ひとりの女性として浮かび上がる、マリー・キュリーの素顔とその時代。偉大な科学者にして良妻賢母の伝説を打ち破り、巧みな筆で描き出す。結婚と死別、家族と戦争、アカデミーとの闘い、不倫事件、放射能の栄光と悲惨ー、彼女が直面したのはすべて現代の問題なのだ。多くの紙誌で好評をえた初版(2010年刊行)に、新たな発見や福島第一原発事故への思いもこめた改訂版。
市民のための本格的主権論。「市民」とは?「主権」とは?民主主義実現への切なる願いをこめて徹底分析。
アラブ革命が発するメッセージはアラブ世界にとどまらず、世界中の若者の心をとらえ、アメリカ、ヨーロッパでも新しいタイプの抗議行動を引き起こすというグローバルな波及効果を生んでいる。アラブ発21世紀型革命の世界への伝播が始まったのかもしれない。本書は、アラブ革命の背景を、歴史・政治・経済・社会・文化/宗教的、かつジェンダー的視点から総合的に把握する試みの一つである。
<b>女性たちがグローバルな搾取と向き合うために</b>
性産業、食品加工工業、軍事基地、観光産業、家事労働、外交の場までーーーー世界の不平等が凝縮された場所から、国境を越えて女性が連帯し、平等で平和な社会を実現するには。
背景の異なる様々な女性の声に耳をすませた鮮やかな政治学的分析。
グローバルな資本主義市場、パワーゲームが支配する国際情勢の中で、女性は自らを取り戻すためにどうあるべきか。ナショナリズムの陰で女性たちは家父長制にとりこまれることなくどう戦略をたてるべきか? 消費者である富裕層の女性と生産者である貧困層の女性はどう連帯できるのか? 私たちは何に気づくべきだろうか?
フェミニズムの分析フレームから好奇心と関心をもって世の中を眺める方法を示しつつ女性たちの置かれている状況を鋭く暴く。
著者のこれまでの「ジェンダー」「権力」「民衆」を視点とした魯迅の分析・考察をまとめる。これまでに発表された魯迅作品の日本語訳ではほとんど留意されていなかったが、魯迅は「狂人日記」のなかで「子供」に関する言葉を使い分けており(男女、幼長の別)、それらが示す魯迅の真意を考察する第1章、「鋳剣」の中から「母・魯瑞」「旧妻・朱安」「新妻許広平」との新たな関係への魯迅の決意を読み取る第3章、「革命家」ではない自身と革命の関わり方についての魯迅の考えを詳説する第4章、そこから魯迅の思想を現在の「マルチチュード」概念につなげる終章などに著者の独自性を見いだせる。補論1は、魯迅の祖父周福清の事績をまとめた旧稿の増訂版となっており、現在も参考価値が高い。
本書は2005に提唱された「ジェンダード・イノベーション」について、JST/CRDSによる8ヵ国・地域の政策調査に基づいた事 例を紹介しています。海外では研究の性差考慮不足や無意識の偏見への意識が向上し、AIの偏りや男性基準製品の安全性課題が顕在化しています。主要ジャーナルでの記述義務化や各国資金機関での組み込み義務化などの取り組みを詳しく解説し、日本における科学的・倫理的側面の性別考慮に関しても議論の一助となることを目的とした調査報告書です。
1 背景・問題意識
1.1 セックスとジェンダーを考慮した 研究・イノベーションとは
1.2 セックスとジェンダーとは
1.3 セックスとジェンダーを考慮した 研究・イノベーションの歴史的背景
1.4 本調査の目的と調査対象
2 注目動向
2.1 多様な研究分野・テーマへの拡がり
2.2 科学研究における取り組みの制度化
2.3 セックスとジェンダーに基づく分析方法の開発
3 各国の取り組み
3.1 カナダ
3.2 欧州連合(EU)
3.3 米国
3.4 ドイツ
3.5 英国
3.6 フランス
3.7 韓国
3.8 日本
4 考察 - 今後の取り組みの方向性
4.1 公的な競争的研究費制度を通じた仕掛け
4.2 基盤的な研究環境を整備する取り組みの促進支援
4.3 国の科学技術・イノベーション政策としての方針の明確化
付録A ケーススタディ
付録B AMED・JST 共催「ジェンダード・イノベーション」
付録C 各国の主要な政策・取り組み一覧
なぜ女は逃げ、叫び、そして生き残るのか? なぜ男は女を追い、殺し、そして見つめるのか? 『悪魔のいけにえ』『ハロウィン』『13日の金曜日』など、ホラー映画史を代表する作品群を通して、現代社会における性と権力の神話と構造を照らし出す。ホラー研究、フェミニズム批評、さらにはファン文化にも大きな影響を与えた記念碑的著作。
「本書の目的は、ホラー映画の観客そのものについての研究ではないし、ホラー映画というジャンルそのものについての考察でもない。本書が探求するのは、「観客の多数派」(若い男性)と、特定のホラー映画において際立つ女性のヴィクティム゠ヒーローとの関係である。この組み合わせは、映画観賞という行為そのものについて、そして表象のポリティクス、転移のポリティクス、さらには批評と理論のポリティクスに関しても、多くの示唆を与えてくれるものだと私は考えている」(本書より)
カバー・本文イラスト:學
