応仁の乱の西軍大将。嘉吉の乱で赤松氏を討ち、幕府重鎮となる一方、荘園押領などの破壊行為を繰り返し、いったんは京から追放される。幕府ー守護体制の変質する中、諸国大名と提携を強めて権力を拡大し、やがて応仁の乱では細川勝元と国を二分して対決する。大乱の本質を明らかにするとともに巧みな分国経営にも光をあて、その豪毅な生涯に迫る。
室町幕府の政治とはどのようなものだったか。足利義詮から義満、義教へ至る権力をめぐる駆け引きを明らかにする。大きな戦乱に見舞われることのなかった時代を、東アジアの動向を背景に、地域社会と民衆の活気を交えて描く。
自由民権運動とは何か。「一枚の新聞の数行の文章は百万の兵卒にもまさる」「雄弁家の三寸の舌先は百万の兵に当たる」とされた言論の力に注目。幕末から大正デモクラシーまで、立憲国家の実現をめざした民権家の活動を描く。
昭和天皇を支えた宮中勢力の「総意」は、満州事変などの政局にどう影響を与えたのか。輔弼の実態や内閣・軍部との関係を中心に、政治的機能の変化、政策決定過程への影響力を解明。明治憲法下の天皇制の変遷を究明する。
日本列島に生きた原始古代人は、どんな家に住み、何を食べ、どのように神へ祈りを捧げたのか。狩猟採集から定住農耕生活へと変化をとげ、やがて国家の形成へとむかう彼らの時代を、地中に残された史跡から復元する。
古代日本を大きく揺るがした壬申の乱。大海人と大友の二人の皇子による皇位継承争いの実態を検証する。戦いの勝者と『日本書紀』の関係、敗者の言い分…。地方豪族の動きにも目を向け、劇的な戦乱を読み解く。
昔話として全国で語りつがれてきた“浦島太郎”。時代とともに変化し愛されてきた物語を『日本書紀』や太宰治の作品など、各時代の文献から再検証。浦島説話の時代的背景に触れた、一味違った「日本の歴史」を語る。
東国に成立した武家政権は、人・物・情報の全国的大移動を促し、交通・産業の発展をもたらした。都市鎌倉、荘園と居館、鎌倉仏教、金沢文庫、元寇防塁、南北朝遺跡など、主要な関連史跡から、躍動する人々の姿を再現。
日本の古代国家はどのように成立したのか。飛鳥の宮と藤原京の遺跡から国家支配の中枢を、大宰府・水城や古代山城から地方支配の様相を明らかにする。高松塚・キトラ古墳、寺院や石碑など文化的側面も併せて描く。
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鎌倉前期の真言僧。流配地伊豆で源頼朝と親密な関係を築き、後白河院との連携を工作して平家打倒に奔走。動乱の仕掛人として荘園の寄進を受け、神護寺や東寺等の復興に努めた。過激な言動で三度の流刑となるが、その根源には鎮護国家の理想をめざす宗教的使命感があった。鎌倉期の仏教文化と政治に大きな足跡を残した荒法師の波乱の生涯を描く。
北海道から沖縄まで、郷土色豊かな食べものと食文化が盛りだくさん。
わたしたちの生活はミクロ経済学の事例の宝庫。新聞などで日常的に接する出来事を経済学の言葉で表現しなおすことで、経済学と現実社会、双方の理解が深まる。
遷都一三〇〇年を迎えた奈良の都・平城京。東大寺・興福寺などの文化遺産から、花に例えられた都の実像を探る。国府や国分寺など地方社会の様相や古代人の生業・祭祀をも、最新の発掘成果をもとに歴史として叙述する。
一八五三年の黒船渡来から一八五八年の日米通商条約締結にいたる開国の過程を、とくに内政と外交の絡み合う関係に留意しつつ詳細にあとづけた。米国議会文書等の原史料に当たるなど、精密な叙述が徹底された名著。
桓武天皇による新たな王都=長岡京・平安京より京外の白河・鳥羽へ政権拠点が移行する院政時代へ。初期荘園や平安仏教、摂関家の宇治や平泉などの平安遺跡から、日本の風土に育まれた独特の文化が花開いた時代に迫る。