従来の音声学の概説書では、強勢、声調、音調、リズムの面における扱いの不備が目立つので、その整理に意を注いだ。さらに、音声の分類に首尾一貫性をもたせ、図版を大量に掲示して理解を深めるように努めた。また、最近の言語学習の実情から、日本語、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ロシア語、中国語の語例を数多くあげて、これら言語の音声実態を明らかにした。
幾世紀にもわたって行われてきた通訳という営みは、20世紀に入りようやく専門職として登場し、最近になって独自の学術研究対象となるに至った。本書によって、学生も研究者も現役通訳者も「通訳学」という急速に発展している分野に導かれる。
通訳分野の中心的存在であるポェヒハッカーによって書かれたこの『通訳学入門』は、国際会議通訳からコミュニティ通訳、音声通訳から手話通訳まで多彩な通訳形態を網羅している。
本書はまず通訳分野の進展を扱い、影響のあった概念、モデル、方法論的アプローチを検討する。その上で、通訳に関する主要研究分野を提示し、通訳学における現在から将来への流れを確認する。
各章に要点が提示され、さらなる研究へのアドバイスも付されたこの本は、実用的で使いやすい教科書であり、今後さらに発展していく通訳学という重要な分野の、最も信頼できる地図である。
「『通訳学入門』は通訳研究全般への最高レベルの入門書である。信頼できる情報が明晰かつ読者を引きつける文体で書かれている。通訳教育者や研究者には必読の書であり、現代世界における異言語間、異文化間のコミュニケーションに関心のある誰にとっても価値のある書である」
ーーマイケル・クローニン
謝辞
凡例
『通訳学入門』への入門
第I部 基礎編
第1章 通訳という概念
1.1 概念的なルーツ
1.2 通訳の定義
1.3 通訳が行われる場と通訳の種類
1.4 類型化へのパラメータ
1.5 通訳研究の領域と諸相
第2章 通訳学の発展
2.1 社会的な職業としての基盤
2.2 新たな地平の開拓:通訳者と心理学者
2.3 学術的な基盤を形成する
2.4 再生と新たな出発
2.5 通訳学の確立と統合
2.6 21世紀の通訳学
第3章 アプローチ
3.1 学問分野的な視座
3.2 通訳のミーム
3.3 方法論
第4章 パラダイム
4.1 「パラダイム」という考え
4.2 パラダイムを構築する
4.3 通訳を実験する
4.4 科学を希求する
4.5 視座を拡げる
4.6 相互行為への焦点化
4.7 多様性の中の統一
第5章 モデル
5.1 モデル構築について
5.2 社会・職業的モデルと制度的モデル
5.3 相互行為モデル
5.4 プロセス・モデル
5.5 モデル、検証、応用
第II部 研究
第6章 プロセス
6.1 バイリンガリズム(二言語併用)
6.2 同時性
6.3 理解
6.4 記憶
6.5 言語産出
6.6 入力変数
6.7 方略
第7章 訳出物と訳出行為
7.1 ディスコース
7.2 起点ー目標の対応
7.3 効果
7.4 役割
7.5 質
第8章 専門職としての実践
8.1 歴史
8.2 通訳の場
8.3 基準
8.4 能力
8.5 テクノロジー
8.6 エコロジー
8.7 社会学
第9章 教育方法
9.1 カリキュラム
9.2 選抜
9.3 指導
9.4 評価
9.5 メタ・レベル訓練
第III部 方向性
第10章 指針
10.1 動向
10.2 展望
10.3 通訳学へのオリエンテーション
監訳者あとがき
参考文献
インターネット・リンク
事項索引
欧文人名索引
欧文組織名索引
本書は、チョムスキーの生成文法を念頭に、この理論にとって重要な意味的概念や現象を解説することを意図した意味論の入門書である。本書で主に取り上げるのは、述語と項の意味関係を主として捉える語彙意味論に関するもの(第2章)、統語論の論理形式の研究にとって必要不可欠な論理概念に関するもの(第3章)、文の焦点と前提に関するもの(第4章)、そして、話者の視点を表す「エンパシー」に関するもの(第5章)である。
