小中高校生への教育としてきわめて重要でありながら,教育者が体系的に学ぶことの少ない「性教育」についての初の教科書。〔内容〕性教育の歴史/性差・性別/性と人間関係/STD・STI/性犯罪/性に関する国際的動向/性に関する尺度/他
目 次
I. 性をふりかえる
1. 性教育の歴史
1.1 「性」の語意と「性教育」の登場
1.2 性教育の制度史
1.3 自 慰
1.4 性感染症
1.5 男女交際
2. 性の民俗
2.1 村社会の性
2.2 性の伝承
2.3 お祭りと性
2.4 性の民俗の変遷
2.5 海外からみた日本の性の民俗
3. 性と文学
3.1 男女交際
3.2 同 性 愛
II. 性を知る
4. 性とは何か
4.1 性の存在意義
4.2 オスとメス
4.3 性戦略と生活史
4.4 ジェンダー
5. 性差・性別
5.1 一次性徴・二次性徴
5.2 性的指向
5.3 性同一性障害
5.4 性ホルモン・性腺異常
5.5 性別(性的発達)のレベル
6. 男性の身体
6.1 男性外性器の解剖と生理
6.2 勃起・射精のメカニズム
6.3 生殖機能に影響を与えるもの
6.4 快 楽
7. 女性の身体
7.1 解剖生理
7.2 月経周期
7.3 ボディイメージ
7.4 生殖機能に影響を与えるもの
7.5 快
8. 妊娠・出産と避妊
8.1 妊娠の機序
8.2 出産の仕組み
8.3 若年・高年妊娠
8.4 避妊法とその効果
8.5 人工妊娠中絶
9. STD/STI
9.1 性感染症
9.2 性感染症各論
9.3 女性の性感染症
9.4 予 防 法
9.5 性行動・性感染
III. 性を表現する
10. 性行動と身体
10.1 共感・思いやり
10.2 性行動とペア・ボンド
10.3 性 衝 動
10.4 攻 撃 性
10.5 性的魅力
11. 性行動と環境
11.1 性行動を早める・遅くする環境
11.2 レジリエンス
11.3 感覚と性行動
12. パラフィリア
12.1 パラフィリアの概念
12.2 パラフィリア各論
IV. 性を共有する
13. 性と人間関係
13.1 人間関係と発達
13.2 家庭における性の扱い
13.3 メディアと出会い
14. 性と社会
14.1 性と道徳
14.2 現代家族と婚姻
14.3 性の商品化
V. 性を支える
15. 性犯罪・性被害
15.1 性犯罪とはなにか
15.2 性被害のあいやすさ
15.3 性的虐待・DV・デートレイプ
15.4 対 策
16. 性の支援
16.1 障害児・障害者の性
16.2 受診行動
16.3 助けを求める行動の支援
17. 性と医療
17.1 出産と医療
17.2 生殖補助医療
17.3 出生前診断
VI. 性を広げる
18. 性に関する国際的動向
18.1 リプロダクティブ・ヘルス/ライツ─性と生殖に関する健康・権利
18.2 セクシュアル・ヘルス
18.3 包括的性教育
18.4 プロチョイス・プロライフ
19. 性に関する尺度
19.1 尺度とは何か
19.2 性に関する行動を測定する尺度
19.3 性に関する意識を測定する尺度
19.4 性に関する態度を測定する尺度
コラム
デザイナーズベイビー/リプロダクティブ・ライツが否定されたことによる影響の例
新しいエロス・コミュニケーションをひらくため、いま男が変わる時。女と男が、夫と妻が、親と教師が、ともに読み、考え、語り合う本。
目指すは、施設職員のハウツー本
現在、さまざまな要因から性に関する課題を抱えている児童養護施設等に暮らす子どもたちへのケアのための性教育の必然性が叫ばれているにもかかわらず、「児童養護施設等における性教育についての書籍・文献」は多くありません。
2007年発足時から「性加害・被害を出さない、繰り返さない」というテーマを一貫して掲げ、真摯に取り組んできた東京家庭学校性教育委員会の、その経緯と実践を記した本書をきっかけに、多くの施設での性教育の実践がひろがっていくことを願い、子どもたちの「性と性」のために役立つ一冊としてお届けします。
アメリカの社会科教育や日本の終戦直後の社会科教育の原点となった、「市民性教育」(地域社会の成員であることを意識すること)の必要性を説く二つの報告書を翻訳。後の社会科教育への影響を考察する。
訳者まえがき
コミュニティ・シヴィックスの教授(1915五年)
まえがき
第1部 コミュニティ・シヴィックスの授業のねらいと方法
第2部 福祉の諸要素を扱うことについての提案
第3部 目録提案
中等教育における社会科(1916年)
まえがき
第1部 導入
第2部 第7、第8、第9学年の社会科
第3部 第10、第11、第12学年の社会科
第4部 スタンダードー教師の準備
訳者解説 世界で最初の市民性教育の国家規模カリキュラムーその特質と今日的意義
