弱冠23歳の衝撃的なデビューから80代半ばまでの約60年間、デザイン界の第一線を走り続けた河野鷹思。1930年代半ばには、すでにデザイン界の頂点に達し、戦後、グラフィックデザイン中心に移っていくさまをたどる。
精神科医であり研究者として来日していた著者は、被爆後十七年の広島で、広範にわたる被爆者へのインタビュー調査を行なった。対象は、無差別に抽出した市民に加え、学者・医者・運動家など七十余名。被爆時の体験、原爆で負った障害、見えざる放射能の恐怖、生き残ったことの罪意識…。人類への最大の破壊行為の影響を、被爆者の言葉から丹念に分析し、その精神的側面に初めて光をあてた記念碑的著作。
中国語教育のメッカ北京語言学院に留学中の日本人学生が作った大量の作文誤用例を収集・分析し、これを54例に分類・整理。日本語の発想と中国語の論理とのズレを浮き彫りにし、その根源に迫る。日中対照研究へのヒントが満載。本格的中国語作文のためのワン・ステップ。
「脱原発」と「原発推進」の二項対立に意味はない。「現代文明の全般的危機」の中、膨大な虚無にとらわれる我々にとって、拠るべき思想の軸とは。3.11後の「核と原発」論。
被爆者の心に癒えぬ傷を残した原爆体験。インタビューが行われた一九六二年当時、街は復興への道を歩む一方、冷戦下で核実験が繰り返された。被爆者はこの時代にどのような葛藤を抱え、生への道を歩もうとしていたのか。また、原爆投下者・占領統治者としてのアメリカに抱く思いはどうか。ナチ強制収容所の生存者のケースにも触れながら、被爆者の深刻な葛藤と体験克服に至る過程を、「被爆者の英知」として導き出す。
気がついたときには、自分の通う庵谷高校に閉じ込められていた裏野新太。出口を求めて校舎をさまよっていると、死神のような不気味な存在に遭遇する。裏野は死神の襲撃をかわしつつ、同じく学校に閉じ込められた生徒たちと出会い、手を組んだ。だが、彼らは自らを庵谷高校の生徒だと言うが、裏野は誰一人として面識がない。やがて、裏野たちの奮闘を嘲笑うかのように、死神は容赦なく生徒を殺していく…鬼才・椙本孝思が贈る青春ホラーミステリー!
中国は日本に何を求めているのか?「戦略的互恵関係」の裏に秘められた中国人のホンネを明らかにする。緊急対話「尖閣事件」はなぜ大事になったのか。
「お前たちは島から生きて出られない」-廃墟の島『矢郷島』でのロケ中、突如送られてきた動画メール。『5年後の未来』にいるという『ミイラ男』が、ロケ参加者9名が皆殺しにされると予言する。やがてその言葉通り、出演者、スタッフが次々と殺されていく。誰が殺しているのか。なぜ殺されるのか。一体この島で何が起きているのか。息つく暇もない展開、予想だにしない衝撃の結末!異色ホラーミステリー。
われわれはいま「幸福」か。「自由」を手にするとはどういうことか。ポストモダンの価値相対主義を超えて長谷川三千子、佐伯啓思、竹田青嗣、小浜逸郎が「自由」を語り合う。各氏がすすめる「人間の自由を考える本」も収録。
◎不自由なものとして生まれ死ぬ人間
◎プラトンの「根源的不自由」の追求
◎近代的自由と人を殺す自由
◎近代的自由が失ったもの
◎古代ギリシャと近代の共通性
◎欲望の追求と自己中心性の問題
◎近代的自由のアポリア
◎近代の「正義論」の歪み
◎ルソーの一般意思をどう読むか
◎カントの「内面的善」の概念
◎一般意思と国権の問題
◎尊厳の承認と国家に命を投げ出すこと
◎ルソーとヘーゲルの「国権主義」の時代性
◎国家を正当付けるのは社会契約か暗黙の指示か
◎アメリカという国家の特殊性
◎自由とは”ある何か”の崩壊ではないか
◎与えられた自由、かち取る自由
◎自由がたどり着いたフリーターやニート?
◎二重構造の戦後日本
◎「大人」になるということ
◎相互承認と良心
◎ポストモダニズムか伝統か
シンポジウムを終えて
人間の自由を考えるおすすめ本
司馬遼太郎が言うのとは逆に、日本は明治維新の近代化路線からすでに間違っていた。長寿だけが価値になってしまった現代日本のニヒリズムに抗するには、保田与重郎と特攻隊の思想しかないのではないか、と佐伯啓思は問う。ニヒリズムはもともと人間の条件、金融危機はそれが露わになっただけにすぎない、人間のすべての表現活動において、いまこそ核心的な問いが問われはじめている、と三浦雅士は応える。対論4篇、論文2篇を収録。
第一次大戦を境に幕を開けた「現代」。西欧の凋落を背に、自由・民主主義のアメリカ、社会主義のソ連、そしてファシズムが「世界」を動かす。二十世紀の挑戦、それは新しい価値と希望の創出だった。しかし、私たちの不安は消え去らない。ニヒリズムから逃れる術はないのだ。それに気づいたとき、勝ち残ったアメリカ文明の欺瞞が見えてくる。ニーチェ、ハイデガーの鋭い指摘を踏まえ、大衆化される現代社会の本質と危険性を暴き出す。独自の歴史観と広角な視点で時代の見取り図を提示する、佐伯啓思の「現代文明論」講義・完結編。