やりたいことなんてないけれど、何かやるなら日本で一番になりたいそんな青年が見つけた「自分の仕事」は、チョコレート屋だった。一度食べたら忘れられない「あの六角形のチョコレート」はこうして作られた!出会い・開業・暗黒時代・これからのことーウシオチョコラトルの全てをエッセイと仲間とのおしゃべりで語り尽くす。
写真家、そして作家、画家、書道家として、時代と向き合い続ける藤原新也。半世紀の旅の果てに何を思うか。全文書き下ろし。
直葬・墓じまい・孤立死・無縁社会などのニュースが流れ、伝統的な死者儀礼の衰退・崩壊が喧伝される現在。眼前で勃興し、一方で消滅しつつある、これら死者儀礼の実態・制度・観念を取り上げ、歴史的把握を試みる。
「お話を聞かせてください」と人に請われるまま、いくつか話したが、どれもみな何の変哲もない、ものの道理である。魯迅をはじめとする家族の思い出、紹興、南京、北京などの生活諸相、日本の衣食住や日露戦争前後の文化史的考察、科挙や北京大学での研究にまつわるエピソード、世界文学や日本文学との関わりなど、深い洞察に裏打ちされた香気あふれる散文集。
仕事で落ち込んでいたOLの若葉は、ある夜いつも通る坂道で見慣れない小料理屋を見つける。あやしくも優しい赤提灯の光に誘われ戸を開けると、そこには不思議な雰囲気のイケメン店主・千歳と謎のモフモフ子狐がー!?千歳曰く、ここは珍妙なあやかしが集まる店らしい。しかもその子狐はどうやら若葉に取り憑いているようで…。混乱する若葉だが、疲れた心に染みわたる千歳の美味しい料理と、愛くるしい子狐の虜になってしまいー?ほっこり美味な神様印のあやかし飯屋、今宵も開店!
猛吹雪のなか、往診に向かった先で診た患者とその家族とのやり取りを描く「田舎医者」。人気凋落の断食芸を続ける男、「断食芸人」。奇妙な機械で死刑が執行されている島を舞台にした「流刑地で」など、カフカが生前に発表した8編を収録。「歌姫ヨゼフィーネ、またはハツカネズミ族」も収録。
アメリカ公使館員として訪れたアルハンブラ宮殿の美しさに魅了された作家アーヴィングが、かつての住人、ムーアの王族の栄光と悲嘆の歴史に彩られた宮殿に纏わる伝承と、スケッチ風の紀行をもとに紡いだ歴史ロマン。異国情緒あふれる物語世界は、発表以来、ヨーロッパに一大ブームを巻き起こした。
セント・メアリ・ミード村の牧師館で治安判事が殺された。被害者は厳しい性格で恨みをもつ人間は多いが、殺すまでとなると…。とはいえ村は謎めいた婦人やスキャンダラスな噂のある画家など、怪しげな人物に事欠かない。難航する捜査をよそに、牧師館の隣人の穿鑿好きな老婦人が、好奇心と人間観察で事件を解決に導く。クリスティの二大探偵のひとりミス・マープル初登場作。