私はここ15年余り、東歌の研究のため、その故地の実地踏査がてらその歌所の写真を撮り歩いてきた。ここになった写真譜「東国の万葉」は、これを基にして一般向けのわかりやすい解説書・案内書として編んでみた。
著者はここ二十数年来、法政大学沖縄文化研究所にかかわり、別の大学では永年、沖縄史を講じた。その間、南西諸島の各地を踏査し、また台湾や中国・東南アジアの各地を訪ねた。ここに収めた論稿は、その踏査報告の一端である。ただし、ここでは島々で口づてに語られている説話と、その説話を伝承させた各島の集落社会を紹介することに主眼をおいている。冒頭に、かつて筆者が二年ほど居住したことのあるシマの民俗誌を掲げ、琉球諸島の基本的な村落構造や信仰体系などの一事例を示している。
激動の昭和史に大きな足跡をのこした高見順(1907〜1965)の文学の精髄を半世紀にわたって自らの精神形成の糧として生きてきた著者が、高見順の全仕事から市井の一読者の眼で小説84編を中心に評論・詩集・日記など全96編を自選し、さまざまな視点から明快に解説し、高見文学の世界の魅力と本質に鋭く迫った異色の作品論。
心底を弾琵琶の海;毒薬は箱入の命;内儀の利発は替た姿;思ひ入吹女尺八;身体破る落書の團;命とらるゝ人魚の海〔ほか〕
21世紀に求められる認知文論。コンピュータによる認知実験の成果、日本人と留学生の構文の違い、文を科学的に解き明かす。
『こゝろ』の「迷宮」を尋ねる“読み”の冒険。漱石みずから「人間の心を捕へ得たる」と語った作品世界に向き合うとき、問われるのはむしろ私たち読者自身の「心」ではないのか…。永遠のメッセージを問い返す迫熱の『こゝろ』論26編を収録。
こんな夜更にどこから来た猫なんだろう…。新疆など中国西部の世界を舞台にし、人々の生存、人と自然の抗争を描写する。野性的魅力に溢れる小説群。
時代を知ることは自己を知ること我々にとって万葉の時代とは、どのような現代的意味を持っているのか。
この論文は、日本漢字音の研究資料として今まであまり用いられることのなかったチベット資料を主たる資料とし、それによって唐代の中国語音韻体系を明らかにし、その知見に基づき、日本的漢音呉音の実態を解明する点に主眼を置く。