姑、夫、子供、恋人、親、そして自分自身。女はいつも身動き出来ないものにまわりを縛られている。昼と夜、時間によって、性格も顔も変わってしまう。女は誰でも犯罪と紙一重のところで生きている。追い詰められた女達が、恐怖から殺人の一線を乗越えてしまう“魔の瞬間”を克明に描いてノンフィクションに新境地を拓く。解説・柳田邦男
1974年、エチオピア革命。約半世紀にわたって君臨した皇帝が廃位されると、著者たちは現地へ飛び、隠れ暮らす宮廷の元召使たちにインタビューを重ねる。ドア番、足台係、皇帝の愛犬の小便係、忠臣の財布運び係…。彼らの素朴な言葉から、他人を誰も信用せず、自ら張りめぐらした諜報網の中、ひたすら権力に執着した独裁者の素顔が、浮き彫りにされてゆく。3000年の飢餓と貧困の上に立った独裁から革命への日々をよみがえらせる戦慄のドキュメント。
無機質、適度に虚無的、上司へ仕えること厚く、下吏には冷酷な官僚感覚の具備者崇伝は、徳川幕府の頂点にまで登りつめる。片や沢庵は、同じ臨済僧ながら出自の点で大きな隔たりがあり、つねに貧窮にまみれ、修行僧の色彩を年ごとに濃厚にしていく。かの有名な“紫衣事件”で両者の対立感情は極点に達する。
メルヒェン〜昔話〜は、小さな子どもたちのためだけにあるのではありません。現代の私たちにも、潤いや安らぎを与え、人間についての理解を助けてくれます。著者の半生にわたるメルヒェン語りの経験を書き綴ったこの本は、メルヒェンを肉声で語り、また聞くことの大切さを、私たちに訴えます。
「冬は暖く」の工夫。しみじみと心通う、もてなしの知恵。炉の季節、清新閑雅な趣を楽しむ心。忙中にもつ心のゆとり。伝えたい。「お茶の心」に学ぶ、創意工夫の生活作法。
今日1日を生きる歓びを啓示する言葉、明日を迎える勇気を与える言陽、悲る言葉、悲心を慰める言葉、絶望の淵で人を救う言葉-悠久の中国4千年の歴史がはぐくんだ人生の知恵は、時代・国境を超えて人々の心に甦る。かたり継がれた貴重な金言から、日常の生活にかかわる150句を精選。故事来歴から説き起し現代人に適した解説を加えた座右の宝!ロングセラー『中国故事物語』の姉妹篇。
牛乳、卵、大豆、そして米も小麦までも制限して、アトピー性皮膚炎の二人の息子と共に厳しい食物除去療法をつづける生活の記録。医療の力や同じアレルギー児をもつ親同士の力に支えられ、治療にまい進する中で、人間にとっての食べものの本当の姿が、大地に根をおろした食べもの本来のあり方がみえてきた。
映画会社の試写室で青春時代の郷愁に浸り、雨の午後の珈琲屋で過ぎ去った日の流行歌を語る。ペルシアの古都イスファハンで文明の盛衰を想い、北海道の炭坑町で時代の移り変わりを見つめる。-軽快なフットワークと軽妙な語り口で〈流されゆく日々〉を鮮やかに照らし出す、好評のシリーズ第二弾。
バロック音楽から東西文明論へ、雪のニューヨークからスペイン内戦へ、とぎれることなく話題は展開する。過去を、現在を、そして未来を語りつつ、移ろいゆく1970年代に別れを告げる。-軽快なフットワークと軽妙な語り口で〈流れゆく日々〉を鮮やかに照らし出す、いよいよ快調のシリーズ第4弾。
戦後の大部分にわたって書き続けられた好個の随筆集。国民生活、世相、社会・政治の動向が走馬灯のように展開する。
不安の中に身を潜めていても何の解決にもならない!自分の能力、健康、会社の将来…と、現代のビジネスマンは様々な不安に取り囲まれている。問題はそれをどう乗り越えて、自分の人生を切り拓いていくかである。本書では、不安の原因を総ざらいし、様々な角度からその解決策を探る。不安に直面している人だけでなく、より楽しく充実した日々を送りたいと願う人々の指針にもなる現代ビジネスマン必読の書。
本書はモスクワの「プラネータ」出版社が収集した写真資料を、独自に編集したものである。これらの作品群の特徴としては、年代的にいわゆるダゲレオタイプ(銀版写真)が実用化された1840年代から1917年の10月革命前までのおよそ70年間にわたっていること、撮影された対象としては上は皇帝から下は社会の底辺や、さらには風景にも及んでいることの2点を挙げることができよう。