香港・マカオに別れを告げてバンコクへと飛んだものの、どこをどう歩いても、バンコクの街も人々も、なぜか自分の中に響いてこない。“私”は香港で感じたあの熱気を期待しながら、鉄道でマレー半島を南下し、一路シンガポールへと向かった。途中、ペナンで娼婦の館に滞在し、女たちの屈託のない陽気さに巻き込まれたり、シンガポールの街をぶらつくうちに“私”はやっと気がつくのだったー。
インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行ってみたいー。ある日そう思い立った26歳の“私”は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。途中立ち寄った香港では、街の熱気に酔い痴れて、思わぬ長居をしてしまう。マカオでは、「大小」というサイコロ博奕に魅せられ、あわや…。一年以上にわたるユーラシア放浪の旅が今、幕を開けた。いざ、遠路二万キロ彼方のロンドンへ!
代表曲「深夜高速」誕生の日々や、結成からメジャーデビューまでを綴ったフラカン版「スタンド・バイ・ミー」などの長篇書き下ろしエッセイに加え、なで肩男子の苦悩など、傑作コラムを収録!
人里離れた荒野に建つ巨大な屋敷が、一夜にして忽然と消失するという不可解極まる謎と名探偵エラリーによる解明を鮮烈に描き、クイーンの中短編でも随一の傑作と評される名品「神の灯」を巻頭に掲げた、巨匠の第二短編集。そのほかにも野球、競馬、ボクシング、アメリカンフットボールが題材のスポーツ連作など、これぞ本格ミステリ!と読者をうならせる逸品ぞろいの全9編収録。
その昔、地上を跋扈していたという古代生物は絶滅したのか?アマゾン流域で死んだアメリカ人の遺品から、奇妙な生物の描かれたスケッチブックが発見された。人類が見ぬ地を踏んだ唯一の男が遭遇したのは有史前の生物だったのではないか。英国にその名をとどろかすチャレンジャー教授は、調査隊を率いて勇躍アマゾン探険におもむいた。SFとミステリの巨匠が描く不朽の名作!初出誌“ストランド・マガシン”掲載の挿絵を復刻。
授業の終わりの練習問題から、単元末・学期末の復習まで70の問題で数式・図形・関数を楽しくブラッシュアップ!コピーして使える。
異教信仰の研究者が自らの計画のために歳の離れた従兄弟の少年を引き取る「消えた心臓」。スウェーデンのある地方で発見した古文書のなかに記された“黒の巡礼”から戻った人物の来歴を探る「マグヌス伯爵」など9篇を収録。「英国が生んだ最高の怪談作家」ジェイムズの傑作短篇集。
世界各地を旅したミュンヒハウゼン男爵は、いかなる奇策で猛獣を退治し、敵軍に打撃を与え、英雄的な活躍をするに至ったのか。そして海中、地底、月世界をも股に掛ける冒険はいかに成し遂げられたのか。奇妙だが真実の体験が、彼自身の口から語られる!有名なドレの挿画も全点収録。
平安時代の僧・元三大師良源は、鬼の姿となり疫病を退散させたという。「角大師」としての姿がお札に描かれ、今も信仰の対象となっている。
おれたちはファミリーだ。ソーシャルディスタンス宣言!孤高の格闘家がたどり着いた答え。必要なのは安易なつながりじゃない。自分に都合のいい「距離」だ。三浦崇宏(GO代表)鬼澤信之(杏クリニック理事長)「青木ファミリー鼎談」収録。
会社社長が何者かに毒殺された。遺体のポケットにはなぜかライ麦が。それは、恐るべき連続見立て殺人の端緒だった。さらに社長宅のメイドが洗濯ばさみで鼻をつままれた絞殺死体で発見される。彼女を知るミス・マープルは義憤に駆られ、犯人探しに乗り出す!新訳で贈る、マザー・グースに材を取った中期の傑作。
風に吹かれ、水に流され、偶然に身をゆだねる旅。そうやって“私”はマレー半島を経て、やっとインドに辿り着いた。カルカッタでは路上で突然物乞いに足首をつかまれ、ブッダガヤでは最下層の子供たちとの共同生活を体験した。ベナレスでは街中で日々演じられる生と死のドラマを眺め続けた。そんな日々を過ごすうちに、“私”は自分の中の何かから一つ、また一つと自由になっていくのだった。文字拡大増補新版。「あの旅をめぐるエッセイ」を新たに収録。
自宅の裏庭につづく牧草地の一角に石灰をまき、家族の協力を得ながら土を掘り返しての観察と実験を重ねること40年。ミミズの働きと習性について生涯をかけて研究したダーウィン最後の著作。『種の起源』で提唱したみずからの理論を下支えする存在、それがミミズだった。
密かに互いを思うウィル・ラディスローとドロシアだが、カソーボンの死にまつわる醜聞がきっかけで、仲を引き裂かれることに。ウィルは出立を前にバルストロードから驚くべき秘密を聞かされる。また、価値観の違いと借金によりリドゲイトとロザモンドの夫婦の間にも影が射す。(全4巻)
混迷の深まる現代に、何らかの指針を求めつつ、現実世界をひたむきに生きる人々にとって、文学は「即効性のない教養」として、魅力的、かつ有用な存在ではないだろうか。登場人物も作者も、じつは私たちと同じような世界に生きていた「隣人」。とはいえ、古典文学は、なぜかいまだに敷居の高いジャンルと思われていることも事実だ。新訳シリーズとして人気の「光文社古典新訳文庫」を立ち上げた駒井稔が、その道の専門家である翻訳者たち十四人に、初歩的なことから果敢に話を聞いた。肩の力を抜いて扉を開け、名翻訳者たちの語りを聞くうちに、しだいに奥深くまで分け入っていく…。紀伊國屋書店新宿本店で続く大人気イベントを書籍化。イベントのもっとも刺激的で濃厚な部分を再現する。