たとえば「鵜飼」。長良川の鵜飼は毎年5月11日から。中国の桂林近辺でも素朴な鵜飼の姿をみた。古事記の頃すでに鵜飼はあった。芭蕉の名句「おもしろうてやがてかなしき鵜舟かな」-などなど。日本の四季と「ことば」の歴史と美しさと魅力を簡潔的確に点描する。好評の前著「ことばの歳時記」に続く第2弾!
季語にこめた思いをつたえる掌編エッセイ156。
70年代ー。病むことも輝くことも。すべてのものが煌めき、弾け、謳い、そして涙に屈した迷路の時代ー。著書初の書き下ろし長編。
桐村征子はもうすぐ22歳。大人の女というにはまだ自信がないし、もう子供でもないし、ちょうどいろんなことを自分で決めていくなくてはならない年齢だ。早穂と絵里子。2人が征子にとって一番の友達だ。いつも控え目でおとなしい早穂。天真爛漫でわがままなお嬢さん育ちの絵里子。頑張り屋の征子。そんな3人に変化の刻がきた。絵里子が婚約したのだ。3人にとって、大人の季節が始まったー。友情、恋愛、就職。スリリングな恋を通して、22歳の揺れ動く青春を描く書下しラブ・ストーリー。
上座下座のさだかでない座敷の場合は、わざと客の前で店の人に上座を確認し、それから着席させるという気遺いまで求められる。それが洋風の席、つまりレストラン等になるとさらに不確かになる。では、中国風の円卓だとどうか?-“席順”ひとつとっても然り、「世間」は複雑かつ厳しい配慮を求めるものだ。今の日本の平均的な熟年世代の本音を綴る、好評“男”のエッセー・シリーズ。
江戸懐石「近茶流」は、材料のあるがままの姿を大切に、割烹道の生命である煮炊きから盛りつけまで、一貫した教えのもとに継承されてきました。季節・旬を追って30献立。明解なプロセス写真を加えて、全献立にていねいな解説と作り方つき。懐石、点心、精進献立の紹介。
傷にむかいあえば季節が、季節にむかいあえば傷がくるめき出る。その往還運動のエクリチュール。認識が抒情に、抒情が認識に。宗左近の詩魂が凛々と鎮魂の内奥を照らし出す。
本書は朝日放送株式会社が発行している『料理手帖』に連載している「“旬”今月の主役」昭和61年3月から63年9月までの164点の料理をまとめたものである。
この本では、まずまとまりやすい花の色合わせを考えることからスタートしました。また花のスタイルはアレンジメントのベーシックな活け方から出発して、日本のいけばなの手法も入れた花もいくつか作ってみました。
1973年、スペインの大独裁者フランコは病に伏していた。死後の政権を狙って、熱狂的な右翼、バスク地方のゲリラ、そして、謎の秘密結社「オプス・ディ」が走りはじめた。アンダルシアに住む闘牛狂いの写真家、端上恭助も妻と子を殺され、否応なく巨大な陰謀に巻き込まれた。愛するものの復讐を誓った恭助は、ファン・カルロス王子と日本の皇太子夫妻を目標とするテロの情報をつかんだ。スペイン最大の闘牛場ラス・ベンタスに潜入したテロリスト「梟おじさん」をあぶり出せ。牛と人間の熾烈な戦いのさ中、テロリストを追い詰める恭助たちの作戦が始まった。炎の国スペインに生きる男たちを雄大なスケールで描く、ポリティカル・アドベンチャーの傑作。