ブックデザイン:小川純(オガワデザイン)
プリンストン・クラシックス版への序文
謝辞
序論──キャリーと男の子たち
第一章──彼女の身体、彼自身
第二章──開く
第三章──仕返し
第四章──ホラーの目
原著あとがき
訳者あとがき
付録 ホラー映画年輪型図解
作品一覧
参考文献
索引
「保健の先生」はくるしい。それはなぜ?性暴力にあった生徒の問題に向き合わざるをえなくなった著者が、養護教諭の「無力さ」の由来を徹底的に探究した果てに、たどりついた答えとは。次世代にむけたあり方の再定義へといたる希望の書。
じゃじゃ馬・娼婦・魔女・天使など、女たちのレッテルを解読することで、女と男、そして家族に潜む権力関係に迫る。
太平洋戦争敗戦時には280万人の日本人がいた中国東北部の「満州」。その満州での移民体験と敗戦時の引揚げ体験を描いた文学を〈「満州」植民地文学〉と捉え、ジェンダーと他者の視点を軸に解明する。「満州」に生まれ育った著者がそれを基点とし、〈植民地文学〉の代表的な作家と作品を研究する。
序章
第一部 「満州国」という時代ー移民文学
第一章 打木村治『光をつくる人々』論
第二章 打木村治「満州」開拓文学における女性についての考察
第二部 「満州国」時代とその崩壊へー牛島春子文学
第三章 牛島春子の「満州国」時代
第四章 牛島春子と「満州国」
第五章 牛島春子の引揚げ作品におけるジェンダーの再編成
第三部 「満州国」の崩壊
第六章 藤原てい『流れる星は生きている』における朝鮮人像
第七章 藤原てい『流れる星は生きている』論
第八章 藤原てい『赤い丘 赤い河ー十字架を背負って』論
第九章 榛葉英治『赤い雪』論
『美術とジェンダー』から8年。再び日本・東洋・西洋美術史研究者14名による大論集。
なぜ、ヘミングウェイの描く妊婦は次々と死んでいくのか。数多くの傷病者を描くことでヘミングウェイは何を表現したかったのか。傷病に侵された登場人物たちは周縁的な描かれ方をされているものの、その陰画的存在はメイン・キャラクターを照射する極めて重要な役割を担っている。社会不安や権力への反発を投影する圧倒的な負の存在に着目しつつ、ヘミングウェイ・テクストの再読を試みる。
序章
第一章 『日はまた昇る』における語り・視覚性・客体化
第二章 「キリマンジャロの雪」における腐敗・去勢・死
第三章 「神よ陽気に殿方を憩わしめたまえ」における切断された身体
第四章 「インディアン・キャンプ」における先住民妊婦の身体
第五章 『武器よさらば』における医学と権力
第六章 「アルプスの牧歌」における言説とセクシュアリティの構築
第七章 病んだ身体ー「蝶々と戦車」における空間・身体・死者の魂
第八章 『エデンの園』における身体変容
結論
あとがき
註
引用文献一覧
索引
女性解放の先達とされながら、優生思想の影響や性役割容認という批判もある平塚らいてう。「ジェンダー・アイデンティティ」の確立を求め揺れうごいた、らいてうの思想と行動を、彼女の生きた時代と個性の葛藤のなかから描き出す。きわめて日常的な家事・育児にかかわりつつ、壮大な宇宙構想へ至った精神のあゆみを明らかにする。
フェミニズムによって導入されたジェンダー観点は、時々刻々立ち現れてくる支配的な観念や絶対だと信じられている真理を、流動化する大きな力となってきた。さらにそうして生み出された流れを、観念にとどめることなく社会的現実に転化するための思考的実践が必要なのである。「フェミニズム的転回」叢書創刊第1巻目の本書は、哲学、倫理学、美学、宗教民俗学、歴史学の各分野で活躍する著者たちによる刺激的なジェンダー批評の実践である。
第1章 フェミニズム的転回のとき(大越愛子)
第2章 倫理学とジェンダーの視点(志水紀代子)
第3章 美的判断力の可能性(持田季未子)
第4章 「日本」論という思想(井桁碧)
第5章 女性史研究と性暴力パラダイム(藤目ゆき)
企業の社会的責任(CSR)を考慮する上で、重要な指標になっているヒューマン・ライツの問題に焦点を合わせ、企業文化論のアプローチを使用しながら、CSRの本質に迫る。著者のこれまでの企業文化のジェンダリング研究の蓄積をもとに、企業の雇用管理体制におけるヒューマン・ライツへの配慮をジェンダー平等、ワーク・ライフ・バランス、障害者雇用の3側面から捉え直し、CSRの本質を企業文化論的に解読。
中世の男性は人前で烏帽子を外せず、女性は長い黒髪が必須。史料や物語から中世の人々のジェンダーをめぐる意識をやさしく紹介する。
プロローグ 男とは何か、女とは何か
第一章 男たちの烏帽子狂騒曲
1 元服して冠・烏帽子をかぶる
2 烏帽子が落ちたら一大事
3 寝るときも烏帽子をかぶったか?
4 烏帽子と身分制
5 烏帽子のダンディズム
第二章 女たちの重い黒髪
1 女の人生と黒髪
2 髪の長さは身分を表す
3 見えない女たち
4 美女か不美女か
5 かづら大作戦
第三章 中世に、女であるということ
1 女はつまらない
2 穢の問題と女の仕事
3 女も男も同じ「人」
エピローグ 烏帽子と王権