平将門の夢と挫折を描く『将門記』。終わらない報復合戦、藤原純友との共謀説、使用された武器、内海に囲まれた坂東と民衆にとっての乱の意味など、多彩な視点から解明。また全国の将門伝説から、現代の将門像に迫る。
古代道路研究の第一人者が長年の成果を集大成!多彩な国別地図などを駆使して分かりやすく解説する。畿内、東海道、東山道、北陸道、山陰道、山陽道、南海道、西海道の古代道路ごとの編成。最新の成果をもとに旧国別に駅や国府・郡衙の場所、道路の通ったルートを復原し、古代の地形・景観などの自然環境を推定する。地名・空中写真・条理地割・地図、現地調査など古代道の研究方法を紹介。調査、研究を進めるために役立つ詳細な「注」と「索引」を付す郷土史、古代史研究に必携の事典。
戦国時代、公家の妻たちは夫の名字を名乗り、同じ墓地に葬られるようになった。平安時代以来の夫婦別姓・夫婦別墓の伝統が崩れたのはなぜか。婚家の一員として家を盛りたて、戦国の世を懸命に生き抜いた妻たちに迫る。
神話や伝承の中を躍動し、信仰の対象となった動物たち。彼らに対する日本人のまなざしは、歴史の中でどう変化したのか。アニミズム、殺生や動物供養などを再検討し、宗教・信仰の視点から動物との向き合い方を問う。
童謡、唱歌、歌謡曲、フォークソング、ニューミュージック、なつかしくてせつなくてー。「こころの歌」の数々を集めてみました。類書で最大クラスの274曲を掲載。あの頃がよみがえるレコードジャケットの写真がついています。歌のつくられた年がのっているので時代背景がわかります。すべての歌にミニ情報がついています。歌のエピソードを写真入りコラムで紹介しています。
近代社会でも深く根付いていた堕胎。しかし帝国主義段階において徐々に消滅し、人間の存在する権利が保証されていく。背景には何があったのか。生と性に光をあて、消えていった“いのち”を描き、近代日本の現実を抉る。
エミシはアイヌか。エミシ、エビス、エゾ、アイヌ…、その呼称の意味するものは何か。「日本書紀」から「アイヌ文化振興法」まで、古今の記録・文書にアイヌ観の変遷をたどり、「自然との共生」というエコロジカルな生活を営むとされる“アイヌ”について考える。
領主館の主マーティが心臓発作を起こして突然の死を遂げ、継娘のジェシカは唯一の遺産継承者として葬儀に臨んだ。そこへ思いがけない弔問客、アンゲロスが訪れる。七年前ジェシカは、馬の飼育係として雇われた彼に恋をしたが、まるで相手にされず、ある夜、下着姿で彼の部屋に忍びこんだ。この件がもとで、アンゲロスはマーティに追い出されたのだった。そんないきさつの彼が、なぜ葬儀の場に現れたの?とまどうジェシカに明かされたのは、継父がギャンブルで破産し、今や遺産は借金を肩代わりしたアンゲロスのものだという事実だった。「きみが相続するものなど、ひとつもないんだ」彼は冷たく告げた。
日本人の心の中に生き続ける唱歌や童謡といった、日本全国の叙情歌を厳選して収録した歌入りアルバム。北海道の「雪の降る街を」、沖縄県の「涙そうそう」など、心に響き魂を揺さぶる名曲がずらり。
近世の禁裏御所の「奥」で働く女官たちは朝廷運営でどのような役割を果たしたのか。最も重要な役職の勾当内侍をはじめ、朝廷儀式における職務、人事などを考察。従来の研究史では未解明の「奥」内部を浮き彫りにする。
なぜ、いまなお私たちは小島信夫に魅了されるのか?作家と評論家が縦横に語りつくす等身大の魅力とその実像。小島信夫との発掘対談も併録。
応仁の乱を契機に幕府の支配は崩壊する。一方、地域では独自の秩序がつくられ“一揆”は戦国大名へと結実していく。中央の政治動向から地方大名の興亡まで、列島全体を巻き込んだ戦国争乱の意味を、幅広い視点で問う。
最高の音で楽しむために!
日本を世界史の渦へと巻き込んだモンゴルの襲来。飢饉・疫病と跋扈する悪党、滅びゆく鎌倉幕府。後醍醐天皇による新政と崩壊、南北朝の王統対立を経て室町幕府の成立へ、“移りゆく王権”を動乱の時代のなかに描き出す。
応仁の乱の西軍大将。嘉吉の乱で赤松氏を討ち、幕府重鎮となる一方、荘園押領などの破壊行為を繰り返し、いったんは京から追放される。幕府ー守護体制の変質する中、諸国大名と提携を強めて権力を拡大し、やがて応仁の乱では細川勝元と国を二分して対決する。大乱の本質を明らかにするとともに巧みな分国経営にも光をあて、その豪毅な生涯に迫る。
室町幕府の政治とはどのようなものだったか。足利義詮から義満、義教へ至る権力をめぐる駆け引きを明らかにする。大きな戦乱に見舞われることのなかった時代を、東アジアの動向を背景に、地域社会と民衆の活気を交えて描く。