心理学・認知言語学において重要な研究テーマの1つである「比喩」について、哲学、心理学、言語学、人類学など諸分野の研究を検討し、文学作品を含むさまざまな具体例を豊富に挙げながら、どのように人間の認知と関わってくるかを検証した包括的な解説書。メタファー、メトニミー、アイロニー、イディオムのほか、子供のメタファー理解なども取り上げている。著者はメタファーの心理学・認知言語学的研究における現代の第一人者であり、本書はその研究の集大成として、論文などに引用される頻度も高い。
日英両語習得の工夫と成功のポイント、バイリンガルであることのプラス・マイナス。
コミュニケーション学の入門書として、コミュニケーション学に関する基礎を扱うと共に、最近の研究の動向なども踏まえながら、コミュニケーションと文化の関係について様々な角度から概観する。
おもなテーマ(内容)は、コミュニケーションの基礎概念、非言語コミュニケーションと言語コミュニケーション、異文化と価値観、コミュニケーションと多文化共生、外国人労働者、日本的経営・雇用、文化を長期記憶と考える、などである。
1.はじめにーコミュニケーションの基礎概念 2.非言語コミュニケーション(1)-非言語メッセージの役割:見た目は何を伝えているのか 3.非言語コミュニケーション(2)-真実を伝える体の動き 4.非言語コミュニケーション(3)-空間・時間・においのメッセージ 5.言語コミュニケーション(1)-表現形としての言語 6.言語コミュニケーション(2)-言語によるコミュニケーション 7.異文化と価値観 8.コミュニケーションと多文化共生 9.外国人労働者 10.労働市場と外国人労働者 11.日本的経営・雇用 12.文化をスキーマと考える 13.文化を長期記憶と考える 14.文化長期記憶としての情動 15.コミュニケーションの学びーまとめに代えて
忘れられた専門誌『季刊翻訳』の驚くべき革新性、次いで『翻訳の世界』がポストモダンの思想界に放ったインターカルチュラルな輝き。それは今日トランスレーション・スタディーズと呼ばれる新しい学問が、欧州とりわけ英国で誕生し展開したのと同時期のこと。共振するかのように日本で芽吹いた翻訳への学問的関心は、しかしどうしていまだ開花せず、翻訳学2000年誕生
説の影に隠れたのか。二誌の翻訳言説を追い、さらに『翻訳の世界』にかかわった翻訳家と編集者9人(辻由美、鴻巣友季子、伊藤比呂美、西成彦、井上健、管啓次郎、沼野充義、丸山哲郎、今野哲男)にインタビュー。埋ずもれた知的地層を掘りあて、学際的学問の風通しのよい未来を展望する。
はじめに
第一章 英国におけるトランスレーション・スタディーズの誕生
背景
展開
言語
まとめ
第二章 『季刊翻訳』『翻訳の世界』の時代と翻訳言説
1 『季刊翻訳』1973-75
研究誌の誕生
等価/文化翻訳と誤訳/原典と翻訳への態度/誤訳の指摘/読者論/「研究室めぐり」/『季刊翻訳』の中の翻訳論
まとめ
2 『月刊 翻訳の世界』『翻訳の世界』1976-
『翻訳の世界』創刊
文化翻訳
翻訳論とその定義
誤訳の指摘と「欠陥翻訳時評」
翻訳専門学校と『季刊翻訳』、通信教育と『翻訳の世界』
まとめ
3 『翻訳の世界』の1980年代
新星『翻訳の世界』
翻訳者の解釈/翻訳権の問題/翻訳の多様性/翻訳を論じるための基準/言語と社会/文化翻訳/メディア翻訳、ジャーナリズム翻訳/漫画とコミック/アジアと翻訳
翻訳理論と翻訳批評
マイノリティ
人物
ダニエル・ジル/カズオ・イシグロ/村上春樹/伊藤比呂美/沼野充義「言語街道交差点」
まとめ
4 『翻訳の世界』の1990年代
イデオロギーと翻訳
翻訳論
女性のための『翻訳の世界』へ
まとめ
第三章 『翻訳の世界』にかかわった人々の言葉からーーインタビュー
辻由美
鴻巣友季子
伊藤比呂美
西成彦
井上健
管啓次郎
沼野充義
丸山哲郎
今野哲男
まとめ
第四章 「トランスレーション・スタディーズ」の誕生?