本書は、近年注目が高まり、実践も蓄積されつつある市民性教育について、理論的に整理し、実践を意味づけすることで、「社会をつくり未来を切り拓く市民を育む教育」への視座を提示するものである。そしてその準拠点は、人間関係を出発点にして、社会を担い・創っていく過程に参画する市民の育成をめざす人権教育に基盤を置いた市民性教育である。
目 次
はじめに
第1章 市民性教育とは何か
第2章 市民性教育が求められる背景と諸言説
第3章 市民性教育の諸実践
第4章 市民性教育とサービス・ラーニング
第5章 人権教育に基盤を置いた市民性教育
-萱野小学校の実践ー
第6章 市民性教育の類型化と人権教育
第7章 市民性教育の学習論1
第8章 市民性教育の学習論2 -対話的な学習論へ
資料 IEA「市民性教育国際調査(ICCS 2009)」
認知テスト 抄訳
IEA「市民性教育国際調査(ICCS 2009)」
生徒意識調査と認知テスト 解説
参考文献一覧
初等教育段階から学校のみならず地域社会でも社会参加に向けたカリキュラムが組まれ、選挙年齢に達するまでに有権者意識を醸成するドイツの政治教育のしくみを詳しく紹介・解説。右翼の台頭が著しい現状もふまえつつ、日本の「主権者教育」への示唆を述べる。
まえがき
緒言 ドイツの政治教育ーーこの政治的で歴史的なもの[近藤孝弘]
第1部 ドイツの政治教育の理念と実態
1章 戦後ドイツの民主化と連邦政治教育センター[中川慎二]
2章 連邦政治教育センターの活動ーーウェブサイトに見るその詳細[神田靖子]
3章 ドイツの政治教育の理念と課題ーー連邦政治教育センターのカリキュラム[寺田佳孝]
4章 ドイツの「政治教育」の教材ーー「政治」を「自分ごと」として捉えることから始める[三輪聖]
5章 対象者別に見る政治教育[野呂香代子]
6章 移民・難民問題ーー連邦政治教育センターの資料を通して[渡邉紗代]
7章 ドイツにおける歴史教育と「負の過去」--戦後からの展開と現在の課題[西山暁義]
8章 日本における政治教育を考えるーー文部科学省「学習指導要領」の批判的談話研究[名嶋義直]
9章 政治教育について考えるーー右翼ポピュリズム、民主主義、教育[木部尚志]
第2部 いま、政治教育が向き合うもの
1章 ドイツ連邦政治教育センターの資料にみる右翼ポピュリズムの扱いーーウェブサイト上の特集を中心として[神田靖子]
2章 ドイツの政治教育における「民主主義」の学習とジュニア選挙ーー個人の主体性および教育と政治の関係性をめぐる難題[寺田佳孝]
3章 ドイツの移民・難民問題ーー「移民国」としてのメルケル政権の歩み[渡邉紗代]
4章 インターネットとヘイトスピーチーー言語と法から市民権に取り組む[中川慎二]
5章 増殖する右翼ポピュリズムと政治教育ーーザクセン州の苦闘[木戸衛一]
6章 独仏、独ポ共通歴史教科書と複眼的視点の可能性[西山暁義]
第3部 政治教育のローカライズ
1章 ドイツの青少年局へのローカライズともう一つのローカライズ[野呂香代子]
2章 ドイツにおける政治教育の現場から見えてくること[三輪聖]
3章 政治教育のローカライズーー民主的シティズンシップ教育の展開[名嶋義直]
編者・執筆者紹介
「コウノトリのお話はもういらない!ホントの話のほうがずっとおもしろいよ」が、この性教育の絵本のテーマです。
今、教育の現場で問題となっている、教科書で教えない性教育、セクシュアリティ教育、ジェンダー教育、LGBT問題に一石を投じた書。本書は、学校での性教育の役割が子どもの安全基地の確保となるために必要なものは何かを、さまざまな意見聴取や対話から明らかにしたもの。いま全国の高校では、文科省通達に従って保健や家庭科の科目の中で「性教育」を行っている。しかし教科書に沿って行われる「性教育」は、単なる避妊教育だったり、禁欲教育だったりして、「性」の最も重要な部分である人間の尊厳や、日々の暮らしでの自由と自立と「性」との関係について踏み込めていない。それは「性教育」に携わる現場の教員が痛切に感じていることである。試行錯誤を続けている教員から出てきた問いは五つ。1なぜ「性教育」が必要なのか、2セクシュアリティ教育が目指すもの、3生徒に何を伝えたいか、4生徒は何を知りたいか、5生徒の個人差についてーーこれらの問いに答えるために、本書では、「学歴」とともに分断二大要素の一つである「性」にフォーカスし、それを三つの視点から、「性の教育で必要なこと」(一つ目は学校で行われている文科省通達の「性教育」とそれに携わる現場教師の奮闘を座談会形式で、二つ目は助産師の語る性「出産と赤ちゃん」について、三つ目はLGBTQに関わる「性スペクトラム」について)を論じて見えてきた、子どもの成長に重大な影響を及ぼす「性教育」の在り方を浮き彫りにし、教科書では教えない、性教育の正しい知識とは何かを明らかにした書。今、教育の現場で問題となっている、セクシュアリティ教育、ジェンダー教育、LGBT問題に一石を投じた意欲作。
無知につけこんだ性犯罪や、親族らによる性的虐待防止のためのヒントが満載!「掲示用資料」や「生徒用資料」入りCD-ROM付き!
