おかあさんと上野の国際子ども図書館へやってきたゆりかのまえに、イギリスの古い本のなかにすんでいるという妖精が現れて……。妖精の案内で、ふしぎな図書館めぐりがはじまります。100年まえのたてものを利用した図書館には、むかしから親しまれてきた物語の登場人物たちがいきづく。「未来への記憶」シリーズ第3弾。
図書館のふしぎな時間
物語の宝庫ー過去から未来へ
「主体的・対話的で深い学び」=探究学習の原形はすでに戦後間もない時期の学校図書館の運営法の議論のなかに含まれていた。本書では学校図書館を探究学習に活かすための示唆や教育課程に取り入れることの可能性を戦後の図書館教育実践を辿ることで浮かび上がらせる。
第1部 学校図書館問題とは何か
第1章 学校図書館をとらえる視座
1 デューイの学校モデルを起点として
2 図書館教育をとらえる視点
第2章 戦後学校図書館政策のマクロ分析
1 政策論の必要性
2 先行研究の確認と研究方法
3 第一期(戦後教育改革期、一九四七ー一九五八年)
4 第二期(日本型教育システム期、一九五八ー一九八七年)
5 第三期(二一世紀型教育改革期、一九八七ー現在)
6 学校図書館政策の窓はどのように開くのか
第II部 図書館教育という課題
第3章 戦後新教育における初期図書館教育モデル
1 戦前の図書館教育
2 戦後図書館教育のきっかけ
3 東京学芸大学附属小学校(世田谷校)(一九四八ー一九四九年)
4 図書館教育論の拡がり
5 阪本一郎と図書館教育研究会
6 『学校図書館運営の手びき』(一九五九年一月)
7 図書館教育と読書指導の関係
第4章 図書館教育の実際
1 新教育カリキュラムとコア・カリキュラム運動
2 図書館教育実践の準備過程
3 甲府市立南中学校の図書館教育(一九四九ー一九五二年)
4 東京都港区立氷川小学校の図書館教育(一九五三ー一九五四年)
5 川崎市立富士見中学校の図書館教育(一九五二ー一九五五年)
6 栃木県立栃木女子高等学校の図書館教育(一九五五ー一九五六年)
第5章 図書館教育の帰結
1 一九五〇年代の図書館教育
2 資料センター論と読書指導
3 「教科と学校図書館の結びつきをはばむもの」
第III部 図書館教育が実現されるには
第6章 文部省初代学校図書館担当深川恒喜の図書館認識
1 分析の視点
2 宗務官時代と宗教観
3 学校図書館担当時代
4 道徳教育調査官時代
5 「図書館教育の復権」
第7章 二一世紀の教育課程につなぐために
1 担い手の問題
2 探究学習のための学校図書館は可能か
3 リテラシーからメディア情報リテラシーへ
4 学校図書館のリーダーシップ論
補論 学習リソース拠点の提言
東上市立中央図書館の司書・井上和美(37)が
視覚障害者サービスを学ぶ第一歩として
訪ねたのが、ロゴス点字図書館の平井先生。
「視覚障害には多種多様な原因や肖像」が
あることを理解し、情報収集をする中で
まずは自館でできるサービスが何かを考えるーー。
※ この作品はフィクションです。平井利依子先生と
西田館長(※2023年3月現在)、ロゴス点字図書館以外の
登場人物、団体、出来事などはすべて架空の名称です。
アルファベットのルーツとされる古代エジプトの碑文に始まり、頭文字の順番で並べることが情報を分類という新たな世界に導いた。優劣をつけないフラットな並べ方、アーカイブ、索引といった技術がもたらしたものとは。
2016(平成28)年4月に「障害者差別解消法」が施行され,国公立機関(図書館を含む)には「合理的配慮」の提供が義務化された。
本書では,すでに図書館界で取り組まれてきた基礎的環境整備や「障害者サービス」の実践に学びながら,図書館の構成要素ごとにアクセシビリティを高めるための考え方や具体例を紹介する。
初版刊行後の新たな動向を反映した改訂版。
1章 図書館のアクセシビリティに関する基礎・基本
2章 図書館資料のアクセシビリティ
3章 図書館施設・設備のアクセシビリティ
4章 図書館サービスのアクセシビリティ
5章 図書館のアクセシビリティに関わる「人」をめぐって
6章 館種別の事例
