近代から連なる社会構造の変動と、人間のこころ・意識とを媒介するジェンダーの視点を中心に、法学・臨床心理学・社会学の3領域から家族をめぐる社会現象を考察する。2005年以降の動向をふまえた改訂増補版。
日本文学と世界を繋ぐ、文化・言語・領域を越える研究の最前線。国内外の気鋭の研究者による学術交流の成果をバイリンガルで掲載。国際的な共同研究が必要とされる現代の日本文化・比較文化研究の画期的成果。
断髪、洋装、シガレット。新しもの好きで自由恋愛主義ー帝国が領土と市場をめぐって激突する最中、人びとの憧憬と敵意とを集めたコスモポリタンな女性像「モガ」。「モダンな女」がいまだ不在の東アジアで、彼女の姿(イコン)が雑誌・文学・諷刺漫画・広告図像に忽然と出現するや賞賛と揶揄を巻き起こし、その表象と言説の力学はジェンダー、階級、エスニシティを新たなヒエラルキーのもとへと再編成していった…。国家、資本、エリート層、下層労働者、それぞれの主体が自らの欲望を投影した植民地的近代を、中国・日本・沖縄・朝鮮・台湾の豊かな資料をもとに、10人の研究者が解読する。
教育は権利であるー権利であることの最大の意義はその平等な享受にある。日本の社会教育の権利論にはジェンダー平等の視点だけでなく、権利の平等をめぐる視点が欠落している。本書は国際比較とその文脈に立って権利論を考える。
再生産領域における女性の移動に関する最新理論をふまえつつ、改革・開放以降の中国フェミニズムと都市家庭の家政サービス(家事代行)を担う農村女性たちとの連関を描く。
女性特有の課題への直面を契機として共感と連帯の意識を世界へと広げていく中で、「女の子」は自立し成熟した「女性」へと解放されていく。本書では、ジェンダーをめぐる今日的な課題に焦点を当てながら、日々の生活の共通体験を掘り起していく。
かけがえのない一生を自分らしく、より充実して生きたい。著者自身の痛切な体験をふまえて執筆されたこの本は、何よりも一人ひとりの女性が自立できる人になってほしい、そしてよき市民になってほしい、という願いのもとにトータルな人間観察の新しい方法を模索する「女性学」へと誘います。最新の動向とデータを盛り込んだ最新版。
頬杖をつき、物思いに沈む解剖学者が手術台の女のヴェールを剥ぐしぐさは何を意味するのか?文学、絵画、映画、広告などに表れるジェンダー像を検証し、医科学が紡ぐ物語/イメージ支配の本質に迫る刺激的論考。図版多数収録。
女性進出は果たして幸せなのか?ジェンダーの先進国オーストラリアに見る“真実”。オーストラリアにおける女性の社会進出について、その裏面に焦点を当てた最新リポート。
MALE NUDEを、女性カメラマンが撮るんです!ある女性写真家が撮り続けた、ヌード表現者の成長記録。サブカルチャー誌に発表された衝撃作。書き下ろし手記を加え、カラー写真を一挙掲載。
宮崎駿が唯一「自分のため」の「個人的な映画」、-『紅の豚』を制作するに至った背景には、いったいなにがあるのだろうか?「千と千尋の神隠し」、「もののけ姫」、「天空の城ラピュタ」、「風の谷のナウシカ」に描写された色彩に視点をおいて、「紅の豚」をジェンダー論から考察する。
南西太平洋の辺境の島で繰り広げられる結婚と離婚。シングルマザーは苦境に陥ることなく普通に生活している?!彼女たちを支える相互扶助の文化的装置とは?現地で生活をともにした著者が、日常を生きる人間の活力を基点に、家族、ジェンダー、法、歴史と交錯する今日の伝統を活写する。