“ジェンダー”と女性の“病”が交差するトポスでいま、何がおこっているのか?理論と実践、大学と現場、個人と社会はどう関わるかを真摯に問いかける気鋭の論集。行政・NPO・研究に携わる9人の報告。
労働時間と生活時間の両方を取りあげ、ミクロ統計データを含む原資料による国際比較方法を提案。不払残業労働の国際比較、同一世帯内の夫と妻の相互関係の統計的分析、等を究明。
ドメスティック・イデオロギーの支配する19世紀アメリカで、禁じられた領域に足を踏み入れ、兵士やスパイとして勇敢に戦った、南北戦争の女性たちの日記や手紙や回想記。
表象文化論の研究者と美術館の学芸員女性ふたりの往復書簡+論文集。
ロールズに代表される現代リベラリズムの諸前提ー善の構想の多元性、国家と法の中立性を批判し、フェミニストの法実践の基礎となりうる主体像を探究する。
規範としての身体から越境する身体へ。ジェンダーとポストコロニアルの視点から近現代日本の演劇テクストと身体を読み直す。
急成長する中国の都市で生活する人びとのジェンダーと高齢化の問題に焦点をあて、独自データを用いた実態分析に基づき時間地理学の枠組みで日中を比較・分析する。
「男らしさ」「女らしさ」は時代ごとに形作られて、さまざまな主張・言説の渦に巻き込まれながら変化し続けてきた。天皇家族写真から和服や男性美をめぐる論争、大正期のインターセックスの語られ方、戦時下の「ミス・ニッポン」の身体イメージなどの多様な事例から、“性”や“身体”という連続体に裂け目を入れて分離しようとする力学を浮き彫りにする。
21世紀に入って吹き荒れた日本のジェンダー・バッシング。今、あらためて「男女共同参画」=ジェンダー平等の課題を見つめ直すために。
山地に暮らす少数民族カレン。さまざまな差異がクロスする中で、彼らはどう生きてきたか-。カレンの生活実践を、女性たちに焦点を据えて丹念にたどり、差異による分断を越えた「つながり」の瞬間を、くっきりと描き出す。