ものと言葉が重なりあったまま現れる事態の記述を通して、オッカムを現代に繋ぐ試み
ウィリアム・オッカムは14世紀イギリス生まれのフランシスコ会士。中世最大の論争である普遍論争では唯名論の立場をとったといわれる。その意味も本書を読めば自ずと明らかになる。オッカムは、神学を論じている時も論理学をベースにものをいっている。そこで本書は、オッカム論理学を解明するため、論理学の基礎に関連した2つの理論(表示と代表)と認識論(直覚知の理論)を詳細に論ずる。ものと言葉が重なりあったまま現れる事態の記述を通して、オッカムを現代に繋ぐ試みである。
序論 本書の課題と構成
第一部 現前することへ
第1章 記号
1.1 〈表示機能を帯びた音声〉から〈概念把握された項辞〉へ
1.2 文法構造から論理構造へ
1.3 規約による〈記号I〉から自然的〈記号II〉へ
1.4 〈概念=虚像〉説から〈概念=理解の働き〉説へ
第2章 代表
2.1 項辞とその代表するものとの重なり
2.2 個体代表の分類と特徴
2.3 主=述構造説と無様相現在命題
2.4 〈ものー言葉〉の重なりと唯名論
第3章 直覚知
3.1 ものの認識から語の知へ
3.2 直覚知の直接性
3.3 語を現に使う仕方としての直覚知と抽象知
3.4 事実を記述する言明と意義を決める言明
第二部 現前しないことへ
第4章 時間
4.1 予定・予知をめぐる問題の所在
4.2 時制を伴う偶然命題の真偽
4.3 現前する未来
4.4 永遠の論理と時間軸上の論理
第5章 様相
5.1 様相概念と被造世界
5.2 我々の様相ーーオッカムの様相
5.3 もの様相とこと様相
5.4 可能個体を如何にして代表できるか
5.5 個体代表可能性による表示の拡張
第6章 非存在
6.1 非実在個体の直覚知の主張
6.2 非存在言明の有意味性
6.3 明証知の説明根拠としての直覚知
6.4 基礎述定と否定命題の構造
6.5 〈あり得る〉領域の永遠性と〈あり得ない〉領域の非存在
あとがき
参照文献
索引
「コロナ禍」にあった激動の2020年度、広島大学外国語教育研究センターで行われたオンライン授業の実践報告。授業方針と成績評価、英語受容系技能、算出系技能、ドイツ語における各実践において得られた知見を1冊に。
はじめに
第1部:2020 年度の授業方針と成績評価の考え方
第1章 2020 年度広島大学語学教育オンライン授業の道のり【森田光宏・榎田一路・岩崎克己】
第2章 オンライン授業における単位修得条件と成績評価の工夫:基本的な考え方と2020 年度前期の実践例【森田光宏・天野修一】
第2部:英語受容系技能
第3章 広島大学教養教育英語科目の受容系クラスにおけるオンライン授業の概要【高橋有加・榎田一路】
第4章 コロナ禍の非同期型オンライン授業に求められる機能とその実装例【草薙邦広・阪上辰也】
第5章 非同期型オンライン授業のための音声・動画教材の作成【榎田一路】
第6章 非同期型オンライン授業における問い合わせフォームの活用【中川篤・鬼田崇作】
第7章 ログデータの利活用:基本と実践【阪上辰也・草薙邦広・榎田一路】
第3部:English Productive Skills(英語産出系技能)
Chapter 8 Using a Learning Management System for English Productive-skills Courses【Walter DAVIES, Simon FRASER, Julia TANABE】
