呪いを解くためには、俺を殺せーー謎の少年・高良(たから)にそう言われた澪(みお)だが、高良と共に生き延びる道があるのではないかと模索していた。そんな澪に、一筋の光明が見えてくる。
古代から転生を繰り返す「千年蠱(せんねんこ)」の呪いを別のものに転化することができれば、高良を死なせずにすむのではないかーー。
澪の言葉に微かな希望を抱いた高良は、何かを思い立ち、彼女のもとを去っていく。
京都の一乗寺、蠱師(まじないし)が営む下宿屋「くれなゐ荘」が舞台。兄の漣(れん)や澪の護衛を務める波鳥(なとり)ら仲間たちが見守るなか、澪は難題に果敢に挑んでいこうとするのだが……。
京都各地の風物詩、歴史、自然を絡めて、呪いの因果が綴られる、『後宮の烏』で人気の著者による呪術幻想譚シリーズ第五弾。文庫書き下ろし。
噴石、火山灰、火砕流、土石流など、火山噴火がもたらす災害を解説するとともに、日頃の備えと、いざという時の対処の仕方を紹介。
西陣にある「なごみ植物店」で、「植物の探偵」をしている実菜と、京都府立植物園の新米職員で彼女を慕う神苗が、植物にまつわる謎を解く物語、完結編。
十日間にわたって盛大に催す予定だった北野大茶湯を、豊臣秀吉がわずか一日で中止にした理由とは? 「和の植物の博物館」を作りたいという実菜に、彼女の祖父、ダイゴ種苗社長が出した資金援助の条件は、その真相を探ること。はたして実菜と神苗は答えを見つけられるのか?
実菜と姉・花弥の幼馴染、華道次期家元の雪伸が幼い頃、亡くなった祖父と共に見た、一面赤紫と薄紅に染まった山はどこにあるのか?
中学生のミノルの友達、久美の母の実家から出てきた明治時代の籠。そのなかには布と種と和歌「昼白く 夜には黒き うらみの実 くわくわ言うて ここに納めん」が入っていた。呪いの箱ではないかと恐れる久美の両親。この箱はいったいなんなのか?
でたらめな住所から届いた葡萄とリスが描かれた掛け軸。それを見て妻が涙を流したという。掛け軸の送り主は一体誰か? など、京都の四季を背景に、植物にまつわる謎を描いた優しい連作ミステリー、ついに完結。
文庫書き下ろし。
これは「女人の哀しみ」を描いた物語ーー
作者の視点から名作を読み解く! 傑作長編小説<全五巻>
皇子二人を生んだ彰子に仕える、香子(紫式部)。彼女の書く「源氏の物語」は一条天皇も愛読するほど、宮中で影響力を持つようになる。香子は、ともに宮仕えする女房たちの境遇や悩みに触れ、様々な「女人の哀しみ」を物語に織り込んでいく。一方、道長は彰子の子である敦成親王を東宮とすべく、暗躍しーー。
香子の人生の変動とともに、『源氏物語』「下若菜」〜「総角」の帖を執筆する様を描く、圧巻の大河小説。
誰が将軍の子なのか!?
吉宗の子と噂される天一坊の他に、もう一人、ご落胤候補が……。幕府転覆を企む者たちも現れ、どうする吉宗!?
天一坊が本当に「上さまの隠し子」かどうかの謎を解くべく、龍神温泉や宝泉寺温泉に探索に向かったお庭番・湯煙り権蔵とくノ一・あけびは、驚きの事実をつかむ。そんななか、徳川吉宗がおしのびで訪れていた湯屋でもう一人、吉宗の子と目される人物が現れる。さらには偶然、天一坊や、彼を利用して幕府転覆を企む者たちが同じ湯屋で一堂に会すことになり……。笑いと興奮で人気沸騰の時代小説シリーズ第三弾!