〈巻末資料〉
障害者の権利に関する条約(抄)/障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(抄)/視覚障害等の読書環境の整備の推進に関する法律/著作権法(抄)/著作権法施行令(抄)/図書館の障害者サービスにおける著作権法第37条第3項に基づく著作物の複製等に関するガイドライン/「図書館利用における障害者差別の解消に関する宣言」/図書館における障害を理由とする差別の解消の推進に関するガイドライン(抄)
ニューベリー賞オナー賞受賞作家シンシア・ロードが贈る物語
だめでも おちこまないで。
ねがいって、かたちがかわって
かなうことが あるんだよ。
<ブック・フレンド>は、本のようにかりることができる、図書館のぬいぐるみです。
ユニコーンのぬいぐるみキラリのねがいは、ずっとすめる家で、その家の子どものものになること。
でも、そのねがいはかなわず、図書館にやってきて<ブック・フレンド>になります。
ある日キラリをかりたのは、町にひっこしてきたばかりで友だちがほしい、マヤという女の子。
マヤは、家を訪れたイザベルと仲良くなろうと、いっしょにあそぼうとしますが、イザベルのちょっと乱暴なあそびかたのせいで、大切な人形がこわれてしまい、悲しい気持ちに……。
マヤのねがい、そしてキラリのねがいは、かなうのでしょうか?
* * *
挿絵が多く、漢字はすべてふりがなつきで、小学校低学年のお子様にも読みやすい、絵本のつぎに読みたい1冊です。
〇ひとり読みの練習にも。
〇読み聞かせにも。
〇子どもの想像力を育む。
〇自己肯定感を高める
アメリカ大統領図書館の全貌を明らかにした本邦初の歴史書兼リサーチガイド。
歴史的価値の高さにもかかわらず、過去には失われてしまったものも多い大統領文書が、いかにして大統領図書館で保管・公開されるようになったのか。第1部では大統領図書館制度の誕生から現在に至る歴史を詳しく解説。民主主義の根幹をなす、大統領文書の管理の歴史について深く掘り下げる。
大統領図書館の資料活用は、アメリカ研究だけでなく、日本を含む世界各国の現代史研究においても意義深い。しかし日本人が大統領図書館を利用するには、情報収集の難しさやアクセスの困難さから高いハードルが存在しているのが現状だ。第2部では大統領図書館で資料調査を円滑に行う際に必要な情報をすみずみまで解説。渡米前の準備・諸手続きをはじめ、各大統領図書館へのアクセス・利用方法・所蔵資料の内容など、現地での資料調査のための情報を網羅的に提供する。
はじめに
第1部 大統領図書館の歴史的変遷
第1章 大統領図書館の誕生
第1節 ワシントンの先例
第2節 ローズヴェルト大統領図書館の設立
第3節 大統領図書館法の成立
第2章 大統領文書の公文書化
第1節 情報自由法(FOIA)の誕生
第2節 ウォーターゲート事件
第3節 大統領記録法の成立
第3章 変容し続ける大統領図書館
第1節 増大する資料・維持費と電子記録
第2節 大統領図書館の4つの役割
第3節 オバマによるデジタル化
第4節 トランプと資料の管理
第2部 各大統領図書館の紹介とリサーチ・ガイド
第4章 事前準備
事前準備0 先行研究を読み込む
事前準備1 日本国内で利用可能な資料を調査する
事前準備2 渡米の諸手続を済ませる
事前準備3 必要な持ち物を揃える
事前準備4 研究助成への申請を検討する
第5章 現地調査
第1節 アメリカ入国
第2節 宿のチェックインと滞在中
第3節 飲食店の利用
第4節 大統領図書館への入館
第5節 ロッカー
第6節 調査
第7節 閉室・退館後
第8節 アメリカ出国
第6章 ハーバート・フーバー大統領図書館
第7章 フランクリン・D・ローズヴェルト大統領図書館
第8章 ハリー・S・トルーマン大統領図書館
第9章 ドワイト・D・アイゼンハワー大統領図書館
第10章 ジョン・F・ケネディ大統領図書館
第11章 リンドン・B・ジョンソン大統領図書館
第12章 リチャード・ニクソン大統領図書館
第13章 ジェラルド・R・フォード大統領図書館