Chapter 9 Using Zoom and M-Learning Methods for a Productive Skills Course【Jaime SELWOOD】
第4部:ドイツ語
第10章 ドイツ語の非同期型オンライン授業における教材ビデオ:その作成と受容【吉満たか子】
Kapitel 11 Erfahrungen mit dem Einsatz von Zoom im universitären Deutschunterricht in Japan【Axel HARTING】
第12章 ZoomとBb9を利用したオンライン同期型初修 ドイツ語授業の試み【岩崎克己】
多言語社会の実態はーヨーロッパも英語に飲み込まれるのか?多数の公用語を認めるEU諸機関、多国籍企業や大学教育では、実際にどんな言語が使われているのか。英語支配はどこまで進むのか。各国語成立の歴史をふまえつつ、グローバリズムにさらされる多言語社会の実態と課題を明らかにする。
構文文法では、長らく共時的アプローチが主流だったが、近年になって通時的アプローチの必要性がせつに叫ばれるようになった。本書は史的構文研究をフィールドとする筆者がこの要請に応えて概説する国内初の本格的な入門書である。本書では、構文化や構文変化といった鍵となる概念の概説に加えて、なぜ構文の分析に通時的視点が必要となるのか、構文化の類型化、構文化と文法化の関係など、近年注目を集める諸問題に筆者の視点から迫る。
序章 通時的構文研究の歩み
第1章 構文文法の考え方
1.1. CGはこう考える
1.2. 多様な構文
1.3. 構文ネットワーク
1.4. まとめ
第2章 なぜ通時的研究なのか
2.1. 脱落と融合
2.2. レリック構造
2.3. まとめ
第3章 構文化と構文変化、文法化
3.1. 言語変化
3.2. 構文化
3.3. 構文変化
3.4. 構文化/構文変化の2分法の問題点
3.5. 文法化と構文化
3.6. 構文のみの文法化
3.7. まとめ
第4章 構文化の主要なパタン
4.1. コロケーション固定型構文化
4.2. 分岐型構文化
4.3. まとめ
第5章 構文発達のダイナミズム
5.1. 構文化モデル
5.2. 構文化の射程を探る
5.3. まとめ
改めて「ことばとは?」と考えてみませんか?
大変面白い事実に遭遇すること間違いなし。
学習や仕事、社会生活に役立つ、ことばのあれこれ。
五十音図
「いろは……」はイロイロ
標準語?
大阪弁を覗いてみた
京ことば
江戸べらぼうに京どすえ
コタンの口笛
うちなーぐち
五母音を考える
カタカナ・ひらがな・漢字
毛筆から平仮名、お経から片仮名
カタカナ語の多用
「ん」は変化している
/ハヒフヘホ/の流転
サシスセソ、タチツテト再考
音を伸ばすと……
濁る? 濁らない?
コノワタはお好き?
オノマトペ
ピーチクパーチク
音の変化
「愛」は/エー/なー
音を借りる
日本語の音
漢字の生い立ち
バラとレモン
漢字熟語の分析
日本製漢字
「生」の七変化
あて字・あて読み
同義語?
多義語について
外来語のはなし
近代の翻訳語
英語と移入語
和製英語(?)について
書き言葉の変遷
言文一致
「日本」とJapan
「なまえ」を考える
「ドタキャン」は勘弁して
禁句・差別語
ことば遊び
笑いとことば
ウコンとウンコ
「駄洒落」は万葉時代から
遠回しな言い方
トイレのはなし
チャランポランなはなし
花鳥風月 山川草木 雪月花
「花」は「桜」、「梅」、どっち?