文庫オリジナル。
「死語」と呼ばれているラテン語の、生きた姿をあなたにも知ってほしい
本書は、“ラテン語さん”として活動してきた著者が、ローマの街を歩き、言葉の痕跡をたどり、そしてラテン語だけで生活する学校で過ごした日々を綴った、初のローマ旅行エッセイです。
街角の碑文、教会の壁、噴水に刻まれた文字。
何気なく交わされる「ありがとう」という言葉。
ローマでは、2000年前のラテン語が、博物館の中ではなく、日常の風景の中で静かに息をしています。
この本は、語学書や難しい学術書とは違います。
旅の中で起きる小さな発見や戸惑い、人との出会いを追いながら、「言葉とは何か」「学ぶとはどういうことか」を、やさしく、体感的に教えてくれます。
ラテン語を知らなくても大丈夫。
むしろ、知らない人ほど楽しめる。
読み終えたあと、街の看板や言葉の由来が、少し違って見えてくるはずです。
旅が好きな人にも、言葉が好きな人にも、そして、何かをもう一度好きになりたい人にも。
ラテン語さんによる、新しい“学べるエッセイ”です。
日本人の生き方の指針として、長く愛読されてきた不朽の古典『論語』。孔子の言行を比較的平易な言葉でまとめた『論語』は、多くの金言名言の出典ともなり、私たちの生活に息づいてきた。しかし、その思想を咀嚼し、人生のなかできちんと実践することは相当に難しい。▼本書は、東洋学の泰斗として知られた著者が、『論語』を自らの生活に活かし、心を高める糧とする方途をわかりやすく説いた講話録。活学としての『論語』の読み方を絶妙なたとえ話とともに詳説した「論語読みの論語知らず」、人間の進歩向上の原理を説き明かす「中庸章句」、『論語』の多彩な群像に人の世の機微を見る「論語の人間像」、日本人に根ざした儒教的伝統を簡明に解説した「日本と儒教」の4篇を収録した。▼社会状況がめまぐるしく変転し、多くの人々が人生や仕事に迷いを抱える現代日本。時を越えて読み継がれた味わい深い言葉に触れながら、生き方の知恵を学べる本。文庫オリジナル。
●論語読みの論語知らず ●中庸章句 ●論語の人間像 ●日本と儒教
松下幸之助が世を去って11年が経つ。しかし、経営者の人気度を調査すると、いまだに上位に顔を出している。徒手空拳から事業を興し、一代で世界的な電器メーカーを育て上げたカリスマ性に、衰えぬ人気の要因があるのだろう。
この五月に本書以下「経営心得帖」「社員心得帖」「人生心得帖」「実践経営哲学」「経営のコツここなりと気づいた価値は百万両」の六冊が、「心得帖シリーズ」として一挙に文庫化された。ところが、生前“経営の神様”と呼ばれた松下がこのシリーズの一冊目に世に問うたのは「商売心得帖」という点が興味深い。
確かに松下は日本を代表する経営者である。しかし、大成した後も松下が根強く意識していたのは、ささやかな規模で始めた事業で体得した商売人としての行き方だったのではないだろうか。
まさに本書には“商売人・松下”の考え方の真髄が詰まっている。物が売れない時代に商売の原点を見詰め直すための絶好の一冊といえよう。
[第1章]商売の心得いろいろ
●世間は正しい
●対立と協調と
●どれほど喜ばれているか
●販売に成功するためには
●笑顔の景品を ほか
[第2章]人事の心得いろいろ
●人を集める第一歩は
●長所を見つつ
●人を育てるには
●好きこそものの上手なれ
●一人の責任 ほか
[補章]古今の家訓・店訓・社訓いろいろ
婚活で裏切られた男、円満夫婦の離婚騒動……傷ついた心を癒すのは、おいしい料理と女将の“見える力”!?
