自然言語における非同一指示効果には、束縛条件に起因するものと反意識主体照応制約に起因するものがある。しかし、とりわけ後者に関しては、どのような条件下で生起するかがほとんど明らかにされていない。本書は、従来、束縛条件違反として捉えられてきた非同一指示効果の中に反意識主体照応制約違反によるものがあることを示し、反意識主体照応制約の適用条件を明らかにするとともに、束縛条件の適用範囲を再考する。
「言えなかった…」「言わなきゃよかった…」がなくなる話し方50。会話のあと「よかった!」と心から思えるヒント満載。
認知科学における言語研究の基礎と流れを概観し,理論的・実証的研究の展開を解説。言語研究に考えを巡らせられる「ことばの認知科学」への誘い。〔内容〕ことばと主観性/ことばとマルチモダリティ/ことばと思考/ことばと感性/ことばと脳/ことばと知覚・情動/ことばと記憶/ことばと運動
第二言語(L2)の理解・産出を司る言語システム、およびその習得・処理のメカニズムの解明を目的とした研究に焦点をあて、根本的な問題とその解決法を示したうえ、なぜそれらの研究が必要なのかについて述べていく。新進気鋭の著者らによる熱き提言。
第1章 第二言語研究は何を目指すのか(福田純也・矢野雅貴・田村祐)
1. はじめに
2. 教育実践志向と認知的メカニズム解明志向
3. なぜ認知メカニズムの研究が必要なのか
4. 認知科学としての第二言語研究をどう進めていくか
第2章 第二言語研究の抱える根本的問題(田村祐・福田純也)
1. はじめに
2. 第二言語研究における「認知メカニズム」の扱い
3. 代表的な研究例
3.1 言語知識
3.2 言語産出
4. これまでのL2研究方略とその問題点
4.1 アリストテレス的研究方略とガリレオ的研究方略
4.2 傾性概念と理論的概念
4.3 概念と観察可能な反応の乖離
4.4 概念の無限生成と終わらない「効果」の記述
5. おわりに
第3章 第二言語研究の抱える問題点の解決法(福田純也・矢野雅貴)
1. はじめに
2. 認知システムの認識論的考察
2.1 Bhaskarの超越論的実在論と複雑系の科学
2.2 アブダクション
3. 探究の論理学に基づくL2研究の振り返りとさらなる注意点
4. 認知科学的L2研究における言語理論の役割
5. おわりに
第4章 生成文法に基づく第二言語文法研究(木村崇是)
1. はじめに
2. 生成文法の基本的な考え方
2.1 生成文法とUG
2.2 文法の構造と文の派生
3. 生成アプローチの説明範囲と目標
4. 生成文法に基づく第二言語メカニズム研究
4.1 UGによる制約
4.2 詳細な文法知識の記述と予測
4.3 中間言語とGenSLA
4.4 GenSLAにおける諸仮説と反証可能性問題
5. まとめと今後の展望
第5章 生成文法に基づく言語処理メカニズム研究(峰見一輝・矢野雅貴)
1. はじめに
2. 言語処理研究の説明対象と目標
2.1 言語処理(language processing)とは?