第五章 現代日本における学問としての翻訳の混迷
おわりにーー未来図
注
後記
参考文献
索引
◎「怒る人」は小さく見える!
感情的にならずにすむ話し方のコツを伝授!
職場や家庭、友人との付き合いで、つい怒りを爆発させて
人間関係にヒビが入った経験、ありませんか?
自分の感情を静めて、相手と穏やかに話す方法をお伝えします!
・「私ならこうするのに」と思い込まない
・「私の間違いでした」は素直に言おう
・「ありがとう」は相手を信じるいい言葉だ
・「できるだけゆっくり話す」を心がけて
話し方の工夫ひとつで、好感度が上がる!
人間関係がうまくいく!
口下手のままでは一生の損。プレゼン、商談、会議、講演、冠婚葬祭…「なるほど」と思わせる話には秘密がある。声の出し方、話題のあげ方、アピールの仕方、無関心な相手を引き込む方法など、聞き手の心をがっちりつかむテクニック。
会話も「後出し」すれば、絶対うまくいく!
コミュニケーションに悩む人は非常に多く、ビジネスや恋愛における「会話の作法」を書いた本は、毎年ベストセラーになっています。
でも「頑張って」話そうとすればするほど、話が変に途切れたり、空回りしてしまったことはありませんか?
そもそも、自分を「人見知り」と思っている人が多い日本人は、積極的に話しかけ、会話を主導するのが苦手。なのに多くの指南書では、「自分から話しかける」ことを前提とした会話法が紹介されています。
この本は、「自分から話さなくていい」「人見知りなら受け身に徹しろ」と、これまでの常識を覆す「会話本」です。むしろ、積極的にグイグイ押していく会話は逆効果、とまで言い切っています。
後出しジャンケンは、ズルですが、間違いなく勝てます。会話も、受け身に徹した会話、つまり“後出し”こそが必勝法だと、著者は多彩な心理学的データをもとに解説します。
「後出し会話術」は、相手に、いかに気持ちよく話させるかがポイント。
7:3で相手にしゃべらせる、相槌の正しい打ち方、聞くときの姿勢、「ああ言えば、こう言え」という実践的な「後出しフレーズ」など、具体的なテクニックも満載です。
【編集担当からのおすすめ情報】
一般的に自己主張の強さが尊ばれるアメリカにおいてでさえ、自分からグイグイ主張するタイプより、相手に合わせて対応するタイプのほうが平均年収が高く好まれるという研究結果があるそうです。
まして、謙遜が尊ばれる日本においては前に出るタイプは、好まれません。
自分を「人見知り」と思っている人こそ、実は「後出し会話術」には向いています。ちょっとしたコツさえつかめば、すぐに会話への苦手意識は消えるはずです。
第1章 後出しにはメリットしかない
第2章 人の話をきちんと聴くスキルを磨こう
第3章 後出し会話の基本テクニック
第4章 さらに会話上手になるために必要な心理知識
第5章 身体を使って会話をスムーズにするコツ
第6章 会話上手が、共通してやっている会話の心構え
仕事や、結婚式でのお祝い、その他イベント等での定番スピーチ・あいさつのコツや実例をまとめたオールインワンの一冊。
豊富な場面を網羅しているので、スピーチする状況に合わせて応用できます。
使える言葉、気を付けたい言葉もやさしくフォロー。
これで信頼に確実に応えられるスピーチができます!
外国人が日本語であいさつしてくれると
日本人はうれしいですね。
ですから、私たちもせめてあいさつだけは各国語でしてみましょう!
声が変わると仕事がうまくいきます。
声質をトレーニングして説得力のある声にしたり、息継ぎや強弱のポイントを覚えて、滑舌を一瞬でよくしたり、良質な声はちょっとしたコツをマスターするだけで手に入れられます。
本書は人気ボイストレーナーの著者が、そんなコツを伝授しつつ、ビジネスパーソンの「声の悩み」を解決する一冊です。
営業トークがうまくなりたい、部下からの信頼を得たい、魅力ある声を手に入れたい、そんな悩みを抱えているなら、ぜひご一読ください。
今日からあなたの声は変わります!
日常会話から出発して、言語教育、合意形成などの社会現象へと進む「意味づけ論」のさらなる展開。
冠婚葬祭から朝礼のスピーチまで、どんな話をどうするか、すぐわかる。