めぐみ食堂の新たな常連客となった大学教授の播戸は、婚活でつらい経験をしたことで、結婚に対して後ろ向きになっていた。女将の恵は、彼のことがいつになく気にかかり、婚活への後押しをすることになるが……。焼きナスの冷やしおでん、変わり枝豆、タコとアボカドのスペイン風炒め、中華風茶碗蒸しなどの季節の料理と恵との会話で、幸せに向かって一歩を踏み出す人々を描く人気シリーズ第7弾!
文庫書き下ろし。
『風姿花伝』は能の大成者・世阿弥が著した、日本最古の能楽論である。『花伝書』の名称でも知られる本書は、「花」と「幽玄」をキーワードに、日本人にとっての美を深く探求。体系立った理論、美しく含蓄のある言葉、彫琢された名文で構成される、世界にも稀な芸術家自身による汎芸術論である。原文の香気が失われぬよう、かつ自然な現代語としてスラスラと読めるよう、工夫を凝らした現代語・新訳として提供する。▼七歳から年代順に具体的な稽古要領を記した「年来稽古條々」、物真似の本質を把握し表現する「物学條々」、Q&A形式の「問答條々」。そして、「花」の本質を説いた「別紙口伝」。章立て・語り口はあくまで明快、シンプルである。大陸伝来の文化から袂を分かち、日本人自ら育て、咲かせた最初の美しい「花」--。風姿花伝は700年を経た今日でも、広く表現に携わる方々はもちろん、人生訓としても読める懐の深い名著である。
●第1章 年来稽古條々 ●第2章 物学條々 ●第3章 問答條々 ●第4章 神儀に云わく ●第5章 奥儀に讃歎して云わく ●第6章 花修に云わく ●第7章 別紙口伝
ディープフェイクとは、人工知能(AI)の技術を用いて合成された、本物と見分けがつかないほどリアルな人物などの画像、音声、映像やそれらを作る技術のことである。大統領が敵国への降伏を呼びかける動画が拡散されたり、ある企業のCEOの偽音声を用いた詐欺事件が発生するといった事例が生まれる一方、画像生成AIを用いて作成された絵画が米国の美術品評会で優勝するなど、アートやエンターテインメントの分野にも大きな変革が生じる可能性がある。
ディープフェイクを生み出す原理や社会への影響などを平易に解説し、共存せざるを得ない未来に向けて知っておくべきことを語る。
●偽ゼレンスキーかく語りき
●ディープポルノーー日本では逮捕者も
●GANの発明ーー敵対的生成ネットワークというアイデア
●画像生成AI--言葉を入力すれば絵ができる
●人はディープフェイク顔を信頼する
●脳はディープフェイクに気づいている
●フェイク動画を見破る
●ディープフェイクと共存する
女子力アップシリーズ第7弾! 毎日の学校生活や行事がキラキラ楽しくなるようなヘアアレンジをたっぷり紹介☆「寝坊しちゃったけど、ボサボサ頭で登校したくない!」「すぐにできる簡単アレンジがしりたい!」……一目でわかる「5分」マークでスピードヘアアレンジにもチャレンジ!
【内容】
<レッスン1 基本のヘアアレンジをしよう!>みつあみ/ポンパドール/サイド表あみこみ ほか
<レッスン2 シーン別ヘアアレンジレッスン>友だちとおそろいアレンジ…裏あみこみツインテール/運動会/遠足/浴衣で花火 ほか
<レッスン3 もっとヘアアレンジを楽しもう!>カチューシャであみこみ風くるりんぱ ほか
<レッスン4 ヘアケアでツヤツヤ髪に!>正しいシャンプーのしかた/寝ぐせの直し方 ほか
<レッスン5 ヘアも心もかわいくなろう!>これで迷わない毎日のヘア&コーデ例/私たちにできること…ヘアドネーションって何? ほか
●自制心・思いやりのある子、ない子……なぜ今、二極化?
●子どもの将来に影響を与える「発達格差」の実態とは?