第14章 ジミー・カーター大統領図書館
第15章 ロナルド・レーガン大統領図書館
第16章 ジョージ・H・W・ブッシュ大統領図書館
第17章 ウィリアム・J・クリントン大統領図書館
第18章 ジョージ・W・ブッシュ大統領図書館
第19章 バラク・オバマ大統領図書館
第20章 ドナルド・J・トランプ大統領図書館
おわりに
付録 大統領図書館関連年表
関連法の邦訳
引用・参考文献
『知識の海へ』は、東京子ども図書館のブックリスト、児童図書館基本蔵書目録の3巻目です。
1950年〜2020年に出版されたノンフィクション(知識の本)から、とっておきの約1500冊を紹介。半世紀にわたって、子どもたちと本を読んできた経験をもとに選びました。
幅広いジャンルの本をテーマ別、対象年齢順に掲載し、各作品の特徴が分かるような丁寧な紹介文をつけています。また、図書館員や編集者に知っておいてほしい歴史的価値のある作品は、その長所を示して紹介しました。
既刊『絵本の庭へ』『物語の森へ』と同様に、さまざまなテーマやキーワードから本を探せる件名索引も充実させました。ながめていると図書館などでの展示や、ブックトークのアイデアがうかぶはずです。
図書館や文庫、学校などでの本選びや読書指導に幅広くご活用いただけます。もちろん、ご家庭での読書にもご利用ください。
はじめに(張替惠子)/このリストの使い方/ノンフィクション○0総記○1哲学○2歴史・地理○3社会科学○4自然科学○5工学○6産業○7芸術○8ことば○9文学/伝記・その他の読み物○伝記○その他の読み物(体験記、半生記、日記、作文など)/索引○書名索引○人名索引○件名索引○件名総索引/当館児童室分類表/引用文献
「調べることを仕事にしてきた人だけが知っている、
ググるだけでは得られない情報の手に入れ方。
情報が氾濫する現代において、
求める情報を着実に、迅速に手に入れるための調べ方を身につけることは、
一生ものの財産になります。」
(牟田都子 校正者・『文にあたる』著者)
検索スキルを上げたい全ての人へ!
本の探し方、人(現代人・アイドル)や言葉(流行りすたりや来歴)の調べ方、無料のWEBツール(国会図書館サーチ、国会図書館デジタルコレクション)の使い方などを分かりやすく解説。ネット情報源を活用した「調べ方」の教科書、待望の続編!! 図版多数、索引付き。
皓星社メールマガジンで連載されたWebコラム「大検索時代のレファレンス・チップス」を単行本化。第1講「NDLデジタルコレクションは国会図書館のDXである」、第2講「国会図書館にない本を探す法」に加え、コラムを書き下ろし。
本書の使い方
第1講
NDLデジタルコレクションは国会図書館のDXである
第2講
国会図書館にない本を探す法
第3講
リニューアルされたNDL サーチを使ってみる
第4講
デジコレの2022 年末リニューアルをチェック!
ファミリーヒストリー編
第5講
デジコレの2022 年末リニューアルをチェック! 官報編
第6講
ネット上で確からしい人物情報を探すワザ 現代人編
第7講
推し活! アイドルを調べる
第8講
小さなお店の歴史を調べる ある模型店を事例とした生活史
第9講
分類記号(NDC)を使って戦前の未知文献を見つける
第10講
予算無限大の理想のコレクションから、現役のレファ本を見つけるワザ
第11講
洋書はCiNii。それって常識? 出たはずの本を見つける
第12講
風俗本(成人向け図書)を調べるには 国会図書館の蔵書を中心に
第13講
「ナウい」言葉が死語になる時
第14講
言葉の来歴(語誌)を調べる方法 附・用例検索の方法、長期トレンド検索法
地図なきダンジョンの歩き方 あとがきにかえて
大宅壮一(1900-1970)が収集した膨大な雑誌のコレクションを基礎として設立された大宅壮一文庫の蔵書は、現在雑誌13,600種類・80万冊にもおよぶ。
これらの蔵書とデータベース「Web OYA-bunko」を活用して構築された論考を示す、意欲的な一冊。
2021年に刊行し好評を得た『大宅壮一文庫解体新書』の第2弾、ここに刊行!