花より 団子
「一貫、一丁、一足」
おれ、おまえ、あなた、きみ
「は」「が」ゆい思い
僕はうなぎだ
「私」は透明人間
のみに行こう
「人間」v.s「自然」
非武装日本がとるべき道は、「ことば」と「情報」への新しい戦略。言語社会学の第一人者が今こそ注目すべき提言。
明治初期、当時一流の洋学者たちを総動員して進められた、文部省主導の大規模な翻訳プロジェクトがあった。英国の百科事典を70名以上に及ぶ翻訳者・校正者が協働して日本語訳し、最先端の西洋文明を紹介した全97編の出版事業は、近代日本の言語・文化・学問に何をもたらしたのか。事業の概観とともに、各分野の主要翻訳語に着目し、翻訳学の視点から初めて総合的にアプローチした画期作。
〈推薦〉柳父章氏
近代日本の精神にとって、「百科全書」は「黒船」であった。
──「黒船」が封建社会日本を極めて短期間に改編したように、文部省『百科全書』の翻訳は、未知なものを未知なままに受け入れて、「近代日本」の精神、文化をつくりあげていったのだ。 本書には、その次第が精細に描かれている。
〈推薦〉小森陽一氏
翻訳学の画期的業績としてだけでなく、日本近代史、明治思想史、社会文化史にも大きな学問的貢献。
面接、挨拶、自己紹介、スピーチ、就職活動…どんな場面でも自信をもってスイスイ話せる!シリーズ10万部ベストセラーをマンガ化!
通訳のモットーは“得其意,忘其形”(意味は汲み取り、形は忘れる) 同じ漢字を使う日本と中国だからこそ起こる誤解、文化の違いによる摩擦を、ビジネスや通訳の「現場」で遭遇した笑い話、裏話を交えて解説。おもしろくてためになる、さらには元気が涌いてくる「一読三鳥」の語学エッセイ。
「文学的形式(フォルム)を“アンガジェさせる”こと」と「サルトル的アンガージュマンをマルクス主義化すること」という二重の企図のもとに書かれた『エクリチュールの零(ゼロ)度』は、サルトルの『文学とは何か』によるブルジョワ的“文学”神話の“脱神話化”の試みを引き継ぐとともに、その人間主義的限界の乗り超えを目指した。言語体(ラング)とも文体(ステイル)とも異なる文学の第三の形式的現実としての『エクリチュール』は、はたして“文学”を解明したのか。つねに現代思想の先頭を走り続けつつ、変貌を重ねたバルトのエクリチュールの冒険のすべては、ここから始まった。
もう心配はいらない。この本に書いてある考えかた・理論・技術をマスターし実践すれば、あなたの悩みはたちどころに解消する。
長年の通訳者・通訳養成者としての経験をもとに、通訳者の訓練法および通訳者になるための勉強法を具体的に提示。
一瞬で優位に立つ必殺の一言45! どんな状況でも自在に操る巧みな「言い換え」テクニック
優位に立つ、相手の心を操る、デキると思わせる、その気にさせる、ノーと言わせない、そしてピンチを脱する……社会の厳しい目を逃れながら世の中を渡るヤクザが編み出したマル秘テクニックとは。言ったら揚げ足を取られる「NGワード」と、相手を手玉に取る「OKワード」を紹介。ヤクザから、ホスト、ホステス、政治家、トップ営業マンまで“対人関係のプロ"たちに取材してきた著者が取材ノートに書きとめた、ビジネス心理戦に絶対負けない「話し方」の極意。
【目次】
第1章 「一瞬で優位に立つ」ものの言い方
第2章 「思いどおりに人を操る」ものの言い方
第3章 「デキると思わせる」ものの言い方
第4章 「相手をその気にさせる」ものの言い方
第5章 「ノーと言わせない」ものの言い方
第6章 「ピンチを脱する」ものの言い方
なぜあの人にムカつくのか? 元凶は、その一言! 「だって」「でも」の連発、「行けたら行く」という曖昧な返事、下手な毒舌、「ごめんごめん」のリピート病、バカ丁寧な敬語乱用……職場、家庭、人間関係に潜む28の「地雷」を徹底解剖。
本書は言語学習について、フランスからカザフスタン、あるいはペルーからタンザニアと、世界中の国々を巡って考察している。これを読むことで、現在でも、また未来においても、「言語」と「文化」こそが人間性の核をなすという基本的な認識が得られるのではないか。世界中で「言語」と「文化」について人道的な対話が行われる、その端緒を本書が拓くものと思う。