説の源泉を探り当てる。
男性中心に動いてきたこの社会の枠組みを、「男女共同参画」はどう変えようとしているのか。日本における「男性学」の第一人者が、複雑化・グローバル化する現代社会に根づくジェンダー構造、男女共同参画政策やジェンダー・フリーをめぐって、各地で起こっているバックラッシュの構図を読み解く。