明治維新後150年の日本のフェミニズムの歴史を,主要な人物や思想に焦点を当てながら,一貫した視点で書き下ろしたテキスト。1970代以降を扱う後半は,フェミニストとしての著者自身の足跡をまとめる構成となった。絶筆となった「断章──2021年夏」も収録。
プロローグ 世界のフェミニズムの流れと日本
Part1 日本のフェミニズム その1 1868〜1970
第1章 「イエ」制度に抗した第一波フェミニズム
第2章 日本国憲法による男女平等保障の下で
Part2 日本のフェミニズム その2 1970〜
断章──2021年夏
1 2人のフェミニスト──山川菊栄と田中寿美子
2 ウーマン・リブの思想と行動
3 私とフェミニズム──懇話会から女性学へ
年表
キンバリー・クレンショーらが提唱し、いまや多くの社会運動のなかで注目されている概念「インターセクショナリティ」。
本書では、インターセクショナリティの視点から、これからのフェミニズムがどのように新たな社会構造の変化を求めていくべきか、さまざまな反差別の実践を題材に考えていく。
※価格は予価です。
【2025/3/22 朝日新聞(著者に会いたい)田中東子氏インタビュー掲載!!】
わたしたちの消費は「正しい」のだろうか
金銭と時間の投資、心身の過剰な労働、性的消費との葛藤…、わたしたちと「推している」対象のあいだにはさまざまな問題が浮かびあがってくる。しかし、その活動に喜びが見出されることは間違いない。喜びと苦しさとが入り混じるその実践をすくい取りながら、「推し活」社会の現在地を描きだす。「推し活」論の決定版!
エンターテインメントをめぐるモヤモヤを考えるための補助線となる書。
[目次]
はじめに
1 「推し活」社会と私たち
第1章 「推し活」社会の現在地
「推し活」現象はどこからきたのか
メディア化される「推し活」現象
拡大される「推し活」論議
第2章 推し活と労働
エンターテインメントと労働
推される人たちの労働
カツアゲされる情熱とやりがい
やりがいある仕事?
ケアワークとしての推し活
推す側の労働
第3章 オタク消費を考える
盛り上がる「推し活」経済
企業によるオタク消費の捉え方
過度な消費文化
リクレイム・ザ・推し活
2 アイドルたちがみせるもの
第4章 アイドルたちは何を開示しているのか?
第5章 多様化する男性アイドルーー若手俳優・ボーイズグループ・王子たち
二〇一〇年代の2・5次元ミュージカルの現場から
「アイドル」として語られる若手俳優
「アーティスト性」と「アイドル性」は対立しない?
実力派の「アイドル」という新機軸
「○○王子」は「アイドル」を製造するパワーワード
第6章 ジャニーズ問題と私たちーー性加害とファン文化の不幸な関係
鈍かったメディアの反応
性加害に加担したメディアの黙認
温存される事務所内の権力構造
ファン文化による不幸な愛着
3 オタク文化とフェミニズム
第7章 〈スペクタクル〉な社会を生きる女性たちの両義性
消費主体/消費客体の転覆とその波及
バラエティ豊かな「イケメン男性」の増殖
イケメン男性の消費・商品化が示す両義性
第8章 娯楽と恥辱とルッキズム
ルッキズムとジェンダー
ルッキズムの定義と歴史
娯楽と恥辱とルッキズム
第9章 自由と抑圧のはざまで「かわいさ」を身にまとうーー「男の娘」を考える
バンコクでのフィールドワーク
日本での現状
「男の娘」の定義
再現度の上昇
なぜ、「かわいく」なりたいのか?
第10章 のがれること・つくること・つながること
あとがき
一冊の本に何度でも出会い直し、人生の糧にできる我々はなんて幸福なんだろう。──松田青子(作家)「私はフェミニストじゃないけど」って前置きにイラっとする人は全員読もう──小川たまか(ライター)育児のため新聞記者の夢を諦め、ライターとして働くステファニーは、果てしなく続く家事と育児と仕事に追われ、閉塞的な日々を過ごす。
ファンタジー・SF・ジェンダー
きらめく都市空間の隅々に仕掛けられた、さまざまな魔法の網! それが罠、妄想と知っても潔く捨てられない……。一発逆転の「幸せ」を夢見て積み重ねられる現代の「シンデレラ・ストーリー」。今を生きるファンタジーやSF、アニメなど様々な時空を横断しつつ、混沌とした時代の欲望の形を模索するーー。
二〇一六年五月、スイス・ジュネーブの広場に巨大なポスターが現れた。そこには「What would you do if your income were taken care of?」(お金を稼がなくてよくなったら、あなたは何をしますか?)と書かれていた。これは、世界で初めてベーシックインカムを求める国民投票を実現させたアーティスト、エノ・シュミットらによる「世界最大の問い」だった。世界各地で導入の具体的な動きが広まるベーシックインカムは、社会や人間のあり方に何をもたらすのか。二〇一七年四月に同志社大学で開催されたシンポジウム「エノ・シュミットと語るコモンズ、フェミニズム、ベーシック・インカム」をもとに、四人の執筆者が「世界最大の問い」を考える。
働き続けられる?家賃は払える?人生なんとかなる?女性議員ならこの不安を自分ごととして考えてくれるのでは?だからパリテ(男女同数議会)を20年続けてきた神奈川県・大磯町議会を訪ねたー『時給はいつも〜』の著者によるガチンコ政治エッセイ!