*大宅壮一(1900-1970)とは…
昭和を代表する評論家・ジャーナリスト。
1950年代から1960年代にかけて、新聞・雑誌(月刊誌・週刊誌)・ラジオ・テレビを横断して活躍し、「マスコミ四冠王」「マスコミの王様」と呼ばれた国民的評論家。「大宅壮一ノンフィクション賞」が1970年に制定された。「一億総白痴化」「恐妻」「クチコミ」などの造語でも知られる。
『文学的戦術論』『世界の裏街道を行く』『「無思想人」宣言』『炎は流れるーー明治と昭和の谷間』全4巻など、著書多数。
2025年に生誕125年、没後55年を迎える。
本書の構成 阪本博志
大宅壮一と梶山季之ーノンフィクション・クラブ/出発点としての文学/韓国訪問 光石亜由美
「ビート・ジェネレーション」から「ビート族」へ 加藤邦彦
コラム1 WikipediaOYA-大宅壮一文庫におけるウィキペディアエディタソンプロジェクト 北村紗衣
「橋をかける人」大宅壮一ー東京マスコミ塾と社会関係資本 阪本博志
排除された者たちの叫びを記録するー雑誌『KEN』を読む 石川巧
コラム2 大宅文庫と松沢病院 武田徹
地獄/戦争としての受験ー『サンデー毎日』の受験関係記事から考える 大原祐治
一九七〇〜九〇年代の関西圏情報誌 難波功士
移民に映し出される強いネーションへの願望ー雑誌『SAPIO』における移民言説とその変遷 倉真一
コラム3 雑誌記事索引データベース「Web OYA-bunko」の最新事情 鴨志田浩
執筆者一覧
いま図書館で活用している/近い将来に使う可能性が高い情報技術を解説して、各IT機器の特徴も取り上げて具体的な事例を紹介し、担当司書としての視点も概説する教科書。初版本出版から5年間で進化し激変したIT環境にも目を配って全面的に改訂した決定版!
利用者の調べもの、探しものをお手伝いをする「レファレンス・サービス」に光を当てた、大ヒット“図書館マンガ”第6巻の発売。新米司書の葵ひなこが今回、取り組む難題は「ラジオドラマの原作本探し」、「法情報サービス」、「昔の絵の場所探し」など多岐にわたる。人と本を繋ぐ【謎解きドラマ】は、ますます高いクオリティでお届け! 約2年ぶり、待望の新刊!!
古代から文字によって記録されてきたもの、粘土板、巻物、書籍、住民の公的な記録、手稿、手紙など、その土地に住む人々の文化的な記録は、歴史上、故意にあるいは忘れ去られることで幾度も破壊が起きてきたことを説明しつつ、その過程でライブラリアンやアーキビストがどのように戦ってきたかを記す。
これまで、例えば図書館の存亡の歴史を扱う書籍では、その維持費用や、関心が持たれなくなって廃れたり、災害で失われたり、戦争で、敵国によって破棄されたりという、あくまで図書館とその蔵書がどうなったかを描いてきた。それに対して、本書は、図書館と書籍だけを考察するのではなく、文字で記録されたあらゆる内容は「知識」として保存されたもので、それをいかに後世のわれわれが、振り返って読んだり、活用しているかを考え、その貴重な「知識」の破壊が進んでいることに警鐘を鳴らす。たとえば、古代では、ニルムードのナブー神殿から資料保管室が見つかっており、そこから多量の粘土板が発見された。その中から不利な契約が書かれた粘土版が意図的に踏みつぶされているのが見つかっている。それは現代の公文書の破棄や改竄も同様で、つねにわれわれの蓄積された知識は遺棄される方向い動いている。こうした動きに対して抵抗した人々の活躍や、遺棄に際して考えるべき点も明らかにしていく。必ずしも図書館の破壊という観点だけでなく、個々人の書いた原稿や日記などの扱いについても、その公表にかかわる問題点を述べる。
