本書は、微分幾何学においてここ10年来に大きな発展があり、さらに今後いっそう進展が期待されるテーマを取り上げ、微分幾何学の最先端で、いま何が注目されているのか?そして、今後の研究の方向はどうなるのか?等を含め、第一線で活躍するその分野の専門家によるサーベイをまとめたものである。研究者が、自身の研究テーマから離れたところでは最近どのような研究がなされているかを知るための、また、大学院生が、どんなところにおもしろい話題があり、そしてこれからの研究テーマを探すための書として、非常に有益である。
E・O.ウィルソンはじめ、著名生物学者23人へのインタビューで、21世紀最も重要となる思想の本質に迫る。
経営・市場戦略、人的資源等に加えてマクロ経済の視点や公的規制、環境問題を視野に、起業、事業創造にとっての多様なアプローチをソーシャルキャピタルに関連づけて検討。
動物の分類に関する30のテーマを、図を豊富に用いて、わかりやすく解説。動物がどのように分類され、学名が付けられるのかを、具体的な事例をまじえ興味深く記述。講末にTea Timeを設けて、テーマに関するさまざまなトピックスを紹介。
グローバリゼーション=市場経済の広範な広がりは、福祉国家の再編、州・地方財政にどのような影響を及ぼしているか。アメリカ的分権性復活の視点から分析する。
現代のアメリカ外交の展開を、冷戦史をふまえて体系的に解説する。ヨーロッパ、中東、中国、台湾、朝鮮半島に対するアメリカ外交を分析し、激変する21世紀の国際政治、国際関係を読み解く。
群自体を幾何学的対象として捉え直すことにより群と空間の関係が明確になったのは、1980年代のグロモフの理論においてであった。本書では、このグロモフによる幾何学的群論の精神を要として、幾何学的対象として現れる無限群に関する理論を解説する。そこで柱となるのは、双曲的群、オートマティック群、クライン群の理論である。
ランダムな変異という材料を自然選択のふるいにかけるだけで、生物たちの見事な形態と機能が都合のいいスピードで進化できるのか?複雑で精巧な組織は、なぜ未完成の段階で淘汰されずに進化できたのか?ダーウィン進化論の最大の弱点とされてきた謎が、進化発生学という新領域で解き明かされようとしている。この新理論では、遺伝子の単なる「乗り物」にさえたとえられた生物の血肉の部分が、進化に道をつける主役に据えられる。しかも、生物の複雑さを還元主義的に解体して遺伝子に行き着くのとはまったく別の方向に、進化のメカニズムを探るべき広大な地平が開かれていることに、読者は目を瞠るだろう。本書の理論は「弱い連係」「探索的挙動」「拘束とひきかえの拘束解除」といった、生物を形づくる複雑なネットワークが生み出す性質に支えられている。複雑さそれ自体が、一見都合のいい進化に本質的な役割を果たしているのだ。本書は新しい進化観を展望する山頂へと、ふもとから一歩一歩、着実に読者を導いていく。このめざましい進化観の変革を見逃す手はない。生物系のモジュール化とパターン化の基礎となるプロセスが、進化史のなかで保存され変化しないという議論や、その拘束が表現型の拘束を解除するという見解は、生物学の幅広い領域を刺激するだろう。
農地ができると「害虫」が生まれる。人類は、農耕生活を開始して以来、さまざまな害虫の被害に悩まされてきた。その防除を目指して、農薬をはじめとしてさまざまな手法が用いられてきた。しかし、「殺虫剤の逆理」という言葉に示されるように、単に「駆除」を目指したのでは、農業生態系を構成する生物群集の多様な機能を損なうだけで、害虫による被害を抑えることは難しい。生態学の最近の研究成果に基づき、生物間に働く多様な相互作用を利用した害虫管理によって農作物への被害を経済的に許容できるところまで抑制する道を探り、その基礎とその方向性を示す。
構造改革論と景気対策論には、「市場対国家」という思考枠組みの強い影響がある。本書は「市場対国家」という思考枠組みを乗り越え、議論の焦点をコーディネーションという制度的調整に当てる。そして日本経済の再生にとって有効な制度改革の方向として、社会単位のコーディネーションの強化という方向を提示する。
環境保全・自然再生の切札!善意に頼った環境保全運動だけでは行きづまりつつある今日従来の枠を大きく超えたスタイルで、世界各地で自然保護に取り組む人々をピューリッツァー賞作家らが鮮やかな筆致で描き出す。「自然の恵み」を経済に組み込む新しい試み。
会社はなぜ存在するのか。そして、どのようになっていくのか。オックスフォード大学クラレンドン講義に基づいた著者最新の研究成果が、企業理論の新たな地平を切り開く。
新進気鋭の若手生態学者が考える生態学の体系をシリーズ化。森林生態学をめぐる膨大な知識をコンパクトに体系化。学生だけでなくプロの研究者も必読の一冊。
わが国の認知症医学を40年以上にわたってリードしてきた著者が、医療の世界だけではなく社会総体が取り組まなければならない「高齢社会と認知症」の問題を真正面から見据え、社会学的・歴史的視点からの考察もまじえて展開する珠玉の認知症論。
本書は製品の生産・販売、各種サービスの提供などの企業活動を促進する財務活動を念頭に置いて、財務に関する意思決定問題を体系的に学び、考えるための入門書である。そのため、本書は、コーポレート・ファイナンスを初めて学ぶ方たちが、理論の基礎となっている知識から始めて、中級、さらには先端的な話題に取り組む基盤を提供している。