ネオリベラリズムが蝕む女性たちの生
「仕事も家庭もあきらめないで、すべてを手に入れましょう」「欠点を受け容れ、粘り強く立ち直りましょう」「福祉に頼るのはだらしなさの証拠です」「あんなふうにはなりたくないでしょう?」--映画、雑誌、テレビにSNSと、至るところから絶え間なく響く呼びかけに駆り立てられ、あるいは抑えつけられる女性たちの生。苛烈な「自己責任」の時代を生きる女性たちに課された幾重もの抑圧をさまざまな文化事象の分析を通じて鋭く抉り出す。一九九〇年代以後のフェミニズム理論を牽引してきた著者の到達点にして、待望の初邦訳書。
“生きづらさ”と向き合う 「現代女性文学」を読み解く
ジェンダーの非対称性、承認されないセクシュアリティの孤独、経済的格差の深刻化
による対立や分断など、わたしたちは多くの“生きづらさ”に直面している。
「女性作家」たちは、その作品世界から、〈いま〉を生き抜く道を探る。
笙野頼子・川上未映子・小川洋子・角田光代・金原ひとみ・江國香織・
松浦理英子・群ようこ・中島京子・若竹千佐子・谷崎由依・須賀敦子・柳美里・
高山羽根子・高木佳子・美智子皇后・永井愛・村夏子・森崎和江・多和田葉子・女性短歌・女性詩
1 ────越境・攪乱するジェンダー/セクシュアリティ
2────変容する家族とケアの倫理
3────紡がれる記憶/記憶の継承
4────短歌・演劇表現から探る現代
LGBTに関する議論から取りこぼされてきたものがある。
それが「アセクシュアル」「アロマンティック」などのセクシュアリティだ。
アセクシュアルとは「他者に性的に惹かれない」という指向で、アロマンティックとは「他者に恋愛的に惹かれない」指向をいう。
私たちは「誰しも他者を恋愛的な意味で『好き』になったり、性的な関係を持ちたいと思ったりするはずだ」という前提で日々を過ごしがちだが、そういった思い込みは彼らの存在を否定することになる。
本書ではアセクシュアルやアロマンティックの人々の経験や置かれている状況、歴史、そして関連する用語や概念を詳細に解説する。
松浦優(まつうら・ゆう)
一九九六年福岡県生まれ。
九州大学大学院人間環境学府博士後期課程修了。
博士(人間環境学)。
九州大学大学院人間環境学研究院学術協力研究員。
専門はクィア・スタディーズおよび社会学。
共著に『フェミニスト現象学:経験が響きあう場所へ』『アニメと場所の社会学:文化産業における共通文化の可能性』『恋愛社会学:多様化する親密な関係に接近する』『入門・家族社会学:現代的課題との関わりで』。
【目次】
はじめにーー「好きになる」とは
第1章 アセクシュアル/アロマンティックとは何か
第2章 Aro/Ace の歴史
第3章 Aro/Ace の実態調査
第4章 差別や悩み
第5章 強制的性愛とは何か
第6章 セクシュアリティの装置
第7章 結婚や親密性とセクシュアリティの結びつき
第8章 Aro/Ace の周縁化を捉えるために
第9章 Aro/Ace のレンズを通して見えてくるもの
おわりに
フェミニズムは、社会を問い、制度を問い、人々の価値観を問うてきた。この本では、そんなフェミニズムについて、改めて「からだ」という観点から考える。
セックスワーク、トランスジェンダー、ルッキズム、アスリート、写真や表現、ミソジニー…etc.いくつもの論点や視点を行き来しながら、個人的なものであり社会的なものでもある、私たちの「からだ」の広がりについて考え、そこにいる他者とのつながりをフェミニズムとともに模索する。
第1章 どのような姿勢で社会問題について考えるべきか
尊厳があるかないかではなく、しんどさの意味の平等を(要友紀子)
取るに足らないおしゃべりの中から(鈴木みのり)
♦インタビュー♦誰かを排除しないスポーツ界へ(下山田志帆)
第2章 自分自身を振り返りながら、人との関係性を考える
♦インタビュー♦モデルとの関係性から考える「表現者としての被写体」(インベカヲリ★)
*往復書簡*「ルッキズム」とどうやって生きてきたか─なかったことにしないための往復書簡─(依田那美紀・井上彼方)
小説 龍とカナリア(オーガニックゆうき)
型にはめれば分かりやすい。でも、型にはめなければもっと深く分かる!