特に、ヨーロッパでは宗教改革など、宗派の対立から起きる敵対派閥の書籍の破棄などにも言及する。これらの知識はキリスト教会が独占してきたため、図書館というより修道院に図書が保存されてきた。それをこの対立が破棄に向かわせることになった。
粘土板にしろ文字で書かれた情報というのは、それ以前の時代とは比べものにならない価値があった。たとえば何かの作りかたを記述すると、その作り方を知らない人がそれを読むことで同じ物を作ることができるようになる。しかも文字を読める人が少なかった時代では、その記述はあたかも魔法の呪文のようにも思えた。だからこそその貴重な図書を古代の王たちは集めて保存した。それがムセイオンであり、アラブでは知識の館となった。そうした知識に対して、宗教などが価値を否定したために、無視されたり破棄されてきた歴史を振り返るのが本書だ。そして図書館からさらに広く、カフカの例を挙げその小説という書かれた原稿の存続にも触れている。カフカは自分の書いた小説を絶対に公表するなと言って死んでしまった。しかしそれを託され友人がその意図に逆らって、原稿を故意に残したことで、われわれはその小説を読めるようになった。しかしバイロンの回想録は失われてしまった。シルヴィア・プラスの詩や日記は本人以外の手が入っている。こうした公表や非公表の問題もからめて解説していく。
日本の図書館の原型とされる聖徳太子の書斎や経典を所蔵した経蔵の貸し出し制度、明治時代の各地にできた会員制図書館、20世紀初期に西欧から導入した図書館づくりとアメリカの用品メーカーが与えた影響などを経て現代の図書館が登場するまでの道のりをたどる。
学校教育で学習指導と授業改善を実行し、多くの実践を積み重ねてきた教員と教員経験者らが自らの体験と研究をもとに、学習指導に必要な情報を活用するための試みと成果、さらに授業スタイルを変化させながら学校図書館を活用する授業展開の実例を提示する。
「本書執筆の当初のモチーフは、書物自体は一貫して重要視されていた日本で、社会機関としての図書館の評価が低かったのはなぜなのかということにあった。私は書いているうちに、これは単なる図書館論にとどまらず、書物論、情報論、文化論、そして何よりも教育論にひろがっていかざるをえないと考えるようになった。図書館の存在が意識されにくかった理由は、日本社会が個人の知的活動を自律的に行うことを妨げてきた理由と同じだということに気づいたからである。」
図書館情報学において、「情報リテラシー」は、テクノロジーの発達に応じてその習得・活用・提供技術の更新が求められる、生きたテーマである。
情報が氾濫する社会を生きる私たちにとって、第一次資料の保存庫であり、公共の情報サービス機関である図書館は、信頼の置ける、身近な情報拠点だ。これからの図書館は、図書の貸出し、検索技術の提供にとどまらず、利用者の情報リテラシーを導くといった教育的な役割も自覚的に担ってゆく必要がある。
そして今日、学校での情報リテラシー教育も喫緊の課題となっている。日本の教育現場において、情報リテラシー教育の重要性は意識されてきたが、それはコンピューターなどの情報通信技術を使いこなす技能という認識にとどまってきた。だが、真の情報リテラシーとは、情報を探索し、評価し、それにより自分の問題を解決できる能力、さらにはその力をもって批判的思考を展開できることをいう。本書では、日本の教育制度と図書館の社会史をふりかえることで課題を浮き彫りにし、今後どのような改革をなすべきか、欧米の学校の動向と比較しつつ方向を示す。
はしがき
第1章 「エウリディケを冥界から連れ出すオルフェウス」
1 コローの絵のオリジナルを求めて
2 絵画検索のための情報リテラシー
第2章 読書大国からネット社会へ
1 リテラシーと情報リテラシー
2 読書感想文と自由研究
3 フロー情報とストック情報
第3章 情報リテラシー教育の必要性
1 ネットを使いこなす?