日本で初めて出た「性教育の絵本」第2弾!! おかあさんから生まれてきたのに、なぜ僕たち、おとうさんにも似ているの? そんな疑問に答える絵本。著者の北沢杏子は、日本の性教育の先駆者。第1弾『なぜなの ママ?』では、赤ちゃんが生まれるまでの正しい知識が、楽しい絵と文章で描かれていました。第2弾となる本作『なぜなの パパ?』では、男女の性の特徴、愛と結婚、受精のしくみ、遺伝、出産、そしてパパの育児における役割などが、わかりやすく描かれています。
なかなか絵本ではスポットが当たりにくい「パパ」の役割。
この絵本を読めば、きっとパパの存在の大きさに子どもたちも気づくはず。
子どもたちが「パパとママから」生まれたと実感できる一冊です。
巻末には「お母さん・お父さん・先生がたへ」子どもの疑問に答えるためのアドヴァイスも収録。
ぜひ、ご家庭で楽しく正しい性教育を!
※本書は、1988年・アーニ出版刊『なぜなの パパ?』を再編集し、新装復刊するものです。
必修になった性教育。何を、どう教えたらいいのか。花田千恵先生は、手作りの教材を使う。ヘソの緒がついた赤ちゃん人形。巨大な絵本や、子宮・胎盤の模型…。そして父母への『すこやか』通信。アイデアいっぱいの教材で、いきいきハツラツと展開される小1から小6までの性教育の時間。実物見本・写真満載。
性の悩み、疑問、誤解を解く泌尿器科医の性教育。
創造性が育つ世界最先端の教育。標準化・画一化から創造性の育成へ。世の中の革命的変化に向き合うための「教育革命」の最前線!
子どもに語る前に大人のための「性教育」
岡崎 勝(小学校教員)/宮台真司(社会学者)
■■1時間目 そもそも「性教育」って、なんですか?
●学校の「性教育」に期待できるか?
三つの柱は「身体の仕組み」「人権教育」「性愛」/親の関心が高いのは「性犯罪・性暴力」/「性愛」の経験値が低い、教員や親たち
●教員にも親にも「性教育」の資格はない。その理由は……?
一九八〇年代、「新住民化」で変わった生活環境/公園で焚き火ができた時代/昔の子どもたちが外遊びで学んだこと/「身体でつながる感覚」が生まれるとき/「性交」にも必要な「コール&レスポンス」の態勢/「セックスは作業」となった現在
●性的退却が進んだいま、失われているのは?
「性の過剰」さがあったころ/先輩や同級生、変なおじさんとの関係のなかで/親や教員は絶対に教えられないこと
「性教育」では得られないものは?
学校で「性」を学ぶことが退却につながる?/大切なのは「知識」よりも「動機づけ」/ポジティブな「動機づけ」が得られるかどうか
■■2時間目 「性」とは、なんだろう? 「愛」とは、なんだろう?
●「性愛」の劣化を防ぐことはできるのか?
親が「性」を教えようとすることの悪循環/親は「愛」を子どもに学ばせる存在/「社会」に適応すると「性愛」は劣化する/「性愛」「友愛」に必要な「贈与」の構え
●親もダメ、教員もダメ。子どもたちを導くことができるのは?
トラブルやリスクを避けたい大人たち/日本の親はもともと子育てのノウハウを知らない/「言葉・法・損得の外への開かれ」を促すには/「同じ世界を生きている」と思える条件/「コンテンツ教育」と「パントマイム教育」/体験を伝える「旅芸人方式」で/「性」と「愛」を伝えるときには/ワークショップの入口が「性」であるべき理由
●「性」に関して、法や条例は有効?
「性」問題に対する厳罰主義/援交ブームから起こった条例制定/かつて当たり前だった教員と生徒の交際/いまの民主制で解決できないのは/新住民が民主主義で地域を壊す/「友愛」と「性愛」を欠いた尊厳はない/五〇年間の長い「空っぽ」/「社会」の代わりをする「世間」が消えた/法律や条例を変えても日本はダメ/「友愛」と「性愛」の劣化を「性愛」から切り開く/「性愛」の能力と関係する「友愛」と「公共的関心」
●「危険」を子どもに、どう知らせる?
子どもに疑うことを教えるのが「性教育」?/「性愛」の経験は知識では補えない
●「性愛ワークショップ」本当に学ぶべき、その中身は?
セックスを通じて「絆をつくる」/「アメーバになる」ことで「愛」を育む/性交の「アフォーダンス」と日常の「ミメーシス」/「愛の意味論」を理解する/「損得を超える構え」の入口は損得/〈前…
豊富な資料にもとづいて展開されるこれからの性教育論。