女性は生まれつき異常という先入観。男性より数学能力に劣り,月経前症候群という病人にされ,更年期には女でなくなる。「科学」の名のもとに定説とされ、社会的な女性の不平等を招いた神話の数々。フェミニストとして、科学者として、それら性差研究にひそむ偏見と誤謬を冷静に指摘し、混沌に満ちた性差の科学に新たな指摘を提示する。
ジェンダー/セクシュアリティとは、私たちの生の、いかなる局面への名付けなのだろうか。それはどのような装置のもとで稼働し、なにを私たちにもたらしたのだろうか。剥き出しになった私たちの生を、「生の政治化」という視角から捉え直し、それが可能にする新しい自己と共同性の在り方を考える。
占領期沖縄の売買春と日本軍「慰安婦」問題を具体的な素材にして売買春と女性の主体性について精緻に分析し、植民地主義とジェンダー・セクシュアリティの関係性を浮かび上がらせる。沈黙と分断を超えるためのポストコロニアル・フェミニズム研究。
市場経済化する中国の市場・企業・家庭を知るための必読の書。中国人の働き方を、男女別のデータを用いて多角的に分析する。
『ジェンダーの生活経済論』(2000年刊)の全面改訂。現在の新しい個人、家族、世帯のあり方を十分に踏まえ、生活経済における課題に、福祉社会における主体的生活経営という視点を入れ鋭く迫る。給与所得者世帯の収入の源泉である賃金と企業の社会的責任を結びつけるほか、自営や、増えつつある年金生活者といった非給与所得者世帯の家計収支についても広く目を向ける。アンペイドワーク、貧困、多重債務、ESDと生活経済の関連にも着目する。
女ことば・男ことばって本当は何だろう?ドラマやマンガの登場人物と私たちの話し方が違うのはなぜ?身近なことばから、ジェンダーの「当たり前」を問い直す。
日本語の中の女と男にかかわることばの成立や用法、意味の変容をたどり、日本社会における社会的・文化的性差(ジェンダー)意識の構造と、その歴史と現在を浮き彫りにする。