変えられない筋書きも、捉え直してみせる。アクション、ホラー、時代劇、アニメ……。フェミニズムが鋭く批判する家父長制の文脈だけでは語りきれない、女性キャラクターの自発性をどのように取り出せるのか。白雪姫もシンデレラも好きだったあなたへ送る、異色のフェミニズム批評。
2015年国際女性デー、中国で痴漢反対のステッカーを配布しようとし、逮捕された5人の女性がいた。なぜ独裁者は、武器を持たない彼女たちを恐れたのか?独裁者(習近平)が指導する家父長制的権威主義国家は、性暴力をゆるし、女性たちを「産む機械」に貶め、その自由を奪ってきた。逮捕、勾留、脅迫、検閲、暴力。政府による抑圧が強まるなか、フェミニストはどのように声をあげ、行動したのか。その声はやがて、政治的表明を避けていた女性たちをも動かしてゆき…。独裁者も恐れた、フェミニストたちの姿を追う。
フェミニズムとは一体、何なのか?フェミニズムは女性だけのものなのか?ベル・フックスのフェミニズム理論が古びない理由は?現代フェミニズム思想の教本。ベル・フックスの代表作の翻訳本刊行。
「自分の持ってるものを使い切りたいんですよ」(安藤サクラ)「洋服って歓びだからね」(北村道子)「何度生まれても私は私のままがいい」(重信房子)「フェミニズムは生き延びるための思想」(上野千鶴子)。女の生き方が限られている国で、それぞれの場所で革命を起こしてきた十二人の女たち。インタビューの名手による傑作人物評伝。
トラウマ的な出来事を経験した人びとにとって、文学や文化は生きのびるための表現となりうるのかーー
多和田葉子、李琴峰、古谷田奈月、森井良、林京子、大江健三郎、岩城けい、小野正嗣といった現代作家の作品を丁寧に読み解き、物語を受けとるという営みとは何か、小説と読者が出会うとはどういうことか、それにクィア・フェミニズム批評はどうかかわるのか、自身の経験とときに重ね合わせながら文学や文化の力を見出していく。気鋭の研究者による、トラウマという語ることがむずかしい経験を語るために物語があるのだということを、そして何より新たな対話の可能性を信じるすべての人におくる、画期的な文学論。
フェミニズムの賞味期限はすぎたのだろうか?血となり肉となったことばたち。
ナショナリズム渦巻く日韓で提起されてきた「慰安婦」問題ーーそれはまた、性差別的な社会構造のなかで踏みにじられた女性の人権をめぐる問題であり、現代の性暴力につらなる側面をもつ。フェミニズムの視点から「慰安婦」運動の歴史を問い直し、二度と被害を繰り返させない世界をまなざす、問題理解の手がかりとなる一冊。
はじめに
I
序章 ナショナル・アイデンティティの葛藤
一 「朝鮮人」として
二 ナショナル・アイデンティティの悩み
三 韓国留学と「慰安婦」問題
四 「挺身隊」問題の浮上が示すもの
第一章 韓国女性学と民族
一 女性学の成立と民族問題
二 日本軍「慰安婦」問題をめぐる民族議論
三 アジア女性学への視点
小 括
第二章 韓国における「慰安婦」問題の展開と課題ーー性的被害の視点から
一 「慰安婦」問題の展開と民族主義
二 「慰安婦」と公娼
三 性的被害とは何か
小 括
第三章 韓国における「慰安婦」問題解決運動の位相ーー一九八〇〜九〇年代の性暴力追放運動との関連で
一 民族民主運動と性暴力追放運動ーー一九八〇年代の女性運動
二 性暴力追放運動の質的転換ーー一九九〇年代の女性運動
三 「慰安婦」問題解決運動の位相
小 括
第四章 ナショナリズムを乗り越えるために
一 「慰安婦」問題とナショナリズムーー女性法廷後の課題
二 日・韓ナショナリズムと「慰安婦」問題ーー朴裕河著『和解のために』をめぐって
三 排除と差別に抗する視点
補 論 勤労挺身隊となった人々の人生被害についてーー名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟に寄せて
一 朝鮮人少女たちにとって「勤労挺身隊に行く」ということが意味したもの
二 日本に行って受けたであろう衝撃
三 朝鮮に戻ってからの人生の困難ーー勤労挺身隊に行ったことが朝鮮社会で意味したもの
四 日本軍「慰安婦」問題との関連
五 日本政府及び関連企業の責任
旧版あとがき
II
第五章 日本人「慰安婦」をめぐる記憶と言説ーー沈黙が意味するもの
はじめに
一 日本人「慰安婦」とは
二 戦後日本の「慰安婦」言説
おわりに
第六章 韓国の「慰安婦」証言聞き取り作業の歴史ーー記憶と再現をめぐる取り組み
はじめに
一 「慰安婦」問題の真相究明を求めてーー証言集一、二
二 サバイバーたちとの交流を重ねながらーー証言集三
三 証言とオーラルヒストリーの間でーー証言集四ー六
おわりに
第七章 韓国の「慰安婦」運動を再考する
はじめに
一 二〇二〇年五月ーー李容洙の記者会見
二 二〇二〇年七月ーー性暴力告訴情報流出事件
三 「慰安婦」運動の新たな地平
参考文献
岩波現代文庫版あとがき
初出一覧
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