職場とLGBT、企業とLGBTをめぐる諸問題は、労使ともに向き合っていかなければならない課題として、近年その認知を広めつつあります。そして、企業とLGBTに関する相談や質問のなかでもっとも多いのは、トランスジェンダーの従業員への対応に関する問い合わせです。多くの職場では対応経験がほとんどないため、人事担当者の方はもちろん、現場で直接接する上司や同僚の方々も、手さぐりで対応している様子が見てとれます。また、申し出をするトランスジェンダーの人々も、どこまで対応を求められるのか、誰にどう申し出ればよいのか、など、お困りであることも耳にします。
こうしたなか企画されたのが、本書『トランスジェンダーと職場環境ハンドブック』です。性科学・ジェンダー研究に取り組みトランスジェンダーに関する著書・訳書も刊行してきた大阪府立大学教授の東優子、LGBTを含めた誰もが働きやすい職場環境づくりのための研修やコンサルティングを行う特定非営利活動法人虹色ダイバーシティと、就職活動の支援など若い世代の問題を中心に活動している特定非営利活動法人ReBitが、共同して執筆にあたっています。三者が共同することで、国内外の研究やアクティビズムに基づく知見や多くの企業事例、実際に働いているトランスジェンダーの人々の声を収録することができました。
トランスジェンダーの人々から届いた声については、この機会を職場環境改善のチャンスとして捉え、前向きに対応してください。その企業にとって初めての申し出だとしても、従業員のなかで困っている人は、声をあげた方だけではないはずです。ぜひこの機会を、職場内における性別の取扱いを見直す機会にしていただければ、と思います。本書では、さまざまな対応事例を、具体的にご参照いただけるかたちで収録しています。ぜひ参考にしてください。
また、トランスジェンダーの人々には、働きやすい職場環境をあきらめないでほしい、と願います。職場には、従業員の働きやすい職場環境を整えていくことが、安全管理上の義務として求められています。そして、「多様性の尊重」は、「特別な権利」を認めることではなく、「基本的人権の保障」をめぐる問題です。困難のすべてを即座に解消することは難しいかもしれません。しかし、職場との話し合いにあたってのヒントは本書から得ることができます。
本書は、実用書としてぜひお手元においてください。LGBTであることで、あるいは何らかの少数派の属性を持っていることで、働くことをあきらめたりしなくてもよい社会をつくるために、活用してください。
第1章 LGBT・SOGIEの基礎知識
第2章 トランスジェンダー・性同一障害とはなにか
第3章 多様なトランスジェンダーの声
第4章 職場のLGBT対応
第5章 職場での性別移行支援
第6章 採用における配慮
第7章 企業の取組み
第8章 座談会 トランスジェンダーにとっても働きやすい職場って、どんな職場?
巻末資料
1 アンケート調査結果
2 参考文献・おすすめの書籍リスト
3 ミニ用語集
4 ヒアリングシート
600社を超える会社を見てきた「人事のプロ」が教える、今からやっておくべき「働き方改革」への正しい対応!企業が実際に「働き方改革」に取り組む際の様々なポイント、障壁となること、今から取り組んでおきたい施策のヒントが満載!
女性が管理職になれない/なりたがらないのはなぜか。各種統計やインタビューから、職場が抱える構造的な問題、女性の心理的な葛藤、待遇面・役割面での格差や差別などの要因を検証して、多様性を生かすための新たなリーダーシップ像の確立を訴える。
序 章 女性と管理職をめぐる現状 大沢真知子
1 ジェンダー・ステレオタイプ
2 評価者に存在するジェンダーバイアス
3 性差を超えた新たなリーダーシップの導入が求められている
4 日本はいま、時代の転換点に立っている
第1章 女性の昇進を阻む心理的・社会的要因 坂田桐子
1 女性の昇進意欲に関する先行研究の知見
2 ステレオタイプ
3 好意的性差別
第2章 女性管理職の声から考えるーー管理職志向の変化と職場重視モデル 大槻奈巳
1 管理職志向を職場重視モデルから考える必要性
2 新入社員の管理職志向
3 若年層男女の管理職志向
4 管理職になってみてーー女性管理職の事例
5 真の女性活躍のために
第3章 性差を超えた新たなリーダーシップ構築を 本間道子
1 関心の高さと現状の低さ
2 権力・権威志向ではないーー進化心理学から
3 リーダーシップ役割ーー役割不適合性理論
4 現場では何が起きているか?
