『こゝろ』の「迷宮」を尋ねる“読み”の冒険。漱石みずから「人間の心を捕へ得たる」と語った作品世界に向き合うとき、問われるのはむしろ私たち読者自身の「心」ではないのか…。永遠のメッセージを問い返す迫熱の『こゝろ』論26編を収録。
こんな夜更にどこから来た猫なんだろう…。新疆など中国西部の世界を舞台にし、人々の生存、人と自然の抗争を描写する。野性的魅力に溢れる小説群。
時代を知ることは自己を知ること我々にとって万葉の時代とは、どのような現代的意味を持っているのか。
この論文は、日本漢字音の研究資料として今まであまり用いられることのなかったチベット資料を主たる資料とし、それによって唐代の中国語音韻体系を明らかにし、その知見に基づき、日本的漢音呉音の実態を解明する点に主眼を置く。
歌名所は“設定”され、“整備”され、“定着”させられたー。定説化した歌枕論の根源的欠落に切りこみ、歌枕論の「これから」を示唆する歌人必読の新しい歌枕入門。
江戸時代は出版の時代。『源氏物語』も庶民に開放されてあらゆる分野で花を咲かせた。正統的な注釈・摂取・物語論だけでなく、俳諧・小説・演劇・川柳・狂歌・浮世絵などに独創の趣向と意匠を凝らす、近世人の理智と諧謔を14篇に集約する。
21世紀に求められる待望の日本語教育学。国際化時代に異文化とどう付き合うか。異文化間の発話行為の測定法と、異文化コミュニケーションの教授法を考え、外国人留学生と日本語教師のカルチャーショックを紹介する。