病院を訪れる表情のない若者たち、病院の中で彼らを戒めているだけでいいのだろうか。思春期の性、大人たちが歪ませてはいないか。
どんな人でも、人を信じたいという気持ちがどこかにあるのではないか。他人というよりも、実際は他人を信じることができない自分自身に対して、信頼感をもてなくなってきているのが今の世の中なのではないだろうか。自分を信じられない、自分を大事に思えないという不安や苛立ちこそが、今、私たちのこころの奥底に深く根を張っている、そのものなのではないだろうか。では、人や自分を信じるというのはどういうことか?誰かを信じる強さというものがあるのなら、それはどのように発達していくのか?また、傷ついてしまった信頼感があるとすれば、それはどうやったら回復に向かうことができるのか?本研究は平成10年3月に筑波大学で博士(心理学)号を取得した論文「思春期以降における信頼感の発達」をもとに、補章「幼児期における信頼感の発達」を加筆し、まとめたものです。
はじめに
第1章 保健室の情景
(1) 思春期の蹉跌
羽化できないさなぎ
自立を阻む母親
15歳の春,涙の理由
高校なんて楽しくない
経済格差のひずみ
「つくり話」
増え続ける不登校
ゆっくり生きる
家庭内暴力の真相
あのころは地獄
少女たちのモデル探し
夢はダンサー
(2) 思春期モラトリアム
「気になる子ども」はどこに?
長引く思春期
早くおとなに
親友ー危ない友情
男らしさの幻想
「アキバ系」「腐女子」
第2章 自立の大地が揺らぐ
(1) 食卓のない家庭
衣・食・住の崩壊
掃除だっておもしろい
手当てができない親
親は捨てられない
いなくなった父親
猫,拾ったことある?
風俗街を通り抜け
境遇を受け入れる
(2) 悩める学校
保健室の新たな役割
学級崩壊と教員のバーンアウト
部活指導の悩み
部活って,やめちゃいけないの?
学校指導のカラ回り
遅刻模様さまざま
家庭との連携
(3) 社会の教育力不足
おとなしい男の子
子どもへの虐待
ネットの弊害
「子どもが分からない」
ターゲットにされる子どもたち
第3章 脅かされる性と生
(1) おとなと子どもの境界線はどこに?
渋谷へ向かう少女たち
「少女イメージ」の呪縛
「どこでもドア」から侵入する男
性犯罪の被害者に
スクール・セクハラ
自傷行為が知らせるもの
酒の力を借りて
忍び寄る薬物
(2) 性教育のネグレクト
性の学習権
子どもを守るための法整備
「おとなは教えてくれない」
メディア・リテラシー教育
2次性徴の早期化
性感染症・エイズの広がり
10代の妊娠
恋愛を語れるおとなに
第4章 子どもたちとの創造
(1) 子どもの力
僕の家も,いろいろあるさ
憂鬱な夏休み
男と女の友情
体育祭って最高!
(2) 子どもたちから学ぶ
会話のレッスン
難病をカミングアウトする
生き方の模索
(3) 子どもたちとの創造
仲間に伝える「ピア・エデュケーション」
自己肯定感を高める
保健室は拠り所
ヤンママたちの素顔
第5章 すべての子を主人公に
(1) 子どもと創る保健室
受容する
エネルギーの充電
子どものことを詮索しない
できなくて当たり前
最後は自分の力で
(2) 素敵なロールモデルに
親に向き合い,親に寄り添う
育てることは待つこと
子どもたちのサポーター
思春期のステージ
あとがき
思春期は、「誘惑」という雑菌の中を生きていく。迷路にふみ迷う子を引き戻す力は何か。親の役割、家庭の役割を人間教育の視点からみつめる。
人種、民族、ジェンダー、階級、宗教、セクシュアリティ、さまざまな背景をもつ現代の若者とヤングアダルト文学の主人公たち。そのあり方をポスト構造主義理論で読み解く。
あなたは、自信がありますか?この問いに、いったいどれくらいの人がYESと答えられるだろう?われわれは、なぜ自信を喪失してしまったのか?不安な気持ちは、子どもだって同じこと。長年、大学教育に携わってきた著者が、4カ国、4千人の中学3年生のホンネを徹底調査。「ウザイ」「関係ないじゃん」「別にー」…子どもたちの言葉の裏には、さまざまな思いが隠されている。次代をになう彼らが、押しつぶされる前に、学校で、家庭で、社会でわたしたちができることを提言する。
「うちの子は背が低い」、「太ってきた」と感じ始めたときが大事。身長や体重は、子どもの成長や健康について多くのことを語っている。幼稚園に入る前から思春期前まで育ちざかりの子どもを持つお母さん、お父さんの必読書。
背が低い、太っている、おねしょが治らない、思春期が早く来たなど、ほかの育児書ではくわしくふれない成長に関する心配ごとについて、わかりやすく解説。お子さんの成長ぐあいをチェックできる付録(最新版の成長曲線)もついている。
双子の姉妹であり小児科医とカウンセラーである著者が子育ての確かな「知識」をガイドする。
女性に圧倒的に多い思春期やせ症。発症のきっかけはさまざまだが、この「病い」の共通項として女性という性への疑念、嫌悪、拒絶がみられるのではないか-。自らの「病い」を見すえ、立ち直った人、あるいは「病い」とつき合っている人の言葉を中心に、この「病気」を治療するとはどういうことか、なぜこの「病い」が存在するのかを、女性の感性でさぐる。
子育てがキラクになる!親たちの悩みに臨床心理学の第一人者がやさしく答える。キーワードは「こころ」。
教育界の“驚異”といわれる、めざましい成果と称賛に輝く“生命の教育”。その第一人者が50年の実績をふまえて育児から大学受験、思春期の悩みなど教育問題万般の82の質問にズバリ答える。