人生で一度だけ思い切ったことをしようーキューバで夢のような時を過ごした男と女を待ち受ける悪意の嵐。直木賞受賞後の著者の変遷を示す刺激的で挑戦的な作品集。
起案書に30以上もの印鑑が押され、最後に法務大臣が執行命令をくだす日本の“死刑制度”。「人殺し!」の声の中で、死刑執行の任務を命じられた刑務官が、共に過ごした人間の命を奪う悲しさ、惨めさは筆舌に尽くしがたい。死刑囚の素顔、知られざる日常生活、執行の瞬間など、元刑務官だからこそ明かすことのできる衝撃の一冊。
敬語の使い方ひとつで変わる自分の印象度。自分を効果的にアピールする話し方をすれば知らずに仕事の効率はアップする。
新規クライアントの広告コンペに向け、辰村や戸塚らは全力を傾注する。そんな中、3通目の脅迫状が明子の夫の許に届いた。そして勝哉らしき人物が上野近辺にいることを突き止めた辰村は、ついに行動を起こす!広告業界の熾烈な競争と、男たちの矜持を描くビジネス・ハードボイルドの結末は。
日本のロリコン文化を批評する、新しいファザコン小説がここに誕生。『人のセックスを笑うな』『カツラ美容室別室』の人気作家山崎ナオコーラがスタイリッシュな文体で綴る快作。表題作ほか3作を併録。
実行犯は、ジジババと幼稚園児?隣接する有料老人ホーム「ひまわり苑」と「ひまわり幼稚園」。老人とガキどもの不思議な交流、やがて起こるカゲキな「事件」とは?荻原浩渾身の熱血幼老小説!-。
たった1本ペンケースから取り出すだけ。いつでも、どこでもオシャレなイラストが描けちゃう。レシピノートやアルバム…実用例もたくさん紹介。
“ウォッチメイカー”と名乗る殺人者あらわる。手口は残忍で、いずれの現場にもアンティークの時計が残されていた。やがて犯人が同じ時計を10個買っていることが判明、被害者候補はあと8人いるー尋問の天才ダンスとともに、ライムはウォッチメイカー阻止に奔走する。2007年度のミステリ各賞を総なめにしたシリーズ第7弾。
「原発はタブーの宝庫。だからオレらが儲かる」某地方の暴力団組長。暴力団専門ライターが実際に働いたからこそ書ける原発という巨大なシノギ。命懸けの衝撃ノンフィクション。
“あなたの頭を悩ます謎を、カラッと解決いたします”-閑古鳥の啼く「謎解き専門」の探偵事務所に持ち込まれた七つの事件を、探偵・古谷が鮮やかに解決!密室状態の事務所から盗まれたあるものを見つけ出す「昇降機の密室」、駐車場の追突事件の真相を暴く「車は急に…」、急死した父親が残した秘伝のたれのレシピを探す「一子相伝の味」など、ミステリの名手による連作短篇集。待望のシリーズ第二弾。
明治期に樺太で生まれたアイヌ、ヤヨマネクフ。リトアニアに生まれたブロニスワフ・ピウスツキ。日本人にされそうになったアイヌと、ロシア人にされそうになったポーランド人。文明を押し付けられ、同化政策によりアイデンティティをも揺るがされた二人の“熱”と“軌跡”を描く、冒険歴史小説。直木賞受賞作。
「生きる希望を捨ててはいけません。帰国の日は必ずやって来ます」シベリアで捕虜として死と隣り合せの日々を過ごしながらも、家族を想い仲間を励まし、懸命に前を向く男がいたー山本幡男の壮絶な半生と、夫の無事を信じ11年間待ち続けた妻との夫婦愛、捕虜となった仲間達との絆を描く。心震わす感動の実話。映画ノベライズ。
ある夏の午後、僕は父と一緒に猫を海岸に棄てに行った。家の玄関で先回りした猫に迎えられた時は、二人で呆然とした。寺の次男に生れた父は文学を愛し、家には本が溢れていた。中国で戦争体験がある父は、毎朝小さな菩薩に向かってお経を唱えていたー。語られることのなかった父の経験を引き継ぎ、たどり、自らのルーツを綴る。
ヴェネツィアのフェニーチェ劇場からオペラアリアが聴こえた夜に亡き父を思い出す表題作、フランスに留学した時に同室だったドイツ人の友人と30年ぶりに再会する「カティアが歩いた道」。人生の途上に現われて、また消えていった人々と織りなした様々なエピソードを美しい名文で綴る、どこか懐かしい物語12篇。
連続放火殺人を解決、異常犯罪担当部署に配属された刑事カーソンには秘密があった。誰にも触れられたくない暗い秘密だ。だが連続斬首殺人が発生、事件解決のため、カーソンは過去と向き合わねばならない…。死体に刻まれた奇怪な文字に犯人が隠す歪んだ意図とは何か。若き刑事の活躍をスピーディに描くサイコ・サスペンス。
西日を追うようにして辿り着いた北九州の町、若い母と十歳の「僕」が身を寄せ合うところへ、ふらりと「てこじい」が現れた。無頼の限りを尽くした祖父。六畳の端にうずくまって動かない。どっさり秘密を抱えて。秘密?てこじいばかりではない、母もまた…。よじれた心模様は、やがて最も美しいラストを迎える。
スペインでのプロ生活にも慣れたリュウジはアテネ五輪代表に招集される。彼を選んだ監督の意図は何か?谷間の世代と言われながらも予選を突破したリュウジたちは、世界各国の代表らと熱き闘いを繰り広げていくー。大好きなサッカーをテーマに著者が魂をこめて書き続けたシリーズ、遺作とも言うべき最終巻。
同僚にプロポーズされたのを機に、不倫中の上司と別れる決意をした朋絵だったが、最後のデートを後輩に目撃され…。男と女の間に流れる、もはや愛とは呼べないくろぐろとした感情、女と女の間の、友情とは呼べない嫉妬や裏切り、優越感。女たちの心に沈む思いを濃密に描きだした、八つの傑作恋愛短篇。
男同士、じりじりするけど、愛がある。うたぐわと濃すぎる仲間たちとの爆笑濃縮率1000%!すべてが実話のドタバタ劇場。
契約社員からようやく本採用になった矢先、解雇をいいわたされた久里子。心から喜んでくれた両親の手前、出社するふりをしては日中ぶらぶらと暇をつぶす毎日を送っていた。ある日、偶然すれ違った元同僚の言葉に不審な点がーもしかして私、自分から辞めたことになってる?近藤史恵版『隅の老人』第二弾。