終戦間もない混乱の東京。十六歳で雀ゴロとして生きる“私”は、一つ年上のボッチと出会う。一匹狼ながら人恋しい妙な感情に見舞われた“私”は、ボッチを相棒にするべく麻雀の“通し”を仕込むが、うまくいかない。やがて、ひとり地方へ流れていくが…(『雀師流転』)。未完ながらも、戦後の匂いを濃く残す“もうひとつの『麻雀放浪記』”。長編小説に加え、著者が出会ったギャンブルの“職人”たちや、勝負の思い出を綴った文庫未収録エッセイ『麻雀師渡世』から精選した二十三編も併載。
カメラマンのベンは新婚旅行で日本を訪れる。だが、新妻ジェーンの運転する車が女性らしき影を撥ねてから、2人の周囲に不気味な現象が起こり始める。写真にはすべて白い影が写り、暗室や寝室に妙な人影が現われ、ベンを苦しめる。ジェーンは謎を解明すべく霊能者を訪ねるがー日米のクリエーターが放つ、心霊ホラー小説版。
麻雀業界きっての美人雀師4人が集結した麻雀界のアイドル・グループ、雀のデビュー・シングル。歌って踊れるノリノリのナンバーで、4人の巧みなハーモニーも味わい深い。
絵本から自然へ。自然から絵本へ。身近な自然に親しみながら、科学する心が育つ絵本です。
「博打うち」とは本当に因果な商売だ。プロである以上は勝たねばならないが、勝てば勝つほど、客の足は遠のき、挙げ句のはては飯の食いあげだ。この難問が解決できない以上、「博打うち」とは、ギャンブルにのめりこんだ多くの男達の幻想ともいえるかもしれない。麻雀必殺技、“二の二の天和”に骨身を削るイカサマ師を描く「天和くずれ」、ギャングバー経営の女衒の達、ドサ健と寺の息子との息づまる秘技の応酬を描く「天国と地獄」等11編を収録。
「も、もうアカン…!もうアカンねん!ワシも死ぬから、オ、オマエも死んでくれ!」「オ、オマエ一人で生きていかれへんやろ?せやから、ワシと一緒に…」「イ、イヤや!イヤや!ボク死にたないっ!ボクは生きたいねん!生きるねん!何があっても死にたくないっ!」オトンから向けられた刃物の恐怖。容赦ない借金取りのオッサンたち。孤独も貧乏も不安も寂しさも、全部笑いとしゃべりで乗り越えたー。
高速道路で運搬トラックが横転し、一匹の豚、トンコが脱走した。先に運び出された兄弟たちの匂いに導かれてさまようが、なぜか会うことはできない。彼らとの楽しい思い出を胸に、トンコはさまよい続ける…。日本ホラー小説大賞短編賞を受賞した表題作をはじめ、親の愛情に飢えた少女の物語「ぞんび団地」、究極の兄妹愛を描いた「黙契」を収録。人間の心の底の闇と哀しみを描くホラーの新旗手誕生。