5 職場ではリーダーシップに男女の差異はあるのだろうか
6 社会通念との闘いーー社会的バリアを超えて
第4章 ダイバーシティ&インクルージョンの必要性とその課題 大沢真知子
1 静かな革命とジェンダー革命
2 日本に起きている静かな革命
3 静かな革命の静かすぎる理由
4 ダイバーシティ&インクルージョン経営
5 女性にも必要な意識改革
働くママを部長にすれば、組織は変わるんです。カギを握るのは、男性管理職。
人的資本経営が話題になっている。ジョブ型雇用への転換と同様に日本型経営の在り方に揺さぶりをかけているかの様相であるが、人的資本情報開示に関する世界的な波に乗って横滑りの形で整えても、本質を見逃して市場からは魅力的な投資対象とみなされなくなるリスクをはらんでいる。このままではジョブ型雇用の時と同じく表面的な対応で終わる可能性大だ。
人的資本の概念自体は海外をはじめ日本でも1990年ごろ、すでに存在していた。しかし、それから「失われた30年」の間に日本で積極的に取り組まれることはなく、海外ではGAFAなどの企業が無形資産に大きな投資をしてきた結果、今日の企業競争力の差に至ったと考えられる。日本ではソニーなど限定的であった。今は当時と日本企業を取り巻く環境は異なるが、人的資本経営に関して欧米が先行して日本が後追いである構図は変わらない。
国内では、人的資本の情報開示に向けて各企業が右往左往している。それは海外の動きとともに、外圧といってもいい政官からの指針が、企業に向けていよいよ本腰の人的資本経営を求めるに至ったからであろう。
本書は、パーソル総合研究所が上場企業の経営者、人事部長に実施した最新調査(「人的資本情報開示に関する実態調査」「人事部大研究調査」)にもとづいて、強みを活かした人的資本経営の実現に向けた日本企業の姿と、カギを握る人事部の在り方を提示するもの。客観的なエビデンスによる信頼性がある内容になる。
本書の中心となる第1部では、「人的資本の論理と戦略」と題して、人的資本の本質をつかむために、その源流にさかのぼり、時代背景が異なっても変わらない人的資本の基本構造を示した。日本企業の進化と軌跡をたどりながら、その明暗を分けた日米欧の違いは何か、大きな潮流となりつつあるESG、あるいはSDGsと、これまで取り組まれてきたCSRとは何が違うのか、それぞれの関係性を整理している。また、政府や官庁から次々に打ち出される新しい枠組みに対して、海外動向にも触れながら理解を深めていく。メインバンクガバナンスからエクイティガバナンスへ、株主資本主義からステークホルダー資本主義へとパラダイムが大きく転換している現実を踏まえて、日本企業が他社の動向に意を注ぎすぎて「横滑り」な模倣をすることなく、独自の人的資本経営を営むスタンスと情報開示の在り方を提示している。
後半では、現段階で人的資本経営に取り組む日本企業の実態、あるいはステークホルダーにあたる求職者の関心事項を、客観的かつ多角的な調査を通じて明らかにしている。加えて自由回答に見られる当事者の本音に耳を傾けて、本当に必要な対応を「あるべき論」ではなく、実際に必要な対応として提示する。その上で人的資本経営を推進する中心的存在となる企業の人事部門が、人的資本経営を機能させるために極めて重要となる「戦略人事」を実践できているかどうかを検証しつつ、そこから見出される課題を示し、人的資本経営を実現させるための実効性の高い道筋を明らかにしていく。
介護と仕事の両立は、育児と仕事の両立と何が違うのかを浮き彫りにしながら、ダイバーシティの喫緊の課題である仕事と介護の両立支援について、柔軟な発想で考え方を示す。
【目次】
序章 介護離職が経営課題に
第1章 仕事と介護の両立問題の背景
第2章 育児・介護休業法の考え方
第3章 両立支援制度の利用と介護保険サービス
第4章 通常勤務と介護
第5章 コミュニケーションを起点にした両立支援
第6章 さらなる少子高齢化への対応
序章 介護離職が経営課題に
第1章 仕事と介護の両立問題の背景
第2章 育児・介護休業法の考え方
第3章 両立支援制度の利用と介護保険サービス
第4章 通常勤務と介護
第5章 コミュニケーションを起点にした両立支援
第6章 さらなる少子高齢化への対応
ダイバーシティ経営の課題として、女性(母親)の活躍と男性(父親)の子育てに着目し、仕事と子育てを両立できる多様な働き方とキャリア形成における支援のあり方を考える。
これがポストマタハラ時代の働き方です!IT業界を始め、食品、販売、人材派遣、サービス、建築、医療まで幅広く取材。あなたの職場でも役にたつ働き方のヒントが満載。
ビジネススクールでは学べない最新の「ダイバーシティ経営」
チャンネル登録者数100万人、有名ダンス系インフルエンサーグループのビジュ担当・ユキには悩みがあった。それは、彼女と全然長続きしないこと…! 即座にチャラ認定され浮気(※してない)を疑われて破局! の繰り返し…。好きだから付き合ってるのに…! そんな中、ある飲み会を早抜けしようとする清楚系女子・百合乃が気になり、後を追うべく店を出るユキ。しかしそれが、負けっぱなしの恋の沼の始まりだったのです。
