秀吉、家康にも一目おかれるほどの稀代の軍師・黒田官兵衛(如水)、そして武功輝くその子長政。豊家ゆかりの大名に対する幕府の圧力をみごとにかわし、黒田藩五十二万石の礎を固めた、父子二代の活躍。
勤王か佐幕か、攘夷か開国かー。沸き返る世論と、目まぐるしく変化する時勢の流れに、敢然と立ち向かい、新しい時代を模索しながら、志なかばに斃れていった人々の激しい生きざまを描く。
父にまさる大器として家臣の信望厚く、江北の地に毅然と立つ長政は、天下人を目ざす織田信長の妹・お市を娶り、同盟を果たすが…。亮政ー久政ー長政と三代つづいた浅井家の興亡を描いた長編歴史傑作小説。
「信長には何人も女がいたんだ」と言うと、ほとんどの人が、疑わしそうな顔をする。しかし信長には男女合わせて23人の子がいたのである。女性は、7人か8人かいたが、とりわけ愛し合った女性がいた。その女性吉乃が、産後の肥立ちが悪く29歳で死ぬと、信長が一晩中、泣き明かし、小牧山城の望楼から、墓の方角を望んでは涙ぐんでいた。
-会いたい、吾郎さん。デザイナーとして見事にデビューを果たし、中西財閥の総帥・中西圭一郎の支援を得てファッションショーを大成功させた響結花は、そうつぶやいた。数年前、水島吾郎は北方ソ連領の日本群島人民共和国に亡命し、今は影の艦隊に参加している。朝鮮戦争はさらに激化し、国内では日米安保条約締結阻止の気運がますます高まるばかりである。もう二度と会えないかもしれない、と悲嘆にくれて空を見上げた同じ頃、吾郎は朝鮮半島の東海岸沖での新日本海軍との激しい攻防戦の渦中におり…。
朝鮮戦争から二十年-日本群島で平和に暮らす水島吾郎は、避けることのできぬ歴史の渦中に再び巻き込まれようとしていた。ヴェトナム戦争が急速に終結に向かい、アメリカはカンボジアとの和平も望んでいたが、ポル・ポト派が実権を握る解放区には手をだせなかった。一方、ソ連も北ヴェトナムを支援した手前、勢力を広げるポル・ポト派を公然と支持するわけにはいかなかった。そんな矢先、米ソ両国から無視されてきたはずの日本群島人民共和国の存在が俄然注目され、カンボジア戦線の行方を握る重要な鍵となり…。
「狙いは本能寺にあり」-明智光秀の采配で、幼い福の運命は一変した。父の非業の死、一家の離散、激変する境遇の中、女が「天下を取る」には…。3代将軍家光の乳母として、大奥に威勢を振るった女の生涯を描く大作。
怒涛の元亀・天正時代が幕をあけた。将軍義昭のあくなき陰謀に、信長と信玄がしのぎを削る。向背党なき松永弾正、擡頭する家康。乱波・風魔党や百地党が跳梁する東西の戦場を、忍道一途の半蔵が行く。
長編歴史小説。関白秀吉が天下統一の野望に燃え、小田原城攻めを開始した天正18年。政宗は憤懣を胸中に秘め、遅れて参陣した。激怒する秀吉を相手に、無類の勝ち気な性格と型破りの言行で真っ向から挑む独眼竜の叛骨魂!
内戦に明け暮れ、飢饉や疫病に悩む甲斐は、乱国であった。14歳で守護の地位に就いた武田信虎は、甲斐統一を目指し、苦闘の道を歩む。信玄の父であり、“悪逆無道”の汚名を被せられた武将の悲劇を描く傑作。
父・信玄の遺志を継いだ勝頼は、長篠・設楽原で宿敵織田信長に決戦を挑んだ。が、圧倒的な数量の鉄砲の前に、多くの将兵が倒れ、無敵を誇った騎馬軍団は潰滅。甲斐源氏の嫡流・武田一族は滅亡への道を歩む。
将軍義輝が殺され、様相は一変する。乱世を抜け出し天下布武をめざす信長をめぐり、信玄が動き、一向一揆が起つ。剣刃上を歩む半蔵とみほに、またも勾当段蔵らの魔の手が迫る。煌くか水月の剣。
戦国道を邁進する秀吉軍の先陣には、常にはためく卍の旗と蜂須賀小六父子の姿があった。名利を求めず、ひたすら秀吉の立身出世に歓喜し、縦横無尽の働きをする蜂須賀党。その凱歌が荒野を揺るがす。
冷然とわが子を見捨てた家康。兄を押しのけて二代将軍になった秀忠。徳川の盛衰を賭けた正念場に、三代将軍の候補は、兄が暗愚、弟が驕慢。権力を巡る諸相が次々と異貌をさらけ出すなか、暗愚だった兄が突然勇猛果敢な少年に変身し、後の三代将軍家光となりおおせた。この正史『徳川実紀』の不可解な記述に対し、大胆な新説で迫る、徳川三代の修羅の人間ドラマ。
徳川家康の絶対的な信頼を得て、徳川幕府初期の政界で、隠然たる勢力を誇った一人の智将。その数奇な運命を新たな視点から描く傑作時代小説。
混乱の組織を“蒼き狼”はどう立てなおしたか。栄光を目前にする者への諌言。いまチンギス・ハーンの偉業が解明される-。彼は敵の大部族をどう撃破したか?大モンゴル帝国創立までの“熱情=領土拡大の巻”刊行。長編歴史小説。
桶狭間の一戦を機に、天下は新しい覇権争いのるつぼと化す。新興信長、秀吉、家康の蔭で、「草」となって東奔西走する半蔵。彼を慕う美少女みほ。2人の上にふたたび魔の手が迫る!佳境に入る長編歴史ロマン。