2.2 Marrの3つのレベル
2.3 言語学における3つのレベル
3. 生成文法に基づく言語処理研究
3.1 1960年代:派生による複雑度の理論
3.2 1970年代:知覚の方略
3.3 1980年代:透明性の仮説
3.4 2000年代:「十分よい」文解析
3.5 2010年代:手がかりに基づく想起モデル
3.6 3節のまとめ
4. 第一・第二言語における言語処理研究
4.1 前提となる文解析器の処理メカニズム
4.2 前提となる文法規則
4.3 第一言語の文解析における「島の制約」
4.4 第二言語の文解析における「島の制約」
4.5 まとめと今後の展望
終章 認知システムの解明に向けて(福田純也・矢野雅貴・田村祐)
〈翻訳不可能なものの翻訳〉をめぐる、ポストコロニアル研究を牽引してきた最前線の研究者たちによる一大総括にして、新たな出発点
2020年2月、ポストコロニアル研究の世界的思想家がニューヨークに集結。異文化の間、政治と文化の間、男女の間など、いたるところに翻訳不能なものはある。それを超えたところに翻訳は成り立つのか。人間関係の他性、理解不能性の根源を問う、日文研主催の国際会議の成果。
◎目次
序文 磯前順一、平野克弥、プラダン・ゴウランガ・チャラン
開会挨拶ーータイムズスクエアの日文研 荒木浩
総論 タラル・アサド(茢田真司訳)
○第一部 翻訳不可能なものの翻訳
第一章 翻訳不可能なものを翻訳することーーポストコロニアル研究の総括 磯前順一
第二章 言語の数え方・人類の分け方 酒井直樹(大村一真訳)
第三章 翻訳とポストコロニアル研究の遺産 ガヤトリ・チャクラヴォルティ・スピヴァク(舟橋健太訳)
第四章 神(々)を翻訳することーーポス トコロニアルという契機以後の宗教研究 ヘント・デ・ヴリース(久保田浩訳)
○第二部 東アジアにおける翻訳のポリティクス
第五章 日本酒 vs ワインーー夏目 漱石の「文化的翻訳(不)可能性」概念をめぐって プラダン・ゴウランガ・チャラン(山本昭宏訳)
第六章 セトラーコロニアルな翻訳ーー「文明化」作用とアイヌの声 平野克弥
第七章 日本の拡張主義イデオロギーを読み換えるーー戦時期の東亜聯盟運動に参加した朝鮮人 松田利彦
第八章 翻訳としての二〇世紀中国ーー中国及び空間革命における条件 汪暉(村島健司訳)
○第三部 円卓討論
ポストコロニアル翻訳論における翻訳不可能性とは何か?
酒井直樹、マリオン・エガート、ヘント・デ・ヴリース、ガヤトリ・C・スピヴァク、安井眞奈美、楠綾子、平野克弥、徐禎完、松田利彦、プラダン・ゴウランガ・チャラン、磯前順一(村島健司訳)
エピローグ 磯前順一、プラダン・ゴウランガ・チャラン
あとがきーー人文社会科学の今後に向けて 安井眞奈美
口下手のままでは一生の損。プレゼン、商談、会議、講演、冠婚葬祭…「なるほど」と思わせる話には秘密がある。声の出し方、話題のあげ方、アピールの仕方、無関心な相手を引き込む方法など、聞き手の心をがっちりつかむテクニック。
唐代と宋代の中国語音韻に関する文献目録。日本・中国・欧米など諸外国の歴代の研究や一次資料の詳細な目録。
日英両語習得の工夫と成功のポイント、バイリンガルであることのプラス・マイナス。
唐代と宋代の中国語語彙・語法に関する文献目録。日本・中国・欧米など諸外国の歴代の研究や一次資料の詳細な目録。
慣用句・常套句、忌み言葉、敬語の使い方、大人としての振る舞い、マナーなどもわかる。一般的な大人のスピーチから、手際のよい短いスピーチまで、シーン別・立場別のスピーチ113種を収載。
言葉のパワーが、あなたを変える。気になる彼を振り向かせ、人間関係をスムーズにする、自分の気持ちを上手に伝えるために大切な50のレッスン。
心理学・認知言語学において重要な研究テーマの1つである「比喩」について、哲学、心理学、言語学、人類学など諸分野の研究を検討し、文学作品を含むさまざまな具体例を豊富に挙げながら、どのように人間の認知と関わってくるかを検証した包括的な解説書。メタファー、メトニミー、アイロニー、イディオムのほか、子供のメタファー理解なども取り上げている。著者はメタファーの心理学・認知言語学的研究における現代の第一人者であり、本書はその研究の集大成として、論文などに引用される頻度も高い。
物語のテクストは、多様で自由な「読み」に開かれているのだろうか?読者に無限の解釈を許すのだろうか?記号・意味・テクストをめぐるさまざまな概念を精緻に定義し、物語のメカニズムを詳細に分析する、エーコの記号論の代表作。
冠婚葬祭から朝礼のスピーチまで、どんな話をどうするか、すぐわかる。