恵子は中国生まれ日本育ちの高校生。母と、母が再婚した日本人の父と三人で暮らしている。ある日、バイト先のコンビニでマナーの悪い客にからまれているところを、大学院で中国文学を学ぶ幸太郎に助けてもらう。彼は、埼玉県川口市にある日本語教室「青葉自主夜間中学」で、外国人の子どもたちに日本語を教えてもいるらしい。興味を持った恵子は、この教室を訪れるのだが……。
わたしは日本人? それとも中国人? 自身のアイデンティティに悩む主人公と、日本社会に溶けこむため、懸命に日本語を学ぶ中国やベトナム出身の同世代の子どもたち。日本で暮らす困難を共有しながら、友情をはぐくんでいく彼女たちの姿を感動的に描く! 異文化交流の難しさと大切さを伝える、第61回講談社児童文学新人賞佳作入選作品。
エバンジェリストが語る、これからの働き方。
先進IT企業の"エバンジェリスト"が「企業を成長させるワークスタイル変革」について語りつくします。
本書で取り上げている、ゼロから今までなかった全く新しいものを生み出すクリエーション(創造)企業は、ワークスタイル変革に大きな影響を与えており、業務プロセスのサポートや処理の効率化のみを目的としてきた既存のIT活用を超えた、別次元の領域に踏み込んでいます。
本書はそういった企業のエバンジェリストの言葉によって、「これからの人間の働き方」について考えた1冊です。
■エバンジェリスト
ソフトバンク 首席エヴァンジェリスト 中山五輪男氏
グーグル Google for Work プロダクト&テクニカルマネージャー 佐藤芳樹氏
シスコシステムズ シニアパートナー 八子知礼氏
(インタビュアー:リコージャパン古川いずみ氏)
※八子氏はインタビュー後退職
■トピック
・進化を続けるAI/テクノロジーは働き方をどう変革するのか?
・ソフトバンク流ワークスタイル変革の極意
・連絡メールは1行、またはSNSで
・三たびやってきた「人工知能ブーム」
・人間の仕事はロボットに奪われるのか?
・営業担当者全体のレベルを上げるたった1人の役割
・「Google」の働き方、その実態
・社員同士のトレーニング制度「G2G」
・導入したけれど活用されていない「もったいないクラウド」
・まずは「会議のやり方」から変えてみる
・IoTから人も含めた「IoE」へ
・この先5年のあり方が企業存亡の鍵を握る
・地方の企業がグローバル企業になる方法
他
”男らしくない”という理由で、彼女に浮気されフラれた教師・久慈弥九朗。世の中ジェンダーフリーのはずでは…!? と苦悶する彼の前に、モデルでインフルエンサーで文武両道で“生物学部”部長の女子・阿加埜が現れ、生物学部の顧問になってくれと迫る。そして、なぜ結局「男らしさ」がモテるために必要なのか、クジャクの派手な羽を例に“生物学的”な説明を始める…!
しかしどうやら、阿加埜は久慈のことが好きな様子で…。身も蓋もない残酷な真実を突き付けまくる、生物学コメディ第2巻!
”男らしくない”という理由で、彼女に浮気されフラれた教師・久慈弥九朗。世の中ジェンダーフリーのはずでは…!? と苦悶する彼の前に、モデルでインフルエンサーで文武両道で“生物学部”部長の女子・阿加埜が現れ、生物学部の顧問になってくれと迫る。そして、なぜ結局「男らしさ」がモテるために必要なのか、クジャクの派手な羽を例に“生物学的”な説明を始める…!
ついに久慈は阿加埜の正体にたどり着き、二人の仲はいよいよカオスに…! 物語の真相が次々に明らかになる、生物学コメディ第3巻!
本書は、SDGsを経営に組み込もうと考えている、すべてのビジネスパーソンに役立つ考え方やヒントを盛り込んだ戦略書です。経営実装時に躓きがちなポイントを押さえ、アイデアの源泉となるような3つの思考法を解説します。また、「人権」「ESG」「気候変動」「ダイバーシティ」など、SDGsを推進していく上で欠かせない重要なテーマについて、世界の潮流と事例を交えながら解説します。本書を読めば、SDGsが目指す世界の本質や企業活動のあり方について、たくさんの気づきやヒントを得られるはずです。
ロングセラーが新しくなって登場!
身近なマークを集めて、大きなイラストで紹介する楽しいカタログ図鑑。
SDGsや環境分野などの新しい時代のマークもプラスした最新版です。
ながめているだけでもとっても面白く、子どもたちは、あっという間におぼえてしまうと評判のロングセラーが新しくなりました。
安全に役立つ交通標識はもちろん、食品などについているマークや衣類の扱いのマーク、教科書にも出てくる地図のマークなど、身の回りにはみんなの役に立つマークがたくさんあります。
ぜひ親子で楽しんでください。
監修/児山啓一
*オールカラー
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