2 情報リテラシーの過程
3 日本における情報リテラシーの課題
第4章 文化史的背景
1 日本人のリテラシー
2 武士の学びと庶民の学び
3 文字社会の形成と民衆読書
4 文庫と知のネットワーク
第5章 近代文字社会における図書館
1 近代における学びの変遷と読書
2 明治・大正における図書館
3 昭和期の図書館
第6章 図書館と図書館員
1 図書館の昔と今
2 図書館の基本的な業務
3 日本の図書館員の資格制度のあり方
4 アメリカの図書館職
第7章 図書館と博物館を比較する
1 専門職の社会学
2 博物館法と図書館法
3 資格と養成
第8章 大学入試改革と学習方法・カリキュラム
1 近づいている大学入試改革
2 欧米の学校における学び
3 情報リテラシーのための図書館
第9章 情報リテラシーの回路
1 ふたたび、図書館員のイメージ
2 リテラシー、情報リテラシー、高次リテラシー
3 インフラとしてのデジタル情報ネットワーク
4 情報リテラシー装置を使いこなせたか
引用/参考文献
索引
新しく開設される東京大学アジア研究図書館ではいかなる構想のもと新しい分類が構築されたのか.これまでの体系をふまえ、東京大学が誇るアジア研究図書のより活用しやすい分類法を模索した成果.デジタル化の動向も視野にこれからの図書館をみすえた新たな可能性を提示する.
「調査する住民」は、地域や社会に建設的・批判的に参画する。そして家庭・学校・職場での日常生活も、住民自身による課題設定や、その解決に役立つ調査スキルを要求する知的営為そのものである。本書は、そんな住民と共創する図書館のあるべき姿と未来を構想し、商用データベースへのリモートアクセス、情報リテラシー支援と地域資料のデジタル化を提案した。座談会のテーマは「図書館の笑顔」。読者各位もそこで自分だけの「笑顔」を発見してほしい。
はじめに
第1章 未来の図書館─調査する住民の立場から
要旨
1. 背景と目的
2. 先行研究による未来
2.1 図書館に関する雑誌特集
2.2 議論のための戦後の図書館の流れ
2.3 未来の図書館を考える枠組み
3. 利用者の立場からの未来
3.1 図書館利用者アンケート
3.2 授業グループワークでの図書館への期待
4. 未来の図書館
4.1 5つの提案
4.2 今後の課題
第1章 補足
未来の図書館への新たな展開
図書館運営の改善
調査する住民と生涯学習
第2章 公立図書館におけるリモートアクセスでの商用データベース提供の展望
要旨
1. はじめに
2. 使命としてのリモートアクセス
2.1 自宅からDB利用
2.2 電子資料のメディア特性
2.3 公立図書館の役割
3. 商用DB提供の現状と課題
3.1 商用DB導入の先行研究
3.2 商用DB提供の現状調査
4. 商用DB来館利用の現状と課題
4.1 商用DB提供方式の変遷
4.2 商用DB利用の阻害要因
4.3 商用DB利用の阻害要因の分析
5. 商用DBリモートアクセスの現状と課題
5.1 リモートアクセス導入の先行研究
5.2 DB提供者ヒアリング
5.3 「DB金脈は固い!」
6. リモートアクセスでの商用DB提供の展望
第2章 補足
日常でのDB利用
商用DBにおける新聞等の提供と有用性
第3章 公共図書館における情報リテラシー支援と地域資料のデジタル化
要旨
1. はじめに
2. 調査する住民
3. 情報リテラシー支援
4. 地域資料のデジタル化
5. 重点サービスの提案
6. おわりに
第3章 補足
情報リテラシー支援
個人宅での情報環境の構築支援
地域資料の拡張によるサービス拡大・転換
事例:引越し先の散歩と図書館
第4章 座談会
なぜ、私たちは「図書館笑顔プロジェクト」を始めたのか
そもそも図書館とは何か
図書館では「未知なる自分」を発見することができる
図書館の笑顔は、「人と人との出会い」から生まれる
図書館の「笑顔」を消すもの、生み出すもの
私たちがつくる「図書館の笑顔」
私が好きな「図書館の笑顔」
(詩)図書館に来なくなった人
あとがき
初出
図書館笑顔プロジェクトのメンバー略歴
索引