●最新の発達心理学が明かす「現代の子どもたちのリアルな姿」
今、子どもたちの間に「ある格差」が生まれている。目標に向けて自分を制御する力「実行機能」や、他者を思いやる力「向社会的行動」の格差だ。
これは子どもたちが、「目の前のことを優先し、今を生きる」傾向にあるか、「将来に備え、未来に向かう」傾向にあるか、幼児期から二極化する現実を示している。
さらに、これらの能力が低い子どもは、将来的に健康や経済面で不利になる可能性が高く、逆に高い子どもは、有利になる可能性が高いと言う。
本書では、子どもの将来に影響を与えるこれらの能力の発達に見られる格差を「発達格差」と名付け、その実態および改善策を紹介する。子育てに悩むすべての親、教育関係者、必読の書!
その天才的な軍略の才をもって秀吉を天下人にした男、竹中半兵衛。名誉よりも美学を求めて30余年の生涯を駆け抜けた武将の生涯。
リンダ・グラットン、ジャレド・ダイアモンドら世界の知の巨人は今何を考えているのか。AIから国際情勢、人生戦略まで、未来を見通す一冊。
「10歳からの子育て」こそ、子どもと親子の将来を左右する! 男女の違い、父母の役割り分担、子離れの仕方を説く、子育て本の決定版。
2000年、全島民が避難生活を余儀なくされた三宅島。島の高校の先生と生徒が、野球を支えに困難に立ち向かう姿を描いた真実の物語。
徳川家康は名君?それとも迷君??戦国時代、最高の結束力を誇ったといわれる「三河武士団」だが、家康も家臣も、胸の内にはいろんなことが渦巻いていた。石川数正、大久保忠隣、蜂屋半之丞、奥平九八郎(貞昌)、松平家忠、ウィリアム・アダムスといった有名無名の家臣たちを主人公に、組織に生きる男たちの“ホンネ”と“タテマエ”を描きながら、彼らの目を通すことで家康の意外な素顔を浮き彫りにしていく。
あなたは「幸せになりたい人」or「幸せにしたい人」? ペンネームに「幸」が付く5人の人気作家が幸せをテーマに綴った短編小説集。
※本書は2020年刊『本屋を守れ』を改題、加筆・修正し、文庫化したものです。
インターネットで教養動画を何時間、視聴しても知識が身につかない。スマホで電子書籍を読んだが端から忘れてしまい、頭にまったく残らない。そんな経験をしたことはないだろうか。
著者は、本で得られる教養とネット・スマホの情報のあいだには隔絶たる違いがある、と語る。人間の記憶の特性上、インターネットの画面をいくら見ても教養は身につかないのだ。
また、流行のChatGPTには常識、道徳、価値観を嗅ぎ分ける力(著者いわく「校閲」)がなく、使用を誤れば社会に大混乱をもたらす、という。人工知能が危うい理由は「間違いだらけ、ウソだらけの無責任なインターネットを学習しているからです。大手出版社はどこもしっかりとした校閲部を有していて、書かれた文章の国語上の誤りばかりか、事実との相違を鵜の目鷹の目で探し、一次資料に基づき確認しています」(藤原氏)。
「ChatGPTにはこの校閲機能がありません。書物の権威、すなわち人類の知の権威は校閲に支えられている、といっても過言ではありません。これを完全に欠いたChatGPTを野放しにしておくと、やがて人類は校閲なき世界、すなわち虚実混沌の巷に落ち込んでしまいます」(同)。憂国の数学者による「読書」と「町の書店」擁護論がついに文庫化。
一、国語力なくして国力なし
二、読解力急落、ただ一つの理由
三、読書こそ国防である
四、町の書店がなぜ大切か
五、デジタル本は記憶に残らない
六、本を読まないアメリカのビジネスマン
七、日本は「異常な国」でよい
八、国家を瓦解させる移民依存政策